愛少女ポリアンナ物語
『愛少女ポリアンナ物語』(あいしょうじょポリアンナものがたり)は、フジテレビ系の「ハウス世界名作劇場」枠で放映されたテレビアニメ。放映期間は1986年1月5日から同年12月28日で全51話。表題の『物語』には『ストーリー』というルビがふってあるため『愛少女ポリアンナストーリー』とも呼称される[1]。
世界名作劇場 | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第11作 | 小公女セーラ | 1985年1月 〜1985年12月 |
第12作 | 愛少女ポリアンナ物語 | 1986年1月 〜1986年12月 |
第13作 | 愛の若草物語 | 1987年1月 〜1987年12月 |
目次
概要
原作はエレナ・ホグマン・ポーターの『少女パレアナ』(Pollyanna)および『パレアナの青春』(Pollyanna Grows Up)[2]。父を亡くして孤児となったパレアナ(ポリアンナ)が貧しさや不幸に負けずにがんばっていくという話。第一部が『少女パレアナ』、第二部が『パレアナの青春』を原作としている。但し、第二部は原作と年齢設定が異なるだけでなく、大幅に希望のある展開になっている(下記参照)。どれだけ苦しい状況でも、牧師である父親の遺言の「よかった探し」をするポリアンナが印象的で、前年の『小公女セーラ』に続くヒット作となった。この作品では上記『よかった探し』という言葉が創作され、視聴者の間で定着したが、この原作が出版された時も、主人公の名前であるPollyannaは「極めて前向きな楽観主義者」の意味として使われ、その後心理学分野での用語「ポリアンナ効果」「ポリアンナ症候群」が生まれた。
原作からの変更点
- 人物改変
- 訳本では「パレアナ」、アニメでは「ポリアンナ」となっているが、おばの名前Pollyは訳本通り「パレー」のままとしたため、PollyとAnnaの名前を取ってPollyannaと名付けたという設定は消滅している。
- シナリオ改変
- 第1部は原作にほぼ忠実だったが、第2部後半からが半オリジナルになる。ポリアンナのペットのチップマックはアニメにのみ登場する。
- 原作ではボストン編終了後に登場人物が成長し、複雑で笑える恋愛ドラマに変化するが、アニメでは子供のまま家族愛についての展開を継続する。
- 最大の違いとしてはパレーに救いがあるという事である。原作での彼女は再婚したチルトンの死によって、前以上に歪み、なおかつ心が癒されないまま終了してしまう。ジミーとの恋愛に関しても、元浮浪者であった彼を差別し結婚を許さないほどである。
- 原作では、成長した主人公らは就職もし様々な難関や優雅な生活を披露する。ただしパレアナは失意のパレーの意向に従って「良かった探し」を止めてみたりもするが、それに違和感を持ったパレーがポリアンナに「よかった探し」を続けるようにうながす。原作ではチルトンは留学先のドイツで亡くなったことになっている。アニメでは、急病人を助けるために事故に遭うチルトンの死へ至る経緯が丁寧に描かれる。
- また、原作で見られたギャグ小説的な奇抜な文章も影を潜め、監督のアレンジで泣かせる演出に変化した。
- 原作ラストでは主要人物の結婚で盛り上がるが、アニメは子供のままだったため、ポリアンナが結婚することはなかった。
あらすじ
時代は1920年〜1921年のアメリカ。西部、架空の街ベルディングスビル、ボストンを舞台にした家族愛の物語。
第一部
第一部では、父の突然の死により、ベルディングスビルに住む叔母のパレーに引き取られた主人公のポリアンナが、徐々に周囲の人間たちを感化していくエピソードから、自動車事故により足が動かなくなったポリアンナが、危険な手術に耐え、再び自分の足で立ち上がれるようになるまでの話を描いている。
- 西部編
- 主人公ポリアンナは、西部で牧師の父ジョンと二人で生活している。父ジョンは第二話ではやくも他界。孤児になったポリアンナは、叔母パレーに引き取られることに。
- ベルディングスビル編
- 叔母のパレーに引き取られ、ベルディングスビルにやってきたポリアンナ。叔母のひどい仕打ちにもめげず、前向きに明るく「よかった探し」をする。ひたむきなポリアンナの姿に、周囲の人々は心引かれてゆく。
