愛の若草物語
世界名作劇場 | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第12作 | 愛少女ポリアンナ物語 | 1986年1月 ~1986年12月 |
第13作 | 愛の若草物語 | 1987年1月 ~1987年12月 |
第14作 | 小公子セディ | 1988年1月 ~1988年12月 |
『愛の若草物語』(あいのわかくさものがたり)は、フジテレビ系列の「ハウス世界名作劇場」枠で放映されたテレビアニメ。放映期間は1987年1月11日から同年12月27日で全48話。
目次
概要
原作はルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』(Little Women)および『続・若草物語』(Little Women Married, or Good Wives)。
「姉妹の年齢が変更されている」「アニメオリジナルの人物が登場する」「主要キャラクターの名前や設定が変更されている」など、原作との差異がシリーズの他の作品と比較して多く存在する。
原作は作者の家庭をモデルとしており、特に次女のジョオ(ジョー)は作者本人がモデルとされ、ジョオを中心に話が進んでいく。本作品でもそれは変わらないが、ナレーションを末女(四女)のエイミーが務めている為、主人公はジョオ・視点はエイミーという形式となっている。またEDクレジットにおいては、主人公・ジョオ役の山田栄子ではなく、長姉・メグ役の潘恵子がトップにクレジットされていた。
オープニング(OP)・エンディング(ED)テーマは、当初は新田恵利が歌っていたが、第15話から新曲に差し替えられた。このうち、第2期OPテーマ「いつかきっと!」は歌詞の内容が四姉妹それぞれの夢を歌うもので、姉妹の担当声優が実際に歌うというものであった。夢の内容は姉2人が1番、妹2人は2番に該当しており、1番と2番が毎回交互に使用されていた。この曲は元々挿入歌として作られていたものであり、OPの差し替え前にも既に作中で何度か使用されていた。
本作途中より『ショットガン』放送のため、放送時間が2分短縮されている。
あらすじ
南北戦争時代のアメリカ北部の堅実な家庭が舞台。出征した父の帰還を楽しみにしながら、個性豊かな四姉妹はそれぞれの夢を追いながら成長していく。
登場人物
マーチ家
- ジョセフィン・マーチ
- 声 - 山田栄子
- 主人公。マーチ家の次女で通称はジョオ。15歳。活発で男勝りな性格だが、雷だけは大の苦手。小説家になるのが夢。マーサに特に気に入られており、元の性格に戻るきっかけとなった人物でもある。ジョオも、気難しい面があるとは考えながらも、マーサを良く思っている。身の回りの世話をすることで、少しの賃金も貰っている。
- ローリーやアンソニーとは仲が良いが、それぞれから恋愛感情を抱かれていることには、全く気づいていない。
- マーガレット・マーチ
- 声 - 潘恵子
- マーチ家の長女。通称はメグ。16歳。姉妹の一番上だけあり、おしとやかでしっかりした性格。社交界に対し、強い憧れを抱いている。ニューコード移住後は、家庭教師の仕事を行い家計を助けている。
- エリザベス・マーチ
- 声 - 荘真由美
- マーチ家の三女。通称はベス。10歳。気弱だが、優しい性格。ピアノを弾くことが大好き。学校へは行かず、ほぼ1日じゅうを家で過ごす。ミルキーアンを拾ってきた張本人。
- エイミー・マーチ
- 声 - 佐久間レイ
- マーチ家の四女。姉妹では唯一略称がなく、エイミーとそのまま呼ばれる。7歳。わがままでおませな性格で、活発なジョオとはよく口論もする。大人の女性になることに、強い憧れを抱いており、低い鼻を気にしている。この為、毎晩洗濯バサミで鼻をつまんで寝ている。
