アルファレコード
テンプレート:Infobox record labelアルファレコード(Alfa Records)は日本のレコード会社。既にレコード・CD制作からは撤退しており、原盤管理会社として現存している。
目次
概要
1969年、作曲家の村井邦彦が音楽出版社アルファミュージックを設立した。
1970年、プロデューサーの川添象郎、歌手のミッキー・カーチス、内田裕也、イベンターの木村英樹、そして村井邦彦がテンプレート:要検証範囲「マッシュルーム・レコード」設立。
当初は原盤制作会社としてスタート。東芝音楽工業(後の東芝EMI→EMIミュージック・ジャパン、現:ユニバーサルミュージック・EMI Records Japanレーベル)のリバティ・レーベルに販売を委託した赤い鳥や荒井由実(現・松任谷由実)、ハイ・ファイ・セットなどの「アルファ&アソシエイツ」、日本コロムビアのデノン・レーベル(のちに「Blow Up」に改称)に販売を委託したGARO、小坂忠などの「マッシュルーム・レコード」といった多数のアーティストを送り出し、テンプレート:要出典範囲
1977年に独立したレコード会社「アルファレコード」となり、「アルファ&アソシエイツ」「マッシュルーム」の音源の発売権も新生アルファレコードに移行した。その後サーカス、カシオペア、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のヒットでレーベルの知名度も大きく上がる。また、アメリカ最大のインディペンデント・レコード会社、A&Mレコードの販売権を獲得。ハーブ・アルパート、クインシー・ジョーンズ、セルジオ・メンデス、ニューウェイブ・ロックのポリス、ジョー・ジャクソンなどのアーティストが次々とヒットした。
1982年に兄弟会社として、小杉理宇造と山下達郎がアルファ・ムーン(後にMMG→イーストウエスト・ジャパンを経てワーナーミュージック・ジャパンに吸収合併)を設立。
1990年代初頭、主要株主であった外車ディーラー最大手ヤナセが、バブル崩壊により資本を撤退する。そして1994年、別資本が立ち上がり、アルファレコードの業務は新会社に移管される。移管された新会社はアルファミュージックに社名を変更。
1995年、東京都港区に所有していた自社スタジオ「Studio A」を閉鎖する。1998年10月、社員のほとんどを解雇し事業規模を縮小。レコード制作から撤退し、原盤管理会社として残る。
2001年4月、ソニー・ミュージックパブリッシングと契約し、全世界での使用も含めた著作権管理および原版使用権を委託する。現在は、ソニー・ミュージックダイレクトから過去の旧譜が復刻され、発売されている。
なおレコード会社として独立後、販売元は当初ビクター音楽産業(後のビクターエンタテインメント、現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)であったが、1998年にレコード制作から撤退するまでの間、ワーナーパイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)→日本コロムビア→東芝EMIと販売元の系列替えがあった。
洋楽部門では、前述のA&Mレコードのほか、一時期ゾンバ・レコード、ミュート・レコードなどの国内盤の発売元になっていたほか、ユーロビートのコンピレーションCD「ザッツ・ユーロビート」シリーズを定期的に出しており、カイリー・ミノーグなどを日本に紹介した。
邦楽レーベル
- ¥EN(YEN)(1982年~1985年)
- G.M.O.(1986年~1994年)
- 1985年に立ち上げられた日本初のゲームミュージック専門レーベル。のちにこのレーベルの担当者がサイトロン(サイトロン・レーベル)の立ち上げに参画する。ちなみにGMOは『GAME MUSIC ORGANIZATION』の略。
- HYS(1986年~1988年)
- 戸川純個人レーベル
- EDGE(1986年~1989年)
- ZAZA(1990年設立)
- NEWS
- NEWSレコード解散後、新たに設けられたレーベル。
- Magic Land(1996年設立)
- SPIN(1990年設立)
- On-Uサウンドの日本発売も行った。
洋楽レーベル (ライセンス、サブライセンスを含む)
- ALFA international
- 発足当時はアルファ・アメリカ独自制作で、ルルやビリー・ヴェラ アンド ザ・ビーターズなどを発売していたが、ビリー・ヴェラの「アット・ディス・モーメント」は発売後、アルファがアメリカ事務所を閉鎖した数年を経て、テレビドラマでの挿入歌に採用され全米チャート第1位を獲得する。後に、ユーロビートや洋楽作品のライセンス受託主体レーベルになる。
- 1992年頃、アンダーグラウンド・レジスタンスやHARDWAXレーベルといったデトロイトテクノを日本発売したが、アンダーグラウンドレジスタンス来日時にはプロモーションに協力しなかった。
- A&M Records
- ジャネット・ジャクソンやスクイーズ、ジョー・ジャクソン、ポリスなど英・米のA&Mと直接契約していた原盤のみを使用(現在はユニバーサル・ミュージックが取り扱い)。
- Sonet - スウェーデンの老舗レコード会社。
- シークレット・サービス等が日本発売された。現在は業務を閉鎖し、旧譜はユニバーサル・ミュージック内のストックホルム・レコードから発売されている。
- PWL Records
- 1980年代、イギリスのヒットプロデューサーチームストック・エイトキン・ウォーターマンのピート・ウォーターマンが設立したレコード会社。但し、その殆どはアーティスト単位でレコード会社にライセンスされ、リック・アストリーはBMG、ソニアやブラザー・ビヨンドはEMI、アーティストとしてのストック・エイトキン・ウォーターマンはA&Mの各PWLレーベルから販売されていた。