- 街一番の大富豪で変わり者のペンデルトン、子供ながら浮浪者のような生活をするジミー、病気で塞込んで愚痴ばかり言っているスノー夫人など、癖のある様々な人物が登場する。
- 街の人々の心を明るく変化させたポリアンナだったが、自動車事故が原因で神経を痛めて、二度と立ちあがることができない体になったと医師に宣告される。ポリアンナは、得意の「よかった探し」もできなくなってしまう。絶望的と思われたが、ボストンで手術を受ければ、再び立ちあがることができるようになるかもしれないとわかる。手術のために、叔母パレーとボストンへ旅立つ。
- ボストン編
- 足の手術を受けるため、ボストンにやってきたポリアンナ。ポリアンナの足の手術は、当初の予測よりずっと成功率が低く、命の危険もあるという。戸惑うパレーだったが、ポリアンナの決心は固く、高いリスクの手術に挑戦することになった。ポリアンナは、長時間に及ぶ手術に耐え、手術はみごと成功する。
- リハビリ中のポリアンナは、長年にわたり仲違いしていたパレーとチルトンが、今でも好きどうしであることを知る。ポリアンナは、ジミーの協力を借りて二人を仲直りさせようと試みる。
第二部
第二部では、手術後のリハビリのためボストンのカリウ家で暮らすことになったポリアンナが、カリウ夫人の甥で行方不明のジェミーを探し出そうと奮闘するストーリーが中心に展開する。ボストン編では、お隣のお嬢様サディや、スラムで暮らすミッキーといった個性的なキャラクターも登場する。怪我から回復したポリアンナがベルディングスビルに戻った直後に悲劇が起こり、ポリアンナ一番の親友であるジミーの過去と正体が明らかになる。
- ボストン編
- リハビリのため、ボストンの大富豪カリウ家で暮らすことになったポリアンナ。カリウ夫人は、身内につぎつぎに先立たれ、最愛の甥ジェミー・ケントが行方不明になり、ひとり不幸な毎日を送っていた。カリウ夫人は行方不明になった甥のジェミー・ケントを探し出そうとしていた。
- ボストンについた翌日、ポリアンナは、リスのチップマックがいなくなっていることに気づいた。見知らぬ大都会ボストンで必死にチップマックを探すうちに、ポリアンナは迷子になってしまう。途方にくれるポリアンナの前に、ミッキーと名乗る新聞売りの少年が現れる。
- チップマックを探し続けるポリアンナ。チップマックは、公園にいた車椅子の少年に保護されていた。しかし、車椅子の少年は、このリスはチップマックではなく、騎士ランスロットという名前で、自分のリスだと言う。
- 公園で出会った車椅子の少年、若君ジェームスことジェミーが、行方不明のジェミー・ケントなのではないかと思ったポリアンナは、このジェミーを引き取るようにカリウにすすめる。
- ベルディングスビル編
- リハビリを終え、ベルディングスビルに戻ったポリアンナ。ポリアンナの快気祝いの席を中座し、患者のもとに向かったチルトンは、帰り道で崖から転落し、帰らぬ人に。
- 悲しみに暮れるパレーを励まそうと努力するポリアンナだったが、なかなかうまくゆかない。パレーの気持ちを引き立てるため、ポリアンナは、パレーと仲のよいカリウ夫人と、ジェミーをベルディングスビルに招く。
- ジミーは、カリウ夫人に挨拶するため、義父ペンデルトンと一緒にハリントン家を訪れる。ジミーの顔を見たカリウ夫人は、ジミーに見覚えがあると言い出す。
登場人物
第一部からの登場人物
- ポリアンナ・フィティア
- 声 - 堀江美都子
- 「よかった探し」(どんなことが起きてもその中からよかったと思えることを探し出して明るく振る舞うこと)が得意な天真爛漫な少女。8歳〜9歳。周りの人の心配事を本気で考えられるやさしい性格。子供っぽく思慮が浅いところがあるが割と頭の回転は早く、思いついたことはすぐ行動に移すタイプ。プリズムの光が大好き。そばかす(昔は不美人の証とされていた)を気にしている。幼くして両親と死別し、パレーに引き取られる。嬉しいことがあるとドアを思いきり開け閉めする癖がある。よく走り回っており、跳躍はバツグンである。辛いときは、母の形見である手鏡にむかって話しかけることがある。放送終了後も『愛の若草物語』のエイミーと角川版世界名作アニメ全集のCMをした。
