死神

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死神(しにがみ、Grim Reaper、Death)とは、生命を司るとされる伝説上ので世界中に類似の伝説が存在する。冥府においては管理者とされ、小説・映画など様々な娯楽作品にも古くから死を司る存在として登場する。

西洋の死神

一般的に大鎌、もしくは小ぶりな草刈を持ち、を基調にした傷んだローブを身にまとった人間の白骨の姿で描かれ、時にミイラ化しているか、完全に白骨化したに乗っている事もある。また、脚が存在せず、常に宙に浮遊している状態のものも多く、黒い翼を生やしている姿も描かれる。その大鎌を一度振り上げると、振り下ろされた鎌は必ず何者かの魂を獲ると言われ、死神の鎌から逃れるためには、他の者の魂を捧げなければならないとされる。

心霊写真においては、鎌を持った死神が写ると命に関わる危険の前兆で、たとえ鎌を持っていなくとも何らかの危機が起きる、という迷信も存在する。

基本的に、死神は悪い存在として扱われる事が多いが、死神には『最高神に仕える農夫』という異名もあり、この場合、死神は、「死を迎える予定の人物が魂のみの姿で現世に彷徨い続け悪霊化するのを防ぐ為、冥府へと導いていくという役目を持っている」といわれている。

こうした一般的に想像される禍々しい死神の姿は 一種のアレゴリーであり、死を擬人化したものである。神話や宗教・作品によってその姿は大きく変わる。時には白骨とは違った趣向の不気味なデザインとなる事もある。

日本の死神

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宗教・神話における死神

多くの文化では、その神話の中に死神を組み入れている。人間の「死」は「誕生」と共に人生にとって重要な位置を占めるものであり、性質上「悪の存在」的な認知をされているが、殆どの場合死神は宗教の中で最も重要な神の1つとされ、最高神もしくは次いで位の高い神となっている場合が多く、崇拝の対象にしている宗教もある。

この場合、単に死神崇拝といっても「絶対的な力を持つ神」の能力の一部に「生死を操る能力」があるなど、いわゆる邪教崇拝だけではない点に注意するべきである。穀物生成や輪廻転生に関連付けられる地域では死と再生の神々として捉えられることもある。

キリスト教などの一神教においては神は唯一神以外になく、実際に生物に死を知らしめ、それを執行するのは天使(いわゆる「死の天使」)である。このためキリスト教では「死神」は存在せず、代わりに「悪魔」が存在する。また、直接死神とは書かれていないが、黙示録において「第4の封印」を開けた時、「剣と飢餓を持って蒼ざめた馬に乗った"死"という者」がやって来ると記載されている。この者が神によって遣わされているという点は特筆すべきである。また民話や創作においては、神や悪魔とは別の存在(つまり和訳語の"死神"に反して神ではない)としての死神が登場する事がある(グリム童話の『死神の名付け親 Der Gevatter Tod』など)。

タロットカードにおける死神

タロット占いでは「大アルカナ」の13番目のカードとして死または死神が使われる。死神は「停止」や「損失」など、不吉な出来事の予兆とされるが、カードの組み合わせやデッキから引き出したときの図柄の向きによって「死からの再生」や「やり直し」に意味が変化する。

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死神の一覧

関連項目

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