東京ラブストーリー

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/TVDrama テンプレート:Infobox animanga/Footer東京ラブストーリー』(とうきょうラブストーリー)は、柴門ふみによる日本漫画、また同作を原作とする1991年に放送されたテレビドラマである。

概要

1988年から小学館ビッグコミックスピリッツ』で連載された。1991年1月7日から3月18日フジテレビ系列でテレビドラマが放送された。

キャッチコピーは、「東京では誰もがラブストーリーの主人公になる」。

ストーリー

愛媛から東京の広告代理店に就職した永尾完治と、完治の幼馴染で東京の私立医科大に通う三上健一は久しぶりに再会した。

東京に溶け込んでいる三上に対し、東京の生活に馴染めない完治。会社では上司の和賀夏樹に説教され、同僚でアフリカ育ちの赤名リカに「カンチ」と呼ばれ振り回される日々。

三上は大学にも真面目に通わず、周囲からも浮いていた。長崎尚子はそんな三上を毛嫌いするが、なぜか冷たくもできない。

そんなある日、完治は高校時代に思い続けていた関口さとみと再会したのだった。

登場人物

永尾 完治(ながお かんじ)
広告代理店「和賀事務所」に勤務する会社員。東京での生活に戸惑う。愛称カンチ(リカ限定)。リカと付き合っていたが破局し、最終的にはさとみと結婚、息子を儲ける。
赤名 リカ(あかな リカ)
完治の同僚。ジンバブエ育ちで自由奔放に生きる。人から愛されることに慣れていない。破局するまで完治を愛していたが、結局和賀との息子(アフリカ)を身篭る。和賀とは結婚せず、シングルマザーとして生きるつもりでいる。
三上 健一(みかみ けんいち)
完治とは高校時代の同級生。私立医科大学の学生。父親との仲は最悪、その影響からか愛情に飢えている。さとみとは同棲していたが結局別れ、最終的には尚子と結婚する。
関口 さとみ(せきぐち さとみ)
完治、健一の高校時代の同級生。保育士。高校時代は学級委員だったが、級友からは嫌われていた。上京後、三上と同棲するが別れる。完治の初恋の人であり続けられた結果、後に彼と結婚する。実家はラブホテルを経営。芯の強い性格。
長崎 尚子(ながさき なおこ)
健一と同じ医大生。許婚持ちのお嬢様であるも、結局破談になり、最終的には健一と結婚する。
和賀 夏樹(わが なつき)
完治とリカの上司。和賀事務所社長。かつてリカと不倫関係に落ち、家族と別居する。リカを本気で愛していた(本人談)。
田々井 アズサ(たたい アズサ)
完治、健一、さとみの高校時代の同級生。完治に振られた翌日、教室の黒板に「みんな大嫌い」と残して投身自殺する。男関係は派手だったが、本心では完治が好きだった様子。完治曰く「雰囲気がリカに似ている」。

書誌情報

単行本

小学館ビッグコミックススペシャル
『東京ラブストーリー』1巻 1990年4月12日刊行 ISBN 4-09-181851-X

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『東京ラブストーリー』2巻 1990年7月13日刊行 ISBN 4-09-181852-8

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『東京ラブストーリー』3巻 1990年10月12日刊行 ISBN 4-09-181853-6

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『東京ラブストーリー』4巻 1990年12月12日刊行 ISBN 4-09-181854-4

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文庫本

小学館文庫
  • 第1巻 1995年10月17日刊行 ISBN 4-09-192091-8
  • 第2巻 1995年10月17日刊行 ISBN 4-09-192092-6
  • 第3巻 1995年10月17日刊行 ISBN 4-09-192093-4
文春文庫
  • 上 2010年4月10日刊行 ISBN 978-4-16-757905-0
  • 下 2010年4月10日刊行 ISBN 978-4-16-757906-7

