マイルチャンピオンシップ

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テンプレート:競馬の競走 マイルチャンピオンシップとは日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場1600メートルで施行する中央競馬重賞GI競走である。秋のマイラーチャンピオン決定戦として位置づけられているレースである。

タイトルにある「マイル」とは1マイル(1609メートル)のことであるが日本競馬では概ね10メートル以下の端数数値を切り捨てて計算するため、このレースは1600メートルでの開催となっている。

正賞は日本馬主協会連合会長賞。

概要

1984年中央競馬グレード制が導入された際、短距離路線の番組体系が整備された。この時、1マイルのチャンピオン決定戦として春は既設重賞安田記念がGIに指定され秋は本競走がGIとして新設された。これによりマイル戦線の春秋2冠体制が確立され、現在に至るまで施行条件、時期などの変更は行われていない。

また当初はマイラーズカップが秋に移動して格上げの予定であり主催者から馬主サイドへ示されていたが、直前になって新設重賞となった経緯がある[1]

過去には最も荒れないグレードワン(創設から1994年までは1番人気の連対率は100%だった)と言われたが1995年は1番人気のビコーペガサスが4着に沈んでレース史上初めて連対を外し、16番人気のメイショウテゾロが2着に突っ込み馬連は10万馬券の大波乱となった。2000年には13番人気のアグネスデジタルが優勝したことや2002年には当時のGIレースの配当金のレコード(三連複:379390円)を更新したことなどここ最近は荒れるケースも多く見られ、かつての「荒れないレース」というイメージはかなり薄らいでいる。しかし、近年はダイワメジャーが連覇(2006年2007年:いずれも1番人気)するなどやや落ち着きつつある。また関西主場開催のGIにしては珍しく関東馬の活躍も多い。

1998年から外国馬の参戦が可能となり、2003年に初めて外国馬が参戦した。2004年から国際グレードワンレースに指定された。

2008年からはジャパン・オータムインターナショナルシリーズに指定される。また、一定の実績を持って参戦した外国調教馬が3着以内に入着した場合に褒賞金が支給される制度がある[2]

現在の優勝レイの配色は緑色の地に金色の文字となっている。

出走資格

  • 原則サラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属の競走馬、地方所属の競走馬及び外国調教馬(9頭まで)、出走枠は18頭まで。
  • レーティング順位の上位5頭に対しては優先出走が認められる(2012年より。106ポンド以上であることが条件)。
  • その他の競走馬は「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。
  • 地方競馬所属馬は以下の競走のいずれかで所定の成績をあげると本競走に出走できる。
競走名 格付 施行競馬場 施行距離 必要な着順 備考
スプリンターズステークス テンプレート:Color テンプレート:Flagicon中山競馬場 芝・外1200m 1・2着
富士ステークス テンプレート:Color テンプレート:Flagicon東京競馬場 芝1600m 本競走のステップ競走指定
中央・地方の所属を問わずに、1着で優先出走権を付与(2014年から)
スワンステークス テンプレート:Color テンプレート:Flagicon京都競馬場 芝・外1400m
天皇賞(秋) テンプレート:Color テンプレート:Flagicon東京競馬場 芝2000m

負担重量

  • 定量で3歳56kg、4歳以上57kgで牝馬2kg減である。
    • 第1~17回は3歳55kg・4歳以上57kg・牝馬各2kg減。

賞金

回(施行年) 総額賞金 1着 2着 3着 4着 5着
第1回(1984年) 9,550万円 5,000万円 2,000万円 1,300万円 750万円 500万円
第2回(1985年) 9,990万円 5,200万円 2,100万円 780万円 520万円
第3回(1986年) 1億350万円 5,400万円 2,200万円 1,400万円 810万円 540万円
第4回(1987年) 1億1,400万円 6,000万円 2,400万円 1,500万円 900万円 600万円
第5回(1988年) 1億2,770万円 6,700万円 2,700万円 1,700万円 1,000万円 670万円
第6回(1989年) 1億4,250万円 7,500万円 3,000万円 1,900万円 1,100万円 750万円
第7回(1990年) 1億5,200万円 8,000万円 3,200万円 2,000万円 1,200万円 800万円
第8回(1991年) 1億6,570万円 8,700万円 3,500万円 2,200万円 1,300万円 870万円
第9回(1992年) 1億7,630万円 9,300万円 3,700万円 2,300万円 1,400万円 930万円
第10回(1993年)
第11回(1994年)
第12回(1995年) 1億7,940万円 9,400万円 3,800万円 2,400万円 940万円
第13回(1996年)
第14回(1997年)
第15回(1998年)
第16回(1999年)
第17回(2000年)
第18回(2001年)
第19回(2002年)
第20回(2003年)
第21回(2004年)
第22回(2005年)
第23回(2006年) 1億9,000万円 1億円 4,000万円 2,500万円 1,500万円 1,000万円
第24回(2007年)
第25回(2008年)
第26回(2009年)
第27回(2010年)
第28回(2011年)
第29回(2012年)

