ゼンノエルシド
テンプレート:Infobox ゼンノエルシドは、アイルランド生産、日本で調教された競走馬である。2001年のマイルチャンピオンシップなど、中央競馬で重賞2勝を挙げた。芝1600メートルの元日本レコードホルダー。馬名の「ゼンノ」は馬主の冠名、「エルシド」はスペインの貴族ロドリゴ・ディアス・デ・ビバールの通称エル・シドに由来している。
※以下、馬齢は2000年以降に制定された現表記(満年齢)で記述する。
経歴
競走馬時代
アイルランド生産の外国産馬。父カーリアンは2度の英愛リーディングサイアーを獲得した名種牡馬、母エンブラは1985年の英最優秀2歳牝馬という良血で、デビュー前から注目を集めた。1999年10月の東京開催でデビューし、初戦勝利を挙げる。しかし以後は脚部不安などもあり順調に勝ち上がれず、2年近くを条件馬として過ごした。
2001年8月に摩周湖特別(1000万下条件戦)で4勝目を挙げると、次走は格上挑戦で京成杯オータムハンデキャップ (GIII) に出走。1600万下条件馬でありながら当日はGI優勝馬イーグルカフェらを抑えての単勝1番人気に支持されると、先行策から直線半ばで抜け出し、2着クリスザブレイヴに4馬身差を付けて重賞初制覇を果たした。降雨・強風のなかでの競走だったが、優勝タイム1分31秒5は当時の芝1600メートルの日本レコードとなった。
これを受け、GI競走初出走となったスプリンターズステークスでも1番人気に推されたが、ここでは10着と大敗を喫する。次走のマイルチャンピオンシップでは、フランス人騎手オリビエ・ペリエが初騎乗。4番人気に支持されたゼンノエルシドは、2着エイシンプレストン以下を抑え、GI制覇を果たした。
年末にはエイシンプレストンらとともに香港国際競走に参加し、香港マイルに出走。当日1番人気に支持された。しかし直線でまったく伸びず、エイシンプレストン優勝の後方で最下位に終わった。翌2002年は極度の不振に陥り、4走して二桁着順が3回という成績で、秋に出走したマイルチャンピオンシップ14着を最後に競走生活から退いた。
引退後
引退後は種牡馬となり、北海道静内町のアロースタッドで供用のあと、2006年秋よりビッグレッドファームに移動した。同年に初年度産駒がデビュー、この中からマイネルシーガルが2008年に富士ステークスを制し、産駒の重賞初勝利となった。しかし種付け数は初年度の66頭から漸減を続け、翌2009年も8頭にとどまった。これを受けて同年8月より繋養先が青森県八戸市の山内牧場に移された。2013年は再びアロースタッドで、2014年からは村上牧場で供用されている。
主な産駒
- マイネルシーガル(2007年富士ステークス)
- マイネルロブスト(2011年朝日杯フューチュリティステークス2着)
- マコトタンホイザー(2013年師走賞、2014年球磨川賞)
全成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭数 | オッズ (人気) |
着順 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
騎手 | 斤量 | 勝ち馬/(2着馬) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1999.10.10 | 東京 | 新馬 | 10 | テンプレート:01.4 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:0テンプレート:Color | 芝1800(良) | 1:49.9 (36.6) | -0.3 | 岡部幸雄 | 53 | (ユーワシーザー) | |
テンプレート:010.31 | 東京 | いちょうS | 8 | テンプレート:01.4 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:06着 | 芝1600(良) | 1:36.2 (35.5) | テンプレート:00.6 | 岡部幸雄 | 53 | マチカネホクシン | |
2000.テンプレート:05.13 | 東京 | 夏木立賞 | 14 | テンプレート:01.4 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:0テンプレート:Color | 芝1800(良) | 1:49.0 (36.6) | -0.7 | 岡部幸雄 | 55 | (セキサンデインヒル) | |
テンプレート:0テンプレート:07.テンプレート:08 | 函館 | STV杯 | 12 | テンプレート:02.1 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:05着 | 芝2000(良) | 2:03.0 (37.3) | テンプレート:00.6 | 岡部幸雄 | 54 | クリミナーレ | |
テンプレート:0テンプレート:07.29 | 函館 | 洞爺湖特別 | 12 | テンプレート:02.0 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:0テンプレート:Color | 芝1800(良) | 1:49.3 (37.2) | -0.4 | 横山典弘 | 54 | (ニシキオーカン) | |
テンプレート:012.23 | 中山 | クリスマスC | 13 | テンプレート:04.8 | テンプレート:0(2人) | テンプレート:03着 | 芝1800(良) | 1:49.0 (37.6) | テンプレート:00.0 | 岡部幸雄 | 55 | リトルダンサー | |
2001.テンプレート:01.30 | 東京 | 東京新聞杯 | テンプレート:Color | 13 | テンプレート:05.2 | テンプレート:0(3人) | テンプレート:08着 | 芝1600(稍) | 1:35.2 (36.4) | テンプレート:01.0 | 岡部幸雄 | 53 | チェックメイト |