- ジョン・フィティア
- 声 - 田中秀幸(青春期 - 関俊彦)
- ポリアンナの父で牧師。大勢の反対を押し切ってポリアンナの母と西部へ駆け落ちする。以後、ハリントン家では次々と不幸が訪れてしまったため、妹のパレーから恨まれることとなる。聖書の中にうれしいことを示す文字が800回も出てくることから、「よかった探し」をポリアンナに教える。ポリアンナが8歳の時に病気で亡くなる。38歳没。
- ジェニー・フィティア
- 声 - 渡辺菜生子(青春期 - 佐々木るん→土井美加)
- ポリアンナの母親。ポリアンナが4歳の頃に亡くなる。2人姉妹のハリントン家の長女として莫大な財産を継ぐ事が約束されていたが、貧乏なジョン牧師と駆け落ちする。大変な美人で、そのためペンデルトンに片思いされていた。妹のパレー(本来はポリー)とはとても仲がよく、そのためポリアンナと名付けたのだが、「パレー」の表記からは分かりにくいため設定としては用いられなかった。
- パレー・ハリントン
- 声 - 野沢雅子(青春期 - 室井深雪〈現・深雪さなえ〉→岡本麻弥)
- ジェニーの妹であり、ポリアンナの叔母。34歳。度重なる不幸の為、心を深く閉ざしているが、本来は優しく穏やかな性格。両親なきあと、一人でハリントン家を守ってきた気丈な女性。姉の子であるポリアンナを引き取る。姉ジェニーの事が好きだったが、ジョン牧師がジェニーと結婚して以来、ハリントン家に不幸が訪れるようになり、ジョン牧師の事をたいそう憎んでいる。また、かつて恋人だったチルトンとは、彼がジョン牧師を擁護したため、決別してしまった。ペンデルトンとは、姉ジェニーの駆落ちで気落ちしていた彼に、パレーが言い寄っていると街の人間たちに疑われた為、それ以後会ったことはなかった。ジョン牧師の娘であるポリアンナを嫌っていたが、彼女の明るさに次第に心引かれていく。ポリアンナの事故をきっかけにペンデルトンと和解し、チルトンとも和解し結婚する。
- ジェレマイア・O・ハリントン
- ジェニーとパレーの父、他界する。
- エリサベス・H・ハリントン
- 声 - 花形恵子
- ジェニーとパレーの母、他界する。
- フランク先生
- 声 - 矢田稔
- ポリアンナのピアノ先生。
- ジミー・ビーン / ジミー・ペンデルトン
- 声 - 山田栄子
- 父親に先立たれた元気で心優しい少年。9歳。孤児院で生活しているが、仕事と住む場所を求めていた。ポリアンナの一番の親友。孤児である上に気が短いために町の人から敬遠されていた。実は勉強家。ペンデルトンの森に自分の城(小屋)を勝手に建てたため、事後承諾を得ようとしたことからペンデルトンと知り合いになる。事故にあったポリアンナを励ますため、ペンデルトン家の養子になるという彼女の望みを叶えてほしいと言われたため養子になる(以後は、ジミー・ペンデルトンと名乗る)。リハビリ中のポリアンナからの手紙に若君ジェームスのことばかり書いてあったために手紙の返事をよこさないという嫉妬深い一面も見せた(彼女が帰ってきた時には歓迎会を催した)。ジミーもポリアンナもまっすぐな性格であるため衝突することも多いが、それは互いを大切に思う気持ちからである(原作では成長後、ポリアンナと結婚した)。物語終盤で素性が明らかになる。
- ジョン・ペンデルトン
- 声 - 銀河万丈
- ベルディングスビル一番の大金持だが、友人のチルトン以外とは誰とも口をきかず、屋敷でひっそりと生活している。それを気にしたポリアンナにつきまとわれているうちに、しだいに心を開いていく。若い頃、世界各地を旅行していた。そのとき入手した美術品が、屋敷にたくさんある。かつて、ポリアンナの母ジェニーを愛していた。ポリアンナの事故をきっかけにパレーと和解。その後、町の人々とも和解した模様。また、孤児のジミーを自分の養子として引き取った。二人の親子関係はたいへん良好な模様。最終話では、周囲の意表をついた大胆な行動に出る。また、歌は苦手なようである。
- トーマス・チルトン
- 声 - 田中秀幸
