札幌市営地下鉄南北線
|} 南北線(なんぼくせん)は、北海道札幌市北区の麻生駅から同市南区の真駒内駅までを結ぶ、札幌市営地下鉄の路線である。
車体および路線図や乗換案内で使用されるラインカラーは「グリーン」(緑:■ )。駅ナンバリングにおける路線記号はN。
中央のレールをまたいでゴムタイヤで走行する案内軌条式鉄道であり、集電は架空電車線方式の東西線・東豊線とは異なり、第三軌条方式を採用している。
目次
路線データ
歴史
- 1971年(昭和46年)
- 1978年(昭和53年)
- 1994年(平成6年)10月14日:霊園前駅が南平岸駅に名称変更。
- 1995年(平成7年)9月:北海道初の4扉車、5000形車両が営業運転開始。
- 1999年(平成11年)6月27日:2000形(1000形)車両が全車運用終了。
- 2008年(平成20年)
- 8月18日:札幌市営地下鉄初の「女性専用車両」を試験導入。9月12日まで。
- 12月15日:「女性と子どもの安心車両」導入[2]。
- 2009年(平成21年)1月30日:ICカード「SAPICA」導入。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
シェルター
かつての定山渓鉄道線の廃線跡を通る平岸駅 - 真駒内駅間 (4.5km) は、建設費圧縮を目的に地上高架となっている[6]が、雪を防ぐためにアルミ合金製のシェルターで覆われている。これは世界で唯一の構造で、札幌市営地下鉄の特徴の一つにもなっている。このシェルターによって、豪雪地帯である札幌の厳しい気象条件に左右されない安定した輸送が実現しているほか、沿線の騒音防止にも役立っている。シェルター導入が決まる前までは、雪への対策として軌道に熱線を通し融雪する方法が検討されたり、札幌市電のササラ電車をヒントにした除雪用の車両も開発されたが、日の目を見ることはなかった。
利点の大きいシェルターであるが、一方でシェルター自体への積雪対策や経年劣化に伴う問題に加え、テレビやラジオの受信障害など、その構造特有の課題と対策も必要になっている。シェルター上に降り積もった雪は、そのまま放置すると下方で交差している道や側道に落下する危険性があるため、深夜に手作業で雪おろしを行っている。テレビ放送の受信障害については、市交通局が設置した共聴アンテナにより対応している。
- SapporoNanbokusen.jpg
地上部分の高架シェルター(2004年1月)
- Nanboku Line Ground Point.JPG
地下から地上に出る箇所(2012年5月)
- Sapporo subway shelter.jpg
シェルター内部。転轍機も見える(自衛隊前駅・2005年4月)
車両
内容は2012年3月25日現在。
現用車両
- 5000形:20編成120両。6両編成で、1両4扉。
過去の車両
- 2000形:1999年6月27日限りで全車運用終了。最大時は20編成160両が在籍していた。8両編成(2車体連接)で、1両2扉。
- 3000形:2012年3月25日限りで全車運用終了。最大時は5編成40両が在籍していた。2000形と同様に8両編成(2車体連接)で、1両2扉。
車両基地
- 南車両基地
- 自衛隊前駅の南南東で本線に近接しており、地上(屋内)にある。5000形の全20編成120両が所属している。
利用状況
数値は2012年度、札幌市交通局調べ。
- 一日平均乗車人員(乗換人員のぞく) 223,780人(前年度比+2.1%)
- 一日平均輸送人員(乗換人員含む) 270,359人(前年度比+2.2%)
- 最混雑区間 中島公園→すすきの
- ピーク1時間混雑率 103.7%
- 輸送密度 76,173.9(前年度比+1.6%)
2007年度の営業係数は62.12と黒字路線である(日本の地下鉄の経営状況を参照)が、ピーク時の1981年度(路線全体の1日平均乗車人員334,134人を記録し、特にすすきの駅や麻生駅は1日平均乗降人員が7万人を超えていた)以降は、東豊線の開業(1988年)などの影響で減少傾向が続いていた。
運行形態
ほとんどが全線通しで運転されているが、南車両基地への出入庫のため、一部の便が麻生駅 - 自衛隊前駅間で運転される。以前は自衛隊前駅発の麻生行が存在したが、現在では麻生駅発自衛隊前駅行のみが設定されている。南車両基地からの出庫時は、南車両基地→自衛隊前駅(折り返し)→真駒内駅と回送され営業運転に就く。入庫の場合でも真駒内駅まで営業運転ののち自衛隊前駅まで回送されるものも存在する。
日中は6 - 7分間隔、朝ラッシュ時は3 - 4分間隔、夕ラッシュ時は5 - 6分間隔で運転される。
毎年夏に開催されている豊平川花火大会開催日には、南北線は見物客で非常に混雑するため、夕方から夜にかけて、4 - 5分間隔の特別ダイヤでの運行となる。
女性と子どもの安心車両
2008年12月15日始発より導入。札幌市営地下鉄では「女性専用車」と呼ばず、「女性と子どもの安心車両」という名称である。乗車できるのは「女性」「小学校6年生以下の男児」「身障者および身障者の介護人の男性」となっているがあくまでも任意であり、強制力はない。 対象時間は、平日ダイヤの始発から9時までの全区間となっており、9時をもって一斉解除される。該当する車両は、真駒内側の先頭車1号車である。 麻生行は最後尾(乗車位置番号は21 - 24番に該当)、真駒内行は先頭(乗車位置番号は1 - 4番に該当)になる。
