四国横断自動車道
四国横断自動車道(しこくおうだんじどうしゃどう)は、四国地方を横断する国土開発幹線自動車道(国幹道)の路線名である。さらに、阿南市から四万十市に至る阿南四万十線と愛南町から大洲市に至る愛南大洲線の2路線の高速自動車国道の路線から成る。略称は四国横断道(しこくおうだんどう)。
目次
概要
国土開発幹線自動車道建設法では、以下のとおりとされている。
起点 | 主たる経過地 | 終点 |
---|---|---|
阿南市 | 徳島市 高松市 川之江市付近 高知市付近 須崎市 中村市付近 宇和島市付近 | 大洲市 |
高速自動車国道の路線を指定する政令では、以下のとおりとされている。
路線名 | 起点 | 重要な経過地 | 終点 |
---|---|---|---|
阿南四万十線 | 阿南市 | 小松島市 徳島市 鳴門市 東かがわ市 さぬき市 高松市 坂出市 丸亀市 善通寺市 三豊市 観音寺市 四国中央市 高知県長岡郡大豊町 香美市 南国市 高知市 土佐市 須崎市 同県高岡郡四万十町 黒潮町 | 四万十市 |
愛南大洲線 | 愛媛県南宇和郡愛南町 | 宇和島市 西予市 | 大洲市 |
四国縦貫自動車道とも結び四国8の字ネットワークともされているものの、両路線は直接接続していない。
阿南四万十線
阿南四万十線は、四国縦貫自動車道をはさんで、東(鳴門市-四国中央市)が高松自動車道として2003年(阿南市と鳴門市の直結は2019年)までに、西(四国中央市-高知県高岡郡四万十町)が高知自動車道として2012年までに開通し、供用中である。
また、高速自動車国道の路線としては基本計画区間となっているが、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路として、高松東道路、須崎道路が開通している。ただし、高松東道路は高速自動車国道に編入される予定[1][2]。
道路の状況およびインターチェンジなどについては道路の項目を参照。
愛南大洲線
愛南大洲線は、宇和島市-大洲市が松山自動車道として2012年までに開通し、供用中である。
また、高速自動車国道の路線としては基本計画区間となっているが、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路として、宇和島道路、大洲道路が開通している。
道路の状況およびインターチェンジなどについては道路の項目を参照。
沿革
- 1957年4月16日 : 四国自動車道の一部として国土開発縦貫自動車道の路線の基準となる。
- 1966年7月1日 : 四国横断自動車道として国幹道の予定路線となる。
- 高松市 - 伊予三島市附近 - 高知市附近 - 須崎市
- 1987年6月30日 : 第四次全国総合開発計画(四全総)が閣議決定。あらたに高規格幹線道路が構想される。
- 1987年9月1日 : 四全総を受け国土開発幹線自動車道建設法改正。
- 1995年11月30日 : 道路審議会答申、並行する一般国道自動車専用道路による代替が示される。
- 高松東道路、中村宿毛道路、宇和島道路、大洲道路
- 2003年12月25日 : 第1回国土開発幹線自動車道建設会議、新直轄区間選定。
- 阿南-小松島
- 須崎市-窪川町
- 宇和島市-西予市
- 2006年2月7日 : 第2回国土開発幹線自動車道建設会議、新直轄区間選定。
- 小松島-徳島東
事業名・道路名
- 四国横断自動車道 阿南-徳島JCT
- 四国横断自動車道 徳島-徳島JCT-鳴門JCT
- 高松自動車道
- ※高松東道路
- 高松自動車道
- 高知自動車道
- ※須崎道路
- 高知自動車道
- ※窪川佐賀道路
- ※中村宿毛道路
- ※津島道路
- ※宇和島道路
- 松山自動車道
- ※大洲道路
※は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路。
阿南-鳴門
四国横断自動車道 阿南-鳴門は、徳島県の阿南市から小松島市、徳島市を経由して鳴門市へ至る高速自動車国道である。阿南市で阿南安芸自動車道に、徳島市で徳島自動車道に、鳴門市で高松自動車道に接続される。阿南IC-徳島東IC間は新直轄方式で事業中。
都市計画道路名では徳島東部都市計画道路阿南鳴門線である。
概要
- 道路規格 : 第1種第2級
- 設計速度 : 100km/h
- 標準幅員 : 23.5m(暫定供用時10.5m)
- 車線数 : 4車線(暫定供用時2車線)
- 無料区間 : 阿南IC-徳島東IC
- 有料区間 : 徳島東IC-徳島JCT-鳴門JCT
徳島県東部の人口密集地を縦断することから神戸淡路鳴門自動車道と並んで、徳島県内の最重要区間として位置付けられている。徳島県南部は元より、徳島道・神戸淡路鳴門道経由で本州との往来が盛んな愛媛・高知の両県からも注目を集める。
すでに施行命令は出ているが、2002年頃から道路公団民営化の議論や吉野川の河口近くを通るため長大橋梁を必要とするなどから着工の見通しが立たない状況が長く続いていた。一方で徳島市内を南北に貫く最も重要な区間である上に、並行する国道11号や国道55号の渋滞が特に酷い区間でもある。このため、採算性や建設費だけで建設するか否かを決めてよいのかという意見が他の建設予定区間以上に重要視されていた。そして、2005年6月19日に、起工式が徳島県松茂町で行われ、同町長岸地区の約1キロメートルの区間から建設工事が始まった。
