UCC上島珈琲
ユーシーシー上島珈琲株式会社(ユーシーシーうえしまコーヒー、UCC Ueshima Coffee Co.,Ltd.)は兵庫県神戸市中央区に本社を置くコーヒーを中心とした飲料・食品メーカー。みどり会の会員企業。
コーポレートメッセージは、”Good Coffee Smile”
目次
概要
創業者の上島忠雄(1910年10月25日 - 1993年10月31日)が1933年(昭和8年)に個人商店として創業。現在でもほぼ同族経営である。呼称のUCCは"Ueshima Coffee Co.,Ltd."の頭文字に由来している。レギュラーコーヒー豆はもちろんだが、1969年(昭和44年)に世界初のミルク入り缶コーヒー、「UCCコーヒーミルク入り」(現在の「UCCミルクコーヒー」。別名「UCCオリジナル」)を発売したことでもその名を知られている。
自社のコーヒー農園を展開しており、1981年(昭和56年)にジャマイカでブルーマウンテンの農園を開設。1989年(平成元年)にはアメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島でコナコーヒーの農園を開設させた。他にも1995年(平成7年)にはインドネシアスマトラ島でマンデリンの農園を開設している。なおブルーマウンテンコーヒーの直営農園は同社が初めてである。
東京都目黒区に本社があるウエシマコーヒーは100%子会社であるが、同じく神戸市中央区に本社を置くウエシマコーヒーフーズ(U.COFFEE)との関連は一切ない。北海道で広く展開しているサッポロウエシマコーヒー(ユーコーヒーウエシマ)とは企業としての関連はなかったが、2008年に完全子会社化されている。また、大阪府堺市の上島珈琲貿易(マックコーヒー)は、UCCグループ会社ではないが、上島忠雄の兄である上島勝が創業者である。
東京ディズニーリゾート(東京ディズニーランド・東京ディズニーシー)・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン・倉敷チボリ公園(2008年閉園)・ハウステンボス・宝塚歌劇のオフィシャルスポンサーである。
2010年(平成22年)4月1日付で持株会社制に移行し、社名をUCCホールディングス(登記上は、UCCではなくユーシーシー)へと変更、事業部門を新設のUCC上島珈琲に分割し、シャディ、ユーシーシーフーヅ、ユニカフェなどともに傘下に収めた。
2012年(平成24年)3月30日、シャディの全株をニッセンホールディングスに譲渡するとともに、第三者割当増資により、ニッセンホールディングスの筆頭株主になる[1]。
主力製品
- レギュラーコーヒー - ゴールドスペシャルなど
- インスタントコーヒー - ザ・ブレンドなど
- 缶コーヒー - UCCミルクコーヒー、UCC BLACK無糖など
- ギフトセット
限定商品
缶コーヒーでは不定期に(主に冬季から早春にかけて)期間限定のプレミアム無糖を発売している。当初はデフレ脱却に対する試みとしておこなわれ、その後趣旨を「普通のブラック缶コーヒー」に飽きた男性を主なるターゲットにして販売。値段も10円 - 30円増であり、内容量も少ない。2010年現在では、缶コーヒーとしては珍しい無糖のエスプレッソや無糖、および微糖のミルク入りブレンドコーヒー「UCC THE CLEAR」(旧:UCCカフェブルーノ・無糖)なども発売されている。2010年11月期間限定生チョココーヒー発売。
その他
旧来からの人気商品が主力だが、『BARISTA』(バリスタ)シリーズ、『ブルーマウンテン』シリーズ、『職人の珈琲』シリーズ、『珈琲専門店のこだわりコーヒー』など新シリーズも増えてきている。これらは缶より紙パックやペットボトルが主流である。
- UCC ミルクコーヒー
- UCC BARISTAキャラメルラテ
- UCC BARISTA濃厚カフェラテ
- 珈琲専門店のこだわりコーヒー
- 職人の珈琲(ボトルコーヒー。全て「コーヒー飲料」規格)
- 水出し珈琲
- ブルーマウンテンブレンド
- UCC ブレンドコーヒー
- フルスロットル(コーヒー入り炭酸飲料)
プライベートブランド商品
- セブンプレミアムシリーズ - セブン&アイ・ホールディングスとの共同開発商品[2]。
- ローソンセレクト - インスタントコーヒーの製造元がUCC上島珈琲である。
関連企業
- 沖縄ユーシーシーコーヒー株式会社 - 沖縄県浦添市。
- 日本パーソネルセンター株式会社 - 神戸市中央区。
- 日本ヒルスコーヒー株式会社 - 神戸市中央区。
