大田原市
テンプレート:Infobox 大田原市(おおたわらし)は、栃木県の北東部に位置する市。旧那須郡。2005年10月1日に隣接する那須郡湯津上村と同郡黒羽町を編入し、人口約8万人の市となった。那須塩原市への通勤率は16.3%(平成22年国勢調査)。
松尾芭蕉「奥の細道」と縁の深い地として知られており、市の中央を流れる那珂川や八溝山系の里山など自然豊かな地域である。雲巌寺、栃木県なかがわ水遊園、日帰り温泉など観光資源も多い。
地理
栃木県の北東部に位置。東京から北に約150キロ、県庁所在地の宇都宮市からは車で約1時間。東西に長い形状を呈しており、市境の東側は県境として茨城県及び福島県と接している。県東部には八溝山地が茨城県との県境に沿って延びるが、中央部-西部にかけては那須野が原扇状地の扇端付近にあたる平地が広がる。一方河川では、市東部を南北に縦断する那珂川、市南部を東西に横断する箒川がある。旧大田原市街を流れる伏流河川・蛇尾川は、市南部の福原地区付近で箒川に注ぎ、さらに箒川は佐良土の箒橋付近で那珂川へ注いでいる。
市西端部の野崎地区にはJR宇都宮線が通じており、野崎駅が設置されている。道路網では国道400号、国道461号が、旧大田原市街の中心で交差し東西南北へ延びる。その他旧黒羽市街、旧湯津上市街を縦断し那須烏山市方面へ通じる国道294号は、市内を那珂川に沿って延び、野崎地区には国道4号が南北に縦断する。
NHKローカル天気予報では、宇都宮、日光と共に大田原の天気予報が流される。
隣接している自治体
歴史
『手にすくう水もなし』と詠われた荒れ地那須野が原(扇状地)の中にあって扇端湧水地帯付近に位置し比較的水の便に恵まれていた大田原市は奥州街道の宿場町として繁栄したが、戦国時代より続いた大田原氏の居城・大田原城の城下町でもあった。そのため、旧市街地には城下町時代の往時を偲ばせる敵の来襲に備えた狭い道、鍵型に曲がった道などの面影が随所に残り、古くから栃木県北地域の政治経済文化の中心的役割を担ってきた。
有史以前
有史以降
- 〜700年 那珂川周辺に上侍塚古墳、下侍塚古墳など多くの古墳が作られる。
- 7世紀 那須国造が置かれる。
- 700年(文武天皇4年) 那須国造碑建立
- 平安時代 那須一族の荘園が佐久山、福原周辺に開かれる。
- 1545年(天文14年) 大田原資清(すけきよ)によって大田原城築城。
- 1646年 (天保3年) 1601年(慶長6年)より整備が始められた五街道のひとつ奥州街道(奥州道中)完成。
- 1659年(万治2年) 松尾芭蕉、雲巌寺、修験光明寺などを訪れる。
- 1676年(延宝4年) 徳川光圀が笠石神社を創建し、那須国造碑の保護を命じる。
- 1692年(元禄5年) 徳川光圀が上侍塚古墳と下侍塚古墳の発掘調査・整備を命じる。
- 1788年(天明8年) 慶長年間(1596年 - 1615年)に開削が始まったと伝わる蟇沼用水が大田原城下まで到達。
- 1868年(慶応4年) 大田原藩は戊辰戦争において新政府軍に付き、城下は旧幕府方の会津藩の攻撃を受け大田原城も焼失。
- 1871年(明治4年) 廃藩置県によって「大田原県」成立。
- 1885年(明治18年) 那須疏水開削。
※ 一部大田原市ホームペ-ジより要約
市の沿革
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い町制を施行、那須郡大田原町が発足。
- 1954年(昭和29年)12月1日 - 大田原町・親園村・金田村が合併し、市制を施行。大田原市となる。
- 1954年(昭和29年)12月31日 - 那須郡野崎村の一部を編入。
- 1955年(昭和30年)4月1日 - 那須郡西那須野町の一部(加治屋)を編入。
- 1955年(昭和30年)11月5日 - 那須郡佐久山町を編入。
- 1992年(平成4年)7月1日 - 那須郡黒羽町と境界変更。
- 1993年(平成5年)12月1日 - 塩谷郡喜連川町と境界変更。
- 1995年(平成7年)12月1日 - 那須郡黒羽町と境界変更。
- 2001年(平成13年)1月1日 - 矢板市と境界変更。同日、塩谷郡喜連川町とも境界変更。
- 2002年(平成14年)1月1日 - 黒磯市と境界変更。同日、那須郡黒羽町と境界変更。
