ロンバルディア州

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テンプレート:基礎情報 行政区画 ロンバルディア州テンプレート:Lang-it テンプレート:発音)は、イタリア共和国北西部に位置する。州都はイタリア第二の都市であるミラノ

イタリア最大の人口(約1000万人)を擁する州であり、これはイタリアの人口の1/6にあたる。また、イタリアの国内総生産(GDP)の1/5を生産する。

名称

標準イタリア語以外の言語では以下の名称を持つ。

ロンバルディアの名は、「ロンバルド人の土地」を意味する言葉に由来する。ロンバルド人はゲルマン人の一派で、ラテン語形でランゴバルド人とも呼ばれる。

地理

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ロンバルディア州概略図

位置・広がり

ロンバルディア州はイタリア北西部にある内陸の州で、北にスイスと国境を接する。州都ミラノは州の南西部に位置し、トリノから東北東へ約126km、ジェノヴァから北へ約200km、ヴェネツィアから西へ約244km、首都ローマから西北へ約476kmの距離にある。

州の面積は約23,900 km²で、イタリアの州では4番目に広く、また本土にある州ではピエモンテ州に次いで2番目の広さである。

隣接する州およびそれに相当する行政区画は以下の通り。

地勢

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ベルガモ・アルプス
ファイル:Altimetria Lombardia.svg
ロンバルディア州の地勢。山岳・丘陵・平野の割合を示す

ロンバルディア州は地勢によって大きく3つの地域、すなわち山岳部、丘陵部、平野部に分けられる。

州北部の山岳部はアルプス山脈の一角で、レポンティネ・アルプス山脈テンプレート:Enlink、ラエティア・アルプス山脈テンプレート:Enlink、ベルガモ・アルプス山脈テンプレート:Enlink、オルトラー・アルプス山脈テンプレート:Enlinkなどを含んでいる。州の最高峰は、スイスとの国境に位置するベルニナ山脈テンプレート:Enlink(最高地点はスイス領内にあるピッツ・ベルニナテンプレート:Enlink、4049m)のラ・スペラ峰テンプレート:Enlink(4020m)である。また、山岳部には、氷河を起源としている大きな湖が連なっている。西から順に、マッジョーレ湖ルガーノ湖(スイスと共有)、コモ湖イゼーオ湖ガルダ湖である。ガルダ湖はイタリア最大の面積を持つ湖で、マッジョーレ湖が第2位、コモ湖が第3位である。

アルプスの南には、最後の氷河期に形成された氷河地形モレーン堆石)に起源を持つ、低い丘陵地帯が広がっている。これらの丘陵は、狭く肥沃な台地と、荒野と針葉樹によって特徴づけられている。

ロンバルディア平野は沖積平野で、さらに Alta (高い土地)と Bassa (低い土地)に分けられる。平野北側の Alta は標高がより高く、水が浸透して地下水となる土地であり、南側の Bassa は標高が低く、地下水が地上に現れる湧水線によって特徴づけられる。

上記の山岳・丘陵・平野部の三地域のほか、州南西部(パヴィーア県南部)ポー川の南にオルトレポー・パヴェーゼテンプレート:Enlinkと呼ばれる地域がある。この地域はアペニン山脈に連なる小規模な山地によって特徴づけられている。

州内を流れる多くの川は、ポー川の支流であり、平野部を潤している。主要な川としては、北西から南東へ順に、ティチーノ川(マッジョーレ湖から流出する川)、オローナ川テンプレート:Enlink、ランブロ川テンプレート:Enlinkアッダ川(コモ湖から流出する川)、ミンチョ川(ガルダ湖から流出する川)、オーリオ川(イゼーオ湖から流出する川)が挙げられる。灌漑を目的として、広い範囲に水路のネットワークが張り巡らされている。

気候

この地方は大陸性気候であるが、高山や湖の存在によってバリエーションに富むものとなっている。

大陸性気候が最もはっきりとした形で現れるのは平野部で、一年を通じて気温の変化が大きく(ミラノでは1月の平均気温が1.5℃、7月の平均気温が24℃)、10月から2月にかけては濃霧が現れる。アルプスの麓にある湖は、こうした気温の変化を穏やかなものにしており、地中海の植物(オリーブや柑橘類)の生育を可能にしている。アルプスでは、標高の高い地域(ボルミオ(標高1225m)では1月の平均気温が−1.4℃、7月の平均気温が17.3℃)に比較し、谷底の地域の気候は比較的穏やかである。

