カモ
カモ(鴨、テンプレート:Lang-en-short)とは、カモ目カモ科の鳥類のうち、雁(カリ)に比べて体が小さく、首があまり長くなく、冬羽(繁殖羽)では雄と雌で色彩が異なるものをいう。カルガモのようにほとんど差がないものもある。分類学上のまとまった群ではない。
概要
日本では主にカルガモ、オシドリなどが通年生息し、日本全国の河川や湖などで見られる。日本では多くが冬鳥であるため、冬季にはマガモ、コガモ、オナガガモ、スズガモなど多種が見られる。
野生種では生息数や生息地の減少からワシントン条約や日露渡り鳥保護条約[1]、日中渡り鳥保護協定[2]、日米渡り鳥保護条約[3]、ボン条約 (日本は未加盟) などの適用を受けている種も多く、生息地がラムサール条約に登録されることもある。日本では鳥獣保護法において狩猟可能な種と時期、地域、猟具などが定められている。
日本語と異なり英語の duck などヨーロッパの言語では、基礎語彙のレベルでは野生の鴨(テンプレート:Lang-en-short)と家禽のアヒル(テンプレート:Lang-en-short)を区別しないので、翻訳に際して注意が必要である。バリケンも鴨の範疇に入る。雄は drake ともいう。中国語においても、正式にはアヒルは「家鴨」、野生の鴨は「野鴨」とされているが、日常会話では日本とは違い認知的に両者を区別していないため注意が必要である。
利用
食材
肉食が一般的でない明治維新前の日本で、一部の地域で食用とされた数少ない鳥獣類だった。鴨鍋や治部煮、すき焼き、鴨南蛮などが代表的だが、臭みが強く食用に適さない種もある。鴨鍋はネギと煮るが、江戸時代にはセリと煮て臭みをとっていた。今日、鴨肉の名称で流通しているものの多くはアヒル(家禽化したマガモ)の肉であるが、アイガモ(アヒルとカルガモの交配種)や野生のマガモなどもしばしば食用とされる。脂が載る冬が最も美味しく、旬の季節である[4]。
海外でも牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉と並びよく食される。市場では高値で取引されるため、北京ダックなど高級食材として扱われている。鴨の卵も鶏卵と同じように使われる。
テンプレート:要出典それを人工的に強制したものがフォアグラである。
家禽
食用や採卵のほかには、合鴨や家鴨が愛玩、羽毛採集、アイガモ農法などの用途で家禽化されている。羽毛は軽量で保温性が高くジャケットや掛け布団に利用される。
放流と生態系の破壊問題
アイガモやアヒルと野生の本種の間で遺伝子汚染がかなり進んでいるため、野鶏など同じように、家禽と交雑が進み遺伝的に純粋なものはいなくなるのではないかといった懸念をする研究者もいる。
鴨が使われる諺
- 鴨が葱を背負ってくる
- 鴨鍋にネギを入れると臭みがとれて美味しくなる事から、いいことが重なってやってくること。また「鴨」は利用しやすい人を指すことから、食い物にしやすい人がこちらの利益になる材料を持ってやって来ることもいう。転じて、詐欺や悪質商法のターゲットを「カモ」と揶揄することがある。略して鴨葱とも言う。
- 従兄弟同士は鴨の味
- いとこ同士の夫婦の仲はとても睦まじいということ。いとこ、いとこ婚の項を参照。
その他
- かつてはネギではなくセリが「カモに合うもの」とされていたため誹風柳多留において「芹の上鴨昼寝してうなされる」と詠まれている。
- 鴨とりごんべえ - 日本の昔話の1つ。
- カモネギ - ポケットモンスターに登場する架空の生物。鴨が葱を背負ってくると言う諺をそのまま具現化したかのように、カルガモが手元にネギのような植物の茎を持った外見をしている。
ギャラリー
- Kamo picture.JPG
- Anas crecca landing on the water.JPG
- Black duck decoy by Cigar Daisey 01.jpg
カモのデコイ
脚注・出典
関連項目
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- 鳥の一般名の記事
カタカナ名の記事が自然科学的な内容を中心とするのに対し、一般名の記事では文化的な側面や人との関わりなどについて解説する。 テンプレート:Col-begin テンプレート:Col-2
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
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- ↑ 東京下町編集部(編)『東京下町うまいもん』枻出版社, 2003年, p.106