- ナレーションや提供アニメのスポンサー読みも担当している。
- メアリー・カーティス・マーチ
- 声 - 中西妙子
- マーチ家の母親。しっかりとした性格。恵まれない人々の為、慈善活動も行っている。
- フレデリック・マーチ
- 声 - 阪脩
- マーチ家の父親。奴隷解放の為、北軍の兵士として南北戦争に参加している。非常に強い信念の持ち主。かつて世話になったマーサには、強い感謝の念を抱いている。
- ハンナ
- 声 - 大方斐紗子
- マーチ家の黒人家政婦。人の良い活発な性格で、料理が美味い。マーチ一家の全員から慕われ、信頼されている。ただし猫は大の苦手。
- ミルキーアン
- マーチ一家の子猫。コンコードに住んでいた頃、雨に打たれ弱っていたところをベスが見つけ、家に連れて来た。名前は、ミルクのように真っ白な毛色によるもの(ベスが命名)。子猫だけあってやんちゃな面があり、ハリーににらめっこで勝利したことも。
マーサ関連
- マーサ・フォーレット
- 声 - 水城蘭子
- フレデリックの叔母。幼くして両親を亡くしたフレデリックを引き取り、我が子同然のように育てた。しかし、その後反対を押し切ってニューヨークへ行ったことに対し、強い憤りを感じていた。
- 登場当初は、人間不信から非常に意地の悪い面を見せていたが、徐々に昔のように戻っていく。姉妹の中ではジョオを特に気に入っており、養子にとメアリーや本人に依頼したこともある。
- デーヴィット・フォーレット
- 声 - 塩屋浩三
- マーサの甥でフレデリックの義理の従兄弟。20代後半。マーサの死後自分が資産を継ごうと企んでいて、度々、マーサにたかりに来る等、偏狭で金に汚い性分の持ち主。はじめはマーチ家を疎んじ、嫌味な態度で接していたが、勝気で聡明なジョーとの付き合いや、暖かさを取り戻したマーサの態度に感化され人間味のある一面を覗かせるようになる。終盤ではカメラを購入し、写真家としての道を見出す
- エスター
- 声 - 鵜飼るみ子
- マーサ家の若いメイド。やや無愛想な面があり、マーチ一家との初対面時には、ジョオたちは悪印象を抱いた。しかし基本的には親切。
- ドロシー
- 声 - 向殿あさみ
- マーサ家のコック。登場は1回きり。
- ベン
- 声 - 広瀬正志
- マーサ家の御者。やさしいおじさん。
- ハリー
- マーサの飼っているプードル。真っ白な毛並みをしている。
- ポリー
- 声 - 山田恭子
- マーサの飼っている九官鳥。マーサの言葉を聞いて過ごして来たため、口の悪い言葉でしか鳴かない。ジョオがマーサの世話の為に来るようになってから、別の言葉も少し覚えた。
ローレンス関連
- ジェームス・ローレンス
- 声 - 宮内幸平
- ニューコードでマーチ一家の隣に住む老人。怖い顔をしていたため、姉妹から怖がられていたが、実はとても優しい人物。
- ローリー・ローレンス
- 声 - 飛田展男
- ジェームスの孫。ピアノを弾くのが大好きでピアニストを目指していたが、ジェームスに猛反対され、大学へ行くよう言われている。後にジョオを好きになが、物語中では大きく進展はしない。最終話のエイミーによるナレーションで、後に(原作通りに)エイミーと結婚したことが語られている。
- 原作ではローリーは通称で、本名はセオドア・ローレンスであったが、本作ではローリーが本名(もしくは本名にもとづく愛称)となっており、祖父であるジェームスなどもローリーと呼んでいる。
- カール・ブルック
- 声 - 小島敏彦
- ローリーの家庭教師。メグに好意を抱くようになる。
ニューコードタイムズ社
※全てアニメオリジナル
- アンソニー・ブーン
- 声 - 曽我部和恭