- ペンデルトンの主治医で古い友人。ジョン牧師と容姿や声が似ているため、ポリアンナは父の面影を感じ、慕っている。昔パレーと恋人同士だったが、些細なことでケンカ別れしてしまう。以来14年間、2人は独身を続ける。
- ハロルド
- 声 - 野島昭生
- チルトンの助手で看護人をしている。
- ナンシー・ハートレー
- 声 - 潘恵子
- ハリントン家で雇われているメイド。1年前に父親が亡くなり病気の母と弟と妹の生活費を稼ぐ為にメイドとして働きに出る。足で蹴ってドアを閉めたりとメイドとしては失格だが、とても心の暖かい人で、ポリアンナがパレー夫人にいじめられるのが可哀想でたまらず、いつもポリアンナの味方をしてくれる。田舎育ちで、言葉が訛っている。
- ティモシー・ペイソン
- 声 - 堀秀行
- ハリントン家で御者として雇われている青年。トランペットが得意。原作ではティモシー・ダルギンというフルネームである。
- トム・ペイソン
- 声 - 緒方賢一
- ティモシーの父親で、息子と同じくハリントン家で庭師として働いている。多少頑固なところはあるがとても心の優しいおじいさん。ハリントン家に長年仕えているため、ハリントン家に起きた悲劇を知る数少ない1人。歌は苦手。原作ではトム・ダルギンというフルネームである。
- ダルギン・ペイソン
- 声 - 近藤多佳子(現・近藤高子)
- ティモシーの母親で、トムの妻。ハリントン家で働いている。原作ではメアリ・ダルギンというフルネームである、アニメではダルギンという名前である。
- エツラ
- 声 - 京田尚子
- ペンデルトン屋敷で働く家政婦のおばあさん。とても耳が遠いが、自分の悪口を言われた時だけは聞こえる。
- スノー夫人
- 声 - 中西妙子
- 病気で寝たきりのおばさん。見舞いに来てくれた人にいつも愚痴ばかり言っているのでみんなから嫌われている。しかし、ポリアンナが教えたよかった探しをするうちに、馬車で外出できるまでに回復。愚痴っぽい性格もなくなっていった。その後は町の人々と明るく接するようになった。また、ニューヨークの名医が匙を投げたポリアンナの足を治したとして、チルトンを絶賛している。
- F・H・トランブル
- 声 - 塚田正昭
- ベルディングスビルのF・H・トランブルの洋服店主人。
- ミリー・スノー
- 声 - 荘真由美
- スノー夫人の娘。内職をしながらスノー夫人の世話をしている。
- ペントン夫人
- 声 - 佳川紘子
- チルトン病院のおばさん。
- フォード夫人
- 声 - 中西妙子→好村俊子
- ポール・フォード牧師の奥さん。
- ウォーレン
- 声 - 辻村真人
- ベルディングスビルの町医者。ポリアンナを診察し、ミード先生を紹介する。
- ミード
- 声 - 戸谷公次
- ニューヨークの偉い医者。しかし、彼もポリアンナの怪我を治す事はできなかった。
- メリー
- ボストンの病院でポリアンナとほぼ同じ時期に手術を受けた女の子。手術をとても恐がっていたが、ポリアンナに励まされる。
- チャーリー・エームス
- 声 - 村松康雄
- ポリアンナの手術を担当した先生。チルトンの大学の先輩。
- デラ・ウェザビー
- 声 - 吉田理保子
- ポリアンナを担当した看護婦。少しおせっかいで気が強い。カリウ夫人に意見できる数少ない人物。ポリアンナを姉ルース・カリウの特効薬としてボストンに送り込む。名門ウェザビー家の三女。
第二部からの登場人物
- ルース・カリウ
- 声 - 池田昌子
- デラの姉。ポリアンナと知り合った時の年齢は29歳。大都会ボストンに1人で住んでいる大金持。名門ウェザビー家の次女にして大富豪カリウ家の女主人。女優のように美しい容姿で、ポリアンナから「プリズムの国の女王様」と呼ばれる。しかし両親や主人、子供に先立たれ、最愛の甥ジェミーも6年前に行方不明になり、生きる望みを失って不幸な毎日を過ごしている。甥のジェミー・ケントをあらゆる手を尽くして探しだそうとしている。頭痛もち。彼女もパレーと同様に、特効薬として送り込まれたポリアンナをはじめのうちは疎ましく思うが、次第に心引かれ少しずつ心を開いてゆく。ポリアンナの働きかけで、モルフェイ横丁のジェミーを引き取ることになる。ジェミーを引き取ってからは、彼女の生活にも張りがでたようである。しかし、本当のジェミー・ケントのことは諦めておらず、弁護士ハリーにも、これまでどおり調査を続行するよう命じていた。「あたくしのジェミー」が口癖。
