国道55号
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国道55号(こくどう55ごう)は、徳島県徳島市から室戸市を経由して高知県高知市へ至る一般国道。
目次
概要
室戸岬を筆頭に海岸沿いの区間が路線全体の半分近くを占めており、急勾配・急カーブもほとんど存在しないことからドライブコースとしても利用されるが、沿線の好眺望ゾーンは同時に台風常襲地帯でもあり、夏から秋にかけては沿道の山腹崩壊や落石、高波などによって通行規制が敷かれることも少なくない。また、大津波警報の発令など津波の襲来が予想される場合にも通行規制が敷かれることがある。
市街化が急速に進んだ徳島市南部、バイパス整備が遅れている阿南市橘地区、また1970年代早々に4車線路が整備された高知市 - 南国市などは、交通量が大変多く渋滞が発生しやすい傾向にある。
高知県東洋町 - 室戸市の海岸沿いの区間はとても走りやすく、四国地方整備局が発表している「道路の走りやすさマップ」では、四国では珍しい最良の「Sランク」となっている。
徳島市沖浜付近から小松島市芝生まで、および阿南市福井(福井ダム付近)から室戸岬を越えて香南市野市までは現代の遍路道となっており、多くの遍路が利用する道となっている。一部に別ルートや旧道、自転車専用道路などがあるのでそちらを利用する遍路が多いが、美波町日和佐から安芸市街地までの区間では数多く歩き遍路の姿を見かける。日和佐の薬王寺から室戸岬の最御崎寺まで、約75kmの間には札所寺院がないため、中には暑い日中を避けて夜を徹して歩く遍路もいる。
また、高知県安芸市下山において上下線が分離されている。理由は、神木である“なぎの木”のためである。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1]に基づく起終点および経過地は次のとおり
- 起点: 徳島県徳島市(かちどき橋1丁目1番1:かちどき橋南詰=国道11号起点、国道28号終点)
- 終点: 高知県高知市(二番町4丁目7番2:県庁前交差点=国道33号・国道56号・国道194号・国道195号・国道197号・国道493号起点、国道32号終点)
- 重要な経過地:小松島市、阿南市、徳島県海部郡牟岐町、同郡海南町、高知県安芸郡東洋町、室戸市、同郡奈半利町、安芸市、南国市
- 路線延長:231.5km[2](実延長222.8km[3])[注釈 1][注釈 2]
- 徳島県区間:109.3km
- 高知県区間:122.2km(実延長113.5km)
- 指定区間[4]
- 徳島市かちどき橋1丁目1番1から高知市本町5丁目144番(全線)
歴史
- 1953年(昭和28年)5月18日
- 二級国道194号高知徳島線(高知県高知市 - 徳島県徳島市)
- 1963年(昭和38年)4月1日
- 1965年(昭和40年)4月1日
- 一級二級制度廃止に伴い、一般国道55号(徳島県徳島市 - 高知県高知市)として指定。
工事概要
- 1963年(昭和38年)4月、国直轄施工による一次改築事業開始。8月、徳島県阿南市橘町、福井町及び海部郡牟岐町内、高知県香美郡赤岡町~安芸郡芸西村間等で改良工事着手。9月、室戸市内改良着手。
- 1965年(昭和40年)南国バイパス着手[5]。
- 1966年(昭和41年)羽ノ浦バイパス着手。阿南市 - 日和佐町間星越峠改良着手。
- 1969年(昭和44年)3月、大山岬改築完了[6]。9月、羽ノ浦バイパス完成[7]。
- 1970年(昭和45年)4月、南国バイパス後免高須間供用。
- 1971年(昭和46年)3月、星越峠改良を完了。11月、日和佐地区1次改良を完了[7]。
- 1973年(昭和48年)3月、高知県東洋町甲浦の改良を完了[8]。宍喰町内改良を最後に徳島県内一次改築完了[7]。これにより国道55号、56号によるWルートが完成。4月、南国バイパス全線供用[7]。阿南道路事業化。
- 1975年(昭和50年)10月、室戸岬付近の改築完了[8]。
- 1979年(昭和54年)3月、室津局改完成[9]。
- 1983年(昭和58年)12月、坂本局改完成[10]。
- 1989年(平成元年)3月、南国バイパス全線4車線化完成[11]。
災害
路線状況
バイパス
徳島県内
- 徳島南バイパス(徳島県徳島市 - 小松島市)
- 羽ノ浦バイパス(阿南市)羽ノ浦駅前の羽ノ浦町中心市街地をパスする。
