長野総合車両センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(長ナノから転送)
テンプレート:Notice テンプレート:車両基地 長野総合車両センター(ながのそうごうしゃりょうセンター)は、長野県長野市西和田二丁目にある東日本旅客鉄道(JR東日本)長野支社の車両基地および車両工場。北長野駅付近に位置している。
JR在来線で初めて、車両基地と車両工場を一体化させた区所である。
鋳物職場では鋳鉄制輪子やNN46ブレーキライニング(ブレーキパッド)などを製造している。なお、JRの車両工場で鋳物職場が現存するのは当センターと北海道旅客鉄道(JR北海道)苗穂工場のみである。
目次
配置車両の車体に記される略号
整備済み車両の車体に記される略号
「NN」「長野総合車セ」(「長野工」→「長総車所」→「長野総合車セ」と推移。)
歴史
- 1890年2月16日:上水内郡芹田村大字栗田(現在の長野駅東口)に内閣鉄道局長野器械場発足。
- 1890年2月16日:逓信省鉄道局に移管のうえ、長野工場に改称。
- 1897年8月18日:逓信省鉄道作業局に移管。
- 1907年4月1日:逓信省帝国鉄道庁に移管。
- 1908年12月5日:内閣鉄道院中部鉄道管理局に移管。
- 1920年5月15日:鉄道省名古屋鉄道局に移管。
- 1942年9月11日:鉄道省新潟鉄道局に移管のうえ、長野工機部に改称。
- 1943年11月1日:運輸通信省新潟鉄道局に移管。
- 1945年6月1日:運輸省新潟鉄道局に移管。
- 1945年:上水内郡吉田町に長野工機部吉田分所を設置。
- 1949年6月1日:日本国有鉄道新潟鉄道局に移管。
- 1952年8月5日:長野工場に改称。
- 1964年:長野工場吉田分所を長野工場本工場に、(旧)長野工場本工場を栗田分所に改称。
- 1968年7月25日:車両基地として長野運転所が発足。
- 1969年:長野工場栗田分所を廃止し、本工場に集約。
- 1986年9月1日:長野運転所と長野運転所第二分所を統合し、長野第一運転区発足。
- 1987年3月1日:長野第一運転区が北長野運転所に改称。
- 1987年4月1日:国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道に継承。
- 1991年7月1日:長野工場と北長野運転所を統合し、長野総合車両所発足。
- 2000年2月25日:ISO9001認証取得。
- 2004年6月1日:長野総合車両センターに改称。
配置車両
2014年4月1日現在の配置車両は以下の通り[2]。
電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
269両 | 20両 | 1両 | 0両 | 0両 | 290両 |
電車
- 183系・189系(24両)
- 6両編成(N101・104:国鉄色、N102・103編成:あさま色)4本が配置されている。
- 普通・快速「妙高」や快速「おはようライナー」、しなの鉄道線の快速「しなのサンライズ号」などで運用される。過去には、特急「みのり」で新潟駅までの運用実績もある。臨時列車では、快速「ムーンライト信州」、特急「あずさ」などに使用されることが多く、豊田車両センター配置のあずさ色189系の検査時には「ホリデー快速富士山」の代走もある。団体臨時列車に使用されることもあり、それらをあわせて頻繁に首都圏に乗り入れている。
- おもに、1997年の長野新幹線開通以前に在来線のエル特急「あさま」で運用されていた189系を、普通車のみの6両編成に組み替えた編成である。N101編成は制御車に房総・総武特急で使用後、「あずさ」で運用されていたクハ183-1525・1528が組み込まれている。これは臨時特急「はまかいじ」を当センターで担当することになった際、京浜東北線・根岸線へ乗り入れることからATC-6形搭載の必要があったためで、元々東京地下駅乗り入れ用にATC機器室を装備していた同番台車が松本車両センターから転入したものである。
- N104編成は大宮総合車両センターからの転属車であり、2013年7月30日から運行を開始した。なお、N104編成は「妙高」などの定期運行列車には充当されず、「あずさ」の臨時増発時など、主に臨時列車として用いられている。
- 115系(168両)
- 6両編成(C1 - 14編成)14本、3両編成(N1 - 14・16・21 - 26・28 - 33編成)27本、訓練車の3両編成(N15編成)1本が配置されている。塗装は長野色だが、C1編成は横須賀色、N9編成と訓練車は湘南色となっている。
- 中央本線(立川 - 塩尻 - 中津川・岡谷 - 辰野 - 塩尻)、大糸線(松本 - 信濃大町)、篠ノ井線(全線)、信越本線(篠ノ井 - 柿崎)、飯田線(飯田 - 辰野)、およびしなの鉄道線(篠ノ井 - 軽井沢)の普通列車で運用される。
- C編成は2007年3月に松本車両センターから転入した車両で、主に中央東線で運用される。また、2010年(平成22年)12月のダイヤ改正までは、通常時は豊田車両センターM40編成を使用していた快速「むさしの号」運用を代走する場合があった。
- N1 - 14・16編成は東海旅客鉄道(JR東海)管内である中央西線・飯田線やしなの鉄道線への入線が可能で、2007年にJR東海所有の115系が全廃となった後も引き続きJR東海区間へ乗り入れている。N21以降の編成はJR東日本管内のみで運用される。
- 一部、内装などの更新を施工したリニューアル車両もある。
- 2014年3月15日のダイヤ改正で211系が追加導入されたことに伴い、今後、随時廃車される予定である。
- 北陸新幹線延伸後に経営分離された際、しなの鉄道に3両編成5本を譲渡することが計画されている[3]。
- 211系(69両)
- 3両編成(N301 - 306・308・309・311 -316・331 - 339編成)23本が配置されている。
- 2013年3月16日のダイヤ改正より、8編成(N301 - 305・331・332・339編成)が導入され、信越本線(篠ノ井 - 長野)、篠ノ井線(全線)、中央本線(塩尻 - 富士見)、大糸線(松本 - 信濃大町)で営業運転を開始した[4][5]。