- アルファでは、日本地域で原盤使用権が浮いていた大量のSAWプロデュース作品や、デビュー時からPWLを離れるまでカイリー・ミノーグやジェイソン・ドノヴァンなど豪・マッシュルームレコードの制作とライセンス作品を販売していた。ユーロビートからクラブ志向にジャンルが傾倒すると、2 アンリミテッドやオーパス3などクラブカヴァー曲のサブライセンスも取得し「ザッツ・クラブトラックス」系列でのコンピレ-ション化、シングル化していた。
- PROTO Records
- 巨漢、女装の怪優でドラァグ・クイーンとしても『ピンク・フラミンゴ』や『ポリエステル』、『ヘアスプレー(オリジナルキャスト版)』など、多くの映画に出演したディヴァインの楽曲が、カセット版ザッツ・ハイエナジーに初収録。その流れを汲む初期ザッツ・ユーロビートのメインアクトとして多くの楽曲がフィーチュアされた。特にディヴァインの初期作品"Native Love"や"Shoot Your Shot"などのボビー・オーランドのプロデュース作品、ナイトメア・レコード主宰のイアン・レヴィン作品を経て、全米ディスコチャートにも登場した"You Think You're a Man"、"Walk Like A Man"や"I'm So Beautiful"は、ストック・エイトキン・ウォーターマン・プロダクションがブレイクする前(スタジオ運営、フェアライトCMI導入前)の初期作品であり、ハイエナジーとユーロビートのジャンルを語る上で、最も重要なシンガー、パフォーマーである。
- Bellaphone - ドイツのレコード会社。
- ヘイゼル・ディーンのアルバム (Hearts First - 1984年作品)は、マスタリングからプレスまでアルファレコードが行い、日本語盤から日本語解説を省いてこのレーベルへ輸出・供給していた。
- FLEA、F.C.F. Records、ASIA Records、Discomagic その他 - イタリアの音楽出版社系レーベル。ファリーナ・アンド・クリバレンテのプロデュース作品がメイン。
- アルファが日本国内で使用ライセンスを請けた楽曲を、avextrax社の前身会社がレンタルレコード店向けに独自編集(MixCD化)して日本へ輸入した件を巡り、アルファから販売差し止めを要請され騒動となる。この件により、avextraxはレコード会社として発足し、独自の「SUPER EUROBEAT」シリーズを立ち上げる。
- ZOMBA Records - フロッグ・オブ・シーガルズやDJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンス、R・ケリー&パブリックアナウンスメントなどを日本で販売。
- アルファから離れた後、ブリトニー・スピアーズやレッドニックスらが世界規模のヒット曲を輩出。当時のBMGが吸収合併したため、現在はソニーミュージックのレーベルの一つ。
- ミュート・レコード - デペッシュ・モード、イレイジャーやライバッハ、ニッツアー・エブなどを日本で販売。
- アルファ・ジャズ(Alfa jazz)
- 1988〜1998年、ジャズ専門レーベルとして活動し、休止。
なお、ザッツ・ユーロビート シリーズのみ、制作:アルファ・ミュージック、販売:パイオニアLDC(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)の4タイトルが存在する。
所属アーティスト
Alfa
- フィフィ・ザ・フリー 1969年11月のアルファ・レーベル発足、第一弾アーティスト(日本コロムビア・レコード配給)
- 赤い鳥
- 朝比奈マリア
- 荒井由実
- イエロー・マジック・オーケストラ
- いしだあゆみ
- 伊東ゆかり
- エキスポ
- 大野方栄
- GARDEN
- カシオペア
- 紙ふうせん
- GARO
- 小坂忠
- 古代祐三
- 小森田実
- サーカス
- 佐藤博
- Sandii & The Sunsetz(英語版)
- シーナ&ロケッツ
- 鈴木こう
- スターリン
- SUPER BAD
- スネークマンショー
- ソフトバレエ
- 太陽の塔
- タモリ
- 九十九一
- としたろうとリバーサイド(としたろうは、ソロで TOSHITARO としてアポロンへ移籍)
- ハイ・ファイ・セット
- 日出郎(のちにニューセンチュリー・レコードへ移籍、現VIVID SOUNDへ移籍)
- 日向敏文
- ビリー・ヴェラ
- 布施博
- Blue Film
- ブレッド&バター
- MAX Q(英語版) - INXSのマイケル・ハッチェンスを中心としたユニット。
- 松山千春(キャニオンレコード→NEWSレコード→アルファNEWSレーベル→現・日本コロムビア)
- 三好鉄生 - のちにクラウンレコードへ移籍
- 村井麻里子
- MELON
- 矢野有美
- 山本達彦
- 雪村いづみ
- 吉田美奈子
- 吉野千代乃
- ルネ(・シマール、René Simard) - カナダ出身。1974年に日本デビューした当時13歳のボーイソプラノ。
- 若林志穂
- audio active - アルファレコード移管後、BEAT RECORDSをメンバー自ら立ち上げ国内リリースを展開。1stアルバムは1993年11月に発売後まもなく廃盤。
- TELEX (テレックス)
- B・A・T
YEN
G.M.O.
HYS
- 戸川純
EDGE
- ヴァリエテ(有近真澄、山田多理)
- cutting edge
- ゼロスペクター
- P-MODEL
- POISON POP
NEWS
- 松山千春
ZAZA
外部リンク
参考文献
- 『ジャズ名門レーベル大事典 Swing Journal 1999年5月臨時増刊』スイングジャーナル社、1999年、338頁。