- 2004年(平成16年)12月31日 - 黒磯市と境界変更。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 那須郡湯津上村・黒羽町を編入。
- 2006年(平成18年)8月1日 - 那須郡那珂川町と境界変更。
- 2009年(平成21年)8月1日 - さくら市と境界変更。
人口
行政
市長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 益子万吉 | 1955年(昭和30年)1月18日 | 1959年(昭和34年)1月17日 | 合併前の大田原町長 |
2 | 鈴木邦衛 | 1959年(昭和34年)1月18日 | 1971年(昭和46年)1月17日 | |
3 | 三森光夫 | 1971年(昭和46年)1月18日 | 1979年(昭和54年)1月17日 | |
4 | 渡辺正義 | 1979年(昭和54年)1月18日 | 1990年(平成2年)3月31日 | |
5 | 千保一夫 | 1990年(平成2年)4月8日 | 2010年(平成22年)4月7日 | |
6 | 津久井富雄 | 2010年(平成22年)4月8日 | 現職 |
国や県の出先機関
国の機関
- 宇都宮地方検察庁 大田原支部
- 宇都宮地方法務局 大田原支局
- 大田原拘置支所
- 黒羽刑務所
- 大田原税務署
- 大田原地域産業保健センター
- 大田原年金事務所
- 大田原労働基準監督署
- 塩那森林管理署
- 自衛隊栃木地方協力本部県北支部 大田原地域事務所
県の機関
- 栃木県庁那須庁舎(県税事務所、土木事務所、林務事務所、教育事務所、労政事務所、県北県民センターなど)
- 栃木県立県北体育館
- 県北食肉衛生検査所
- 県北健康福祉センター
- 栃木県住宅供給公社 大田原支所
警察
裁判所
- 宇都宮地方裁判所 大田原支部
経済
農業・畜産
米の生産高は栃木県内随一。2004年の生産高は4万tあまりと、宇都宮市や那須塩原市の2万7千tをも大きく上回った。また、当市を中心に生産される軟白ネギ「白美人ねぎ」は、その食味において市場の高い評価を受けている。他にイチゴやブルーベリー、梨など果実類の生産にも注力している。
昔生産が盛んだった唐辛子の栃木三鷹(とちぎさんたか)を使っての町おこしも行っている。一方、高級国産牛肉の大田原牛は、市内に本拠を構える大田原牛超(大黒屋総本家)の登録商標である。必ずしも地産ブランドではない。
商業
東武宇都宮百貨店大田原店をはじめ、都市計画道路3.3.1号線沿線を中心に大規模小売店の集中が目立ち、県北地域における一大商業施設集積地となりつつある。
工業
自然環境との調和のとれた「田園工業都市」構想を旗印に、市内4ヶ所の工業団地を中心とした企業誘致を推進している。特に、野崎地区の国道4号沿いに位置する野崎工業団地は、東芝、東芝メディカルシステムズ、富士通、大日本塗料、栄研化学、川田工業、日本フエルトといった大手上場企業またはそのグループ企業の集積が目立っている。
姉妹都市・提携都市
- テンプレート:Flagicon 岡山県井原市 - 那須与一所縁の地
- テンプレート:Flagicon セント・アンドルーズ(イギリス)
- テンプレート:Flagicon ウェストコビナ(アメリカ)
- テンプレート:Flagicon 東京都江東区 災害時相互支援協定締結
地域
町名一覧
大田原地区
- 浅香1-5丁目
- 加治屋
- 城山1-2丁目
- 新富町1-3丁目
- 末広1-3丁目
- 住吉町1-2丁目
- 中央1-2丁目
- 富士見1-2丁目
- 本町1-2丁目
- 美原1-3丁目
- 紫塚1-4丁目
- 元町1-2丁目
- 山の手1-2丁目
- 若草1-2丁目
- 若松町
金田地区
- 赤瀬
- 荒井
- 市野沢
- 今泉
- 岡
- 奥沢
- 乙連沢
- 鹿畑
- 上奥沢
- 北大和久
- 北金丸
- 倉骨
- 小滝
- 戸野内
- 富池
- 中田原
- 練貫
- 羽田
- 町島
- 南金丸
親園地区
- 宇田川
- 荻野目
- 滝岡
- 滝沢
- 親園
- 花園
- 実取
野崎地区
- 薄葉
- 上石上
- 下石上
- 野崎1-2丁目
- 平沢
佐久山地区
- 大神
- 佐久山
- 福原
