北海道札幌東高等学校
北海道札幌東高等学校(ほっかいどう さっぽろひがしこうとうがっこう)は、北海道札幌市白石区菊水にある道立高等学校。全日制普通科、定時制普通科を併設。略称は“東高”(ひがしこう)。
目次
概要
明治時代に設立された旧制高等女学校を前身とする公立高校である。「克己自彊」(こっきじきょう)の校訓のもと、真面目、堅実な校風であるといわれているテンプレート:要出典。北海道大学への進学者が多い。
札幌市の中心部(都心に隣接する住宅街)に位置しており、通学のための交通手段がJR北海道函館本線(苗穂駅)、札幌市営地下鉄東西線(菊水駅または東札幌駅)、JR北海道バス(菊水9条3丁目・東高前・上白石小学校前バス停)と三通りある。中距離電車の停車するJR駅に近いことから、札幌市内のみならず近郊の市町村からの通学生の多いことも特徴である。ただし、住宅街に位置することから、交通事情の事由により自転車通学は禁止されている。
服装は学校指定の制服である。男子は黒の詰襟学生服に、校章入り金ボタンを装着する。女子は、襟に白色二本ラインが入った濃紺セーラー服である。
全日制沿革
- 1907年 - 札幌区立札幌尋常高等小学校の校舎で、札幌區立女子職業學校創設。
- 1908年 - 中島遊園地の一角に校舎の一部を改築し、移転。
- 1920年 - 札幌區立實科高等女学校と改称。
- 1922年 - 札幌區立高等女學校と改称。
- 1923年 - 市制施行により、札幌市立高等女學校と改称。
- 1925年 - 夜学校、市立實業女學校が併設。
- 1943年 - 北海道初等科准訓導養成所を附設、入所式挙行。
- 1944年 - 本校附属看護婦養成所開所式挙行。
- 1948年 - 学制改革により、札幌市立第一高等学校と改称。
- 1950年 - 高等学校の統合により、北海道札幌東高等学校と改称。
- 1950年 - 再編成による異動生徒の入校式。男女共学制実施。
- 1953年 - 新校舎落成記念式典にて、現校歌発表。
- 1955年 - 札幌市立から北海道立に移管。
- 1966年 - 格技場落成式挙行。
- 1967年 - アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド市グラント高校との姉妹校盟約に調印。
- 1972年 - 新体育館落成式挙行。
- 1981年 - 新校舎(現校舎)落成記念式典挙行。
- 1993年 - 2学期制開始。
- 2007年 - 創立100周年記念式典挙行。
定時制沿革
- 1966年4月1日 - 定時制課程普通科1学級併置。
校歌
現在の校歌は、1953年11月に制定、新校舎落成記念式典にて発表された。風巻景次郎により作詞、池内友次郎により作曲されたものである。
行事
- 入学式
- 新入生歓迎会
- 新入生歓迎プログラムとして、入学式翌日から4月いっぱいに渡って各種の歓迎行事が行われる。教師陣や学友会からの学校説明に始まり、部活動紹介や、「先輩に聞く!」と題して、上級生から学生生活などについての説明が行われる。さらに、全学年交えての各種ゲームを行い、交流を育む。
- 壮行式
- 東校祭
- 学友会行事の中で最も大規模な行事である。毎年夏休み前の7月に行われる。初日、開会式と「のど自慢大会」の一回戦が行われる。「のど自慢大会」は、東高祭のメインイベントであり、例年大きな盛り上がりをみせる。全学級が参加し、クラス対抗のトーナメント方式で行われる。クラスから選ばれた代表者もしくはチームが出場、歌、ダンスなどが演じられ、選任された採点者の多数決によって勝敗を決する。二日目は校内交流、三日目は一般公開となる。クラス毎の出店の他、文化系部からの出展や、学友会、同窓会からの出品もある。浴衣で参加する女子生徒も多い。閉会式において、「のど自慢大会」の決勝が行われる。過去には、閉会式の後に後夜祭が行われた。東校祭の全日程がこれにて幕を閉じる。後夜祭は、グランド中央にキャンプファイヤーを灯し、フォークダンスを行うのが恒例であった。また、以前は4日間に渡って行われた時期もあり、クラス別の演芸大会、仮装行列などの催し物があった。
- 体育大会
- 見学旅行(二年生)
- 宿泊研修(一年生)
- 卒業式
部活動
合唱部、放送局、演劇部などの文化系活動が盛ん。特に合唱部は北海道大会入賞の常連校であり、全国大会における入賞もある。体育会系部活動においては、陸上部が、全国高等学校総合体育大会陸上競技大会の全国大会出場の常連校である。サッカー部が2005年度の高校総体において初の全国大会に出場した。
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主な活動成績
