杵築市
自然環境を守り、歴史・文化を大事にしつつ、進出企業や地場産業の発展を図り、古いものと新しいものとの調和・バランスのとれた発展をめざしている。
2005年10月1日、隣接する速見郡山香町・西国東郡大田村と合併し、新たに杵築市となった。
地理
大分市と別府湾を挟んだ北向かい、国東半島の南端部に位置する。陸路では大分市中心部から約35kmの距離がある。市域の南部から南東部にかけて別府湾に面しており、南東部には守江湾と呼ばれる小さな湾がある。市域北部・西部は山地である。宇佐市と隣接する立石峠は旧豊後国と豊前国との境界である。
隣接する速見郡日出町、別府市とは、かつて同じ速見郡として歴史や文化を共有してきたことから、「別杵速見(べっきはやみ)」「別速杵(べっそっき)地区」と呼ばれ、市民生活や文化面での結びつきが強い。また大分市との結びつきも強い。しかし、日出町とは平成の大合併での合併協議が決裂した経緯がある。
隣接する市町村
人口
地名
全域で明治以来の大字を継承する。平成の大合併より前の市域は「杵築市」の次に大字がつくが、旧山香町は大字の前に「山香町」、旧大田村は「大田」がつく。
- 杵築(旧杵築町)
- 馬場尾(旧杵築町)
- 南杵築(旧杵築町)
- 宮司(旧杵築町)
- 大内(旧大内村→杵築町)
- 猪尾(旧東村→杵築町)
- 片野(旧東村→杵築町)
- 熊野(旧東村→杵築町)
- 岩谷(旧北杵築村)
- 大片平(旧北杵築村)
- 鴨川(旧北杵築村)
- 船部(旧北杵築村)
- 溝井(旧北杵築村)
- 相原(旧八坂村)
- 中(旧八坂村)
- 日野(旧八坂村)
- 本庄(旧八坂村)
- 八坂(旧八坂村)
- 狩宿(旧奈狩江村)
- 奈多(旧奈狩江村)
- 守江(旧奈狩江村)
- 横城(旧奈狩江村)
- 山香町
- 内河野(旧中山香町)
- 野原(旧中山香町)
- 小武(旧東山香村)
- 倉成(旧東山香村)
- 広瀬(旧東山香村)
- 久木野尾(旧上村)
- 日指(旧上村)
- 山浦(旧山浦村)
- 吉野渡(旧山浦村)
- 下(旧立石町)
- 立石(旧立石町)
- 向野(旧立石町)
- 南畑(旧南端村)
- 大田
- 石丸(旧田原村)
- 小野(旧田原村)
- 沓掛(旧田原村)
- 永松(旧田原村)
- 白木原(旧朝田村)
- 波多方(旧朝田村)
- 俣水(旧朝田村)
歴史
江戸時代は杵築藩松平氏3万2000石の城下町として栄え、廃藩置県まで国東半島の政治・経済の中心地であった。
日出藩の分家、交代寄合旗本木下氏の陣屋が山香町の立石陣屋に置かれた。
近現代
- 1889年4月1日 町村制施行により、現在の市域にあたる以下の町村が発足。
- 1898年9月27日 【町制施行】立石村 → 立石町
- 1933年4月1日 【編入】大内村 → 杵築町
- 1936年1月1日 【編入】東村 → 杵築町
- 1938年10月1日 【町制施行】中山香村 → 中山香町
- 1951年4月1日 【新設合併】中山香町・東山香村・上村 → 山香町
- 1954年10月1日 【新設合併】朝田村・田原村 → 大田村
- 1955年3月31日 【新設合併】山香町・立石町・山浦村 → 山香町
- 1955年4月1日 【新設合併・市制施行】杵築町・八坂村・北杵築村・奈狩江村 → 杵築市
- 1955年8月1日 【編入】南端村の一部地域 → 山香町
- 2005年10月1日 【新設合併】杵築市・速見郡山香町・西国東郡大田村 → 杵築市
市政
歴代市長
公共機関
国の出先機関
- 大分地方法務局杵築支局
警察
裁判所
産業
農林水産業が柱だが、大分空港と大分市・別府市の中間に位置するという好条件から、先端技術産業が立地している。
主要生産品・特産品・地酒
教育
高等学校
中学校
- 市立
小学校
- 市立
- 豊洋小学校
- 護江小学校
- 大内小学校
- 杵築小学校
- 東小学校
- 八坂小学校
- 北杵築小学校
- 東山香小学校
- 山香小学校
- 立石小学校
- 上小学校
- 山浦小学校
- 向野小学校
- 朝田小学校
- 田原小学校
- 小野分校
交通
鉄道
- 中心駅は杵築駅だが、市の中心部から大きく離れている。
廃止路線
- 国東鉄道(のちの大分交通国東線)
バス
- 大分交通グループ
- 中心部に杵築バスターミナルがある(旧国東線・杵築市駅)。
コミュニティバス
道路
有料道路
- 大分空港道路 - 杵築インターチェンジ
- 大分自動車道 (通過)
- 宇佐別府道路 (通過)
一般国道
主要地方道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所旧跡など