降水は、平野部や山岳部(年間降水量 650 – 800mm)よりも中間のプレアルプスで顕著(年間降水量 1500 – 2000mm)である。

主要な都市

人口8万人以上のコムーネは以下の通り。人口は2011年1月1日現在[1]

テンプレート:Gallery

歴史

古代ローマ時代、ロンバルディアはピエモンテと共にガリア・キサルピナ(ローマから見て「アルプスよりこちら側のガリア」の意)と呼ばれる属州の一つであった。568年ゲルマン人ランゴバルト族が侵入し、ランゴバルド王国を築く。774年カール大帝により首都のパヴィーアが陥落し王国は滅亡。1162年、皇帝フリードリヒ1世(バルバロッサ、またはバーバロサ)により、ミラノも征服され破壊された。1167年に成立したロンバルディア同盟により復興する。そのころからヴィスコンティ家が台頭しはじめ、1395年にはジョヴァンニ・ガレアッツォ・ヴィスコンティがミラノ公になりミラノ公国が成立する。

1499年、フランスのルイ12世の侵攻によりスフォルツァ家がミラノから追放される。

1796年にはナポレオンにより占領され、彼が建国したチザルピーナ共和国の一部となった。

1814年にナポレオンが失脚すると、ウィーン会議により、ヴェネツィア共和国のイタリア領であったヴェネトなどと共に、オーストリア皇帝を王とするロンバルド=ヴェネト王国の一部とされた。

第二次イタリア統一戦争の結果、1859年7月11日サルデーニャ王国に併合され、1861年にサルデーニャ王国はイタリア半島を統一し、ロンバルディアもイタリア王国の一部となった。

行政区画

ロンバルディア州は、以下の12から構成される。所属する県の数はイタリアの州の中で最も多い。

左端の数字はISTATコード、アルファベット2文字は県名略記号を示す。人口は2011年1月1日現在[1]。面積の単位はkm²。

県名 綴り 県都 面積 人口
012 VA ヴァレーゼ県 Varese ヴァレーゼ 1,199 883,285
013 CO コモ県 Como コモ 1,288 594,988
014 SO ソンドリオ県 Sondrio ソンドリオ 3,212 183,169
015 MI ミラノ県 Milano ミラノ 1,575 3,156,694
016 BG ベルガモ県 Bergamo ベルガモ 2,723 1,098,740
017 BS ブレシア県 Brescia ブレシア 4,784 1,256,025
018 PV パヴィーア県 Pavia パヴィーア 2,965 548,307
019 CR クレモナ県 Cremona クレモナ 1,772 363,606
020 MN マントヴァ県 Mantova マントヴァ 2,339 415,442
097 LC レッコ県 Lecco レッコ (レッコ県) 816 340,167
098 LO ローディ県 Lodi ローディ 782 227,655
108 MB モンツァ・エ・ブリアンツァ県 Monza e Brianza モンツァ 405 849,636

文化

言語

ファイル:Italy - Forms of Dialect.jpg
イタリアの言語分布

公用語としてはイタリア語が用いられているが、この地方で伝統的に使われてきた地方言語Dialetto, 方言)はロンバルド語である。また、南部の一部地域ではエミリア・ロマーニャ語の一種であるエミリア語テンプレート:Enlinkが話されている。

2006年の国立統計研究所(ISTAT)の統計によれば、6歳以上の住民の家庭内での会話における言語状況は以下の通り[2]。イタリア語(Italiano)、地方言語(Dialetto)、他の言語(Altra lingua)についてのデータで、左列が全国平均、右列がロンバルディア州の数値である。

家庭内の会話における使用言語 全国
イタリア語のみ、あるいは主にイタリア語 45.5% 57.6%
地方言語のみ、あるいは主に地方言語 16.0% 9.1%
イタリア語と地方言語の双方 32.5% 26.6%
他の言語 5.1% 5.7%
ファイル:Bait dal comun.jpg
ロンバルディア語の方言で記されたリヴィーニョの町役場の表示
ロンバルド語
ロンバルド語は、ロマンス諸語のうちガロ・イタリア語(北イタリア語)に含まれる一群の地方言語である。ロンバルド語の言語変種(方言)は、テンプレート:仮リンクテンプレート:仮リンクとさらに細かく分類される。ロンバルド語は、隣接するピエモンテ州やスイス南部(ティチーノ州グラウビュンデン州)でも話されている。
エミリア語
エミリア=ロマーニャ州に隣接する、州南部のマントヴァ県パドヴァ県クレモナ県の一部では、エミリア語テンプレート:Enlinkが話されている。エミリア語は、ガロ・イタリア語に含まれるエミリア・ロマーニャ語の一種である。