- 藤沢
湯津上地区
- 新宿
- 片府田
- 小船渡
- 佐良土
- 狭原
- 蛭田
- 蛭畑
- 湯津上
黒羽地区
- 片田
- 亀久
- 北滝
- 北野上
- 黒羽田町
- 堀之内
- 前田
- 矢倉
- 八塩
川西地区
- 大豆田
- 黒羽向町
- 寒井
- 蜂巣
- 桧木沢
- 余瀬
両郷地区
- 大久保
- 大輪
- 川田
- 河原
- 木佐美
- 久野又
- 寺宿
- 中野内
- 両郷
須賀川地区
- 雲岩寺
- 川上
- 須賀川
- 須佐木
- 南方
教育
大学
高等学校
- 栃木県立大田原高等学校
- 栃木県立大田原女子高等学校
- 栃木県立大田原東高等学校(定時制、栃木県立大田原女子高等学校に併設)
- 栃木県立黒羽高等学校
中学校
- 大田原市立大田原中学校
- 大田原市立若草中学校
- 大田原市親園中学校
- 大田原市金田北中学校
- 大田原市立金田南中学校
- 大田原市野崎中学校
- 大田原市佐久山中学校
- 大田原市湯津上中学校
- 大田原市黒羽中学校
- 大田原市川西中学校
- 大田原市須賀川中学校
- 大田原市両郷中学校
小学校
- 大田原市大田原小学校
- 大田原市西原小学校
- 大田原市紫塚小学校
- 大田原市親園小学校
- 大田原市宇田川小学校
- 大田原市市野沢小学校
- 大田原市奥沢小学校
- 大田原市金丸小学校
- 大田原市羽田小学校
- 大田原市薄葉小学校
- 大田原市石上小学校
- 大田原市佐久山小学校
- 大田原市福原小学校
- 大田原市湯津上小学校
- 大田原市佐良土小学校
- 大田原市蛭田小学校
- 大田原市川西小学校
- 大田原市蜂巣小学校
- 大田原市寒井小学校
- 大田原市黒羽小学校
- 大田原市片田小学校
- 大田原市須賀川小学校
- 大田原市両郷中央小学校
郵便
郵便番号は以下が該当する。3集配局が集配を担当する。
- 大田原郵便局:「324-00xx」
- 黒羽郵便局:「324-02xx」
- 佐良土郵便局:「324-04xx」
郵便局
- 大田原郵便局(07004)
- 黒羽郵便局(07015)
- 大田原佐久山郵便局(07024)
- 黒羽須佐木郵便局(07078)
- 大田原野崎郵便局(07110)
- 佐良土郵便局(07143)
- 両郷郵便局(07148)
- 金丸原郵便局(07175)
- 福原郵便局(07182)
- 須賀川郵便局(07183)
- 黒羽前田郵便局(07186)
- 親園郵便局(07187)
- 市野沢郵便局(07202)
- 大田原住吉郵便局(07206)
- 大田原中央一郵便局(07275)
- 蛭田簡易郵便局(07707)
- 大田原西原簡易郵便局(07708)
- 黒羽北滝簡易郵便局(07712)
- 寒井簡易郵便局(07713)
- 川上簡易郵便局(07721)
電話番号
市内全域が大田原MAの管轄となり、市外局番は「0287」。収容局は以下の3ビルが該当し、市内局番は以下の通り。
- 大田原2局:20,22-24
- 野崎局:26,29
- 佐久山局:28
- 黒羽局:53,54
- 栃木須佐木局:57
- 栃木須賀川局:58
- 両郷局:59
- 湯津上局:98
交通
鉄道路線
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 中心となる駅:西那須野駅(宇都宮線/那須塩原市)、那須塩原駅(東北新幹線/那須塩原市)
- 隣接市町村への連絡:宇都宮線
- 広範囲な連絡:東北新幹線(※ 宇都宮駅 - 那須塩原駅間で当市を通過している)
- 廃止路線
バス路線
大田原市営バス
テンプレート:Main JR西那須野駅、JR那須塩原駅、市役所などを拠点に、市内の各地区を結んでいる。
- 大田原市内循環線
- 那須塩原駅線
- 佐久山・親園線
- ふれあいの丘 - 佐久山 - 親園 - 保健センター前 - 大田原市役所 - 那須赤十字病院
- 金田方面循環線
- 大田原市役所 - 那須赤十字病院 - 小滝 - 乙連沢 - 羽田 - 練貫 - 市野沢 - 那須赤十字病院 - 大田原市役所
- 野崎方面循環線
- 大田原市役所 - 中薄葉 - 野崎駅 - 下大貫境 - 野崎駅 - 一区十文字 - 大田原市役所
- 蛭田・湯津上線
