東京都立立川高等学校
テンプレート:日本の高等学校 東京都立立川高等学校(とうきょうとりつたちかわこうとうがっこう)は、東京都立川市錦町にある都立高等学校。通称「立高(たちこう)」。本項では特に注記しない場合、主に全日制課程について記述する。
目次
概要
府立二中を前身とする都立高。かつては女子が全体の三分の一程度しかいなかったため、「男子クラス」制度をとっており、男子は3年間に1度しか、女子と同じクラスにはなれなかった(1985年度の入学生から廃止)。
グループ選抜以降はやや低迷したが、2002年に進学指導重点校に指定された。「立高アドバンス計画」と称した改革を行い、都立校として初めての65分授業の導入や、自校作成問題の実施、進学指導体制を実施した。ただし、2012年度より新課程に対応するため、授業は50分、毎週ではないが土曜授業を実施、2学期制から3学期制に変更され、週35時間の授業時間となった。1・2年生は全員共通履修で、理科は物理、化学、生物、地学の4分野を、地歴・公民も世界史、日本史、地理、倫理、政経の5科目を全員学習できるようになっており、文系選択でも数学を3年間切れ目なく履修する、難関国立大学入試に対応した体制になっている。また、高大連携により東京工業大学、東京農工大学、東京学芸大学、中央大学、東京経済大学の授業を受けることができる。
校風は質実剛健でバンカラ。合唱祭・体育祭・演劇コンクール・文化祭などの生徒会行事や部活動の企画・立案・運営は生徒が自主的に行っている。 同窓会が寮を所有しており、千葉県館山市にある「清明寮」(2012年、改築)では1年生全員を対象に伝統の臨海教室が実施されている。長野の「神城山荘」ではスキー教室が実施されていたが、老朽化のため2011年を最後に閉鎖された。
トレーニングマシンが設置された体育館、テニスコート(5面)、多目的コート(2面)、グラウンド(サッカー1面(野球1面と共用)、ハンドボール1面)、トレーニングルーム(卓球、ダンス)、柔道場と剣道場が揃った格技棟(屋上にプール)がある。 特別教室は、コンピュータ室、視聴覚室(+プラネタリウム)、天文台(大型望遠鏡完備・公開講座も開催)、音楽室、美術室、工芸室、被服実習室、調理実習室、講義室(階段教室)、生物、化学、物理、地学の各実験室、社会科室がある。また自習室、カウンセリングルーム(週に一日専門カウンセラーが来校)がある。 一足制を導入しており、上履き不要。制服、指定の体操服などはない。
沿革
- 1901年 - 東京府第二中学校として開校、7月、東京府立第二中学校と改称する (この年に、既に開校していた府立一中分校が府立三中となり、東京府城北尋常中学校が府立四中となる。)
- 1910年 - 校歌制定。作詞:前田恒樹、作曲:南能衛[1]
- 1924年 - 自学自習による学習方式採用(1928年まで)。
- 1938年 - 新校舎竣工。
- 1943年 - 東京都立第二中学校となる。
- 1948年 - 東京都立第二新制高等学校となる。
- 1949年 - 男女共学実施。
- 1950年 - 東京都立立川高等学校となる。
- 1952年 - 学区合同選抜制度導入。
- 1967年 - 学校群制度施行。国立高校と72群を組む。
- 1969年 - 高校紛争が激化、学校占拠で4生徒が退学処分。
- 1982年 - グループ合同選抜制度導入。同時に学区が改編され、第8学区81グループに編成される。
- 1992年 - 創立90周年並びに新校舎落成記念式典挙行。
- 1994年 - 単独選抜に移行する。
- 2001年 - 創立100周年記念式典挙行。
- 2002年 - 進学指導重点準備校となる。
- 2003年 - 進学指導重点校となる。
- 2008年 - 空調工事竣工。
- 2011年 - 創立110周年記念式典。
行事
- 入学式
- 新入生歓迎会
- 合唱祭 合唱祭は3つの学年24クラスが競う形で行われ、近くの多摩川緑地で放課後練習に励み、クラスの団結力が高まる。
- 体育祭
- 臨海教室 館山の「清明寮」で1年生全員参加で行われる。遠泳を泳ぎきることで「真の立高生」になるといわれている。
