ニューマーケット競馬場
ニューマーケット競馬場(ニューマーケットけいばじょう、Newmarket Race Course)は、イギリスロンドンから北北東64マイルに位置するサフォーク州の世界最大の競馬町ニューマーケットにある競馬場。イギリスクラシック三冠競走の第1戦1000ギニー、2000ギニーが行われる事で知られる。
また第一次世界大戦、第二次世界大戦の頃には唯一ダービーとオークスの代替開催を行い、更には三冠の第3戦セントレジャーステークスやヨーロッパで最も権威のあるマイル競走のサセックスステークスなどの代替開催が行われた競馬場でもある。
目次
歴史
- 1660年頃 - 競走コースが作られたと記録されている(現在のローリーマイルコース)。
- 1809年 - 第1回2000ギニーが行われる。
- 1814年 - 第1回1000ギニーが行われる。
- 1876年 - ヨーロッパ最大の短距離競走である第1回ジュライカップが行われる。
- 1877年 - イギリス秋の最大の競走である第1回チャンピオンステークスが行われる。
- 1915年 - 第一次世界大戦によりダービーとオークスとセントレジャーステークスを初の代替開催。
- 1917年 - 第一次世界大戦によりアスコットゴールドカップを初の代替開催。
- 1941年 - 第二次世界大戦によりサセックスステークスとセントジェームスパレスステークスを初の代替開催。
コース形態
逆「く」の字型をした芝コース。
夏場以外のシーズンで行う「ローリーマイルコース」と夏場のみ使用する「ジュライコース」、その直線の部分のみのコース「バンバリーマイルコース」の3つのコースがある。
ローリーマイルコースは1マイル2ハロン(約2012メートル)の直線コースで、ゴール板から300ヤード(約274メートル)手前から急な上り坂が続く。
ジュライコースは2マイル1ハロン(約3420メートル)の逆「く」の字型コースで、1マイル進んだ所で右にカーブして1マイル1ハロン(約1809メートル)の平坦な直線コース「バンバリーマイルコース」に入る。
主な開催
クレイヴン開催
イギリスでは11月には平地競走はほぼシーズンが終わり、障害競走のシーズンになる。冬の間は平地競走はずっと休みで、春になると障害競走のシーズンが終わり、平地競走の新シーズンが開幕する。
4月半ばのクレイヴン開催(Craven Meeting)[1]は、伝統的にイギリスに平地競走の新シーズン開幕を告げる開催として知られる。クレイヴン開催は2日間の日程で行われるが、目玉競走は3歳クラシック路線の前哨戦で、牡馬のクレイヴンステークスと牝馬のネルグウィンステークスである[2]。
この開催は1771年に第6代クレイヴン男爵の支援によって始まった[3]。
主な競走
- クレイヴンステークス(G3) - 2000ギニーの主要な前哨戦。
- ヨーロピアンフリーハンデキャップ(LR) - 3歳戦。2000ギニーの前哨戦。
- タタソールズ・ミリオン3歳トロフィー - 3歳戦。賞金20万ポンドで、クレイヴンステークスよりも高額賞金である。タタソールズセールで取引された3歳馬だけが出走できる[4]。
- フェイルデンステークス(LR) - 3歳戦。ダービーを目指す馬のための9ハロン戦。
- ネルグウィンステークス(G3) - 1000ギニーの主要な前哨戦。
- タタソールズ・ミリオン3歳スプリント - タタソールズセールで取引された3歳馬だけの競走。賞金10万ポンドで、クレイヴンステークスよりも高額賞金である[4]。
- アバーナントステークス(G3) - シーズン最初のスプリント戦。
- アールオブセフトンステークス(G3) - シーズン最初の9ハロンの古馬戦。
ギニーズフェスティバル
5月上旬のギニーズフェスティバル(Guineas Festival[5][6])は、ニューマーケット競馬場の1年を通じて最も重要な開催の一つである。
主な競走
- 2000ギニー
- 1000ギニー
- パレスハウスステークス(G3) - 3歳上・5ハロン(約1006メートル)
ジュライフェスティバル
ジュライフェスティバル(July Festival[7])はその名の通り、7月の開催で、「ジュライコース」として有名なコースを使用して3日間の競馬が開催される。
ジュライカップ、ファルマスステークス、プリンセスオブウェールスステークスなどが行われる。
ケンブリッジシャー開催
ケンブリッジシャー開催(The Cambridgeshire Meeting[8][9])は秋のニューマーケット競馬場で3日間に渡って行われる。
直線コースのローリーマイルコースが使用され、目玉競走はハンデ戦のケンブリッジシャーハンデキャップである。そのほか、チェヴァリーパークステークス、サンチャリオットステークスといった牝馬のG1競走が行われる。
チャンピオンズデイ(廃止)
チャンピオンズデイ(Champions Day)は、アメリカのブリーダーズカップデイに倣い、3歳戦から古馬戦まで様々なG1競走を一同に会して開催する大イベントだった。
開催の最大の競走がチャンピオンステークスだったが、凱旋門賞と開催日程が近く、有力馬が分散してしまうことから、開催スケジュールの再編成が行われた。その結果、チャンピオンズデイ開催はアスコット競馬場に移った。その代わりにニューマーケット競馬場にはフューチャーチャンピオンズデイが創設された。
フューチャーチャンピオンズデイ
フューチャーチャンピオンズデイ(Future Champions Day[10][11][12][13])は、フィリーズマイル、ミドルパークステークス、デューハーストステークスなどの、2歳馬の重賞を1日に集めて行われる新しいイベントである。
ニューマーケット競馬場が始めたチャンピオンズデイが、イギリス全体の開催スケジュールの再編の結果アスコット競馬場に移ることになり、その代わりとして創設された[14]。
脚注
参考文献
出典・注釈
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP The Craven Meeting2014年4月30日閲覧。
- ↑ FRIXO Nell Gwyn Stakes2014年4月30日閲覧。
- ↑ ロンドン大学 英国史 Horse-racing2014年5月1日閲覧。
- ↑ 4.0 4.1 ニューマーケット競馬場公式HP クレイヴン開催2014年5月13日閲覧。
- ↑ RBUK QIPCO Guineas Festival 20142014年4月30日閲覧。
- ↑ The QIPCO Guineas Festival2014年4月30日閲覧。
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP The Moet and Chandon July Festival2014年4月30日閲覧。
- ↑ HRUK Cambridgeshire Meeting2014年4月30日閲覧。
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP The Cambridgeshire Meeting2014年4月30日閲覧。
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP Dubai Future Champions Day2014年4月30日閲覧。
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP Two Year Old Day2014年4月30日閲覧。
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP Future Champions Friday2014年4月30日閲覧。
- ↑ ニューマーケット競馬場公式HP Future Champions Day - 17 October2014年4月30日閲覧。
- ↑ レーシングポスト Why Future Champions Day has no future2014年4月30日閲覧。
外部リンク
- ニューマーケット競馬場 - 競馬場の公式サイト
- Newmarket Race Course