マンハッタンカフェ
テンプレート:Infobox マンハッタンカフェは日本の競走馬。2001年の菊花賞と有馬記念、2002年の天皇賞(春)に勝利した。主戦騎手は蛯名正義。
目次
デビュー前
セレクトセールでは1億3000万円で落札された。当初は「フサイチ」の冠号で知られる関口房朗がセレクトセールで落札したが、その後、西川清と社台ファームの吉田照哉の共同所有となった。そのため同馬は、市場取引馬に関する優遇が受けられなかった。
戦績
2001年
デビュー戦は2001年1月29日、東京芝2000mの新馬戦に出走し、2番人気に支持されたが3着だった。初勝利は2戦目の同年2月11日、東京芝1800mの新馬戦で単勝1.7倍という断然の人気に応えて勝った。続く弥生賞では4着と善戦したが、皐月賞の出走権を獲得できなかった。続いてアザレア賞では11着となり、休養に入った。
休養明けの復帰戦は札幌。富良野特別、阿寒湖特別を古馬相手に共に1番人気で勝ち、秋の上がり馬として菊花賞戦線に名乗りを挙げる。トライアルのセントライト記念では4着に敗れた。菊花賞では、逃げたマイネルデスポットをゴール直前で差しきり優勝、GI初勝利となった。
続く有馬記念では、GI7勝のテイエムオペラオーや、そのライバルメイショウドトウらを破り、GI2連勝を果たした。有馬記念で記録した上がり3F33.9秒は中山競馬場の2500m戦で確認されていた当時の最速の上がりであるだけではなく、2005年の湾岸ステークスまでは中山競馬場の2500m戦で確認された唯一の上がり3F33秒台であった。なお、2着に最低人気のアメリカンボスが入って万馬券となり、『マンハッタン+アメリカン』と同年に起きた米国同時多発テロの時事問題に掛けた名前の馬2頭でサイン馬券だと話題となり[1]、翌年の有馬記念の予想でもこのことが大きく取り上げられていた。
GIを2勝したものの同世代で日本ダービーとジャパンカップを制したジャングルポケットが年度代表馬および最優秀3歳牡馬に選出され、JRA賞受賞はならなかった。
2002年
翌2002年の初戦は、有馬記念と同じ中山芝2500mの日経賞。単勝1.2倍と圧倒的支持を受けたが、アクティブバイオの6着に敗れた。この際には、元来弱かった蹄の状態が悪化したことから、蹄を保護するための鉄橋鉄と呼ばれる特殊な蹄鉄を装着して出走しており、もともとが通常の蹄鉄より走りにくい上に、良馬場発表ながら直前に雨が降って滑りやすい馬場となっていたことが敗因といわれるテンプレート:誰。しかし、次走の天皇賞(春)では、ジャングルポケットや、2年連続天皇賞(春)3着の菊花賞優勝馬ナリタトップロードが出走し三強対決といわれていたが、マンハッタンカフェが優勝しGI3勝目を挙げた。結局、対ジャングルポケットには2戦負けなしだった。管理調教師の小島太は、騎手時代にはついに菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)を勝てなかったが、同馬をもって調教師として勝利を挙げたこととなった(なお、小島太はこの時のマンハッタンカフェに関して、蹄の状態が思わしくなく、回避するか否かをずっと悩んでいたとインタビューや自身の著書で語っている)。
同年秋にはヨーロッパに遠征し、10月6日、ロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞に出走。これは吉田照哉の「強い馬を世界で走らせたい」という希望によるもので、これに調教師の小島も同調。共同オーナーである西川は遠征に反対したものの「2対1じゃあ仕方ない」と最後には遠征に同意したという[2]。ただ同レースでは5番人気に支持されながらも13着に終わった上、レース後に屈腱炎を発症したことが判明し、引退した。
同年は天皇賞(春)を制したことが決め手となり、JRA賞では最優秀4歳以上牡馬を受賞した。
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 [kg] |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | ||
2001. | 1. | 29 | 東京 | 3歳新馬 | 15 | 5 | 9 | 4.0(2人) | 3着 | 蛯名正義 | 55 | 芝2000m(重) | 2:06.5 (34.9) | 0.2 | トレジャー | |
2. | 11 | 東京 | 3歳新馬 | 16 | 3 | 5 | 1.7(1人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 55 | 芝1800m(良) | 1:49.8 (35.5) | -0.3 | (イサオヒート) | ||
3. | 4 | 中山 | 弥生賞 | テンプレート:Color | 8 | 7 | 7 | 21.4(5人) | 4着 | 蛯名正義 | 55 | 芝2000m(不) | 2:06.8 (38.4) | 1.1 | アグネスタキオン | |
4. | 7 | 阪神 | アザレア賞 | 16 | 5 | 10 | 4.0(2人) | 11着 | 河内洋 | 55 | 芝2000m(良) | 2:03.7 (35.9) | 1.2 | シノグラフィー | ||
8. | 4 | 札幌 | 富良野特別 | 12 | 5 | 6 | 2.0(1人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 54 | 芝2600m(良) | 2:43.5 (35.6) | -0.3 | (シュプリゲン) | ||
8. | 26 | 札幌 | 阿寒湖特別 | 12 | 3 | 3 | 1.8(1人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 54 | 芝2600m(良) | 2:43.1 (35.8) | -0.1 | (トーセンサンダー) | ||
9. | 16 | 中山 | セントライト記念 | テンプレート:Color | 16 | 7 | 14 | 5.3(3人) | 4着 | 二本柳壮 | 56 | 芝2200m(稍) | 2:13.8 (36.3) | 0.7 | シンコウカリド | |