- 演劇コンクール 2クラスが合同となって1つの演劇作品を創り上げ、その完成度を競う。
- 立高祭
- クラスマッチ
部活動
現在37の部活動があり、部活動加入率は98%を超え、学芸系、運動系を問わず活発に活動している。定時制がある関係で、17時以降の校内での活動はできないが、朝の時間や昼休みなどを有効に使い工夫して活動している。2013年にはMUSIC CREATE CLUBが2年連続東京都軽音楽秋大会決勝に進出し、演劇部が東京都高校演劇研究会長賞・落合矯一賞・中央委員会賞を受賞した。また、クイズ研究部が存在し、都立高校ではトップの実績を誇っている。
交通
関連団体
- 紫芳会・・・同窓会
主な出身者
政治
- 津雲国利 - 政治家、拓務政務次官・衆議院議員(1928年-45年、53年-55年、60年-63年) / 二・二六事件に関わる(1938年5月6日 無罪判決)
- 鈴木俊一 - 元東京都知事、内閣官房次長(内閣官房副長官)、自治庁事務次官、内務官僚
- 石川要三 - 政治家、元防衛庁長官
- 高村正彦 - 政治家、外相、弁護士、中大卒
- 中井洽 - 政治家、国家公安委員会委員長、慶大卒
- 小沢和秋 - 政治家、元衆議院議員(日本共産党)
- 若林義春 - 政治運動家、日本共産党東京都委員会委員長
- 邑上守正 - 東京都武蔵野市長
- 竹内俊夫 - 東京都青梅市長
- 石阪丈一 - 東京都町田市長
- 馬場弘融 - 東京都日野市長
- 並木心 - 東京都羽村市長
- 青木久 - 前東京都立川市長
- 吉尾勝従 - 前東京都調布市長
- 前田雅尚 - 前東京都小平市長
- 志々田浩太郎 - 元東京都武蔵村山市長
- 関谷源兵衛 - 元東京都八王子市長
行政
- 五十子巻三 - 満州国関東庁東満総省長(昭和20年)、農商務官僚
- 守屋一彦 - 元日本化学繊維協会副会長・理事長、通産官僚
- 三上義忠 - 元知的財産研究所専務理事、元日本品質保証機構副理事長、元中小企業庁次長
- 松藤哲夫 - 北海道電力副社長、通産官僚
- 小川忠夫 - オートレース振興協会理事長、通産官僚
- 寺田範雄 - JOGMEC理事、元全国商工会連合会専務理事、経産省通商政策局経済協力部長
- 橋本城二 - 元政治運動家、元特許庁審査第一部長、通産官僚、一橋大卒
- 金野俊美 - 元大蔵省印刷局長、元大蔵省銀行検査部長、1963年大蔵省入省
- 藤城眞 - 行政刷新会議事務局参事官、1984年大蔵省入省
- 山口憲美 - 元郵政審議官、元郵政省通信政策局長・貯金局長
- 横田吉男 - 元厚生省児童家庭局長
- 三好敏之 - 金融庁広報室長、IMF日本理事室審議役
- 浦部和好 - 元内閣官房副長官補、元駐エジプト大使
経済
- 川上哲郎 - 関西経済連合会10代会長、元住友電気工業社長・会長
- 木原信敏 (1944) - ソニー木原研究所会長
- 澤田浩 (1948) - 日本製粉社長
- 城石武 (1951) - 清水建設最高顧問
- 後藤卓也 - 花王社長
- 中村維夫 - NTTドコモ社長
- 兼子孝夫 - 富士通ビーエス・シー社長
- 川口周作 - ゼネラルコンファーム社長
- 熊沢健 (1954) - くまざわ書店社長
- 渡辺紀征 (1959) - 元西友取締役会議長兼最高経営責任者
- 多田正浩 (1960) - 情報工房社長
- 高向巌 - 北洋銀行会長
- 重茂達 - アデコキャリアスタッフ(現アデコ)元社長
- 佐藤ゆき子 - ケフィア倶楽部社長
- 中井省 - 日本証券投資顧問業協会副会長専務理事、ロッテ元取締役、元大蔵省財政金融研究所長 / 日債銀問題での銀行局審議官、兄に中井洽
- 井之上喬 - 井之上パブリックリレーションズ取締役社長、株式会社日本パブリックリレーションズ研究所取締役社長、国連開発計画日本DEVNET協会常任理事、早稲田大学客員教授
- 村内道昌 - 村内ファニチャーアクセス会長
- 野辺田一子 - イーテス社長
- 村田倉夫 - 元京成電鉄社長
- 河端真一 - 学究社社長
学術・文化
- 阪本牙城 - 漫画家 / 「タンク・タンクロー」
- 村野四郎 - 詩人