- 牟岐道路は、徳島県海部郡牟岐町内妻から海部郡海南町浅川間に計画された4.7kmのバイパスである。当該区間は線形も悪く、降雨時には土砂崩壊等がたびたび発生することから事前通行規制区間にも指定されていた。それを解消するために1973年(昭和48年)に事業着手された。道路規格は第3種第3級、車線数は2車線、道路幅員は10m, 車線幅員は3.0m, 設計速度は50km/hである。工事は1979年(昭和54年)に着手し、1983年(昭和58年)12月には、牟岐町内妻から海南町福良2.8kmが供用し、1996年(平成8年)3月には全線完成供用した。また1996年(平成8年)4月には通行規制区間が解除された。主な構造物としては、内妻高架橋(L=235m), 福良トンネル (L=294m, W=9.5m) 1987年(昭和62年)完成がある。
- 阿南道路(徳島県阿南市)
高知県内
- 吉良川改良(室戸市黒耳地区、室戸市吉良川町平尾地区680m, 同市吉良川町西灘地区1.3kmの3区間総延長4.5kmの改良工事である。昭和55年度に工事開始。黒耳地区は1985年(昭和60年)3月30日に供用、平尾地区1993年(平成5年)7月に供用、西灘地区1998年(平成10年)10月に供用。構造規格は、3種3級、設計速度50km/h, 幅員構成9.75-11.0m.)[12]。
- 元改良(室戸市元字岩谷口東新町から元字米ケ谷西1.1kmの改良工事である。平成11年度に工事開始。2002年(平成14年)7月に供用。構造規格は、3種3級、設計速度50km/h、幅員構成12.0m. 当地区の砂浜には、アカウミガメが産卵に訪れるため、構造を橋梁形式とし、海岸へ光が漏れにくくするため壁面に埋め込み照明を採用し防音対策にも配慮している。)[13]。
- 南国バイパス(高知県香南市野市町東野から高知市小倉町まで)
自動車専用道路(事業中・一部供用済み)
別名
- 土佐街道(土佐浜街道、土佐東街道)
- 電車通り(高知市内で土佐電鉄線との並走区間)
- 八坂八浜:徳島県牟岐町 - 海陽町
重複区間
- 国道195号:徳島県徳島市(かちどき橋南詰交差点) - 徳島県阿南市橘町
- 国道493号:高知県安芸郡奈半利町乙 - 高知県高知市本町(県庁前交差点)
- 国道32号:高知県高知市介良甲 - 高知県高知市本町(県庁前交差点)
- 国道195号:高知県高知市小倉町(小倉町交差点) - 高知県高知市本町(県庁前交差点)
- 国道56号・国道197号高知県高知市知寄町:(知寄町一丁目交差点) - 高知県高知市本町(県庁前交差点)
道路施設
主なトンネル
- 日和佐トンネル (L=690m) W=8m 1970年(昭和45年)
- 福良トンネル (L=294m) W=9.5m 1987年(昭和62年)
- 内妻トンネル (L=265m) W=11m 1982年(昭和57年)
- 水床トンネル (L=638m) W=8m 1972年(昭和47年)
主な橋梁
- 那賀川大橋(579m)
- 内妻高架橋(235m)
- 新物部川橋(361m)
休憩小屋 歩き遍路のための休憩小屋が設置されている。
道の駅
- 徳島県
- 高知県
通行規制
高知県室戸市室戸岬町三津地区(三津漁港前) - 室戸岬 - 室戸市浮津(室戸郵便局前)では、元日の未明から朝にかけ一方通行規制が敷かれる。これは初日の出見物客の車が室戸岬付近に集中して交通麻痺状態となるのを防ぐためにとられている措置であり、規制中、区間内の車は下り方向(高知市方面)にしか進めない。上り方向(徳島市方面)の代替コースは、室戸岬を経由しない高知県道202号椎名室戸線(こちらも規制時間帯は東行き一方通行)となる。また、徳島県内でも、1月は徳島駅伝があるため通行規制が敷かれる。
事前通行規制区間
- 高知県室戸市佐喜浜 - 高知県安芸郡東洋町(連続雨量230mmで通行止め)L=8.9km
- 徳島県海部郡美波町 - 徳島県阿南市福井(連続雨量300mmで通行止め)L=10.1km
地理
通過する自治体
交差する道路
阿南道路との接続路線については、当該路線記事を参照。
- 徳島県
- 国道11号(徳島市起点)(※国道11号重複 = 国道28号・国道192号)
- 徳島県道120号徳島小松島線(徳島市・小松島市)
- 徳島県道136号宮倉徳島線(徳島市・小松島市(4箇所)・阿南市)
- 徳島県道29号徳島環状線(徳島市)
- 徳島東環状道路・徳島南環状道路 大野IC(徳島市)
- 徳島県道212号新浜勝浦線(小松島市)
- 徳島県道16号徳島上那賀線(小松島市)
- 徳島県道402号阿南徳島自転車道線(小松島市)
- 四国横断自動車道 小松島IC(小松島市)
- 徳島県道33号小松島佐那河内線(小松島市)
- 徳島県道217号田野勢合線(小松島市)
- 徳島県道28号阿南小松島線(小松島市)
- 徳島県道172号羽ノ浦停車場線(阿南市)
- 徳島県道276号勝浦羽ノ浦線(阿南市)
- 徳島県道274号坂野羽ノ浦線(阿南市)
- 徳島県道128号阿南羽ノ浦線(阿南市(2箇所))