テレビドラマ

テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 1991年1月7日より3月18日まで毎週月曜日21:00 - 21:54に、フジテレビ系列の「月9」枠で放送された。主演は鈴木保奈美織田裕二

テレビドラマの概要

テンプレート:独自研究 原作では主に完治の視点を中心に展開したが、ドラマではリカを中心にすえ、彼女の心情を描いた。プロデューサーの大多亮によると、主演が決まっていた鈴木に自分が演じる役をさとみとリカから選ばせたところ、リカと即答したという。また、リカの性格や行動は原作とは大きく違う点も多い。また、企画段階では完治、三上役には緒形直人本木雅弘が予定されていたが諸般の事情で織田、江口に変更となった。[1]

バブル景気の世相を反映して、若い女性に支持された。タイトルバックは、大都会を象徴するような場所(駅、交差点など)で、出演者が人ごみの中で様々な日常生活を営む光景を切り取ったもので、MTVプロモーションビデオを意識した映像センスは当時としては斬新なものであった。しかし、ドラマ『東京ラブストーリー』が放送された1991年は、まだ携帯電話が無く、連絡手段が固定電話公衆電話という時代であり、ドラマでは連絡の来ない相手をじっと待つ風景が放送されるのも特徴である。

ドラマ化にあたって原作者が提示した希望キャスティングは、「リカ→『ベティ・ブルー』のベアトリス・ダル」、「カンチ→マイケル・J・フォックス」、「三上→ロブ・ロウ」、「さとみ→ダイアン・レイン」だった。より現実的な希望として「カンチ→内村光良」、「リカ→小泉今日子」という案を出したが、まったく相手にされなかったという[2]

平均視聴率は22.9%、最高視聴率は最終話の32.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。主題歌は小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」。ドラマのストーリーと非常にマッチした楽曲で、シングル売上は270万枚。当時の日本におけるシングルCDで最大のヒットとなった。

鈴木や織田は本作を経て、ドラマの主演級としての評価を確立した。一方でさとみ役の有森也実は、リカのサバサバした気性とは対照的な役柄であることから女性視聴者から嫌われ、所属事務所に脅迫状が届いたと後に本人が語っている。

関東地区では、放送終了して約5ヶ月後の8月15日より、月 - 金の16:30 - 17:25で初再放送されたが、開始前には再放送番組では珍しい番組宣伝CMが放送された。

1991年にポニーキャニオンからVHSでソフト化され、2001年にフジテレビからDVD-BOXが発売された。2006年、ニューヨークのチャンネル63で毎週土曜日夜10時から再放送が英字幕なしで放送されていた。2012年4月2日から6月18日までBSフジの「名作ドラマアワー」枠(月曜22時00分)にて再放送された。

あらすじ

永尾完治を「カンチ」と呼ぶ同僚の赤名リカは、自由気ままに生き、まっすぐに恋をする。リカから想いを寄せられ、最初は戸惑っていたカンチもリカに惹かれるが、同郷の同級生である三上健一と関口さとみとの三角関係が絡み合い、恋は複雑に展開していく。

登場人物(テレビドラマ)

主要人物

赤名 リカ
演 - 鈴木保奈美
ロサンゼルスでの生活経験の有る帰国子女。スポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」の事業部所属の社員。
永尾 完治
演 - 織田裕二
ハートスポーツの営業部所属の社員。出身校は愛媛東高校で、就職を機に上京した。リカからは「カンチ」と呼ばれる。
関口 さとみ
演 - 有森也実
永尾の同級生。元麻布幼稚園に勤務している幼稚園教諭。
三上 健一
演 - 江口洋介
永尾の同級生。文京大学医学部の学生。

ハートスポーツ

和賀 夏樹
演 - 西岡徳馬
永尾の上司。ハートスポーツの営業部長。
渡辺
演 - 中山秀征
永尾の同僚。ハートスポーツの営業部所属の社員。
石井
演 - 伊藤美紀
永尾の同僚。ハートスポーツの営業部所属の社員。
みどり
演 - 五島悦子
リカの同僚。ハートスポーツの事業部所属の社員。