- ジェミー
- 声 - 渡辺菜生子
- モルフェイ横丁に住む若君。ミッキーには若君ジェームスと呼ばれている。礼儀正しく、品位ある少年。足が悪くていつも車椅子で生活している。5年前に父を亡くし、その後はミッキーの母に引き取られてわが子同然に育てられた。名字は覚えていない。逃げてしまったチップマックを彼が保護した縁で、ポリアンナと知り合う。チップマックに「騎士ランスロット」という名前をつけていた。その日の食事にも困るような貧しい生活を送っているが、嬉しいことがあった時は、「喜びの本」というノートに記録している。ときどき、足がたいそう痛むときがある。カリウ夫人は、このジェミーを甥のジェミー・ケントの身代わりとして引き取るが…。
- フランク・ウェザビー
- デラのお父さん。ジェミーが失踪したショックで1915年に他界する。53歳。原作ではウィリアムという名前である。
- グロリア・ウェザビー
- デラのお母さん。ジェミーが失踪したショックで1915年に他界する。50歳。
- サディ・ディーン
- 声 - 佐久間レイ
- カリウ家の隣に住んでいる、ちょっとわがままなお嬢様。ジェミーの礼儀正しさを気に入って友達となる。夏の間、デラと同行してハリントン家に滞在する。
- ベス
- 声 - 高木早苗
- サディ家のメイド。
- ミッキー・モルフェイ
- 声 - 頓宮恭子
- ボストンの新聞売りの少年。モルフェイ横丁のアパートに、母親とジェミーの3人で暮らしている。ポリアンナがボストンの町で迷子になった時に助けて以来、ポリアンナと友達になる。彼らが暮らすモルフェイ横丁のボロアパートは、カリウ家が所有する物件。原作ではジェリーという名前である。
- ベティ・モルフェイ
- 声 - 片岡富枝
- ミッキーの母親。リウマチに苦しみながらも一生懸命働いている。父親に先立たれて1人になってしまったジェミーの面倒も見ている。「かあや」とはお母さんのこと。
- ジェミー・ケント
- 声 - 山田栄子
- エドワードとドリスの息子。カリウ夫人、デラの甥っ子。とても元気で活発な男の子。後継ぎのいないウェザビー家とカリウ家の事業と莫大な財産を相続する予定だった。そのため、祖父母のウェザビー夫妻や叔母のカリウに、とても甘やかされて育った。しかし、6年前に父エドワードとともに行方不明になる。カリウ夫人は何とか彼の消息をつかもうとするが、どこで何をやっているのか、生死さえも不明。
- エドワード・ケント
- 声 - 佐藤正治
- ジェミー・ケントの父親。カリウ夫人の姉ドリスの夫。かつてはカリウ家と肩を並べる名門だったケント家は、彼の代で没落した。6年前に、息子のジェミーとともに行方不明になる。原作ではジョンという名前である。
- ドリス・ケント
- 声 - 有馬瑞香
- エドワードの妻。名門ウェザビー家の長女。カリウ夫人、デラの姉。ジェミーの母親。ジェミーがまだ幼いときに他界する。
- メアリ
- 声 - 安達忍
- カリウ家に雇われているポリアンナ専属のメイド。とても親切でポリアンナにも暖かく接する。
- パーキンス
- 声 - キートン山田
- カリウ家で雇われている運転手。
- ブリジット
- 声 - 佐久間なつみ
- カリウ家でメイドとして雇われているおばさん。料理や給仕、洗濯をしている。ジェミーとその父エドワードの失踪について、その真相を知る数少ない人物。
- スーシー
- 声 - 高田由美
- カリウ家でメイドとして雇われているお姉さん。料理や給仕、洗濯をしている。
- ハリー
- 声 - 二又一成
- カリウ家の顧問弁護士。ジェミー・ケントの消息を調べている。
- ウィリス
- 声 - 西村知道
- チルトンの診察していた患者。このウィリスさんの家に往診に行った事が原因でチルトンは命を落とす事になる。
西部編の登場人物
- カレン
- 声 - 工藤夕貴
- ポリアンナが西部にいた頃の友人。
- ジェレマイア・O・ホワイト
- 声 - 阪脩
