国道175号
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国道175号(こくどう175ごう)は、兵庫県明石市から京都府舞鶴市に至る一般国道である。
目次
概要
本州を近畿地方西部で南北に横断し、縦断路線である山陽自動車道や中国自動車道と連絡するほか、舞鶴若狭自動車道とも連絡している。兵庫県区間の大半が指定区間となっており、バイパス道路の建設や両側4車線への改良などの整備が進む。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点:明石市(和坂交差点[注釈 2]=国道2号交点、国道427号起点)
- 終点:舞鶴市(大手交差点=国道27号交点、国道177号終点、国道178号起点)
- 重要な経過地:神戸市、三木市、小野市、兵庫県加東郡社町[注釈 3]、西脇市、同県氷上郡氷上町[注釈 4]、同郡春日町[注釈 4]、福知山市、京都府加佐郡大江町[注釈 5]
- 路線延長:137.3 km(実延長118.5 km、現道113.4 km)[2][注釈 6]
- 兵庫県区間:72.8 km(実延長72.3 km、現道69.7 km)
- 神戸市区間:14.2 km(実延長11.0 km、現道10.1 km)
- 京都府区間:50.3 km(実延長35.1 km、現道33.7 km)
- 指定区間[3]
- 明石市立石1丁目2番3 - 丹波市氷上町横田字中ら堂626番14(明石市和坂交差点 - 丹波市稲継交差点)
- 福知山市字堀小字上高田2171番4 - 同市字牧小字市場455番2(福知山市東堀交差点 - 同市牧交差点=国道9号重用区間)
歴史
路線状況
複数の高速道路と連絡し、幹線道路として交通量が多く、小野市内で1日あたり27,000台におよぶ[5]。また、多いところで全体の交通量の2割を大型車が占めている[5]。福知山市から舞鶴市にかけて沿線を流下する由良川流域では度重なる洪水被害を受けており、所々に水位計測所とモニターによる表示板、並びに規制水位時に道路を自動的に封鎖するシステムが運用されている。中でも大川橋建設中の2004年(平成16年)10月23日に受けた平成16年台風第23号による被害では、観光バスの水没が象徴的な出来事として取り上げられた[6]。
通称
バイパス
兵庫県内を中心に両側4車線への改良が進行しており、2012年4月現在では、三木バイパス南端から西脇バイパス北端の約22kmに加え、神出バイパスの一部が連続して両側4車線となっている[8]。
- 平野拡幅 - 神出バイパス
- 平野拡幅(ひらのかくふく)および神出バイパス(かんでバイパス)は、神戸市西区平野町向井から同区神出町小束野に至る改良事業で、神戸市内の区間に残存している両側2車線区間を両側4車線に拡幅するものである。平野町常本を境に、現道の拡幅事業である3.3kmの平野拡幅とバイパス道路の建設事業である5.7kmの神出バイパスとしてそれぞれ事業が進行している。
- 2009年3月現在では両事業9.0kmのうち3.8kmが暫定あるいは完成供用されており、バイパス北側部分2.2キロについては2013年3月16日に供用開始した[9][10][11]。
- Hiranotown Nishitoda Nishi-ku Kobecity Hyogopref Route 175.JPG
平野拡幅(神戸市西区平野町西戸田)
- Kandetown Kita Nishi-ku Kobecity Hyogopref Route 175 Kandebypass.JPG
神出バイパス(兵庫県神戸市西区神出町北)
- 国道175号4車線化事業
- 国道175号4車線化事業は、兵庫県三木市から同県西脇市にかけて建設されたバイパス道路群を総称する事業である[8]。起点側から三木バイパス - 小野バイパス - 社バイパス - 滝野IC関連バイパス - 西脇バイパスの連続した5つのバイパスで構成され[12]、その計画延長は26.2kmである[13][14]。1970年代より建設を開始し、残り事業は、2012年(平成24年)3月24日現在では西脇バイパスの4車線化1.0kmとなっている[15][8][16]。なお、現在では神出バイパスの終点側と連続して4車線道路が構成されているが、本節では総合的な事業として計画実施された上の5バイパスについて扱う。