- ジョオが小説を持っていったニューコードタイムズ社の新聞記者。ずばずばとものをいう性格。当初は小説を貶した為にジョオに嫌われたが、徐々に仲が良くなった後、好意を抱くようになる。
- ヘンリー・マードック
- 声 - 槐柳二
- ニューコードタイムズ社の編集長。とても気の良い性格。ジョオの小説を気に入り、新聞に連載した。
- ジョン・マーティー
- 声 - 関俊彦
- 一家がコンコードから引っ越す少し前、南軍から逃げ出した黒人奴隷。マーチ家の協力で南軍から隠れ通し、自由の身となる。フィラデルフィアの印刷所で1年働いた後、脱走の際にメアリーから借りた20ドルを返済するため、ニューコードのマーサの屋敷を訪ねてきた。その後、ジョオの紹介でニューコードタイムズ社の植字工となる。
スタッフ
- 製作 - 本橋浩一
- 製作管理 - 高桑充
- 企画 - 佐藤昭司、久保田栄一
- 脚本 - 宮崎晃
- 音楽 - 大谷和夫
- キャラクターデザイン - 近藤喜文、山崎登志樹
- 美術設定 - 川本征平
- 美術監督 - 高野正道
- 録音監督 - 山田悦司
- 撮影監督 - 森田俊昭
- 色彩設定 - 小山明子
- プロデューサー - 中島順三、石川泰平
- 監督 - 黒川文男
- 企画・制作 - フジテレビ、日本アニメーション
主題歌
オープニングテーマ
エンディングテーマ
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1987年 1月11日 |
パパが帰って来た!! | 黒田昌郎 | 黒川文男 | 山崎登志樹 |
第2話 | 1月18日 | ミルキー・アンを拾った | 黒川文男 | ||
第3話 | 1月25日 | あぶない!早く逃げて!! | |||
第4話 | 2月1日 | 戦争がはじまる! | 矢沢則夫 | 黒川文男 | |
第5話 | 2月8日 | 町が燃えてしまう! | 辻伸一 | ||
第6話 | 2月15日 | さよなら ふるさと! | 楠葉宏三 | 古山匠 | |
第7話 | 2月22日 | おば様はいじわる! | 矢沢則夫 | 山崎登志樹 | |
第8話 | 3月1日 | お家を貸して下さい! | 辻伸一 | 古山匠 | |
第9話 | 3月8日 | 怒りん坊のジョオ! | 矢沢則夫 | 山崎登志樹 | |
第10話 | 3月15日 | ほめられて けなされて | 杉村博美 松見真一 |
古山匠 | |
第11話 | 3月22日 | マーサおば様はお気の毒! | 楠葉宏三 | 山崎登志樹 | |
第12話 | 3月29日 | 雷なんて大嫌い! | 辻伸一 | 古山匠 | |
第13話 | 4月5日 | 私たちの変な家 | 杉村博美 | 山崎登志樹 | |
第14話 | 4月12日 | エイミーと悪い友だち | 辻伸一 | 古山匠 | |
第15話 | 4月19日 | お隣からのぞく不思議な少年! | 楠葉宏三 | 山崎登志樹 | |
第16話 | 4月26日 | ひどい!メグは泥棒なんかじゃない!! | 山口武志 松見真一 |
古山匠 | |
第17話 | 5月3日 | ジョオとリンカーン大統領の演説! | 楠葉宏三 | 山崎登志樹 | |
第18話 | 5月10日 | メグとジョオ舞踏会にデビュー!? | 辻伸一 | 大谷敦子 | |
第19話 | 5月17日 | おこげドレスと素敵な紳士 | 杉村博美 | 古山匠 | |
第20話 | 5月24日 | ジョオのお見舞いは元気がいっぱい! | 楠葉宏三 | 山崎登志樹 | |
第21話 | 5月31日 | 発表! はりきりジョオの自信作 | 岡部英二 | 古山匠 | |
第22話 | 6月7日 | おなかのすいたクリスマス | 辻伸一 | 山崎登志樹 | |