- 東海林さだお - 漫画家 / 「アサッテ君」など新聞で連載
- 高見映 - タレント / 「ノッポさん」
- 鶴見済 - フリーライター
- 清水哲男 - 詩人
- 富田一彦 - 代々木ゼミナール英語科講師
- 石坂公成 - 医博、東京大学名誉教授。朝日賞、学士院恩賜賞、文化勲章
- 肥沼信次 - 医学者
- 唐澤祥人 - 日本医師会会長
- 三浦朱門 - 作家、文化庁長官。芸術院賞、恩賜賞、文化功労者
- 人見楠郎 - 昭和女子大学前理事長・元学長
- 藤原鎮男(1938) - 理博。日本分析学会会長、情報知識学会会長、東大名誉教授
- 大谷俊昭(1958) - 酪農学園大学学長
- 石井公成 - 仏教学者
- 吉増剛造 - 詩人、紫綬褒章
- 村松祐次 - 元一橋大学教授。経済史、学士院賞
- 浦田一郎 - 一橋大学名誉教授。憲法学、全国憲法研究会代表
- 只野雅人 - 一橋大学教授。憲法学
- 田中一弘 - 一橋大学教授。経営学
- 伊勢崎賢治 - 東京外国語大学総合国際学研究院(国際社会部門・国際研究系)教授(紛争解決プログラム)
- 鈴木日出男 - 東京大学名誉教授。国文学。
- 小熊英二 - 慶應義塾大学教授。人類学者。
- 山田敦 - 一橋大学教授。国際関係学・国際政治経済学者。
- 須崎愼一 - 神戸大学大学院国際文化学研究科教授、歴史学者
- 松本富子 - 群馬大学教授、体育学
- 宮本悟 - 中央大学准教授、社会保障論
- 黒岩比佐子 - ノンフィクション作家
- フィドラー上田雅子 - 米国ブラウン大学教授、スラブ語
- 三浦俊彦 - 哲学者
- 多和田葉子 - 作家
- 荻原規子 - 作家
- 井上一馬 - 作家、翻訳家
- 木村富美子 - 随筆家
- 米山公啓 - 作家、医師
- 辰巳渚 - 作家 / 著作「捨てる技術」など
- 矢島誠 - 推理作家
- 奥寺敬 -医師 富山大学大学院医学薬学研究部教授、危機管理医学(救急・災害医学)
- 箕輪良行 -医師 聖マリアンナ医科大学救急医学センタ教授
- 井原奉明 - 昭和女子大学教授
- 稲葉なおと - 紀行作家、一級建築士、写真家
- 河林満 - 作家
- 坂本一成 - 建築家
- 白澤宏規 - 建築家、東京造形大学教授・元学長
- 杉本貴志 - デザイナー、スーパーポテト代表、武蔵野美術大学空間演出デザイン科主任教授
- 田勢康弘 - 政治ジャーナリスト、日本経済新聞コラムニスト、早稲田大学大学院公共経営研究科客員教授
- 小野嘉之 - 東邦大学教授、理学部長。
- 時実象一 - 愛知大学文学部図書館情報学専攻教授
- 野沢正光 - 建築家、武蔵野美術大学客員教授
- 北御門はる - チェンバロ奏者
- 鶴間和幸 - 学習院大学教授、歴史学者。始皇帝陵の研究で有名。
- 若林奮 - 彫刻家
芸能・マスコミ
- 西村潔 - 映画監督・東宝アクション映画
- 荒井晴彦 - 映画脚本家・映画監督。「映画芸術」編集長。
- 田中千世子 - 映画評論家
- 黒澤満 - 映画プロデューサー
- 黒川順子 - 女優
- 広田豹 - 俳優、ナレーター
- 太田真一 - 元NHKアナウンサー
- 好本恵 (1972) - フリーアナウンサー
- 秋田建三 - 元NHKアナウンサー
- 青沼郁夫 - NHKアナウンサー
- 町田右 - NHKアナウンサー
- 村山貢司 - 気象予報士
- 下村健一 - ジャーナリスト兼市民メディア・アドバイザー、元TBSアナウンサー
- 佐藤公俊 - 気象予報士
- 古川あんず - 舞踏家(高校紛争で退学処分)
- 落合昭彦 - えふえむ花巻放送局長。元岩手めんこいテレビアナウンサー
スポーツ
関係者
関連書籍
- 「樹上のゆりかご」 荻原規子 中央公論新社
- 「ショージ君の青春期」 東海林さだお 文春文庫
- 「東京府立中学」 岡田孝一 同成社
- 「モーニング・レイン」井上一馬 新潮社
- 「犬婿入り」多和田葉子講談社
- パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い 講談社 2010 ISBN 978-4-06-216447-4
脚注
関連項目
外部リンク