- ポリアンナの隣に住んでいる優しいおじさん。ジョン牧師亡き後、ポリアンナを引き取ろうとするが…。
- ヘプジバ・ホワイト
- 声 - 寺島信子
- ホワイトの奥さん。ポリアンナにはいつも厳しくお行儀や裁縫などを学ばせようとする。しかしそれはポリアンナの事を思ってのことで、本当は優しい人。
- ハリマン夫人
- 声 - 藤夏子
- 教会の婦人会のおばさん。
- グレー夫人
- 声 - 前田敏子
- 教会の婦人会のおばさん。
- ルイス夫人
- 声 - 高橋ひろ子
- 教会の婦人会のおばさん。ジョン牧師が倒れた時にポリアンナの世話をしてくれる。
- カー牧師
- 声 - 村松康雄
- ジョン牧師亡き後に教会の牧師としてやってきた牧師。
その他
- チップマック
- ポリアンナの飼っているシマリス。西部から連れてきた。一応冬には冬眠するらしい。
- タリム
- ペンデルトンの飼っている犬。種類はラブラドール・レトリーバー。飼い主に似てちょっと恐い顔をしているが、性格は優しい。ジミーによくなついているが、ジミーの機嫌が悪いときに当たられることがある。
- コニー
- チルトン先生の飼っている馬。
- マック
- ジミーの乗っている馬。乗馬は紳士の嗜みとのこと。
- ナレーター
- 声 - 中西妙子
スタッフ
- 製作 - 本橋浩一
- 製作管理 - 高桑充
- 企画 - 佐藤昭司、久保田栄一(フジテレビ)
- プロデューサー - 中島順三、石川泰平
- 監督・演出 - 楠葉宏三
- キャラクターデザイン - 佐藤好春
- 全OPED作画監督 - 佐藤好春
- 美術監督 - 川井憲
- 撮影監督 - 森田俊昭
- 撮影 - トランスアーツ
- 音楽 - 小六禮次郎
- 整音 - 田中英行
- 効果 - 松田昭彦
- 録音監督 - 山田悦司
- 特殊効果 - 義山正夫
- 録音システム - 音響映像システム
- 現象 - IMAGICA
- スタジオ - 太平スタジオ、アバコスタジオ
- 企画制作 - 日本アニメーション、フジテレビ
主題歌
オープニングテーマ
エンディングテーマ
挿入歌
- 「星屑のシャンデリア」(27話)
- 作詞・作曲・編曲 - 小坂明子 / 歌 - 堀江美都子
- 「夢色天使」(51話)
- 作詞・作曲・編曲 - 小坂明子 / 歌 - 堀江美都子
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1986年 1月5日 |
教会の小さな娘 | 久貴千彩子 | - | 佐藤好春 |
2 | 1月12日 | 死なないで父さん | |||
3 | 1月19日 | 丘の上の讃美歌 | |||
4 | 1月26日 | 見知らぬ町へ | 矢沢則夫 | ||
5 | 2月2日 | ナンシーの約束 | 腰繁男 | ||
6 | 2月9日 | 新しい服騒動 | 杉村博美 | ||
7 | 2月16日 | うれしいおしおき | 矢沢則夫 | ||
8 | 2月23日 | 不思議な紳士 | 久貴千彩子 国弘珠緒 |
黒川文男 | |
9 | 3月2日 | 放っておけないわ | 久貴千彩子 | - | |
10 | 3月9日 | 何とかしなくちゃ! | 矢沢則夫 | ||
11 | 3月16日 | ペンデルトンの森で | - | ||
12 | 3月23日 | スノー夫人の驚き | |||
13 | 3月30日 | おば様はお気の毒 | 杉村博美 | ||
14 | 4月6日 | 手鏡の思い出 | 矢沢則夫 | ||
15 | 4月13日 | 不思議な特効薬? | 吉田健二郎 | ||
16 | 4月20日 | 怒らないで!おば様 | 矢沢則夫 | ||
17 | 4月27日 | チルトン先生大好き! | 杉村博美 | ||
18 | 5月4日 | ペンデルトンの謎 | 吉田健二郎 | ||
19 | 5月11日 | 驚くべき秘密 | 矢沢則夫 | ||
20 | 5月18日 | 危ない! ポリアンナ | 杉村博美 | ||
21 | 5月25日 | 恐ろしい宣告 | 矢沢則夫 | ||
22 | 6月1日 | 足が動かない!! | 杉村博美 | ||