- 1948年 - 第1回全国高等学校総合体育大会陸上競技大会 女子400Mリレー 優勝
- 1950年 - 第1回全国高等学校総合体育大会バドミントン競技大会 女子優勝
- 1952年 - 第3回全国高等学校総合体育大会バドミントン競技大会 女子3位
- 1959年 - 第26回NHK全国学校音楽コンクール 2位
- 1960年 - 第27回NHK全国学校音楽コンクール 2位
- 1960年 - 第4回全国高校新聞コンクール 2位
- 1964年 - 第17回全日本合唱コンクール 優秀賞
- 1964年 - 第8回全国高校新聞コンクール 金賞
- 1965年 - 全国計算尺競技大会 2位
- 1969年 - 第15回全国高等学校演劇大会 優秀賞、創作脚本賞
- 1970年 - 第37回NHK全国学校音楽コンクール 優秀賞
- 1993年 - 第46回全日本合唱コンクール 銅賞
- 1993年 - 第40回NHK杯全国高校放送コンテスト アナウンス部門3位
- 2003年 - 第27回全国高等学校総合文化祭 囲碁男子個人戦優勝
学友会
年一回、選挙によって会長が選出される。また、その他の役員は会長の指名により総務委員会の委員の中から決められる。東校祭その他の生徒活動の運営の他、学友会誌を年一回発行する。学友会の歴史は、学校創立後まもなくの1909年、自彊会が設立されたのがはじめとされる。
同窓会
はじめ静修会、後に園生会として同窓会組織があったが、北海道札幌東高等学校として男女共学になった後、札幌東高等学校同窓会として統合された。毎年、総会や懇親会が執り行われている。1922年の同窓会組織(静修会)によって、札幌静修会女学校(現在の札幌静修高等学校)が創設された。
その他
- 1911年、当時の皇太子(後の大正天皇)による札幌行啓の際に来校、授業参観が行われた。また、1949年、高松宮、秩父宮の両宮様が来校しスクエアダンスを見学した。
- 1937年2月23日、校舎が火事に遭い、発生後から1時間足らずでほぼ全焼した。小学校の校舎を仮校舎として授業が進められ、翌年の1938年8月10日に新校舎が落成した。1937年は創立30周年に当たり、記念式典が予定されていたが、延期、翌年の新校舎落成後に挙行されている。また、災害による生徒の混乱や虚脱解消のため、札幌市に依属して新校歌として第二校歌が作成された。
- 戦時中の1945年4月から8月の間、校舎が日本陸軍被服廠所所属の工場として転用された。
- 1960年代の学生運動が盛んな時代、1969年に学友会の自治権問題から東校紛争が起こった。デモ行進やビラ配布、アジ演説などがさかんに行われた。1970年、全共闘より敗北宣言が出され紛争は収拾した。
- 高女時代から続く伝統的行事としてマラソン大会があった。しかし、交通事情等の点から、1966年をもって中止された。他に、かつて行われていた行事として、遠足や柔道大会などがある。
- 校舎二階の吹き抜け箇所に、彫像「希望」が設置されている。これは、創立60周年記念事業の際に寄贈を受け、1967年から1981年の間旧校舎の中庭に置かれ、その後、1987年に復元されたものである。
- 現在の校舎は1981年に建てられたもので、それまでは1953年に建てられた木造校舎であった。当時、札幌市内の高校において唯一の木造校舎であり、冬季の寒さは殊に厳しかったという。
著名な出身者
政治・行政
官僚
- 遠藤昭雄(元文部科学省研究振興局長、元国立教育政策研究所所長、元国立大学財務・経営センター理事長)
- 佐川政夫(元文部省大臣官房文教施設部長、元文教施設協会専務理事)
- 丹波實(元外務審議官、元在ロシア特命全権大使)
- 伴次雄(元林野庁長官、元緑資源機構理事長)
経済
- 木村勇市(キムラ会長)
- 平公夫(ナシオ社長)
- 寺下史郎(アイ・アールジャパン社長)
- 高橋昭憲(データクラフト社長)
- 平井睦雄(進学会会長)
- 星野恭亮(旭イノベックス社長、在札幌メキシコ合衆国名誉領事)
- 森川實(元日本エアシステム社長)
- 柳本孝志(ウェルネット会長)
学問
- 青池愼一(社会学者、慶應義塾大学名誉教授、成城大学教授)
- 浅見公子(法学者、成城大学名誉教授)
- 五十嵐恒夫(農学者、北海道大学名誉教授)
- 石川睦男(医学者、元旭川医科大学副学長)
- 一ノ宮修(工学者、北海道工業大学教授)
- 岩井泰夫(数学者、北海道工業大学名誉教授)
- 海老江邦雄(工学者、北見工業大学名誉教授)
- 遠藤広光(水産学者、高知大学教授)
- 奥谷浩一(哲学者、札幌学院大学学長)
- 片山宏行(国文学者、青山学院大学教授)