外国馬の優先出走権

2009年5月の改定にて、その年のムーラン・ド・ロンシャン賞もしくはクイーンエリザベス2世ステークスを優勝した外国馬には当競走への優先出走権が付与されることとなった[2]。しかし、2012年現在で優先出走権を使用した例はない。

褒賞金制度

ジャパン・オータムインターナショナルシリーズとなった2008年より、指定の海外競走に優勝した競走馬がその年の当競走に出走し優勝した場合には優勝賞金に加え褒賞金を交付している。また2009年5月の改定で範囲が拡大され、3着までに入着した場合にも褒賞金が交付されることとなった[2]。2011年にサプレザが3着に入ったのが褒賞金を初めて獲得した事例となった。指定競走と金額は以下の通り[3]セントジェームズパレスステークスは3歳牡馬によるレースでサンチャリオットステークス牝馬によるレースであり、その他は全て古馬混合レースである。

テンプレート:Col-begin テンプレート:Col-2

指定外国競走
開催国・競走名 格付 施行競馬場 施行距離 指定年
テンプレート:Flagiconクイーンアンステークス テンプレート:Color アスコット 芝8f 2008年 -
テンプレート:Flagiconサセックスステークス テンプレート:Color グッドウッド 芝8f
テンプレート:Flagiconクイーンエリザベス2世ステークス テンプレート:Color アスコット 芝8f
テンプレート:Flagiconジャック・ル・マロワ賞 テンプレート:Color ドーヴィル 芝1600m
テンプレート:Flagiconムーラン・ド・ロンシャン賞 テンプレート:Color ロンシャン 芝1600m
テンプレート:Flagiconウッドバインマイル テンプレート:Color ウッドバイン 芝8f
テンプレート:Flagiconフューチュリティステークス テンプレート:Color コーフィールド 芝1600m
テンプレート:Flagiconドバイデューティーフリー テンプレート:Color メイダン 芝1800m
テンプレート:Flagiconチャンピオンズマイル テンプレート:Color 沙田 芝1600m
テンプレート:Flagiconセントジェームズパレスステークス テンプレート:Color アスコット 芝8f 2010年 -
テンプレート:Flagiconサンチャリオットステークス テンプレート:Color ニューマーケット 芝8f
過去
開催国・競走名 格付 施行競馬場 施行距離 指定年
テンプレート:Flagiconロッキンジステークス テンプレート:Color ニューベリー 芝8f 2008年 - 2009年

テンプレート:Col-2

賞金額
本競走1着馬 本競走2着馬 本競走3着馬
2008年 1億円 - -
2009年 4000万円 2500万円
2010年
2011年 7000万円 2800万円 1800万円
2012年 5000万円 2000万円 1300万円

テンプレート:Col-end

褒賞金獲得馬
回数 調教国・出走馬 当競走着順 指定競走結果 獲得褒賞金
第28回 テンプレート:Flagiconサプレザ 3着 サンチャリオットステークス1着 1800万円