食文化

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カルナローリ米
ファイル:Cotechino-Servito-Polenta-Lenticchie.jpg
ポレンタとコテキーノ、レンズマメのソース

テンプレート:仮リンクは、同じ州内でも地域ごとに郷土料理のバラエティがある。ミラノ料理テンプレート:Enlink、クレモナ料理、マントヴァ料理テンプレート:Enlinkなど、古都ではそれぞれの食文化が発展している。

県の中南部にあたるポー川流域の平原地帯では稲作がおこなわれていることから、(カルナローリ種)はよく使われる食材である。また、この平原地帯は牛や豚などの集約的畜産業を可能にしており、牛乳、バター、クリーム、チーズや、ハム、ソーセージ、サラミといったさまざまの畜産品が生産され、料理に使用されている。

コモ湖など多数の湖がある北部の湖沼地帯では、淡水魚を活かした食文化がある(コモ料理テンプレート:Enlink)。また、土壌のやせた山岳地帯であるヴァルテッリーナ地方(ソンドリオ県)では蕎麦が栽培されているほか、ハムやチーズ、ワインなどの生産地としても知られている[3]

パスタ・スープ類
米を用いたロンバルディアの代表的な料理としてリゾットがある。リゾットの中でもとくに、サフランを用いたミラノ風リゾット(risotto alla Milanese)はよく知られている。モンツァでは、リゾットにソーセージを加えたものが一般的である。具だくさんの野菜スープ「ミネストローネ」はロンバルディアが発祥とされるが、パスタの代わりに米が入れられることもある[4]
ベルガモブレシアヴァルテッリーナ地方などでは、トウモロコシの粉を練ったポレンタがポピュラーである。ポレンタには、ロバ肉ソース(Asino e Polenta)、野鳥テンプレート:Enlinkゴルゴンゾーラチーズ(Polenta e Gorgonzola)などさまざまな食材が合わされる。
マントヴァでは、カボチャのペーストを包んだラビオリ「トルテッリ・ディ・ズッカ」テンプレート:Enlinkが名物で、溶かしバターとともに供される。 クレモナではラビオリの一種であるマルビニテンプレート:Enlinkが食される。
北部山岳地域のヴァルテッリーナ地方では蕎麦粉を用いたパスタ「ピッツォッケリ」が食べられている。
ファイル:Cotoletta e patate al forno.jpg
コトレッタ(ミラノ風カツレツ)
ファイル:Ossobuco.jpg
オッソ・ブーコ
畜肉加工品・肉料理
牛もも肉を塩漬けにした生ハム「ブレザオラ」テンプレート:Enlinkはヴァルテッリーナ地方が発祥の地である。サラミ(イタリア語ではサラメ salame)の生産も行われ、原産地名称保護(DOP)や地理的表示保護(IGP)の指定を受けているものも多い。
DOPIGPの指定を受けているものに以下がある。
以下の名称は他州の地名を冠しているが、ロンバルディア州(の一部)も指定地域に含まれている。
この地域の代表的な肉料理には、日本のカツレツの原型の一つであるコトレッタ(ミラノ風カツレツ)テンプレート:Enlink、豚肉とキャベツの煮込み料理であるカッソーラテンプレート:Enlink、仔牛すね肉の煮込みであるオッソ・ブーコ、ブレシアの名物である炙り焼肉料理スピエドテンプレート:Enlinkなどがある。
魚料理
コモ周辺では、コモ湖などに生息するスズキ目ヨーロピアンパーチ(イタリア語ではペッシェ・ペルシコ pesce persico)や、ミッソルティーニ(missoltini)という名の魚が食卓に上る[3]
ファイル:Gorgonzola and a pear.jpg
ゴルゴンゾーラと洋ナシ
チーズ
当地産のチーズとしては、ゴルゴンゾーラグラナ・パダーノタレッジョビット、ロビオラテンプレート:Enlink、ストラッキーノテンプレート:Enlinkなどが挙げられる。ゴルゴンゾーラチーズはミラノ近郊のゴルゴンゾーラ、タレッジョチーズはタレッジョ谷(ベルガモ県)が、それぞれその名の由来である。マスカルポーネはもともとロンバルディアのチーズであったが、現在はイタリア全土で生産されている。
DOPやIGPの指定を受けているものに以下がある。
菓子(ドルチェ
クリスマスシーズン(待降節)につくられるドライフルーツ入り菓子パンパネットーネ」や、クリーム状ドルチェである「ザバイオーネ」は、ミラノの名物菓子とされている。、マントヴァ名物であるトウモロコシの粉を用いた焼き菓子・ズブリゾローナテンプレート:Enlink、クレモナ名物であるヌガー菓子の一種トッローネテンプレート:Enlink、同じくクレモナ名物の果物のマスタード風味シロップ漬けモスタルダなどは、国指定の伝統食品(PAT)テンプレート:Enlinkに数えられている。
ワイン
以下の産地名称は、イタリアの原産地名称保護制度の中で最上級にあたる保証つき統制原産地呼称(DOCG)に指定されている。
オリーブオイル
DOPの指定を受けているものに以下がある。
その他農産品
IGPの指定を受けているものに以下がある。