10. | 21 | 京都 | 菊花賞 | テンプレート:Color | 15 | 2 | 2 | 17.1(6人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 57 | 芝3000m(良) | 3:07.2 (34.0) | -0.1 | (マイネルデスポット) | |
12. | 23 | 中山 | 有馬記念 | テンプレート:Color | 13 | 4 | 4 | 7.1(3人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 55 | 芝2500m(良) | 2:33.1 (33.9) | -0.2 | (アメリカンボス) | |
2002. | 3. | 23 | 中山 | 日経賞 | テンプレート:Color | 8 | 8 | 8 | 1.2(1人) | 6着 | 蛯名正義 | 58 | 芝2500m(良) | 2:37.5 (34.9) | 0.5 | (アクティブバイオ) |
4. | 28 | 京都 | 天皇賞(春) | テンプレート:Color | 11 | 4 | 4 | 2.9(2人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 58 | 芝3200m(良) | 3:19.5 (34.1) | 0.0 | (ジャングルポケット) | |
10. | 6 | ロンシャン | 凱旋門賞 | テンプレート:Color | 16 | 12 | 8 | 13着 | 蛯名正義 | 59.5 | 芝2400m(良) | 2:29.7 | 3.0 | Marienbard |
種牡馬として
2003年より社台スタリオンステーションで種牡馬として供用されている。2006年に初年度産駒がデビューし、2007年には第2世代目にあたるオリエンタルロックが産駒初の重賞制覇、2009年には第3世代目のジョーカプチーノがGI初制覇を遂げた。サイアーランキングでは2008年にベストテン入り(9位)を果たし、翌2009年にはリーディングサイアーを獲得した。また、2歳リーディングの方でも2008年に5位、2009年に7位、2010年には10位と、3年連続でベストテン入りを果たした。
年度別種牡馬成績(中央+地方)
年 | 出走 | 勝利 | 順位 | AEI | 収得賞金 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
頭数 | 回数 | 頭数 | 回数 | ||||
2006年 | 56 | 149 | 12 | 15 | 102 | 0.75 | 1億6477万9000円 |
2007年 | 174 | 885 | 63 | 98 | 27 | 1.17 | 8億1952万8000円 |
2008年 | 279 | 1708 | 128 | 217 | 9 | 1.51 | 16億9759万2000円 |
2009年 | 327 | 2187 | 144 | 269 | 1 | 2.01 | 26億4617万7000円 |
2010年 | 340 | 2215 | 139 | 240 | 5 | 1.73 | 23億6354万8000円 |
2011年 | 315 | 2044 | 131 | 208 | 5 | 1.97 | 24億3639万4000円 |
2012年 | 307 | 2092 | 123 | 195 | 9 | 1.53 | 18億1272万3000円 |
2013年 | 316 | 2249 | 120 | 236 | 7 | 1.75 | 21億5811万8000円 |
GI級競走優勝馬
※太字はGI競走
- 2006年産
- 2007年産
- 2008年産
グレード制重賞優勝馬
- 2004年産
- 2005年産
- 2006年産
- 2007年産
- ガルボ(東京新聞杯、ダービー卿チャレンジトロフィー、シンザン記念、函館スプリントステークス)
- ゲシュタルト(京都新聞杯)
- アロマカフェ(ラジオNIKKEI賞)
- ハンソデバンド(共同通信杯)
- サンディエゴシチー(札幌2歳ステークス)
- 2008年産
- 2009年産
地方重賞優勝馬
ドラマ出演
2004年に関西テレビで制作され、全国放送されたドラマ『運命の出会い〜サラブレッドにかけた夢〜』に、父親であるサンデーサイレンス役で出演した。
血統表
マンハッタンカフェの血統サンデーサイレンス系(ヘイルトゥリーズン系) / アウトクロス | |||
父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 アメリカ |
Halo 1969 黒鹿毛 アメリカ |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 アメリカ |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
母 *サトルチェンジ Subtle Change 1988 黒鹿毛 アイルランド |
Law Society 1982 黒鹿毛 アメリカ |
Alleged | Hoist the Flag |
Princess Pout | |||
Bold Bikini | Boldnesian | ||
Ran-Tan | |||
Santa Luciana 1973 黒鹿毛 ドイツ |
Luciano | Henry the Seyenth | |
Light Arctic | |||
Suleika | Ticino | ||
Schwarzblaurot F-No.16-c |
- 半兄 - エアスマップ(父デインヒル)
- 近親には祖母Santa Lucianaを同じくするビワハイジ(阪神3歳牝馬ステークス)がいる。
- 全妹のマンハッタンフィズの仔にクイーンカップ勝ちのアプリコットフィズがいる。
脚注
外部リンク
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テンプレート:日本のリーディングサイアー- ↑ スポニチバックナンバー
- ↑ 『競馬最強の法則』(KKベストセラーズ)2010年4月号・p.72