- 工業整備特別地域に指定された兵庫県播磨地方では、その中心都市である姫路市のほか、臨海部に位置する明石市や加古川市に神戸製鋼、三菱重工、川崎重工といった重工業の工場が発展し、その従業員の住居として内陸部を含めた周辺地域で宅地化が進行したことから、通勤手段として利用される南北方向への道路需要が高まっていたが、周辺には両側4車線以上に整備された道路は存在せず、慢性的な渋滞が発生していた[14]。また、周辺地域の南北軸として唯一の国道でもあり、瀬戸内海側と日本海側を結ぶ国道175号の性格から、産業道路として整備することを求める声が塩田晋によって発言されている[14]。
- バイパス工事にあたっては、いずれも暫定2車線での供用を経て完成4車線へ推移していったが、中でも中国自動車道滝野社インターチェンジと接続する滝野IC関連バイパスは2車線および4車線での供用を他区間に先駆けて開始した。その一方で、用地買収に難航した小野バイパスや西脇バイパスでは開通が遅れたが、2012年4月現在では、三木バイパスの起点側で接続する神出バイパスの一部から西脇バイパス北端にかけての25.0kmが完成4車線として供用されている[11][8][16]。
- 三木バイパス
- 三木バイパス(みきバイパス)は、三木市別所町小林から小野市樫山町に至る延長5.6kmのバイパス道路である。4.4kmのバイパス部[8]と1.2kmの現道拡幅部からなる[17]。バイパス整備前の国道175号は、交通量が多く慢性的に交通渋滞が発生していたほか、歩道が未設置であったため、交通安全上の問題も生じていた[17]。これを解消するために1970年(昭和45年)度に事業着手、1972年(昭和47年)度の用地着手と工事着手を経て1979年(昭和54年)10月にバイパス部が暫定2車線として全線で供用を開始。同年1月には都市計画決定もなされている[17]。4車線化にあたっては、山陽自動車道三木小野インターチェンジの供用にあわせて周辺区間1.5kmを先行し[17][18]、終点側で接続する小野バイパスおよび社バイパスとともに2000年(平成12年)4月1日に残るバイパス部が両側4車線として完成供用した[8][17]。現道拡幅部である福井ランプ附近から起点側は、2003年(平成15年)3月に0.5km、2004年(平成16年)3月に小林交差点 - 三木市別所町福井の0.4km、2005年(平成17年)3月に起点 - 小林交差点の0.3kmがそれぞれ4車線化することで完成し、旧道の交通渋滞は緩和されたた[17]。旧道は兵庫県道22号神戸三木線および兵庫県道20号加古川三田線、兵庫県道23号三木宍粟線、小野工区が兵庫県道23号三木宍粟線および兵庫県道18号加古川小野線のそれぞれ一部として指定されている。
- Besshotown Kobayashi 入道ヶ鼻 Mikicity Hyogopref Route 175.JPG
起点付近(三木市別所町小林付近)
- 小野バイパス
- 小野バイパス(おのバイパス)は、小野市樫山町から同市古川町に至る延長8.1kmのバイパス道路である[15]。1989年(平成元年)5月に終点側の小野市天神町 - 同市天神町の4.2kmが暫定2車線で供用開始[19]し、1992年(平成4年)10月8日には暫定2車線として全線で供用を開始し、両端で接続する三木バイパスおよび社バイパスとともに2000年(平成12年)4月1日に両側4車線として完成供用した[8]。
- 小野市内ではバイパス計画に対する地域の賛同が得られず、都市計画決定が遅れたため[12]、西脇バイパスを含まない明石市と中国自動車道滝野社ICを結ぶ区間としては最後の着手となった。また1979年(昭和54年)に開始された用地着手も交渉は難航したため、用地買収は1984年(昭和59年)より開始された[20]が、結果として暫定2車線としての供用は5バイパス中最後となった[8]。旧道は兵庫県道18号加古川小野線の一部として指定されている。
- Kashiyamatown Onocity Hyogopref Route 175 Miki Ono Bypass.JPG
小野バイパス(小野市樫山町付近)
- Furukawatown Onocity Hyogopref route 175 Onocity country sign.JPG
終点付近(小野市古川町付近)
- 社バイパス
- 社バイパス(やしろバイパス)は、加東市東古瀬から同市穂積に至る延長5.5kmのバイパス道路である。1982年(昭和57年)4月8日に暫定2車線として供用を開始し、起点側で接続する三木バイパスおよび小野バイパスとともに2000年(平成12年)4月1日に両側4車線として完成供用した[8]。旧道は兵庫県道567号東古瀬穂積線である[21]。
