オーク
テンプレート:生物分類表 オーク(英:Oak、独:Eiche、仏:chêne)はブナ科 コナラ属(学名:Quercus)の植物の総称。落葉樹であるナラ(楢)と常緑樹であるカシ(樫)の総称。
概要
模式種のヨーロッパナラ(ヨーロッパオーク、イングリッシュオーク、コモンオーク、英名:common oak、学名:Q. robur)が代表的。
なおアカガシ亜属 Quercus(Cyclobalanopsis)は別属とすることがあるが、その場合のオークには含まれる。
あわせて数百種以上が知られ、亜熱帯から亜寒帯まで北半球に広く分布する。日本語では落葉樹の種群はナラ(楢)、常緑樹の種群はカシ(樫)と呼ばれるが、オークはその両方を包含するものである(なお、英語では特に常緑樹であるものを指すときはlive oakと呼ぶ。)。ヨーロッパのオークの多くは日本語でナラ(楢)と呼ばれる落葉樹であり、常緑の樫は南ヨーロッパ以外では稀である。明治時代の翻訳家が落葉樹のオークを樫と誤訳した例があり、現在も混同されやすい。
利用
加工しやすい種が多く、ヨーロッパや北アメリカでは家具やフローリング(床材)、ウィスキーやワインの樽の材料などに広く使われる。
木肌は中程度から粗めの堅い木材で、木目がはっきりし、特に柾目面にはそれが美しい模様として現れる。また、虎斑(とらふ)と呼ばれる虎の斑紋を連想させる模様が現れることも特徴。材木用としてヨーロッパ原産のヨーロッパナラなど落葉性のナラ類が代表的である。
日本のミズナラ材はこのヨーロッパナラに匹敵する材質をもつ高級オーク材である[1]。
他に、北アメリカ原産のレッドオーク(ロバタエ節 section Lobatae)やホワイトオーク(クェルクス節 section Quercus)、樹皮をコルクとして用いるコルクガシ(Q. suber)などが有名。北米のホワイトオークはウィスキーの樽として使用される。
オークリーフ
ヨーロッパナラの葉はカシワに似た特徴的な形をしており、オークリーフという意匠としてよく知られている。しかし、オークの葉の形は種によってさまざまであり、ヨーロッパナラの葉は一例にすぎない。深く切れこんで先端がとがったもの、細長いものなどもある。また、これはEUの硬貨にも同じような形で存在する。
関連項目
脚注
- ↑ 鳥飼玖美子(2004)『歴史をかえた誤訳』(新潮文庫)p.158(単行本は2001年)