- 株式会社ホーマーコーポレーション - 滋賀県東近江市。
- ユーシーシーフーヅ株式会社 - 東京都港区。
- 多聞フーヅ株式会社 - 神戸市中央区。
- 株式会社ユニカフェ - 東京都港区。
- サッポロウエシマコーヒー株式会社 - 札幌市中央区。
- ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社(神戸市中央区) - 欧米発の「カフェ文化」に対抗する形で、かつて存在していた「日本独自の喫茶文化」を見直すという意味合いを込め、レトロモダンを基調にした珈琲店「上島珈琲店」を関東・関西圏で店舗展開している。
- ラッキーアイクレマス株式会社 - 神戸市東灘区。
- 株式会社ユーコット・インフォテクノ - 神戸市中央区。UCCホールディングスと富士通の共同出資による情報処理サービス業。
- ユーシーシーキャピタル株式会社
過去の関連企業
企業博物館
自販機事業
テンプレート:出典の明記 かつては世界初の缶コーヒー「UCCミルクコーヒー」(「UCCオリジナル」)を開発し、本業のレギュラーコーヒーのみならず、自販機事業でも1980年代後期頃までは業績も好調であった。しかし1990年代に入ると、サントリーから発売された「BOSS」を発端として、缶コーヒーのブランディング競争が激化してゆく。また、自販機でも缶コーヒーを含め、缶紅茶、缶入り日本茶、炭酸飲料水など、総合的な品揃えのものに客が流れるようになってゆく。
UCCは缶コーヒーで先発した企業であったが、皮肉なことにこれが足かせとなった。缶コーヒーでは1988年(昭和63年)頃に「モカブレンド」「キリマンジャロブレンド」などを送り出してはいたが、パッケージやブランドイメージがよくなかったため、低調な売り上げが続いた。
その他の缶紅茶、缶入り日本茶も地味なブランドイメージで、完全に後手に回った格好となった。特に缶入り日本茶の類では、地味なブランドイメージから売れ行きが悪く、2年以上続かないブランドが相次いでいた。1994年(平成6年)には“完全無糖なのに、おいしい”のキャッチコピーで知られた「パラダイスティー」[3]を発売するも失敗に終わった。また缶紅茶でも1990年代に「霧の紅茶」を送り出すも売れ行きは低迷し、1995年(平成7年)に「レイスビーホール」へとブランドを変えるも僅か1 - 2年で低迷し、再度「霧の紅茶」に戻すなど安定しない状況が続いた。
主力の缶コーヒーでも1990年代に「メジャー MAJOR」を発売するが、ブランド力の低さから1990年代中期には「UCCスーパーオリジナル」「UCCスーパー2」「グアルジャー」などへと変遷した。1994年(平成6年)に「UCCブラック・無糖」を発売し、そこそこの知名度を得て販売量も改善したものの、それ以外は他のメーカーに大きく水を開けられ、ブランドイメージ競争に完全に負けた格好となった。結果、2000年(平成12年)にネスレマニュファクチャリング(2011年にネスレ日本に吸収合併[4])に譲渡することになった。
沖縄県では自販機事業を継続しており、日本コカ・コーラに匹敵する数の自販機がある。コーヒー中心の本土と異なり、「霧の紅茶」・「シークワサー」・「さんぴん茶」などが売れ筋である。一方、沖縄県以外では「UCCオリジナル」「UCCスーパー2」などの缶コーヒーは複数のメーカーが共同で入っている自動販売機でしか買うことができない。ただし「ブラック・無糖」はローソンやセブンイレブンなどのコンビニエンスストアで販売されている。また、「UCCオリジナル」は一部スーパーでも販売されている。
広告・CM
前述のように、自販機事業を持っていた1999年頃まではテレビを中心に多数CM[5]放映されていたが、ここ数年間の間にロングセラーとなったのは「ブラック・無糖」のみで、それ以外にCMは制作されておらず、主に印刷メディア(雑誌、新聞など)や駅に張られた看板等の広告が多くなっている。
東京の八重洲口ビルに長きにわたってネオンサインを設置している。他には横浜・関内駅近くと神戸・三ノ宮駅近く、札幌・大通公園前などにも同社のネオンサインがある。また、東京・渋谷の駅前ビルの屋上にも、1993年(平成5年)から1998年(平成10年)頃まで、巨大ネオンサインを設置していた。こちらは維持費が嵩み、また自販機事業が低迷していた時期もあり、5年で撤退している。
2010年2月5日にはTwitterを用いたキャンペーンを展開するも、不特定多数のユーザーにメッセージを送信するspam行為が問題となり、わずか数時間で収束し、謝罪を表明している[6][7]。
歴代CM出演者