その他

長崎 尚子
演 - 千堂あきほ
三上の大学の同級生。
ときこ
演 - 水島かおり
関口の同僚。元麻布幼稚園の幼稚園教諭。
主任
演 - 潮哲也(第4話)
アルペンの販売主任。
大滝 新太郎
演 - 筒井道隆
特別編オリジナルキャラクター。

スタッフ

  • 脚本 - 坂元裕二
  • プロデュース - 大多亮
  • 美術 - 荒川淳彦
  • 技術 - 島方春樹
  • 撮影 - 久坂保
  • 照明 - 爲貝幸弘
  • 音声 - 吉田勉
  • 映像 - 松田年世
  • 録画 - 今村信男
  • 編集 - 石井和男
  • VTR編集 - 高橋努
  • 美術プロデュース - 上村正三
  • 美術進行 - 柴田慎一郎
  • 大道具 - 徳丸貴文
  • 装飾 - 望月富夫
  • 持道具 - 若林一也
  • 視覚効果 - 北條光昭
  • タイオル - 山形憲一
  • 衣裳 - 高津勝仁
  • スタイリスト - 棚橋公子
  • メイク - 斉藤和子
  • 広報 - 石田卓子
  • スチール - 瀬井美明
  • CG - 大村卓
  • 音響効果 - 大貫悦男
  • 音楽 - 日向敏文(アルファレコード)
  • 演出補 - 林徹中江功
  • 制作主任 - 山崎康生
  • 記録 - 喜多麗子
  • 企画 - 山田良明
  • 演出 - 永山耕三(1・2・5・7・9・11)、本間欧彦(3・4・6・8・10)

音楽

主題歌

  • フジテレビで後日放送されたバラエティ番組によると、最初の主題歌候補曲が不採用となったため、改めて作られた本曲が採用されたという。NGとなった候補曲は「FAR EAST CLUB BAND SONG」と改題され、小田のベスト盤『Oh! Yeah! (小田和正のアルバム)』(FHCL-1002)に収録されている。

サウンドトラック

  • テレビドラマのサントラが発売されるのは当時では極めて珍しいケースであった。このアルバムは好調な売り上げを記録し、以後人気ドラマのサントラが発売されるのが恒例となった。
  • 収録曲
  • ココ・アンド・ジャスミン
  • グッド・イヴニング、ハートエイク
  • ソー・ファー・アウェイ
  • クレイジー・フォー・ユー
  • テンダリー〜リカズ・テーマ
  • プロミス
  • パッション・フラワー
  • オータム
  • イフ・ユー・ノウ
  • ゼルダ
  • オーヴァー・ザ・スターズ
  • アローン・イン・ザ・ストリート
  • エンド・タイトル

挿入曲

放送日程

連続ドラマ
各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 1991年1月テンプレート:07日 出会いと再会 永山耕三 20.7%
第2話 1991年1月14日 愛ってやつは 20.8%
第3話 1991年1月21日 二人の始まり 本間欧彦 19.9%
第4話 1991年1月28日 君の翼になる テンプレート:Color
第5話 1991年2月テンプレート:04日 いつも思い出して 永山耕三 19.9%
第6話 1991年2月11日 赤い糸に結ばれて 本間欧彦 20.1%
第7話 1991年2月18日 愛は待たない 永山耕三 22.4%
第8話 1991年2月25日 この恋を信じたい 本間欧彦 22.9%
第9話 1991年3月テンプレート:04日 行かないで 永山耕三 26.3%
第10話 1991年3月11日 約束 本間欧彦 29.3%
最終話 1991年3月18日 さよなら 永山耕三 テンプレート:Color
平均視聴率 22.9%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
特別編
  • 金曜ドラマシアター・バレンタインスペシャル』として放送。
  • シリーズの総集編的な内容であったが、鈴木保奈美、筒井道隆が出演した15分ほどの新撮影部分が追加された。
  • 数年後という設定で後輩社員と出張のため愛媛に来たリカの姿が描かれている。
放送日 演出 視聴率
1993年2月12日 永山耕三 29.9%