23 | 6月8日 | よかったが探せない! | 矢沢則夫 | ||
24 | 6月15日 | もう一度歩きたい! | 杉村博美 | ||
25 | 6月22日 | 危険な手術 | 矢沢則夫 | ||
26 | 6月29日 | 死なないでポリアンナ | - | ||
27 | 7月6日 | 第1部 完 愛になりたい | |||
28 | 7月13日 | 忍びよる影 | 矢沢則夫 | ||
29 | 7月20日 | さよなら!ベルディングスビル | 片渕須直 | ||
30 | 7月27日 | 大都会ボストンの生活 | - | ||
31 | 8月3日 | チップマックがいない! | 矢沢則夫 | ||
32 | 8月17日 | 迷子のポリアンナ | 杉村博美 | ||
33 | 8月24日 | チップマックはどこ? | 片渕須直 | ||
34 | 8月31日 | カリウ夫人の悲しい秘密 | 矢沢則夫 | ||
35 | 9月7日 | 若君ジェームス | 杉村博美 | ||
36 | 9月14日 | 路地裏の天使 | 矢沢則夫 | ||
37 | 9月21日 | 本当のジェミーが欲しい!! | - | ||
38 | 9月28日 | どうして幸福になれないの? | 杉村博美 | ||
39 | 10月5日 | さよならパーティ事件 | 矢沢則夫 | ||
40 | 10月12日 | たのしいボストン見物 | 杉村博美 | ||
41 | 10月19日 | 嵐のはじまり | 矢沢則夫 | ||
42 | 10月26日 | 失われた帰り道 | 杉村博美 | ||
43 | 11月2日 | 死なないでチルトン先生! | |||
44 | 11月9日 | 悲しみをのりこえて | 矢沢則夫 | ||
45 | 11月16日 | 荒れた花園 | 杉村博美 | ||
46 | 11月23日 | ジェミー・ケントの謎 | 矢沢則夫 | ||
47 | 11月30日 | 危険な遊び | - | ||
48 | 12月7日 | 助けて!ジェミー | 矢沢則夫 | ||
49 | 12月14日 | 解きあかされた過去 | |||
50 | 12月21日 | ボクがジェミーだ! | - | ||
51 | 12月28日 | 幸福はすぐそばに |
8月10日はプロ野球中継 ヤクルト-巨人~神宮球場(19:03-20:54)のため休止
メディア展開
映像ソフト
- VHS(世界名作アニメ全集版):1987年(昭和62年)発売。全11巻
- VHS(バンダイビジュアル版):1997年(平成9年)5月25日〜同年9月25日発売。全11巻
- DVD(バンダイビジュアル):2000年(平成12年)8月25日〜同年11月25日発売。全12巻で3巻ずつ同時発売。
放映当時のネット局
- 同時ネット
- 異時ネット
その他
- 主演が歌手の堀江美都子だが、主題歌を歌っていない当時としては珍しい作品である。それに関して堀江は「声優として認めていただけたのかな」と発言している。コロムビアから発売されたコロちゃんパックのカセットやCDには、堀江美都子によるカバー版が収録されている。
- ヤマハ音楽教室向けに未放映版のアニメも制作された。
- 放送途中の1986年4月にフジテレビのロゴが現在の「目玉マーク」に変更されている。ただし、オープニングでは開始当初から目玉マークが使用された。
- 1986年9月17日の夜のヒットスタジオにて新曲「微笑むあなたに会いたい」を工藤夕貴が歌った際にポリアンナとのコラボが実現している。工藤夕貴と会話をしたり歌に合わせて踊ったりしていた。ソフト化はされていない。
- 最終回の本編終了にポリアンナからのご挨拶映像が挿入されていた。「よかった探しを忘れないで」という内容だった。ハウス食品の文字、セリフも登場する為にDVDではカットされている。
脚注
関連項目
外部リンク
- 愛少女ポリアンナ物語(日本アニメーション公式ホームページ)
- ↑ 「作品紹介 > 愛少女 ポリアンナ物語」 日本アニメーション・オフィシャルホームページ、2009年8月9日閲覧。
- ↑ 1960年にヘイリー・ミルズ主演で映画『ポリアンナ (1960年の映画)』が作られている。