- Soga Katocity Hyogopref Route 175.JPG
社バイパス(兵庫県加東市曽我)
- 滝野IC関連バイパス
- 滝野IC関連バイパス(たきのインターかんれんバイパス)は、加東市穂積から同市多井田に至る延長1.7kmのバイパス道路である。1979年(昭和54年)4月11日に他の区間に先駆けて暫定2車線供用を開始し、完成供用も小野バイパスの暫定供用前である1988年(昭和63年)12月21日と、最も早かった[8]。
- 当バイパス区間では、1974年(昭和49年)6月4日に供用を開始した中国自動車道滝野社ICと接続している。同インターチェンジの供用開始当時は、現在の旧道の一部にあたる兵庫県道17号西脇三田線と北野交差点において平面交差をしていたが、滝野IC関連バイパスの暫定供用によって同バイパスとも平面交差による接続を開始[22]。バイパスとの交差点はその後の工事によって、滝野社第二インターチェンジとして立体交差に改良された。
- 西脇バイパス
- 西脇バイパス(にしわきバイパス)は、加東市多井田から西脇市上戸田に至る延長5.4kmのバイパス道路である[15]。全体のうち、起点側の2.3kmが2000年(平成12年)4月1日に、中間の2.1kmが2012年(平成24年)3月24日にそれぞれ両側4車線として完成供用しており、1.0kmを残すところとなっている[8][16]。また、終点側で別事業となる延長5.2kmの西脇北バイパス(事業中)と接続している。
- 小野バイパスと同じ1979年(昭和54年)に用地着手したが、沿線では「バイパス反対」の看板が掲げられるなど、用地買収が難航した[23]。このため、終点側から暫定供用を開始し[24]、全線の暫定供用は1991年(平成3年)3月26日のことであった[8]。
- Nishiwaki Tunnel.JPG
西脇トンネル
- Shinnishiwaki bridge in Route 175.JPG
新西脇大橋
- Shimotoda Nishiwakicity Hyogopref Route 175 Nishiwaki bypass.JPG
西脇バイパス(西脇市下戸田付近)
道の駅
- みき(兵庫県三木市)
- 北はりまエコミュージアム(兵庫県西脇市)
- 丹波おばあちゃんの里(兵庫県丹波市)
- 舞鶴港とれとれセンター(京都府舞鶴市)
地理
通過する自治体
交差する道路
- 一般国道、主要地方道等
- 国道2号(国道250号重複。明石市、和坂交差点)
- 兵庫県道21号神戸明石線(神戸市西区、森友交差点)
- 兵庫県道377号野村明石線(神戸市西区、玉津大橋交差点)
- 兵庫県道487号平野舞子停車場線(神戸市西区、平野出張所前交差点)
- 兵庫県道83号平野三木線(神戸市西区、西戸田交差点)
- 兵庫県道378号六分一神出線(神戸市西区、田井西交差点)(神出バイパス)
- 兵庫県道65号神戸加古川姫路線(神戸市西区、田井交差点)
- 兵庫県道563号神出山田自転車道線(神戸市西区神出町東)
- 兵庫県道513号三木環状線(兵庫県道514号志染土山線重複。三木市、小林交差点)
- 兵庫県道20号加古川三田線(三木市別所町高木)(高木IC)
- 兵庫県道360号正法寺三木停車場線(三木市、バイパス大村交差点)
- 兵庫県道23号三木宍粟線(小野市、樫山交差点・市場東T字路)-ここから兵庫県道23号三木宍粟線と重複-(浄谷町中交差点まで)
- 兵庫県道81号小野香寺線、兵庫県道353号大畑小野線(小野市、天神町交差点)
- 兵庫県道75号小野藍本線、兵庫県道23号三木宍粟線(小野市、浄谷町中交差点)-市場東T字路から兵庫県道23号三木宍粟線が重複-ここまで。
- 兵庫県道352号住吉住永線(小野市、久保木町交差点)
- 兵庫県道18号加古川小野線、兵庫県道567号東古瀬穂積線(小野市・加東市、中古瀬南交差点)
- 兵庫県道351号大門小田線(加東市、沢部交差点)
- 兵庫県道350号松尾青野ヶ原停車場線(加東市、出水交差点)
- 国道372号(加東市、社総合庁舎前交差点)
- 兵庫県道17号西脇三田線(加東市、滝野インター入口交差点)
- 兵庫県道294号黒田庄多井田線(加東市、闘竜灘東T字路)
- 兵庫県道294号黒田庄多井田線(西脇市、下高松交差点)
- 兵庫県道144号西脇口吉川神戸線(西脇市、高松交差点)