- 七双子古墳群 大字本庄字七双子から大字溝井字野田にかけて存在する古墳群。歴史的価値が非常に高く、昭和三十六年には大規模な調査が行われ、勾玉などが多数発掘された。
- 旧城下町 北台・南台に侍屋敷、その谷間に町家が続く景観は、往時の面影を残す。侍屋敷の土塀整備に補助金を出すなど、歴史的環境整備による「坂道の城下町」づくりに取り組む。
- 杵築城 天守台跡に模擬天守
- カブトガニ生息地
- 若宮八幡社
- 白鬚田原神社
- 羽門の滝
- 轟地蔵
- 横岳自然公園
- 波多方峠旧道からの眺め
- 甲尾山
- 清水寺の霊水
- 水ノ口湧水
祭事・催事
- きつきお城まつり(5月)
- ツール・ド・国東(5月)
- 天神祭(7月)
- 国東半島きつきトライアスロン(9月)
- 城下町健康歩行ラリー(10月)
- どぶろく祭り:10月17日・18日(白鬚田原神社)
- 若宮八幡社祭典(12月)
盆踊り
杵築市は、古くから盆踊りの盛んな地域であり、現在でも昔の踊りが残っている。殊に、山香は、テンポの速い踊りで有名で「山家踊り」などと呼ばれたものである。「よんべ山香の踊りをみたら…」で始まる口説き文句は広く人口に膾炙しており、いかに踊り熱心であったかがうかがわれる。現在でも、庭入りこそ行わなくなったものの盆踊りは盛んである。「供養踊り」「地蔵踊り」を分けて、2回盆踊りを行う地区もあるし、昔は、「お大師様の踊り」「八朔踊り」果ては「供養踊りの練習」などと名目を作って、何回も踊る地区も多かった。 以下、盆踊り唄を列挙する。
- 三つ拍子 市内全域で踊る。杵築の盆踊りの定番である。近隣の町でも踊る。
- レソ 山間部で踊る。急テンポの踊りで、山浦地区には古い型が残る。別名「さえもん」。県を代表する踊りの一つ。
- 六調子 悠長な踊り。旧杵築市全域で踊る。なお、県北で踊る急テンポの六調子とは全く別の曲である。近隣の町でも踊る。
- 二つ拍子 太田と山香で踊り方や口説きの著しく異なる踊り。
- 豊前踊り 主に、山香で踊る。六調子、二つ拍子と同系統の曲である。
- セーロ 市内全域で踊るが添え物的なものである。別名「ヤッテンサンノ」。
- らんきょう坊主 向野地区に残る踊り。
- 一つなえ 倉成地区に残る踊り。
- 粟踏み 小武地区に残る踊り。
- ベッチョセ 加貫地区でのみ踊る急テンポの踊り。県内でも加貫でしかみられない。
- マッカセ 山間部に踊る所がある。県北を代表する踊りの一つ。
- さえもん 旧杵築市全域で踊る。大分県内各地で踊るが、曲や踊りは多様である。(レソとは異なる。つまり杵築市内には大きく分けて2種類のさえもんがあるということ。昔は、大字大方平の一部では両方踊ったが今はどちらかしか踊らない。)
これらの唄で、一般に七・七調の段物を口説く。「鈴木主水」「阿波の鳴門」「四谷怪談」などの他に、「七島の由来」「孝子平助」「阿南清兵衛」「高熊山霊験」「田染」など、地域に根ざした口説きが伝承されている。 なお、「さえもん」「ベッチョセ」「らんきょう坊主」「一つなえ」および一部地域の「レソ」は、七・七・七・五の切り口説きである。
以下の踊りは、昔は踊っていたが現在は廃れているものである。大分県内の他の地域にはまだ残っている場合が多い。 猿丸太夫、浦辺の唐芋、団七、三勝、小町踊り、銭太鼓、かげ踊り、ばんば踊り他。特に団七踊りは、ひと頃は隆盛を極めたが、男・女・男の3人組み踊りというめずらしい形態のうえ道具がいるので、戦後は一気に廃れてしまった。
関連項目:大分県の盆踊り
杵築市出身の著名人・有名人
- 重光葵(外交官・元外務大臣)
- 綾部健太郎(衆議院議長)
- 田原隆(政治家、元法務大臣)
- 金丸鉄(法政大学の前身、東京法学社の設立者)
- 伊藤修(法政大学の前身、東京法学社の設立者)
- 麻田剛立(藩医・天文家)
- 堀悌吉(海軍軍人、山本五十六の親友)
- 佐野学(昭和初期の日本共産党委員長)
- 物集高世(豊後国出身の国学者)
- 物集高見(豊後国出身の国学者、物集高世の長男)
- 庄武憲太郎(作詞家、代表作「大分県行進曲」)
- 安部友恵(マラソン選手)
- 堀井希美(ダンスインストラクター(アクターズスクール広島))
- 安藤正彦(プロバスケットボール選手)
- 後藤郁(アイドル・アイドリング!!!)
その他
郵便番号
- 旧杵築市・旧大田村:杵築郵便局 (873-00xx,873-8xxx,879-09xx)
- 旧山香町:山香郵便局 (879-13xx)
市外局番
- 旧杵築市:0978(60〜69,90〜99, 杵築MA)
- 旧大田村:0978(20〜59, 豊後高田MA)
- 旧山香町:0977(20〜89, 別府MA)
外部リンク
- 杵築市役所
- 杵築市観光協会
- 探訪 日本唯一のサンドイッチ型城下町産経新聞撮影