- UCCレギュラーコーヒー
- UCC缶コーヒー
- 田淵幸一 - UCCオリジナル
- 荒木由美子 - UCCオリジナル、UCCブラック、UCCアメリカン
- アイリーン・キャラ - マンハッタンストーリー
- 渡辺美里 - UCCオリジナル
- 鷲尾いさ子 - 同上
- Lip's - UCCオリジナル、ビター、ハーフビター
- 菊池桃子 - UCCオリジナル
- 所ジョージ - 同上[8]
- 三宅弘城 - 同上
- 世良公則 - MAJOR(メジャー)
- 萩原健一 - 同上
- 天海祐希 - UCCブラック・無糖[9]
- 西島秀俊 - UCCスーパーオリジナル
- 赤井英和 - 同上
- 野村宏伸 - 同上
- 反町隆史 - UCCスーパー2
- 松井稼頭央 - 同上
- 金城武 - グアルジャー
- ナインティナイン - UCCオリジナル
- 高良健吾 - UCCブラック・無糖
- その他
歴代キャンペーンソング
- 田中昌之『1000カラットのサマー・ブロンズ』(1986年)
- 渡辺美里『恋したっていいじゃない』(1988年)
- 渡辺美里『センチメンタル カンガルー』(1988年)
- 渡辺美里『10 years』(1988年)
- 笠浩二『30センチでつかまえて』(1989年)
- Lip's 『愛の魔力』(1989年)
その他
- YSR50UCC - Yamaha Racing Team 企業広告限定車
スポンサー番組
現在
- 無し
過去
- 木曜ゴールデンドラマ(日本テレビ・読売テレビ共同枠 → 読売テレビ制作・日本テレビ系)一時期の提供。(複数社の1社)
- 金曜ドラマ→水曜ドラマ→金曜ドラマ(TBS系)一時期の提供。
- 八木治郎ショー・いい朝8時(毎日放送制作・TBS系)
- ゴールデン洋画劇場(フジテレビ系)
- 木曜洋画劇場(テレビ東京系)
- 金曜プレステージ(フジテレビ系)
- 金曜ロードショー(日本テレビ系)拡大版やレギュラースポンサーを一時期提供。
- FNNスーパーニュース(フジテレビ系)
- サンテレビボックス席(サンテレビ)
- 松任谷由実のオールナイトニッポン(ニッポン放送・NRN系ほか)クボタと共に番組スポンサーを担当。
ほか ※このほか三井物産食品グループの1社として、番組提供していた時期も過去にあった。
関連項目
- 東京ディズニーリゾート - オフィシャルスポンサー
- ミー・アンド・マイガール - 宝塚歌劇における協賛ミュージカル。1987年の初演からずっと継続している。
- 名古屋グランパスエイト - 1996年-2006年にユニフォーム(練習着)スポンサーを務めた。
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版 - 第1作「序」、第2作「破」ともにプロダクトプレイスメント契約に基づいて商品が作品中に登場している。
- ジョルト・コーラ - かつての日本での販売元。イメージキャラクターをビートたけしがつとめていた。
- C62ニセコ号 - 1988年~1995年の運行当時カフェカーを運営
- UBC上島珈琲 - 大陸の中国で営業されているレストラン。名称は「上島珈琲」であるが、関連は一切ない。
脚注
- ↑ 但し、2013年度下半期中にセブン&アイ・ホールディングスによるTOBに賛同したため、たった2年足らずで資本関係は事実上解消されている。
- ↑ セブンネットショッピング 2013年1月4日閲覧テンプレート:リンク切れ
- ↑ 現在でも少量ながら製造されている。例えばファミリーレストランのロイヤルホストでは、レジカウンターそばにある持ち帰り用のマフィンやクッキーと共に販売されている。
- ↑ ネスレの歩み(ネスレ日本)
- ↑ 通常のテレビCMの他に、過去には、1990年と1991年にはフジテレビで放映された年末特番で、スポンサーについていたこともあり、同番組内でのみ放映された120秒CM「UCC CHALLENGE」を2本ずつ制作し、放映していた時期もある。
- ↑ Twitterでのキャンペーン告知に関するお詫び| UCC上島珈琲
- ↑ 「Twitterを理解していなかった」――UCC、キャンペーン“炎上”を説明 勉強会で経験共有へ,ITmedia,2010年2月9日
- ↑ 所ジョージと菊池桃子は、1996年当時UCCオリジナル発売25周年ならびに発売120億本を記念して、「うまいのはコーヒー会社の缶コーヒー」というキャッチフレーズでCMに登場した。
- ↑ 宝塚歌劇月組トップ時代には同社が販売する缶紅茶、「レイスビーホール」のCMにも出演したことがある。