かつて運行されていた3000形の乗車位置番号は、麻生行きは緑の15, 16番、真駒内行は緑の1, 2番に該当していた。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 北24条 からの 営業 キロ |
接続路線 | 地上/地下 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
N01 | 麻生駅 | - | 2.2 | 北海道旅客鉄道:テンプレート:Color札沼線(新琴似駅:G05) | 地下区間 | 北区 |
N02 | 北34条駅 | 1.0 | 1.2 | |||
N03 | 北24条駅 | 1.2 | 0.0 | |||
N04 | 北18条駅 | 0.9 | 0.9 | |||
N05 | 北12条駅 | 0.8 | 1.7 | |||
N06 | さっぽろ駅 | 1.0 | 2.7 | 札幌市営地下鉄:■ 東豊線(H07) 北海道旅客鉄道:テンプレート:Color函館本線(札幌駅:01) |
中央区 | |
N07 | 大通駅 | 0.6 | 3.3 | 札幌市営地下鉄:■ 東西線(T09)、■ 東豊線(H08) 札幌市電:一条線(西4丁目停留場) | ||
N08 | すすきの駅 | 0.6 | 3.9 | 札幌市電:山鼻線(すすきの停留場) | ||
N09 | 中島公園駅 | 0.7 | 4.6 | 札幌市電:山鼻線(山鼻9条停留場) | ||
N10 | 幌平橋駅 | 1.0 | 5.6 | 札幌市電:山鼻線(静修学園前停留場) | ||
N11 | 中の島駅 | 0.5 | 6.1 | 豊平区 | ||
N12 | 平岸駅 | 0.7 | 6.8 | |||
N13 | 南平岸駅 | 1.1 | 7.9 | 地上区間 | ||
N14 | 澄川駅 | 1.2 | 9.1 | 南区 | ||
N15 | 自衛隊前駅 | 1.3 | 10.4 | |||
N16 | 真駒内駅 | 1.7 | 12.1 |
※距離起点は、北24条駅にある。
過去の接続路線
- 北24条駅:札幌市電鉄北線 - 1974年廃止
- 鉄北線はもともと札幌駅前停留場 - 新琴似駅前停留場間で運行されていた路線で、南北線の北24条駅 - 真駒内駅間が開業した際、並行する札幌駅前停留場 - 北24条停留場間のみが廃止された。南北線のうち、残る北24条駅以北の部分に並行する部分が開業したのは1978年であり、その間北24条 - 麻生(新琴似)間の鉄道路線は空白となっていた。
- 大通駅:札幌市電西4丁目線(三越前停留場) - 1973年廃止
- すすきの駅:札幌市電西4丁目線 - 1973年廃止
備考
- 公式文書での呼び名は札幌市高速電車南北線である。現況は大半が地下線であるが、当初の計画では、中島公園以南および北12条以北を高架で建設する予定だったという。
- 1971年の開業以降、真駒内駅周辺の人口増加や同駅以南の住宅地化が進行しており、この地域の住民の中には自衛隊前駅 - 真駒内駅間の新駅建設や、石山地区以南への路線延伸を望む声がある。実際、札幌市も計画当初は藤野地区までの建設を計画し、定山渓鉄道線廃止時に該当区間の路線跡を買収していた。しかし札幌市交通局が巨額の累積赤字を抱えていることに加え、用地も既に一部が他の用途に転用されており、実現の見通しは全く立っていない。また、麻生駅から北に茨戸あるいは新札幌団地(現・花川南付近)までの延伸も検討されたが、こちらについても実現の見通しは立っていない。
- ドア数の異なる2000形・3000形(以上はすでに営業運転終了)と5000形では乗車位置が異なるため、各駅のホームには2000形・3000形用の「緑色の乗車位置」と5000形用の「青色の乗車位置」が設けられ、3000形が到着する際は「緑色の乗車位置」への整列を促す放送があった。5000形の方が少なかった1995年から1999年までの間は「青色の乗車位置」の放送もあった。2012年3月を以って運行車両が、5000形に統一されたため、同年12月に南北線のラインカラーである緑色の乗車位置表示を5000形のドア位置に移設し、青色のものは撤去された。電光掲示板での乗車位置案内も廃止された。
- 可動式ホーム柵が設置されたことにより、電車がホームに接近する際と、発車する際の案内放送も変更された。
- 電車接近時:「まもなく、○番ホームに○○行が到着します。白線より下がってお待ちください。」→「まもなく、○番ホームに○○行が到着します。ご注意ください」
- 発車時:「○番ホームから、○○行が発車します。ご注意ください。(♪ゲー)」→「○番ホームから、○○行が発車します。ご注意ください。」(♪ゲーというブザー音が廃止)
- さっぽろ駅での他路線への乗り換え階段は、JR札幌駅方面がテンプレート:Color黄色、東豊線方面がテンプレート:Color青色に塗り分けられている。またその旨を車内放送でも案内している。
- 麻生駅(あさぶえき)所在地の「麻生町」の読みは、札幌市役所の告示[7]によると『あさぶちょう』である(当然、駅名もこれにあわせている)が、麻生が栄えはじめ移住してきた市民のあいだで「あざぶ」と呼ばれるようになり、病院などの各種施設・店舗でも『あざぶ』を採用している例が多数あり、実態としてはどちらの読みも併用されている[8]。
- 2012年夏季には北海道電力泊原子力発電所の運転停止による電力需要逼迫による節電対策として、地上区間では日中の車内照明消灯が行われた。