国道197号
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国道197号(こくどう197ごう)は、高知県高知市から大分県大分市に至る一般国道である。
目次
概要
高知県内の高知市から須崎市にかけてと、愛媛県大洲市内の一部では共に国道56号と重複している。また四国・九州間の豊後水道は海上国道方式で、旧日本道路公団が開設し後に民間事業者の国道九四フェリーへ移管したフェリー航路によって三崎・佐賀関両港間が結ばれている。地域高規格道路豊後伊予連絡道路の構想もある[1]。
かつては高知県高岡郡津野町の布施ヶ坂や愛媛県佐田岬半島の区間を代表に悪路として知られており、四国では197号のことを数字の語呂合わせで「イクナ(行くな)国道」と呼称されることもあった[2]。この地域の改築に関しては、権限代行により建設省(現国土交通省)が1970年(昭和45年)から佐田岬メロディーライン、日吉・高研地区、大洲西地区、鹿野川地区の道路改築事業に着手し、今日では愛媛県内の全区間が2車線道路に改良されている[3]。一方、大分県内の区間は愛媛街道と呼ばれ、古くから幹線道路として知られている。基本的には2車線であるが、高知県檮原町と津野町の間の野越トンネルが1.5車線と狭小トンネルであることから、高知県は2010年度より「野越バイパス」の整備に着手した[4]。 佐田岬半島周辺は地質が脆いため、地すべり等が発生しやすい。同地区にある名取トンネル(愛媛県西宇和郡伊方町=旧三崎町)は内部の漏水によって崩壊しかねない状況となっており、2005年5月から八幡浜方面から別ルートで再掘削し、旧トンネル内で合流などの工事が行われていて1キロほどの迂回路が設置されていたが、2007年7月25日に復旧・開通した。なお、佐田岬半島区間は「メロディーライン」の愛称がつけられている。
愛媛県内区間の一部は地域高規格道路の大洲・八幡浜自動車道として抜本的に改良整備中であり[5]、2013年3月17日に一部区間が開通した[6]。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[7][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点:高知市(県庁前交差点=国道32号・国道55号終点、国道33号・国道56号・国道194号・国道195号・国道493号起点)
- 終点:大分市(大道入口交差点 = 国道10号交点、国道57号起点、国道210号終点)
- 重要な経過地:土佐市、須崎市、高知県高岡郡東津野村[注釈 2]、同郡檮原町、愛媛県北宇和郡日吉村[注釈 3]、大洲市、八幡浜市、同県西宇和郡保内町[注釈 4]、同郡三崎町[注釈 5]、大分県北海部郡佐賀関町[注釈 6]
- 路線延長:274.5 km(実延長201.0 km、現道182.6 km)[8][注釈 7][注釈 8]
- 高知県区間:93.3 km(実延長52.3 km、現道52.2 km)
- 愛媛県区間:122.5 km(実延長105.0 km、現道102.8 km)
- 大分県区間:58.6 km(実延長43.6 km、現道27.5 km)
- 海上区間:豊予海峡(国道九四フェリー航路)
- 指定区間:国道32号、国道56号と重複する区間[9]
歴史
現行の道路法(昭和27年法律第180号)に基づく国道として初回指定された1953年(昭和28年)では、松山高知線として指定されていた[10]。1963年(昭和38年)に一級国道56号への昇格に伴って欠番となり、同日新たに指定された大分大洲線に採番された[11][12]。国道指定当初は大分市の国道10号と大洲市の国道56号を結ぶ路線であったが、1970年(昭和45年)に起終点を交換し、新しい起点側にあたる大洲市から高知市まで延伸した[13]。
年表
- 1963年(昭和38年)4月1日
- 1965年(昭和40年)4月1日
- 道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道197号として指定施行[14]。
- 1970年(昭和45年)4月1日
- 起終点を交換して起点側を延伸し、一般国道197号(高知市 - 大分市)として指定施行[13]。
工事概要
- 1971年(昭和46年)4月16日:夜昼トンネル完成テンプレート:Sfn。
- 1974年(昭和49年)11月15日:大峠トンネル完成。
- 1976年(昭和51年)12月21日:三崎トンネル開通。
- 1981年(昭和56年)8月12日:高研山トンネル完成テンプレート:Sfn。
- 1982年(昭和57年)11月30日:大洲西道路完成テンプレート:Sfn。
- 1983年(昭和58年)11月30日:高岡地区(檮原工区、日吉工区)L=16.9㎞完成テンプレート:Sfn。
- 1983年(昭和62年)12月4日:三崎地区L=35.2㎞完成テンプレート:Sfn。
- 1991年(平成 3年)10月25日:布施ヶ坂地区完成テンプレート:Sfn。
- 1999年(平成11年)6月26日:鹿野川道路完成[3]。
- 2002年(平成14年)4月6日:大分南バイパス全線供用開始。
- 2007年(平成19年)3月31日:大分市佐賀関 - 大分市志生木間完成。
- 2012年(平成24年)3月27日:大分市志生木(辛幸地区)- 大分市志生木(小志生木地区)間完成。(古宮〜小志生木バイパス全線供用開始。)[15]
- 2013年(平成25年)3月17日:名坂道路(大洲・八幡浜自動車道)開通[6] 。
路線状況
バイパス
- 地域高規格道路
- 地域高規格道路大洲・八幡浜自動車道(大洲市 - 八幡浜市保内町)
- 高知県内
- 布施ヶ坂地区
- 愛媛県
- 大分県
- 佐賀関バイパス
- 古宮〜小志生木バイパス
- 大分市佐賀関から志生木間の線形不良箇所を解消し、安全で円滑な交通の確保を目的とした延長2.2kmの2車線道路として計画された。平成7年に事業着手。平成19年3月1.3kmを部分供用。平成24年3月全線供用。
通称
- 昭和通り(大分市)
道路施設
主なトンネル
- 当別峠トンネル(L=831m)
- 高研山トンネル(L=1,562m、W=8.3m)
- 栗の木トンネル(L=1,552m、W=9.25m)
- 大地トンネル(L=1,337m、W=9.25m)
- 久下トンネル(L=911m、W=9.25m)
- 大洲西トンネル(L=1,078m、W=9.0m)
- 夜昼トンネル(L=2,141m、W=8.8m)
- 大峠トンネル(L=1,081m):旧トンネルは「トンネルの中にトンネルがある」として日本テレビ系投稿!特ホウ王国で取り上げられた。
- 佐賀関トンネル(L=1,006m)
- 津梼トンネル(仮称)(L=1,008m)
橋梁
- 日吉橋(L=99m、W=12.0m)
- 新宇和川橋(L=115.0m、W=8.75m)
- 塩成大橋(L=200.0m、W=9.0m)
道の駅
- 布施ヶ坂(東津野村船戸)
- ゆすはら(檮原町太郎川)
- きなはい屋しろかわ(西予市城川)
- 清流の里ひじかわ(大洲市肱川町宇和川)
- 伊方きらら館(伊方町九町越)
- 瀬戸町農業公園(伊方町塩成)
- 佐賀関(大分市大字大平)
地理
通過する自治体
交差する道路
- 国道32号、国道33号、国道55号、国道195号(高知市)
- 国道494号(土佐市)
- 国道56号(須崎市、大洲市)
- 国道439号(津野町)
- 国道440号(檮原町)
- 国道320号(鬼北町)
- 国道441号(大洲市)
- 国道378号(八幡浜市)
- 国道217号(大分市)
- 国道10号、国道57号、国道210号(大分市)
脚注
注釈
出典
参考文献
- テンプレート:Citation
- 大洲工事五十年史
関連項目
外部リンク
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