- 加藤茂夫(経営学者、専修大学教授)
- 神谷光彦(農学者、北海道工業大学名誉教授)
- 川成洋(英文学者、スペイン史学者、評論家、法政大学教授)
- 黒田重雄(経営学者、北海道大学名誉教授、北海学園大学教授)
- 小林恒明(農学者、元京都大学教授)
- 媚山政良(工学者、室蘭工業大学教授)
- 櫻井政経(工学者、道都大学学長、学校法人北海道櫻井産業学園理事長)
- 佐藤和生(仏文学者、同志社大学名誉教授)
- 沢田壮兵(農学者、帯広畜産大学名誉教授)
- 杉田護(植物学者、名古屋大学教授)
- 鈴木敬夫(法学者、札幌学院大学名誉教授)
- 世戸憲治(物理学者、北海学園大学教授)
- 扇子幸一(心理学者、北海道教育大学教授)
- 高村博之(数学者、はこだて未来大学教授)
- 高村雅彦(建築史家、法政大学教授)
- 田中良三(商学者、小樽商科大学名誉教授)
- 谷本光穂(物理学者、旭川医科大学名誉教授)
- 丹保憲仁(工学者、元北海道大学総長、元放送大学学長、北海道立総合研究機構理事長)
- 富野康日己(医学者、順天堂大学教授)
- 中澤千磨夫(国文学者、北海道武蔵女子短期大学教授)
- 西村正広(社会学者、愛知大学教授)
- 野々村克也(医学者、北海道大学教授)
- 蓮池穣(政治学者、札幌学院大学名誉教授)
- 半田正夫(法学者、弁護士、元青山学院大学学長、青山学院理事長)
- 稗貫俊文(法学者、北海道大学名誉教授、北海学園大学教授)
- 布施晶子(社会学者、元札幌学院大学学長)
- 保木邦仁(物理化学者、電気通信大学助教、将棋ソフトBonanza開発者)
- 星野政幸(工学者、北海道工業大学名誉教授)
- 穂積保(法学者、東京理科大学教授)
- 松田彊(農学者、北海道大学名誉教授)
- 溝口光男(工学者、室蘭工業大学教授)
- 宮島初子(教育者、宮島学園創立者)
- 谷地弘安(経営学者、横浜国立大学准教授)
- 渡辺信二(米文学者、立教大学教授)
文化
- 東直己(小説家)
- 阿部典英(彫刻家、元北海道浅井学園大学教授)
- 井岡雅宏(アニメーション美術監督)
- 板津邦夫(彫刻家、北海道教育大学名誉教授)
- 岡部昌生(美術家、札幌大谷大学短期大学部教授)
- 亀谷彰一(トロンボーン奏者、名古屋音楽大学講師)
- 貴音三郎助 (3代目)(長唄唄方、人間国宝)
- 木村多伎子(版画家)
- 工藤恒美(漫画家)
- 久保田滋(小説家)
- 近藤純夫(エッセイスト、翻訳家、冒険家)
- 杉村悦郎(伝記作家)
- 鈴木慎崇(ピアニスト)
- 曽我部司(ノンフィクション作家)
- 竹山実(建築家、武蔵野美術大学名誉教授、イリノイ大学名誉教授)
- 玉本猛(グラフィック・デザイナー)
- 千田モト(舞踏家)
- 富樫倫太郎(小説家)
- 豊島輝彦(画家、元札幌大谷大学短期大学部教授)
- 花田和治(画家)
- 林佑子(俳人)
- 樋口雅山房(書家)
- 蛭田亜紗子(小説家)
- 藤田和子(漫画家)
- 保阪正康(ノンフィクション作家、評論家)
- 松本修(演出家、MODE主宰、近畿大学教授)
- 森雅之(漫画家)
- 森みつ(詩人)
- 山本益博(落語評論家、料理評論家)
- 吉田友昭(ピアニスト)
芸能
- 石井敏郎(声優、元加須市議会議員)
- 工藤篤子(ゴスペルシンガー)
- 黒木しのぶ(女優)
- 佐々木幸男(シンガーソングライター)
- じゅんぺい(しろっぷ、お笑い芸人)
- 関口篤(俳優、声優)
- まつだ志緒理(声優)
- 室田日出男(俳優)
マスコミ
- 稲田秀樹(共同テレビ番組プロデューサー、映画プロデューサー)
- 神田昭一(HTB気象予報士)
- 管野暢昭(HBCアナウンサー)
- 熊谷光紗(エフエム栃木パーソナリティ)
- 小松靖(テレビ朝日アナウンサー)
- 佐々木真奈美(フリーアナウンサー、元山形テレビアナウンサー)
- 曽根優(NHKアナウンサー)
- マダムケロコ(元HBCラジオパーソナリティ、FMりべーるパーソナリティ)
- 村岡啓介(FMおたるパーソナリティ)
- 福井慎二(NHKアナウンサー)
スポーツ
- 伊東秀仁(日本スケート連盟フィギュアスケート委員長)
- 上杉尹宏(長野オリンピックノルディック複合監督、北海道東海大学教授)
- 尾崎正則(ソフトボール指導者、元国際ソフトボール連盟副会長、日本ソフトボール協会副会長)
- 鴨林猛徳(プロゴルファー)
- 佐々木峻(長野オリンピック、ソルトレイクシティオリンピックスノーボード監督、全日本スキー連盟理事)
- 竹内善徳(柔道家、元国際柔道連盟副会長、筑波大学名誉教授)
- 中村宏之(陸上競技指導者、北海道ハイテクAC監督)