- 徳島県道24号羽ノ浦福井線(阿南市)
- 徳島県道22号阿南勝浦線(阿南市)
- 徳島県道27号阿南那賀川線(阿南市)
- 徳島県道23号富岡港線(阿南市)
- 徳島県道285号戎山中林富岡港線(阿南市)
- 徳島県道286号津乃峰筒崎線(阿南市)
- 国道195号(阿南市)
- 徳島県道35号阿南相生線(阿南市)
- 徳島県道26号由岐大西線(阿南市)
- 徳島県道284号山口鉦打線(阿南市)
- 徳島県道25号日和佐小野線(阿南市・海部郡美波町)
- 福井道路・日和佐道路 小野IC(阿南市福井町小野)
- 徳島県道289号赤松由岐線(海部郡美波町)
- 徳島県道19号阿南鷲敷日和佐線(海部郡美波町)
- 日和佐道路・海部道路 日和佐出入口(海部郡美波町)
- 徳島県道294号北河内奥河内線(海部郡美波町)
- 徳島県道36号日和佐上那賀線(海部郡美波町)
- 南阿波サンライン(徳島県道147号日和佐牟岐線)(海部郡美波町・牟岐町)
- 徳島県道135号牟岐港牟岐停車場線(海部郡牟岐町)
- 徳島県道37号牟岐海南線(海部郡牟岐町)
- 徳島県道196号浅川港線(海部郡海陽町)
- 徳島県道299号四方原海部線(海部郡海陽町)
- 国道193号(海部郡海陽町)
- 徳島県道197号鞆奥港線(海部郡海陽町)
- 徳島県道298号上皆津奥浦線(海部郡海陽町)
- 徳島県道301号久尾宍喰浦線(海部郡海陽町)
- 徳島県道309号金目宍喰浦線(海部郡海陽町)
- 高知県
- 国道493号(安芸郡東洋町)(国道493号重複 = 高知県道12号安田東洋線)
- 国道493号(安芸郡奈半利町 - 高知市終点)
- 高知県道12号安田東洋線(安芸郡安田町)
- 高知県道29号安芸物部線(安芸市)
- 高知県道51号夜須物部線(香南市)
- 高知県道22号龍河洞公園線(香南市)
- 高知県道45号南国インター線(南国市)
- 国道32号(高知市)
- 高知県道44号高知北環状線(高知市)
- 国道195号(高知市)
- 国道56号(高知市)(国道56号重複 = 国道197号・高知県道35号桂浜宝永線)
- 高知県道34号桂浜はりまや線(高知市)
- 高知県道16号高知本山線(高知市)
- 国道33号(高知市終点)(※国道33号重複 = 国道194号)
主な峠
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ 出典 テンプレート:Reflist
参考文献
- 徳島工事事務所50年史
- 土佐国道事務所40年のあゆみ
関連項目
外部リンク
テンプレート:Asbox- ↑ 一般国道の路線を指定する政令 - 電子政府の総合窓口 イーガブ(2012年9月28日閲覧)
- ↑ 道路統計年報2011 - II. 道路の現況 表26 p.5 - 国土交通省(2012年9月28日閲覧)
- ↑ 道路統計年報2011 - II. 道路の現況 表27 p.5 - 国土交通省(2012年9月28日閲覧)
- ↑ 一般国道の指定区間を指定する政令 - 電子政府の総合窓口 イーガブ(2012年9月28日閲覧)
- ↑ 5.0 5.1 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、102頁
- ↑ 6.0 6.1 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、103頁
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 建設省四国地方建設局40年のあゆみ、社団法人四国建設弘済会1999年3月発刊、98頁
- ↑ 8.0 8.1 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、104頁
- ↑ 建設省四国地方建設局40年のあゆみ、社団法人四国建設弘済会1999年3月発刊、99頁
- ↑ 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、106頁
- ↑ 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、107頁
- ↑ 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、62頁
- ↑ 土佐国道事務所40年のあゆみ、国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所2003年3月発刊、63頁
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