リングの魂
『リングの魂』(リングのたましい)は、1994年4月4日から2000年4月1日までテレビ朝日系で放送された、プロレスや総合格闘技などを主な題材としたスポーツバラエティ番組である。通称「リン魂」(リンたま)。南原清隆にとっては本格的ピン出演最初の番組となった。
出演者
主な準レギュラー
- 勝俣州和 - 熱烈な橋本真也ファンであり、番組当初から色々な企画に良く出ており、最終回には勝州力と名乗りJ-1に参加しようとするが、する前に終了した。
- 浅草キッド - 番組初期〜中期の準レギュラー。トークだけで対決する企画・文化人プロレスでは水道橋博士が北斗晶に肋を折られた。後に格闘コロシアムやSRSといった格闘技番組の司会を務める。
- ダチョウ倶楽部 - 初期からの準レギュラーで、よく新デスマッチの実験台を務めていた。
- 大槻ケンヂ - 初期の準レギュラー。スプラッター大賞の時には突如登場したレザーフェイスが振り回すチェンソーに大声でビビリまくっていた。
- 関根勤 - 初期から中期の準レギュラー。輪島功一の物真似をよくしていた。またUFC特集の際に佐山聡にスリーパーを掛けられ「顎を油圧式エレベーターでぐぅうっと上げられる感じ」と語っていた。
放送時間
- 毎週月曜23:25 - 23:55(1994年4月4日 - 1995年3月27日)
- 毎週日曜24:45 - 25:15(1995年4月2日 - 1995年9月24日)
- 毎週日曜25:00 - 25:30(1995年10月1日 - 1997年3月30日)
- 毎週土曜24:58 - 25:28(1997年4月5日 - 1997年9月27日)
- 毎週土曜25:11 - 25:40(1997年10月4日 - 1999年3月27日)
- 毎週土曜24:40 - 25:11(1999年4月3日 - 2000年4月1日)
概要
プロレス・格闘技について、様々な角度でスポットを当てていた。いわゆる格闘技バラエティーの元祖で当初はプロレスラーをまるで芸人のように扱う企画や、当時まだ総合格闘技自体が一般的には詳しく知られていない中でUFCなどを紹介する企画、関節技など格闘技の技をプロが解説をしていたが、後半はお笑い芸人の柔道王を決める企画などタレントが格闘技をする番組に変わっていった。佐々木健介・北斗晶の結婚の際には、両者の結納をそのまま放送した事もある。
番組の初回放送にて、題字を大山倍達に依頼した。その際、大山が誤って「リンゲ(リンガ?)の魂」と書いてしまったというエピソードがある。
「プロレスバカ」と呼ばれた時期の剛竜馬を始めとして、本番組への出演を契機に全国的な知名度を獲得したプロレスラーも多い。神取忍の「ミスター・女子プロレス」、ダイナマイト・関西の「よっ!男前発見!」という異名も、この番組が発端である。
番組内で南原がツッコミとしてアニマル浜口の頭を何度か叩くシーンがあった。その事を当時週刊プロレス編集長だったターザン山本が、自身の連載エッセイ「ザッツ・レスラー」の中で「それをやっちゃおしまいだよ!」などと批判し、討論企画で南原にチョークスリーパーを掛け、大声援を浴びた。なお、後に両者は和解している。
企画
- 芸能界柔道王決定戦
- 猿岩石、北京ゲンジ、グレートチキンパワーズ、ジョーダンズ、ジャリズム、よゐこ、雨上がり決死隊、ナインティナイン、ガレッジセール、つぶやきシロー、内山信二、松本ハウス、キャイ〜ン、千原兄弟、春一番などの若手芸人を集め柔道No.1を決める。番組後期のメイン企画ともいえる。
- 各自入場テーマ曲があり、一部の芸人は入場時にプロレスラーのコスプレを行っていた(千原兄弟…ファンクス、ビビる・大木淳=当時…ジャンボ鶴田、雨上がり決死隊・宮迫博之…グレート・ムタ、ジャリズム・渡辺鐘…天龍源一郎、よゐこ・有野晋哉…スーパー・ストロング・マシン、よゐこ・濱口優…アニマル浜口、ガレッジセール・ゴリ…スタン・ハンセン)。
