ジャガー
ジャガー(Panthera onca)は、哺乳綱食肉目ネコ科ヒョウ属に分類される食肉類。古代中米では「雨の神」とされた。
分布
形態
体長は頭胴長約120-185cm、尾70-91 cm。体重は45-158 kg。ネコ科の動物としてはトラ、ライオンに次ぐ大きさであり、南北アメリカでは最大。また体格に比べ頭骨が大きく、噛む力が非常に強いのが特徴。体色は黄色で背面には黒い斑紋に囲まれたオレンジ色の斑紋(梅花紋)が入る。ヒョウと似ているが、輪の中に黒点があること、ジャガーの方が体格が頑丈で、頭骨が大きく足が短いことなどにおいて異なる。現存するネコ科では本種が最もスミロドンの体型に近いともいわれる。ジャガー(Jaguar)という名前は南アメリカインディアンの“ヤガー”という言葉から来ており、これは「一突きで殺す者」という意味が含まれている。なお、雄ジャガーと雌ライオンにも種間雑種を生じることができ、この雑種はジャグリオンと呼ばれる。 また、ヒョウと同様に黒変種(ブラックジャガー)も存在する。
亜種
- Panthera onca onca (Linnaeus, 1758)
絶滅亜種
生態
密生した熱帯雨林からまばらな林、草原や沼地に至るまで様々な環境に生息し、主として夜行性で単独生活をしている。木登りを得意とし、アルマジロやカピバラなどの齧歯類、ペッカリー、バク、ナマケモノ、ホエザル等の霊長類を襲う他、ネコ科の中では水を嫌がらず泳ぎが得意なので、魚、カメ、カイマンといった小型のワニ、オオアナコンダを含むヘビなどを強靭な顎で捕食する。稀に家畜や人も襲う事でも知られる。数平方キロに及ぶ縄張りを単独で維持し、排泄物や爪とぎでマーキングしている。出産は2年に1回、妊娠期間は100-110日で、2-4匹を産む。生まれた子は2年以上母親と暮らし、狩りの技術を習得する[1]。
Status
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))- ワシントン条約附属書I
画像
- Junior-Jaguar-Belize-Zoo.jpg
動物園のジャガー
- Panthera onca.jpg
アルゼンチンで保護されたジャガー
- Black Jaguar (Panthera onca).JPG
黒変種は6%ほどの割合で誕生する。
- Black jaguar.jpg
ブラックジャガー
- Jaguarpickingupcub08.jpg
母親は、子を運ぶ際に首を噛む
- Panthera onca at the Toronto Zoo 2.jpg
トロント動物園のジャガー
- Jagvstapir.jpg
バクを襲うジャガーの絵
- Jaglion.jpg
雄ジャガーと雌ライオンの雑種、ジャグリオン
関連項目
外部リンク
- Cat Specialist Group 2002. Panthera onca. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.
脚注
- ↑ ナショナルジオグラフィック日本公式サイト「ジャガー」解説より