世界遺産

ロンバルディア州内には、以下の世界遺産がある。

観光地

ミラノ県の県都ミラノには、史跡としてはスフォルツァ城(スフォルツェスコ城)が有名で、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア、またモンテナポレオーネ通りがある。教会建築としては、ドゥオーモ(ミラノ大聖堂)、サンタンブロージョ教会サン・ロレンツォ聖堂サン・ナザロ・マッジョーレ聖堂サンテウストルジョ聖堂サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会がある。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会には、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の著名な絵画『最後の晩餐』があり、人気スポットとしてはスカラ座が有名である。博物館・美術館には、ブレラ絵画館、近代美術館 (la Galleria d'Arte Moderna)、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館、バガッティ・ヴァルセッキ美術館 [1]がある。

ベルガモ県には、労働者のための町クレスピ・ダッダがある。19世紀にクリストフォロ・ベニーニョ・クレスピにより労働者のための理想郷としてアッダ川とブレンブロ川が合流する三角地帯につくられた。世界遺産である。

スポーツ

サッカー

州内に本拠を置くプロサッカークラブとしては以下がある。所属リーグは2012-13シーズン現在。

5部リーグ(アマチュア最上位リーグ)のセリエDでは、ジローネA,Bに属する。ロンバルディア州の地方リーグ(6部リーグ)として、エッチェッレンツァ・ロンバルディアテンプレート:Enlinkがある。

自転車

競馬

自然

ファイル:Autunno.JPG
ロンバルディアの秋(Valsassina

植物

平野部では数世紀にわたって農耕が営まれており、自然のままの環境を残している場所はほとんどない。いくつかの自然保護区において、ニレハンノキテンプレート:仮リンクポプラヤナギシデなどの植生がみられる森林や荒野の姿を見ることができる。

アルプスのふもとの湖水の周辺では、マグノリアアザレアアカシアといった亜熱帯の草花や、オリーブイトスギカラマツなどの木を見ることができる。

山岳部では、イタリア・アルプスにおける典型的な植生分布となっている。標高の低い地域(標高1100mあたり)ではオーク広葉樹が見られる。山腹(2000mから2200mあたり)がブナの木の下限であり、これより高い地域は針葉樹が生えている。ツツジハイマツビャクシンといった灌木類は山頂部(2200m超)で見られる。

ロンバルディア固有の植物は、特にコモ湖周辺地域に多く見られる。 ユキノシタのいくつかの種、ロンバルドニンニクノボロギクキキョウ科の植物などである。

自然保護区

ステルヴィオ国立公園テンプレート:Enlinkは、イタリア最大の面積を持つ自然公園であり、アルプスの多くの野生動物が生息する。アカシカノロジカアイベックスシャモアキツネオコジョイヌワシなどである。

ティチーノ川のロンバルディア側のティチーノ谷自然公園テンプレート:Enlinkは、北イタリアに残る貴重な河川植物を保護するため、1974年に設定された。

交通

主要な道路

おおむね北および西を優先し、通過点もしくはその近傍の地名を示す。〔 〕内は州外。

欧州自動車道路
主要な高速道路

空港

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ミラノ・マルペンサ国際空港

主要な空港には以下がある。

ミラノ市の北西48kmにあるミラノ・マルペンサ国際空港は、ローマのフィウミチーノ空港と並ぶ、イタリア最大の空港の一つである。ミラノ市により近いリナーテ空港には、近距離国際線と国内線が発着する。

姉妹地域・提携地域

ロンバルディア州知事が大阪府訪問時に提携打診。中小企業が多く経済活動が活発という共通点を持つ[5]。なお、これより先にミラノ市と大阪市が姉妹都市提携を行っている[5]

人物

著名な出身者

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ゆかりの人物

脚注

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外部リンク

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  6. テンプレート:Cite web