- やすらぎの湯 - 湯津上支所 - 蛭田 - 片府田 - 宇田川 - 大田原市役所 - 那須赤十字病院
- 金丸線
- 道の駅那須与一の郷 - 国際医療福祉大学 - 市野沢 - 練貫 - 那須塩原駅
- 雲巌寺線・須賀川線
- 那須塩原駅 - 黒羽刑務所前 - 黒羽 - 黒羽高校 - 雲巌寺前 - 石畑
- 黒羽・佐良土線
- 黒羽 - 黒羽支所 - 湯津上支所 - やすらぎの湯 - 佐良土 - なかがわ水遊園
- 佐久山・野崎駅線
- ふれあいの丘 - 平山 - 佐久山 - 滝沢 - 平沢 - 薄葉 - 野崎駅
東野交通
テンプレート:Main 2012年4月より、それまで市営バスとして運行されていた一部路線が移管された。
- 一般乗合バス
- 西那須野駅東口 - 那須赤十字病院
- 西那須野駅東口 - 中央通り - 大田原営業所
- 西那須野駅東口 - 中央通り - 国際医療福祉大学
- 西那須野駅東口 - (一部那須赤十字病院経由) - 中央通り - 国際医療福祉大学 - 黒羽出張所
- 大田原市役所 - 国際医療福祉大学 - 黒羽出張所 - 五峰の湯
- 西那須野駅東口 - (一部那須赤十字病院経由) - 中央通り - 佐良土 - (一部なかがわ水遊園経由) - 小川仲町 - 三輪
- 西那須野駅東口 - (一部那須赤十字病院経由) - 中央通り - 佐良土 - (一部なかがわ水遊園経由) - 小川仲町 - 馬頭車庫
道路
高速道路
- 東北自動車道:市内にはインターチェンジは無い。
一般国道
主要地方道
- 栃木県道13号大子黒羽線
- 栃木県道27号那須黒羽茂木線
- 栃木県道28号大子那須線
- 栃木県道34号黒磯黒羽線
- 栃木県道48号大田原氏家線(旧陸羽街道)
- 栃木県道52号矢板那珂川線
- 栃木県道53号大田原高林線
- 栃木県道72号大田原芦野線(旧陸羽街道)
一般県道
- 栃木県道114号佐久山喜連川線(旧陸羽街道)
- 栃木県道167号蛭田喜連川線
- 栃木県道170号親園南金丸線
- 栃木県道179号稲沢黒羽線
- 栃木県道182号東小屋黒羽線
- 栃木県道192号滝沢野崎停車場線
- 栃木県道205号須賀川大子線
- 栃木県道271号大田原矢板線
- 栃木県道285号福原小川線
- 栃木県道298号小口黒羽線
- 栃木県道306号西那須野下石上線
- 栃木県道321号南方須佐木線
- 栃木県道342号中田原寒井線
- 栃木県道343号蛭畑須佐木線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
市内には屋島の戦いの英雄として知られる武将・那須与一の墓所や、俳聖・松尾芭蕉が滞在し立ち寄った史跡などが存在し、これらの人物ゆかりの地として催しなどの町おこしも行われている。
名所・旧跡
- 大田原城址(龍城公園、城山公園とも)
- 黒羽城址(黒羽城址公園)
- 佐久山陣屋跡(御殿山公園)
- 福原陣屋跡
- 雲巌寺 - 松尾芭蕉が立ち寄った寺院としても知られる。
- 大雄寺
- 光真寺 - 大田原氏の墓所がある。
- 玄性寺 - 那須氏の墓所がある。
- 羽田沼 - カモ、ハクチョウの飛来地。
- 侍塚古墳 - 5世紀ごろの古墳。徳川光圀の命により調査整備保存された。
- 那須国造碑(国宝)- 徳川光圀の命により建立された笠石神社に祀られている。
温泉
レジャー
- 大野放牧場
- 那珂川の観光やな(夏期)
- 道の駅那須与一の郷
- 湯けむりふれあいの丘
- アイランドゴルフパーク東那須
文化施設
- 芭蕉の館
- 栃木県なかがわ水遊園(水族館)
- 栃木県立なす風土記の丘資料館湯津上館
- 那須野が原ハーモニーホール(コンサートホール)
祭事・催事
- 屋台まつり
- 与一まつり
- 大田原マラソン
出身有名人
- 高橋和枝、緑川光 - 声優
- 北勝力英樹 - 大相撲力士。旧黒羽町
- 福田雅一 - プロレスラー
- 谷口宗一 - シンガーソングライター・写真家
- 大島美幸 - お笑いトリオ・森三中。合併前の黒羽町出身
- 大島弓子 - 漫画家
- 金澤岳 - プロ野球選手(千葉ロッテマリーンズ)
- 古内明 - 元大相撲力士・神奈川県相模原市市議会議員
- 益子卓郎 - 漫才コンビ・U字工事。合併前の黒羽町出身
- 小林千紘 - 神村学園-明治大学野球部