JR東日本E127系電車
テンプレート:複数の問題 テンプレート:鉄道車両 E127系電車(E127けいでんしゃ)は、1995年に登場した東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流通勤形電車[1]である。
概要
新潟支社と長野支社管内では、急行列車の運用から外れた165系・169系を普通列車として使用していたが、これらの車両は老朽化が激しく、また2扉のデッキ付きの構造であるために乗降に時間がかかり、列車遅延の原因となっていたことから[注釈 1]、急行形車両の取り替えを目的に設計・製造された[2][3]。
両地区ではセミクロスシートの近郊形115系も運用されているが、そのうち新潟地区で使用する本系列の0番台では、乗客が増加している新潟都市圏でのラッシュ対応と、2両基本編成によるワンマン運転を考慮し、敢えてロングシートを採用した。テンプレート:要出典範囲
主回路制御にはGTO素子のVVVFインバータを採用した。制御装置は東洋電機製造製でJRの車両での採用は本系列と8000系試作車のみであり、主電動機は定格出力120kWのMT71型である。電動台車はDT61A、付随台車はTR246Aを装着する。ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキ、回生ブレーキ、抑速ブレーキに加え、列車密度の低い路線での使用を考慮し、発電ブレーキを併用している。発電ブレーキ使用時に必要となる抵抗器は制御電動車の屋根上に搭載されている[3]。
車体はステンレス製でドアチャイム装備の両開き式片側3扉(ボタン式半自動機能装備)であり、ワンマン運転対応として運転台は半室構造とされ、ワンマン設定器、運賃箱、整理券発行機、運賃表示器、自動放送装置、ドア締切表示器、ミラーが設置されている。運転台の主幹制御器は左手操作型ワンハンドル式であるが、209系などで採用されたデジタル指令(MON8)は、本系列では採用されていない[4]。
本形式をJR東日本の公式ウェブサイト上では通勤形と分類している[1]。ただし雑誌などの記事においては、本形式が近郊形[5][6][7]や一般形[5][3]と分類されている場合がある。以上のように普通列車用の車両区分の実態が曖昧になり、JR東日本では普通列車用電車の区分において通勤形と近郊形の形式上の区別を廃止し[8]、E231系以降、「一般形」に統一している[9][10][11][12][13][14][注釈 2]。
番台別概説
0番台
テンプレート:Vertical images list 1995年(平成7年)5月8日に新潟近郊区間で営業運転を開始した。テンプレート:要出典範囲。
車体帯の色は緑と黄緑の2色で、新潟支社で運用されている115系「2次新潟色」に準じている。座席配置はロングシートを採用している。パンタグラフは下枠交差式のPS30形とされた。客用扉間の4枚の窓のうち中間2枚は大型の1段下降窓である。トイレは701系と同一の洋式であるが、車椅子には対応していない。
2007年時点では2両編成13本(26両・「V編成」)が新潟車両センター(旧・上沼垂運転区)に在籍し、新潟近郊区間を中心に運用されている。ワンマン運転は白新線・羽越本線新潟駅 - 新発田駅 - 村上駅間・越後線の新潟駅 - 吉田駅間・信越本線の新潟駅 - 新津駅間の一部列車で実施されている。またほとんどが普通列車で運用されているが、テンプレート:要出典範囲
V3編成は2008年9月に起きた越後線内での踏切事故に伴う列車火災事故のためクモハE127-3が焼損した[15]。テンプレート:要出典範囲。
100番台
テンプレート:Vertical images list 1998年(平成10年)12月8日に松本地区で営業運転を開始した。
0番台とは車体デザインが異なり、先頭部の形状、客用扉間の開閉可能な窓の2段化など、ステップのない701系とほぼ同一とされた。また、パンタグラフはシングルアーム式のPS34形に変更され、行先表示器は前面・側面ともに幕式からLED式に変更、砂撒き装置が装備されたほか、トイレも車椅子対応仕様に設計変更された。座席配置は、同線内基準で東側がロングシート、西側(北アルプスなどの方向)がクロスシートのセミクロスシート構造となっている。また本番台において、鉄道車両用に開発された運賃箱(レシップ製)が初めて設置された[注釈 3]。本番台の車体帯の色は長野支社で運用されている115系や169系などに準じたアルパインブルーとリフレッシュグリーンの2色の通称「長野色」(新長野色・信州色・新信州色とも)とされた[16]。
2両編成12本(24両・「A編成」)が松本車両センターに在籍し、大糸線で運用されている。ワンマン運転は1999年(平成11年)3月29日より開始している。