テンプレート:0テンプレート:04.29 | 京都 | 朱雀S | 14 | テンプレート:05.0 | テンプレート:0(2人) | テンプレート:02着 | 芝1600(良) | 1:33.5 (35.1) | テンプレート:00.3 | 横山典弘 | 56 | スカイアンドリュウ | |
テンプレート:0テンプレート:05.13 | 京都 | 下鴨S | 13 | テンプレート:02.1 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:04着 | 芝1800(良) | 1:45.3 (35.8) | テンプレート:00.6 | K.デザーモ | 56 | マルカキャンディ | |
テンプレート:0テンプレート:08.テンプレート:05 | 札幌 | 摩周湖特別 | 12 | テンプレート:01.7 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:0テンプレート:Color | 芝1500(良) | 1:28.0 (35.2) | -0.6 | 横山典弘 | 57 | (グラスベンチャー) | |
テンプレート:0テンプレート:09.テンプレート:09 | 中山 | 京成杯AH | テンプレート:Color | 11 | テンプレート:02.6 | テンプレート:0(1人) | テンプレート:0テンプレート:Color | 芝1600(良) | テンプレート:Color (34.6) | -0.7 | 横山典弘 | 53 | (クリスザブレイヴ) |
テンプレート:0テンプレート:09.30 | 中山 | スプリンターズS | テンプレート:Color | 12 | テンプレート:02.8 | テンプレート:0(1人) | 10着 | 芝1200(良) | 1:07.5 (34.6) | テンプレート:00.5 | 横山典弘 | 57 | トロットスター |
テンプレート:011.18 | 京都 | マイルCS | テンプレート:Color | 18 | テンプレート:07.8 | テンプレート:0(4人) | テンプレート:0テンプレート:Color | 芝1600(良) | 1:33.2 (34.2) | -0.1 | O.ペリエ | 57 | (エイシンプレストン) |
テンプレート:012.16 | 沙田 | 香港マイル | テンプレート:Color | 14 | テンプレート:0(1人) | 14着 | 芝1600(良) | 1:36.9テンプレート:0 | O.ペリエ | 57.1 | エイシンプレストン | ||
2002.テンプレート:05.12 | 東京 | 京王杯SC | テンプレート:Color | 18 | テンプレート:07.7 | テンプレート:0(3人) | テンプレート:08着 | 芝1400(良) | 1:20.8 (34.8) | テンプレート:00.5 | 横山典弘 | 59 | ゴッドオブチャンス |
テンプレート:0テンプレート:06.テンプレート:02 | 東京 | 安田記念 | テンプレート:Color | 18 | テンプレート:08.0 | テンプレート:0(3人) | 18着 | 芝1600(良) | 1:35.1 (36.9) | テンプレート:01.8 | 横山典弘 | 58 | アドマイヤコジーン |
テンプレート:010.26 | 京都 | スワンS | テンプレート:Color | 18 | テンプレート:08.0 | テンプレート:0(3人) | 16着 | 芝1400(良) | 1:22.4 (37.2) | テンプレート:02.6 | O.ペリエ | 59 | ショウナンカンプ |
テンプレート:011.17 | 京都 | マイルCS | テンプレート:Color | 18 | 27.7 | (12人) | 14着 | 芝1600(良) | 1:33.5 (35.6) | テンプレート:00.7 | O.ペリエ | 57 | トウカイポイント |
エピソード
デビュー戦のパドックにおいて、出走中唯一の牝馬であったマルターズスパーブの姿に興奮して陰茎を勃起させ、その状態のままレースに勝利したことが、一部雑誌で笑い話として取り上げられた[1]。以後本馬の出走時には、パドックに「男を魅せろ!ゼンノエルシド」といった横断幕が掲げられ、重賞初勝利時には競馬漫画家のよしだみほが「恥ずかしい過去」として物語題材に取り上げている。
血統表
ゼンノエルシドの血統(ニジンスキー系 / アウトブリード) | |||
父 Caerleon 1980 鹿毛 |
Nijinsky II 1967 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Flaming Page | Bull Page | ||
Flaring Top | |||
Foreseer 1969 黒鹿毛 |
Round Table | Princequillo | |
Knight's Daughter | |||
Regal Gleam | Hail to Reason | ||
Miz Carol | |||
母 Embla 1983 黒鹿毛 |
Dominion 1972 鹿毛 |
Derring-Do | Darius |
Sipsey Bridge | |||
Picture Palace | Princely Gift | ||
Palais Glide | |||
Kaftan 1975 栗毛 |
Kashmir | Tudor Melody | |
Queen of Speed | |||
Blessed Again | Ballymoss | ||
No Saint F-No.16-g |
脚注
外部リンク
テンプレート:マイルチャンピオンシップ勝ち馬- ↑ 『競馬名馬&名勝負読本1999-2000』p.192「競馬カレンダー10月 - 東京2Rで終始馬っ気出しながらゼンノエルシドが勝利」