- 猿岩石・有吉弘行は非常に柔道が強く、並み居る芸人を撃破していき企画の顔となるが、北京ゲンジ・お宮の松の前に敗北。その後修行を重ね柔道初段を取得し有吉は復活を遂げるが、ダークホースのジャリズム・渡辺(世界のナベアツ)の前に敗北。またよゐこは女性客やゲストのミニスカポリスのスカートをまくるのが恒例となっていた。一方千原兄弟・千原ジュニアと春一番は非常に柔道が弱く、チャンピオンベルトならぬチャンピオンオムツを賭けて最弱王決定戦も行われた。しかし春は最終回で強豪・ゴリに勝利するというサプライズを見せた事がある。後期はK-1にならって後にJ-1という大会名に改められた。また徐々に出場芸人内に派閥ができ、「J-1正規軍」VS「JFO」という対立構図も出来上がる。最終回はこの企画が放送された。
- WRESTLINGCASINO
- 芸人、プロレスラー、スポーツ選手らを書いた5枚のカードで相撲で対決。5回戦で先に3勝した方が勝利。誰を出すかの心理戦が肝となっている。
- プロレス○○大賞
- No.1ラリアット使いを決めるラリアット大賞やレスラーとしての悪役っぷりを競うヒール大賞、キレっぷりを競うアドレナリン大賞や、No.1マイクアピールを競うマイクアピール大賞、空中技の難易度や華麗さを競う空中殺法大賞、テーマ曲大賞などが放送された。ちなみにラリアット大賞は長州力、ヒール大賞は安生洋二、アドレナリン大賞は前田日明、空中殺法大賞はザ・グレート・サスケのサスケスペシャル1号(タイガーマスクとミル・マスカラスは殿堂入りの為、選考対象外)、テーマ曲大賞は長州の「パワーホール」が受賞。
- 討論企画
- 放送当時に話題になったプロレス界の出来事を二つのグループに分けて徹底討論する企画。「ここが変だよ大仁田厚」では大仁田のパフォーマンスに対する賛成派・反対派が激論を交わした。また「小川直也VS橋本真也」も小川派、橋本派に分かれてどちらが勝つかを徹底討論した。朝まで生テレビ方式で「誰が1番強いのか」というテーマで討論した時は、日頃テレビには出演しないミッキー安川が出演したり、ターザン山本は「宮本武蔵」と話し、周りから「論点がずれている!」と非難を浴びたりした。
- Numberer(ナンバラー)
- 一人のプロレスラーに焦点を当て、その魅力を南原がトークで引き出していく硬派企画。全日時代の三沢光晴が登場した時は大きな話題となった。人以外にも、プロレス技などにも焦点を当て、科学的にその効果を検証する回もあった。この流れは後の『NANDA!?』に引き継がれている。
- ○○と○○づくしを食べよう
- 格闘家・プロレスラーをゲストに呼び、その人の名にちなんだ食べ物を食べながらトークする企画。「アンディ・フグと河豚を食べたい」という思いから実現し、女子プロレスラーの渡辺智子と「ナベと鍋を食べよう」や桜庭和志と「サクとサクラ尽くしを食べよう」などとシリーズ化した。
- かけられず嫌い王
- 芸人がかけられるのが嫌いなプロレス技を見抜く、「食わず嫌い王」のパクリ企画。特にリアクション王・出川哲朗は藤原喜明の頭突きを受ける際に番組が用意したヘルメットを見て「俺がこの世の中で一番嫌いな物は何か分かるか…ヘルメットだよ!」と名台詞をいい投げ捨てたり、桜庭和志の関節技を食らいながら痛みから逃げるために宇野のお尻の穴に指を突っ込んだり、佐々木健介のストラングルホールドを食らい流血したり、山崎一夫の蹴りを脚に食らい泣きが入ったりと大活躍をする。上島竜兵が中西学のアルゼンチンバックブリーカーを掛けられた際には、身体があまりの痛みに生命の危機を感じ遺伝子を残さんとしたためなのか、なぜか苦しみながら思わずたってしまった。まさに出川や上島らリアクション芸人の為の企画といえよう。
- AV監督藤原に密着
- AV「オレが藤原だ!」でAV監督デビューした藤原喜明の濡れ場に潜入。本番は写さず、スタッフの駄目なカメラワークで南原をヤキモキさせることになったが、あえぎ声はしっかりと入っていた。
備考
- 関西地区では、当初は朝日放送で放送されていたが、後に打ち切り。それ以降は独立U局であるKBS京都で放送されていた。
- テレビ朝日における後番組のMCは、南原の相方・内村光良。内村も当番組に何度か出演している。
- 初期の企画などを編集しまとめたビデオソフト『リングの魂DX』が、過去に2本発売されている。