- 国道427号(西脇市、上戸田南T字路)-起点の明石市、和坂交差点から国道427号が重複-ここまで。
- 兵庫県道566号上鴨川西脇線(西脇市、上戸田交差点)
- 兵庫県道36号西脇篠山線(西脇市、寺内北T字路)
- 兵庫県道297号津万井西田線(西脇市、畑瀬橋交差点)
- 兵庫県道139号山南多可線(西脇市、中央橋交差点)-ここから兵庫県道139号山南多可線と重複-(船町交差点まで)
- 兵庫県道139号山南多可線(西脇市、船町交差点)-中央橋交差点から兵庫県道139号山南多可線が重複-ここまで。
- 兵庫県道77号篠山山南線(丹波市、井原南T字路)
- 兵庫県道86号多可柏原線(丹波市、井原交差点)
- 京都府道・兵庫県道109号福知山山南線(丹波市、草部交差点)-ここから京都府道・兵庫県道109号福知山山南線と重複-(氷上町朝阪まで)
- 京都府道・兵庫県道109号福知山山南線(丹波市氷上町朝阪)-草部交差点から京都府道・兵庫県道109号福知山山南線が重複-ここまで。
- 兵庫県道290号稲畑柏原線(丹波市、稲畑Y字路)
- 兵庫県道291号奥野々氷上線(丹波市氷上町稲継)
- 国道176号、兵庫県道7号青垣柏原線(丹波市、稲継交差点)-ここから国道176号と重複-(福知山市、下天津T字路まで)
- 兵庫県道171号黒井停車場線(丹波市、春日町立野Y字路)
- 兵庫県道69号春日栗柄線(丹波市、下野村T字路)
- 国道483号(北近畿豊岡自動車道)(春日IC)
- 兵庫県道284号多利多田線(丹波市、渡所橋交差点)
- 兵庫県道283号絹山市島線(丹波市、東勅使T字路)
- 兵庫県道138号追入市島線(丹波市市島町梶原)
- 兵庫県道・京都府道59号市島和知線(丹波市、市島支所前交差点)
- 兵庫県道282号沼市島線(丹波市、八日市交差点)
- 兵庫県道170号丹波竹田停車場線(京都府道・兵庫県道708号岩崎市島線重複。丹波市市島町中竹田)
- 国道9号、京都府道55号舞鶴福知山線(福知山市、東堀交差点)-ここから国道9号と重複-(牧交差点まで)
- 京都府道8号福知山綾部線(福知山市、西堀交差点)
- 京都府道523号福知山停車場篠尾線(福知山市、下篠尾交差点)
- 国道429号(福知山市、新庄交差点)
- 国道9号(福知山市、牧交差点)-東堀交差点から国道9号が重複-ここまで。
- 京都府道527号筈巻牧線(福知山市、勅使交差点)
- 国道176号(福知山市、下天津交差点)-丹波市、稲継交差点から国道176号が重複-ここまで。
- 京都府道492号私市大江線(福知山市大江町公庄)
- 京都府道493号西坂蓼原線(福知山市大江町蓼原)
- 京都府道9号綾部大江宮津線(福知山市大江町関)-ここから京都府道9号綾部大江宮津線と重複-(大江町北有路まで)
- 京都府道9号綾部大江宮津線(福知山市大江町北有路)-大江町関から京都府道9号綾部大江宮津線が重複-ここまで。
- 京都府道532号二俣三河線(福知山市大江町三河)
- 京都府道494号綾部大江線(福知山市大江町三河)
- 京都府道533号内宮地頭線(舞鶴市地頭)
- 京都府道491号金河内地頭線(舞鶴市地頭)
- 京都府道570号西方寺岡田由里線(舞鶴市岡田由里)
- 京都府道66号志高西舞鶴線(舞鶴市志高)
- 京都府道45号舞鶴宮津線(舞鶴市大川)
- 国道178号(舞鶴市、八田交差点)-ここから国道178号と重複-(終点の舞鶴市、大手交差点まで)
- 京都府道55号舞鶴福知山線、京都府道571号西神崎上東線(舞鶴市、藤津交差点)
- 京都府道568号念仏峠線(舞鶴市上福井)
- 京都府道567号地頭四所停車場線(舞鶴市、上福井交差点)
- 京都府道490号物部西舞鶴線(舞鶴市上福井)
- 国道27号、国道177号(舞鶴市、大手交差点)
(右の「表示」を押す)
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- 国土交通省近畿地方整備局
- 兵庫国道事務所:兵庫県の指定区間を管理
- 福知山河川国道事務所:京都府の指定区間(国道9号重用区間)を管理
- 兵庫県
- 丹波県民局丹波土木事務所:丹波市の指定区間外を管理
- 京都府
- 中丹広域振興局中丹西土木事務所:福知山市の指定区間外を管理
- 中丹広域振興局中丹東土木事務所:舞鶴市の区間を管理
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