第23話 | 6月14日 | ベス! 思いがけない贈物に大喜び!! | 杉村博美 山口武志 |
古山匠 | |
第24話 | 6月21日 | メグの小さな恋のはじまり? | 岡部英二 | 山崎登志樹 | |
第25話 | 6月28日 | 小説家ジョオの2ドルの傑作! | 楠葉宏三 | 古山匠 | |
第26話 | 7月5日 | 恐がりベスとお隣の老紳士 | 辻伸一 | 山崎登志樹 | |
第27話 | 7月12日 | 学校でお仕置されたエイミー! | 八沖繁雄 | 古山匠 | |
第28話 | 8月2日 | エイミー!なんてことするの! | 黒田昌郎 | 山崎登志樹 | |
第29話 | 8月9日 | 死なないで!エイミーが川に落ちた! | 辻伸一 | 古山匠 | |
第30話 | 8月16日 | ゴメンねと言えたらいいのに! | 杉村博美 | 山崎登志樹 | |
第31話 | 8月30日 | メグはきせかえ人形じゃない! | 黒田昌郎 杉村博美 |
古山匠 | |
第32話 | 9月6日 | 困ったマーサおばさんの性格 | 辻伸一 | 山崎登志樹 | |
第33話 | 9月13日 | 楽しい楽しい野外パーティだ! | 八沖繁雄 | 古山匠 | |
第34話 | 9月20日 | エイミーは悪い夢を見た! | 杉村博美 | 山崎登志樹 | |
第35話 | 9月27日 | メグ、それはやっぱり恋なのよ!! | 辻伸一 | 古山匠 | |
第36話 | 10月4日 | ジョオの小説が新聞にのった! | 四辻孝夫 | 山崎登志樹 | |
第37話 | 10月11日 | チチキトク…ジョオが髪を売った! | 杉村博美 | 古山匠 | |
第38話 | 10月18日 | 悪い知らせの電報がきた! | 辻伸一 | 山崎登志樹 | |
第39話 | 10月25日 | みんなが書いた手紙、手紙、手紙 | 波岡伸 | 古山匠 | |
第40話 | 11月1日 | ベスが猩紅熱にかかった! | 八沖繁雄 | 山崎登志樹 | |
第41話 | 11月8日 | お母さま早く帰ってきて! | 波岡伸 | 古山匠 | |
第42話 | 11月15日 | 神様、どうかベスを助けて! | 辻伸一 | 山崎登志樹 | |
第43話 | 11月22日 | 大都会ニューヨークへ行こう! ジョオ | 池野文雄 | 古山匠 | |
第44話 | 11月29日 | ニセ手紙事件・犯人は誰か? | 辻伸一 | 山崎登志樹 | |
第45話 | 12月6日 | おじいさまがローリーをなぐった! | 池野文雄 | 古山匠 | |
第46話 | 12月13日 | 思いがけないクリスマスプレゼント | 山崎登志樹 | ||
第47話 | 12月20日 | さよなら! アンソニー | 辻伸一 | 古山匠 | |
第48話 | 12月27日 | 春!それぞれの旅立ち | 黒川文男 | 山崎登志樹 |
放送休止理由
・7月19日:FNSスーパースペシャル「一億人のテレビ夢列島」(18日21:00-19日20:54)
・7月26日:プロ野球オールスターゲーム第2戦~横浜スタジアム(18:30-20:54)
・8月23日:プロ野球中継 ヤクルト-巨人~神宮(19:03-20:54)
映像ソフト化
- 本編のDVDは2000年3月25日 - 6月25日発売。全12巻で3巻ずつ同時発売。
英語吹替え版放送
- スカイパーフェクTV 343チャンネル
- GLC24時間英会話チャンネルにて2007年10月1日から放送。30分の帯放送が1日3回、英語字幕ありと英語字幕なしの放送が日替わりで交互にある。オープニングテーマ・エンディングテーマは英語のものに差し替えられている。
外部リンク
- 愛の若草物語(日本アニメーション公式ホームページ)