- 2014年(平成26年)3月15日のダイヤ改正では新たに12編成(N306・311 - 313・316・320・333 - 338編成)が導入され、中央本線(富士見 - 立川)及びJR東海の中央本線(塩尻 - 中津川)、飯田線(飯田 - 辰野)まで運用範囲が広がった。また、これに伴い115系の半分以上が置き換えられる。
- N301 - 305・331 - 339編成は幕張車両センターから、N306・311 - 314・316・320・323・327編成は高崎車両センターからの転入車であり、当センターで長野色への配色変更や耐雪設備の強化等の改造を実施している。
- N320・323・327編成は1000番台でクロスシート、ほかは3000番台でロングシートとなっている。
- 高崎車両センターから転入した車両のうち一部(N306・311 - 313・316・320・323・327編成)は、種別表示がLEDとなっている。
- 2014年6月1日より、元田町車両センター配置の6両固定編成の運用も開始された。
- 485系(6両)
気動車
- キハ110系(18両)
機関車
- DD16形ディーゼル機関車(1両)
- 1両(11)が配置されている。
- 主に飯山線や小海線での臨時列車や工事臨時列車に使用される。
検査担当形式と配置区所
- 115系電車 : 新潟車両センター
- 123系電車 : 松本車両センター
- E127系電車 : 新潟車両センター・松本車両センター
- E257系電車 : 松本車両センター
- E351系電車 : 松本車両センター
- キハ110系気動車 : 小海線営業所
車両解体
テンプレート:出典の明記 鉄道博物館建設に伴い、大宮総合車両センターでの解体作業が終了したため、首都圏で使用された電車の廃車に伴う解体は、当センターへと機能を移した。
解体車両一覧
2012年4月1日までに長野総合車両センターにて解体された車両を以下に示す。
- 165・167・169系電車
- 新前橋電車区・上沼垂電車区・三鷹電車区・田町電車区・しなの鉄道所属車。
- 103系電車
- 113系電車
- 201系電車
- 14系客車
- 長野総合車両センター所属「浪漫」・尾久車両センター所属「ゆとり」。
- 24系客車
- 尾久車両センター所属車。
- 115系電車
- 小山車両センター所属Y427編成、長野総合車両センター所属N00編成(300番台で組成された訓練車)・N55編成。松本運転所(当時)所属0、300番台B編成
- 485系電車
- 新潟車両センター所属T21編成(クハ481-333・1507)。
- 秋田車両センター所属車
- 143系電車
- 国府津車両センター所属クモヤ143-7・10、松戸車両センター所属クモヤ143-12、東京総合車両センター所属クモヤ143-14・16、幕張車両センター所属クモヤ143-13・19
- 145系電車
- 209系電車
- 浦和電車区所属車、中原電車区所属ナハ1編成。
- EF65形電気機関車
- 田端運転所所属の1000番台。
- 183系電車
- 幕張車両センター所属C1 - C4編成ほか。サロ183形、サロ189形は全廃となる。
- 大宮総合車両センター所属 彩野
- 105系訓練車
- 八王子支社新秋津駅常備。
- 211系電車
- 高崎車両センター所属サハ211形3000番台34両、グリーン車組み込みによる余剰のため。
- 田町車両センター、高崎車両センター所属サハ211形・サロ210形・サロ211・サロ212形・サロ213形、E233系3000番台配置による余剰のため。
- 205系電車
- 京葉車両センター所属モハ205-44・モハ204-44 2009年(平成21年)10月上旬解体。京葉線用205系(一般車、メルヘン車)
- 253系電車
- 鎌倉車両センター所属
- 207系900番台電車
- 松戸車両センター所属マト71編成
- E231系電車
- 東京総合車両センター所属サハE230形500番台(6扉車)
- 583系電車
- 秋田車両センター所属
などである。
その他
- 1982年11月のダイヤ改正まで、長野運転所に特急「しなの」用の381系電車が配置されていた。
- 新潟支社・長野支社およびしなの鉄道に所属する115系のリニューアル工事を実施している。
- 毎年10月に、「JR長野鉄道フェスタ」(旧称:「長野総合車両センターふれあいまつり」)として、センター内を一般公開している。
- 北陸新幹線延伸後に経営分離される予定となっている区間に位置しているが、処遇については未発表である。
- 梅小路蒸気機関車館開設当初、保存蒸気機関車の整備は当センターの前身の一つである長野工場で行っており、多くの車両は最後の全般検査を長野工場で受けている。また、C51形239号機の外装復原も行なっている。その後、現役蒸気機関車の全廃に伴って長野工場での整備を終了し、営業継続機関車については鷹取工場に引き継がれた。鷹取工場の閉鎖後は梅小路運転区で整備が行われている。
- 浦和電車区に配置されていた209系0番台の幕張車両センター向け転用改造を実施している[7]。
脚注
関連項目
テンプレート:東日本旅客鉄道長野支社- ↑ 「長」で始まる名称を持つ他区との区別のため。長万部機関区の区名札にも「長」は使われず、「万」の旧漢字である「萬」とされていた。
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「railfan201407
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ しなの鉄道、2013年度の経営計画と中期経営計画を策定 - Response. 2013年4月8日
- ↑ 『鉄道ファン』2013年3月号 交友社、2013年、p.210~。
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ JR電車編成表2011冬 P.346
- ↑ 交友社『鉄道ファン』2009年11月号 「209系転用計画の全貌」