運用開始から数年間は篠ノ井線塩尻駅 - 明科駅間・中央本線辰野駅 - 塩尻駅間でも運用されていた。しかし、2003年12月20日に篠ノ井線塩尻駅 - 松本駅間のATSがSN形からP形と変更された時点では本区分番台にはP形車上装置は搭載されていなかったことから、それ以降は大糸線内限定運用とされていた。その後、大糸線松本駅 - 北松本駅間でATS-PsおよびATS-Pの使用が開始され、2007年秋ごろから2010年にかけて保安装置を従来のSN形からPs形への交換とP形の追設を行った。
また、2011年以降は夏期の平日に節電対策として、平日の一部の115系運用を代走する形で中央本線茅野駅-篠ノ井線-信越本線長野駅で運用されるケースもあった。[17]。 2013年3月16日のダイヤ改正より、信越線・篠ノ井線・中央東線の長野 - 茅野間、および辰野支線の塩尻 - 岡谷間での運転が開始された。
また、冬季における架線への着霜対策のため、A7 - A12編成のクハE126形(南小谷寄り先頭車)の運転台側に霜取り用パンタグラフが搭載された[注釈 4]。
使用線区
- 0番台
- 100番台
今後
2013年(平成25年)2月21日、JR東日本社長・冨田哲郎と新潟県知事・泉田裕彦が、2015年春に予定される北陸新幹線開業に伴い経営分離される並行在来線を運営することとなっているえちごトキめき鉄道に対し、信越本線を転換する妙高はねうまライン用の車両として本系列10編成に必要な改修を施した上で、低価格で譲渡することで合意した[18]。
参考文献
- 『鉄道ジャーナル』(鉄道ジャーナル社)No.344 「JR東日本E127系」
- 『レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141「E127系直流近郊形電車」
脚注
注釈
- ↑ 急行形車両は間合い運用はもとより、急行列車の廃止・削減につれて国鉄末期より余剰車両の有効活用の観点から普通列車にも使用されているが、急行形車両は普通車についてはデッキ付きの2扉クロスシートで製造されており、着席利用を前提とした車内設備であったため、ラッシュ時における使用を想定していなかった。中には座席の一部をロングシートに改造した車両もあったが、車端部に配置された扉配置は構造上、乗降に手間取るものであった。高崎線では165系を間合い運用で普通列車にも使用していたため、これらの事情も原因の1つとなり、1973年に乗客による大暴動「上尾事件」が発生している。その後は近郊形車両を増備し、間合い運用を解消している(急行形車両#淘汰とその要因も参照)。
- ↑ 経緯についての詳細は東日本旅客鉄道#車両、通勤形車両 (鉄道)、近郊形車両、一般形車両 (鉄道)も参照されたい。
- ↑ それまでの運賃箱はすべて、バス車両用のものを改造して設置していた。
- ↑ A11・12編成は新製時より、A7 - A10編成は改造で設置。
出典
外部リンク
関連項目
テンプレート:JR東日本の車両リスト- ↑ 1.0 1.1 JR東日本:車両図鑑>在来線 E127系
- ↑ 『レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141 p.59
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『鉄道ジャーナル』(鉄道ジャーナル社)No.344 p.87
- ↑ 交友社『鉄道ファン』1998年1月号 p.32
- ↑ 5.0 5.1 『レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141 p.59 :表題では近郊形、本文では一般形と記載。
- ↑ 『鉄道ファン』(交友社)No.441 p.32 特集「近郊形電車進化論」
- ↑ イカロス出版『普通列車年鑑 2013-2014』p.57
- ↑ テンプレート:PDFlink - 東日本旅客鉄道
- ↑ イカロス出版『E231/E233 Hyper Detail』p.108
- ↑ 交友社『鉄道ファン』No.539 p.36
- ↑ 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.403 p.72
- ↑ 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.492 p.33
- ↑ 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.517 p.46
- ↑ 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.547 p.22
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ ネコ・パブリッシング『レイル・マガジン』No.185 p.96
- ↑ テンプレート:PDFlink- JR東日本長野支社
- ↑ JR東日本の冨田社長と泉田知事が、並行在来線に関する面談を行いました - 新潟県交通政策局