S

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Sidebar Sは、ラテン文字アルファベット)の19番目の文字。小文字は sギリシャ文字Σ(シグマ)、キリル文字Сと同系の文字である。

字形

左半円の下に右半円を重ねた形である。これはテンプレート:要出典、Σ(シグマ)の小文字語末形 ς と共通の形である。大文字も小文字も同じ形である。

  • 大文字の筆記体は、しばしば、左半円の右半分に、本来の曲線と交差しながら左下から線が延びる。
  • 小文字の筆記体は、前述の大文字の筆記体の下半分であり、左下からの斜線から山形に曲がって、右下半円を上から時計回りに描き、最初の斜線に到達して引き返し、次の文字に続く。
  • 過去に、「長いs」と呼ばれる、ſ(f に似ているが、横棒がある場合右に突き出さない)が用いられた。
  • フラクトゥールに関しては以下の特徴を持つ。
    • 大文字は<math>\mathfrak{S}</math>であって、他の書体のGとよく似ている。ちなみにGのフラクトゥールは<math>\mathfrak{G}</math>である。
    • 小文字は<math>\mathfrak{s}</math>であるが、この字体は語尾にしか使われず、語頭・語中には長いs(ſ) のファイル:Fraktur langes s001.pngが常用される。

呼称

音素

この文字が表す音素は、テンプレート:IPA2無声歯茎摩擦音)ないしその類似音である。ただし、西欧の多くの言語で、母音・有声子音に挟まれた単独のsを有声のテンプレート:IPA2で読む。この場合、母音・有声子音に挟まれた無声のテンプレート:IPA2を表すにはしばしばssと書く。

  • ドイツ語では無声のテンプレート:IPA2を表すのに短母音の後で ss, 長母音の後ではßを使う。標準語では母音の前のsを有声で発音する。
  • フランス語では、無声のテンプレート:IPA2を表すのにしばしばcないしçを使う。また、フランス語では語末のsを原則として黙字化するが、次の単語が母音で始まる場合にはリエゾンして テンプレート:IPA2 で発音される。
  • イタリア語では、sを有声で読むか無声で読むかは方言により変化する。標準語では単語ごとに異なる。
  • 英語も、単語ごとに異なる。単語によってはどちらで読んでもいいもの、意味により変化するものがある。また単語によっては、テンプレート:IPA2を表すsをzで書き換えることができる。また、dessert, possession は例外的に濁る。
  • ハンガリー語では、[[無声歯茎硬口蓋摩擦音|テンプレート:IPA2]]をあらわす。テンプレート:IPA2 をあらわすには sz を用いる。
  • 日本語のローマ字表記ではサ行の子音に用いる。ヘボン式ではシおよびシャ、シュ、ショの子音はshとする。
  • 朝鮮語のローマ字表記では初声のに用いる。はssとする。
  • sh(英語)は/ʃ/、sch(ドイツ語)も/ʃ/、tsch(ドイツ語)は/tʃ/である。

S の意味

ファイル:SeimiKaisouChemistry.jpg
宇田川榕菴が著した「舎密開宗」の化学実験図。実験に用いる器具を「S字様管」と記している。

符号位置

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
S テンプレート:FormattingError 1-3-51 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#83;
s テンプレート:FormattingError 1-3-83 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#115;
テンプレート:FormattingError 1-3-51 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#65331;
テンプレート:FormattingError 1-3-83 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#65363;
全角

関連項目

テンプレート:ラテン文字