歴史

ファイル:Eishin-Apollon20111120.jpg
第28回優勝馬エイシンアポロン

歴代優勝馬

国際競走となった1998年以降は優勝馬の国旗を表記する。

回数 施行日 調教国・優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主テンプレート:要出典
第1回 1984年11月18日 ニホンピロウイナー 牡4 1:35.3 河内洋 服部正利 小林百太郎
第2回 1985年11月17日 ニホンピロウイナー 牡5 1:35.3 河内洋 服部正利 小林百太郎
第3回 1986年11月16日 タカラスチール 牝4 1:35.3 田島良保 坂本栄三郎 村山義男
第4回 1987年11月22日 ニッポーテイオー 牡4 1:34.9 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第5回 1988年11月20日 サッカーボーイ 牡3 1:35.3 河内洋 小野幸治 (有)社台レースホース
第6回 1989年11月19日 オグリキャップ 牡4 1:34.6 南井克巳 瀬戸口勉 近藤俊典
第7回 1990年11月18日 パッシングショット 牝5 1:33.6 楠孝志 橋田満 森本忠治
第8回 1991年11月17日 ダイタクヘリオス 牡4 1:34.8 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一
第9回 1992年11月22日 ダイタクヘリオス 牡5 1:33.3 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一
第10回 1993年11月21日 シンコウラブリイ 牝4 1:35.7 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第11回 1994年11月20日 ノースフライト 牝4 1:33.0 角田晃一 加藤敬二 (有)大北牧場
第12回 1995年11月19日 トロットサンダー 牡6 1:33.7 横山典弘 相川勝敏 藤本照男
第13回 1996年11月17日 ジェニュイン 牡4 1:33.8 岡部幸雄 松山康久 (有)社台レースホース
第14回 1997年11月16日 タイキシャトル 牡3 1:33.3 横山典弘 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第15回 1998年11月22日 テンプレート:Flagiconタイキシャトル 牡4 1:33.3 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第16回 1999年11月21日 テンプレート:Flagiconエアジハード 牡4 1:32.8 蛯名正義 伊藤正徳 (株)ラッキーフィールド
第17回 2000年11月19日 テンプレート:Flagiconアグネスデジタル 牡3 1:32.6 的場均 白井寿昭 渡辺孝男
第18回 2001年11月18日 テンプレート:Flagiconゼンノエルシド 牡4 1:33.2 O.ペリエ 藤沢和雄 大迫忍
第19回 2002年11月17日 テンプレート:Flagiconトウカイポイント 騸6 1:32.8 蛯名正義 後藤由之 内村正則
第20回 2003年11月23日 テンプレート:Flagiconデュランダル 牡4 1:33.3 池添謙一 坂口正大 吉田照哉
第21回 2004年11月21日 テンプレート:Flagiconデュランダル 牡5 1:33.0 池添謙一 坂口正大 吉田照哉
第22回 2005年11月20日 テンプレート:Flagiconハットトリック 牡4 1:32.1 O.ペリエ 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第23回 2006年11月19日 テンプレート:Flagiconダイワメジャー 牡5 1:32.7 安藤勝己 上原博之 大城敬三
第24回 2007年11月18日 テンプレート:Flagiconダイワメジャー 牡6 1:32.7 安藤勝己 上原博之 大城敬三
第25回 2008年11月23日 テンプレート:Flagiconブルーメンブラット 牝5 1:32.6 吉田豊 石坂正 (有)キャロットファーム
第26回 2009年11月22日 テンプレート:Flagiconカンパニー 牡8 1:33.2 横山典弘 音無秀孝 近藤英子
第27回 2010年11月21日 テンプレート:Flagiconエーシンフォワード 牡5 1:31.8 岩田康誠 西園正都 (株)栄進堂
第28回 2011年11月20日 テンプレート:Flagiconエイシンアポロン 牡4 1:33.9 池添謙一 松永昌博 平井豊光
第29回 2012年11月18日 テンプレート:Flagiconサダムパテック 牡4 1:32.9 武豊 西園正都 大西定
第30回 2013年11月17日 テンプレート:Flagiconトーセンラー 牡5 1:32.4 武豊 藤原英昭 島川隆哉

マイルチャンピオンシップの記録

  • レースレコード - 1:31.8(第27回優勝馬エーシンフォワード)
  • 2着との最大着差 - 5馬身(第4回優勝馬ニッポーテイオー/第15回優勝馬タイキシャトル)
  • 最多勝騎手 - 3勝 河内洋(第1、2、5回)、岡部幸雄(第10、13、15回)、横山典弘(第12、14、26回)、池添謙一(第20、21、28回)
  • 最多勝調教師 - 4勝 藤沢和雄(第10、14、15、18回)
  • 最高齢勝利馬 - 8歳(カンパニー/第26回優勝馬)

連覇

春のマイル王決定戦である安田記念の約半分の開催数にもかかわらず、安田記念の3頭に対して既に5頭が連覇を達成している。

馬名 性齢 優勝回
1 ニホンピロウイナー 牡4
牡5
第1回
第2回
2 ダイタクヘリオス 牡4
牡5
第8回
第9回
3 タイキシャトル 牡3
牡4
第14回
第15回
4 デュランダル 牡4
牡5
第20回
第21回
5 ダイワメジャー 牡5
牡6
第23回
第24回

地方競馬の「マイルチャンピオンシップ」

地方競馬でもマイルチャンピオンシップを範した競走があり、競走形態は異なるもののいずれも1600メートル競走として開催されている。

競走名 格付 主催者 施行競馬場 施行距離 備考
1 マイルチャンピオンシップ南部杯 統一JpnI 岩手県競馬組合 盛岡競馬場 ダート1600m
2 黒潮マイルチャンピオンシップ 重賞 高知県競馬組合 高知競馬場 ダート1600m 2001 - 2008年は開催中止

なおマイルチャンピオンシップ南部杯は2011年のみ東日本大震災の影響で中央競馬で開催された。

特記事項

  • 関西で行われる重賞だが西高東低時代にある中で関東馬の健闘が目立ち関西のGIで唯一関東馬が勝ち越していたレースであり、1995年から5年連続で関東馬が制していた。また、2006年には1着のダイワメジャーから6着まで関東馬が占めた(ただし、このときの1・2・5着の馬に騎乗したのは関西所属の騎手)。
  • 本競走は、京都競馬場で行われる年内最後のGI競走である。
  • 第1回開催から常に京都競馬場で開催され、阪神競馬場など他場での開催例はない。

脚注・出典

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

各回競走結果の出典

  • 『日本の競馬 総合ハンドブック2013』 59頁、60頁 発行:一般社団法人中央競馬振興会(1984年~2012年、馬主名義除く)

関連項目

外部リンク

テンプレート:中央競馬の重賞競走

テンプレート:ジャパン・オータムインターナショナル
  1. 優駿1983年12月号における大橋巨泉和田共弘の対談にて。
  2. 2.0 2.1 2.2 「ジャパン・オータムインターナショナル」の勧誘策を強化 日本中央競馬会
  3. テンプレート:PDFlink


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