- 初回においては、南原と石黒が各プロレス団体に挨拶回りを行う企画を放送。その際、最後に2人が立ち寄ったのは、当時テレビ局の関係を含め「鎖国」と言われた時代の全日本プロレスの事務所だった。2人は事務所のスタッフに対面することはなかったが、「決してふざけた番組ではありません」「機会があればぜひ出演を」といった旨の手紙を、事務所の郵便受けに投函していった。前述の「Numberer」での三沢の出演は、その願いがようやく実現した格好となった。
橋本真也スペシャル
2005年8月20日深夜に一晩限りの限定復活で、急逝した橋本真也の追悼企画番組として生放送された。「しんみりやるのは橋本に似合わない、明るく楽しく追悼をやろう」とし、過去の試合映像や出演者による橋本がらみの爆笑トーク、さらには橋本がかつて雑誌に掲載した下ネタの数々を大暴露などが繰り広げられ、涙一つ無いカラッとした追悼番組となった。番組後半は橋本本人がベストバウトと認めた1996年4月29日の対高田延彦戦と、橋本が人生を賭けた2000年4月7日の対小川直也戦を完全放送し、最後は南原が橋本への追悼文を読み、テーマ曲『爆勝宣言』をバックに橋本コールを叫びながらスポコン!番組内で集められた折り鶴をテレビ朝日のロビーに敷き詰めた映像が映し出された。ゲストとして闘魂三銃士時代の盟友・蝶野正洋と、武藤敬司の扮装をした神奈月、そして橋本の大ファンの勝俣州和とビビる大木が出演。
主題歌
- オープニングテーマ
- Rain/松田樹利亜
- 抱きしめたいもう一度/BAAD
- 少し自惚れて/Melody
- Freeze My Love/GLAY
- SPARK/LAZY KNACK
- 超敏感に抱いてくれよ/SHY BLUE
- BLIND LOVE/PAMELAH
- Who's gone?/THE BIG BAND!!
- 今すぐ逢いたい抱きしめたい/ROLL DAYS
- タチムカウ/筋肉少女帯
- 逢いたいよDarlin'/渡辺忠士
- CONFIDENCE/PAMELAH
- KICK!/千聖
- しあわせのかたち/Khasi
- 壊れたエンジン/THE MODS
- 僕の自転車/清水弘貴
- ハイチーズ/SKIP COWS
- 罪と罰/THE HIGH-LOWS
- 青い空/くるり
- フラストレーション デッド モーニング/小島
- God・Speed・You!!/ギターウルフ
- エンディングテーマ
- 気がつけば/MASAKI
- ありがとう/谷口宗一
- Feel My Love/原田克彦
- みつめる愛で/SING LIKE TALKING
- や・ば・い/KENJIRO
- JUMP/BOYO-BOZO
- 涙のラスト・ダンス/清原タケシ
- らしくないBlue Day/鈴里真帆
- 君のあるがままを/FENCE OF DEFENSE
- 瞳の中で眠るJELOUSY/沢村大和
- ORANGE/media youth
- 月の素顔/ROUAGE
- Love is the Destiny/ROMANTIC MODE
- 太陽/TSUNAMI
- BUTTERFLY/SMILE
- 眩しい夜/water
- スロウ/GRAPEVINE
- I will follow/THE PINK STOCKING CLUB BAND
- 隼/the fantastic designs
- Messenger/New Cinema 蜥蜴
スタッフ
- 企画:澤將晃
- 構成:おちまさと、海老克哉、笹沼大、小西正晃
- 題字:大山倍達(極真会館)
- 技術協力:スウィッシュ・ジャパン、プログレッソ
- カメラ:中島浩司
- 映像:有田好嗣
- 音声:近藤良弘
- 照明:根建勝広
- 音効:河手康良
- 美術:黒目樹司
- 小道具:北村隆
- スタイリスト:中谷東一
- メイク:大の木ひで(hidden)
- タイトル:安田達夫
- TK:船木玉緒
- 編集・MA:ビデオ・パック・ニッポン(須田正人、福地直美)
- 広報:上田めぐみ
- 資料提供:東京スポーツ新聞社、週刊ゴング、週刊プロレス、絆のプロレス
- 音楽協力:テレビ朝日ミュージック
- 制作協力:マセキ芸能社(田村正裕)、NAVI
- ディレクター:狩野正明、長尾真、高安義則
- アシスタントプロデューサー:石丸裕一
- アシスタントディレクター:加地倫三
- プロデューサー:雪竹弘一
- 制作著作:テレビ朝日