徳島東以南は新直轄方式で無料となる。このため徳島市-小松島市では相当数の車両が高速道へルートを切替え、並行する国道55号の激しい渋滞が緩和するとされる(2006年2月4日日経新聞四国版)。飯泉嘉門徳島県知事は長年の悲願の事業が進み出した事を「絵に描いた餅」から「食べられる餅」に、さらに無料となった事を「おいしく食べていただける餅」になったと表現している(2007年2月6日記者会見)。
道路の位置関係
- 四国横断自動車道
- 阿南-鳴門 - 高松自動車道 -※高松東道路 - 高松自動車道 - 高知自動車道 - ※須崎道路 - 高知自動車道 - ※窪川佐賀道路 -(基本計画区間)- ※中村宿毛道路 -(予定区間)- ※津島道路 - ※宇和島道路 - 松山自動車道 - ※大洲道路
※は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路。
通過市町村
インターチェンジなど
- スマートICは背景色■で示す。
- 名称は仮称。
- BS(バス停留所)のうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 英略字は以下の項目を示す。
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 阿南ICから (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
桑野道路 桑野方面 | |||||||
阿南IC | 徳島県道22号阿南勝浦線 | 0.0 | 2017年度開通予定 | 徳島県 | 阿南市 | ||
小松島IC | 国道55号(徳島南バイパス) | 10.0[3] | 2017年度開通予定 | 小松島市 | |||
徳島東IC | 徳島県道204号徳島東インター線 | 17.7[3] | 2019年度開通予定 | 徳島市 | |||
徳島JCT | 四国横断自動車道 徳島JCT-徳島IC | 22.0[4] | 徳島道方面 2014年度開通予定 | ||||
松茂PA/スマートIC | 徳島県道40号徳島空港線 | 28.0[4] | 2014年度開通予定 | 松茂町 | |||
鳴門JCT | 高松自動車道 鳴門JCT-鳴門IC | 31.1[4] | 神戸淡路鳴門道方面 2014年度開通予定 |
鳴門市 | |||
高松自動車道 高松方面 |
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 徳島ICから (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
徳島自動車道 川之江東JCT方面 | |||||||
1 | 徳島IC | 国道11号 国道28号(重複) |
0.0 | 徳島県 | 徳島市 | ||
徳島JCT | 四国横断自動車道 阿南・鳴門方面 |
1.8[4] | 鳴門方面:2014年度開通予定 阿南方面:2019年度開通予定 |
歴史
- 1989年2月27日 : 徳島東IC-鳴門JCTが基本計画の決定
- 1991年12月20日 : 阿南IC-徳島東ICが基本計画の決定
- 1996年12月27日 : 小松島IC-鳴門JCTが整備計画の決定
- 1998年12月25日 : 小松島IC-鳴門JCTの施行命令。阿南IC-小松島ICが整備計画の決定
- 2000年1月 : 徳島IC-鳴門JCTで測量開始
- 2002年2月 : 徳島IC-鳴門JCTの沿線全19地区の設計協議開始
- 2003年11月26日 : 徳島IC-鳴門JCTで初の設計協議調印式
- 2003年12月25日 : 阿南IC-小松島ICが新直轄方式に変更
- 2005年6月19日 : 徳島IC-鳴門JCT起工式
- 2005年7月26日 : 徳島IC-鳴門JCTで最後の設計協議調印式
- 2006年2月7日 : 小松島IC-徳島東ICが新直轄方式に変更
- 2007年2月3日 : 阿南IC-小松島ICの設計協議開始(全7地区)
- 2008年2月17日 : 阿南IC-小松島ICで初の設計協議調印式。県内の新直轄方式高速道路で初。
- 2008年12月13日:新那賀川橋に着工。阿南IC-小松島ICで初の本線工事に。
- 2009年7月 : 松茂PAを安全上の問題や需要拡大のため建設し、スマートインターチェンジを併設することが決定する。
- 2012年4月 : 松茂PAの建設が国土交通省から認可される。
主な橋・トンネル
橋
トンネル
- 阿南IC-小松島IC
- 羽ノ浦トンネル(753m)
- 立江トンネル(954m) - 着工済
- 田野トンネル(630m)
- 恩山寺第1トンネル(385m)
- 新居見トンネル(1,375m)
開通予定年度
基本計画路線区間
- 佐賀IC-四万十IC
この区間は、完成2車線での建設が有力視されており、窪川佐賀道路、中村宿毛道路同様、高速自動車国道に並行する自動車専用道路として建設される。環境アセスメントの手続きは終了している。
歴史
インターチェンジなど
- 名称は仮称。
施設名 | 接続路線名 | 所在地 |
---|---|---|
窪川佐賀道路(事業中) | ||
佐賀IC | 国道56号 | 黒潮町 |
大方東IC | ||
大方西IC | ||
古津賀IC | 国道56号 | 四万十市 |
四万十IC | 国道56号 | |
中村宿毛道路 |
予定路線区間
- 内海IC-宿毛IC(宿毛IC-四万十ICは中村宿毛道路)