原作との相違点

  • 原作は完治視点だが、ドラマではリカ視点である。田々井アズサは登場しない。
  • 原作では、完治とリカは和賀が経営している広告代理店「和賀事務所」所属の会社員だが、ドラマでは職場はスポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」であり、和賀の役職は部長である。
  • 原作ではリカはジンバブエ出身だが、ドラマではロサンゼルスからの帰国子女である。
  • 原作ではリカが完治のもとを去ったのは和賀の子供を妊娠したからであり、愛媛での完治との再会も臨月に近い状態だが、ドラマでは完治とさとみの事を思い、自ら身を引いたためである。
  • 原作では完治は結婚後にリカと再会しないが、ドラマでは三上の結婚式後にリカと再会している。

ロケ地

東京都内

第一話
  • 羽田空港旧国内線ターミナル(大田区羽田空港) - 愛媛から上京した完治とリカが始めて出会った場所。
  • 芝浦倉庫(港区海岸通) - リカと完治が商品を受け取りに行った倉庫。[3]
  • 弁慶橋のたもと(港区元赤坂) - 高校の同窓会の後に完治と三上が水切りをして遊んだ川。
  • 花の館(港区北青山) - リカがサボテンを買った花屋。
  • 渋谷東急プラザ(渋谷区道玄坂) - 完治や三上が同窓会の後でみんなと別れた歩道。
  • 全労済ホールスペース・ゼロ(渋谷区代々木) - 新作発表会が行われた会場。
  • 鉢山町交差点(渋谷区鉢山町) - 完治が道に迷った場所。
  • 表参道駅(渋谷区表参道) - 完治とリカが待ち合わせの場所に行く時に使った駅。
  • 三菱石油ガソリンスタンド(渋谷区神宮前) - ラストにリカが石油缶を蹴っ飛ばしたガソリンスタンド[4]
第二話
第三話
第四話
第五話
  • 表参道(渋谷区表参道) - 完治がリカにペンダントを買った場所。最終回にリカと完治が再会した場所。
  • 富ヶ谷公園(渋谷区富ヶ谷) - ジャングルジムのある公園。
第七話
最終話

水上ロケ

第五話

松山ロケ

第十一話、最終話

テンプレート:Gallery

テンプレート:前後番組

テンプレート:フジテレビ系月9ドラマ

関連書籍

ドラマシナリオ
  • 柴門ふみ 原作 / 坂元裕二 脚本『東京ラブストーリー TV版シナリオ集』(小学館、1991年) ISBN 4-09-359041-9
楽譜
  • 『東京ラブストーリーピアノアルバム』(全音楽譜出版社) ISBN 4-11-179040-2
  • ドレミ楽譜編集部 編『日向敏文/東京ラブストーリー』(ドレミ楽譜出版社) ISBN 4-8108-1677-X

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

  • 大多亮『ヒットマン テレビで夢を売る男』角川書店刊/1996年。
  • 『月刊カドカワ』1991年5月号「柴門ふみスペシャル/本人自身による全作品解説」/角川書店刊。
  • 当時建設途中のレインボーブリッジ橋脚部分が見える。
  • 現在は取り壊されて跡地にはマンションが建設
  • 海側のホームは高浜方面行きの乗り場であり、梅津寺駅の隣の駅である高浜駅が終点である。
  • 放送終了してから20年近く経過するのにいまだにホームの柵へはハンカチが結ばれている。
  • 1999年、新校舎の建築に伴い旧校舎は取り壊される。校舎の柱は、2000年に同じ久万高原町に開館したふるさと旅行村に移設、展示されている。