トライアル競走
トライアル競走(トライアルきょうそう)とは、公営競技の主要競走の出走順位の決定、あるいは優先出走権獲得を目指すいわゆる予選相当の競走のことをさす。単にトライアルと表記する方が多い。
競馬
中央競馬
中央競馬の場合、3歳のGI競走(皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞、桜花賞、優駿牝馬(オークス)、秋華賞、NHKマイルカップ)に直結する重賞、あるいは指定オープン特別競走で上位2〜4頭に入った競走馬に優先出走権利を与える競走を言う[1]。
- 通常「トライアル競走」といった場合GI競走自体は含まないが、桜花賞と皐月賞は1〜4着まで、それぞれオークスと日本ダービーに優先出走権利が与えられるトライアルを兼ねている。
- なお、1994年までは優先出走権が与えられる競走全てがトライアル競走として指定されてはおらず、それぞれのGI競走に対しトライアルのサブタイトルがつく競走は1つだけで、残りの重賞を含む優先出走資格が与えられる競走は「○○(当該GI名)指定オープン競走」と表記されていた
また古馬の主要競走でも優先出走権は制定しないが、それに直結する競走をトライアル競走に準じている場合もある。例えば、古馬限定の天皇賞(春)を目指すのなら阪神大賞典等を使う事もある(上述の様に三冠以外のGI競走に直結している場合、トライアルと言われるよりステップ・レースと用いられる事が多い)。
- ただし地方競馬所属馬にとっては、当該競走を優勝または重賞の場合は2着以内に入線することで優先出走権を獲得できるため、実際にトライアル競走として機能することとなる。
- また外国馬に対しては、2000年〜2006年はジャパンカップで優勝すれば有馬記念の出走権が得られたほか、2008年からは凱旋門賞など4競走で上位に入った競走馬に対してジャパンカップの優先出走権が得られるようになっている。
- 2014年からは、特定の古馬GI競走について前哨戦の1着馬に優先出走権を与えるようになった。
地方競馬
地方競馬でも3歳限定競走やジャパンブリーディングファームズカップ(JBC)でトライアル競走を設定している。トライアル競走で優先出走権を得られるのは地方所属馬のみという条件がついている。
記録
- 1981年、中央競馬クラシック三冠トライアル競走においてサンエイソロンが3勝を挙げており、「トライアル三冠」と呼称された[2]。
- 1986年、その年の中央競馬牝馬三冠を達成したメジロラモーヌは三冠競走全てのトライアル競走も制している[3]。なお、牡馬・牝馬の三冠馬でトライアル三冠も達成しているのは同馬のみであり、三冠馬が三冠のトライアル競走全てに出走したケースも同馬のみである。
競輪
ダービートライアル
テンプレート:Seealso 1974年から1995年まで、日本選手権競輪で「ダービートライアル」が行われた。1974年と1975年については、予め選手選考委員会において選定された選手135名、1976年以降1995年までは同じ要領で216名が選抜され、これを各27名ずつに振り分けられた選手は、全国8ヵ所(1975年までは5ヶ所)に分かれて3日間競走を行った。これを1選手につき2場(1975年までは1選手3場)出走し、その合計獲得ポイントによって選考順位を決定し、上位27人は初日、2日目に行われる特別選抜戦(3レース)にシードされ、その上位各3名がゴールデンレーサー賞(全員が準決勝に進出)へと駒を進められるシステムであった。
- ダービートライアル最終日の得点表
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ダービートライアルが実施されていた頃の日本選手権競輪は、他の特別競輪と比較して、平均競走得点が相対的に低い選手であっても勝ち上がり戦に有利となりうるシステムとなっていた。一方でダービートライアルそのものの勝ち上がり方式に矛盾点が少なくなかった(例:初日1着、2日目7着で決勝進出が可能となるケースがあった)ことや、2回戦制となった1976年以降特に、1回戦である程度ポイントを稼いだ選手が、2回戦では欠場したり、出場権獲得がムリと分かった選手が、傍目から見て半ば無気力に走るケースが顕著化するなどの弊害が見られるようになったことから、1995年をもって廃止された。1996年以降、日本選手権競輪の出場要件は、前年の平均競走得点上位選手から順次選抜する方式に改められ、今日に至っている。
ふるさとダービー・東西王座戦
2001年からグレード制が採用されるようになると、ふるさとダービーが読売新聞社杯全日本選抜競輪の、共同通信社杯競輪が競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦の、東西王座戦は次年度の高松宮記念杯競輪の優先出走選手を決定するトライアルとして開催されるようになったが、ふるさとダービーは2005年から読売新聞社杯全日本選抜競輪のトライアル競走ではなくなった。なおいずれも現在は大会そのものが廃止されている
競艇
年末に賞金獲得順上位12人を対象とする賞金王決定戦が行われるが、最終日の順位決定戦及びファイナル・賞金王決定戦の出走枠を選定するための予選を「トライアル」と言う(シリーズ3日目から5日目までの第11競走及び最終12競走)。3日間の競走成績を得点に置き換えて、上位6人が決定戦、7位から12位は順位決定戦にコマを進める。尚、2009年迄は最終日の第11競走が順位決定戦・最終12競走が賞金王決定戦だったが2010年以降は順位決定戦を第10競走に移転させた。2012年に創設された賞金女王決定戦(女性選手の賞金獲得上位12人を対象とする大会)も同様のシステムとなっている。その他、これに直結する競艇王チャレンジカップ競走を賞金王決定戦出場のためのトライアル競走と位置づける場合もある。
また、2014年度からの競艇の番組・競走格付けの変更に伴い、次の2競走もトライアルとみなされる場合もある。
オートレース
年末にスーパースター王座決定戦が行われるが、この競走に出場する選手を選定するための予選を「トライアル」と言う。4日間の競走成績を得点に置き換えて、上位8人がスーパースター王座決定戦に出場できる。
主なスポーツ
ほとんどのスポーツはオリンピックと世界選手権の代表選考会を兼ねている。例えばマラソンの場合、女子は東京国際女子マラソン→横浜国際女子マラソン、大阪国際女子マラソン、名古屋国際女子マラソン→名古屋ウィメンズマラソン、男子は福岡国際マラソン、東京国際マラソン→東京マラソン、びわこ毎日マラソンを実施、そこである条件(日本人でトップなど)を満たした選手などが日本代表として選ばれる。