Tigers-ai
Tigers-ai(タイガース アイ)は、阪神甲子園球場や京セラドーム大阪で開催されるプロ野球・阪神タイガースの試合映像を多方面に配信している組織である。阪神電気鉄道の子会社、阪神コンテンツリンクが運営している。
概要
Tigers-aiは、阪神タイガース主催ゲームの映像を制作する。阪神球団は、強力な資本関係でつながった放送局を持たないゆえに[1]、他の放送事業者に依存しなくても自前で制作著作した映像を獲得する事、が運営上の大きな使命となっている。
とはいえ、在阪の準キー局をはじめとした他の放送事業者の側にも、他のテレビ局系列に依存する事無く、阪神タイガースの映像を試合中継・ニュース映像やスポーツバラエティに活用したい、という需要は組織設立当初より見込まれていた。現在では衛星放送(BSはNHK BS1[2]、CSはスカイ・AとGAORA[3])とインターネット動画配信(スマートフォン向け配信サイト虎テレ、阪神タイガースLive!、インターネットプロバイダーのTigers-net.com)、スマートフォン向けマルチメディア放送(NOTTV)による生中継[4]、それに各テレビ局で放送されるスポーツニュースの素材にも使われている。また、当然ながら阪神主催試合での場内ビジョンの映像も、Tigers-aiが制作した映像を使用する場合がほとんどである。
地上波の野球中継と比べるとカメラの台数が少なく(甲子園では5台体制)、カメラ位置も独特なものになっている(NHK BS1の中継では独自にバックネット裏放送席とライト側バックスクリーン横にカメラを設けており、その映像を織り交ぜて放送している)。
なお、京セラドーム大阪での主催試合も制作しているが、カメラ配置等の関係上、地上波が在阪民放局と兵庫県のサンテレビジョンによる並行中継の場合は、Tigers-aiによる中継はできない[5]。ただし、近年は在阪局とサンテレビの並行中継はほとんど行われなくなった。それ以外の地方球場では長くTigers-ai制作の対象外であったが、2008年 滋賀県・皇子山球場での主催オープン戦(対西武戦)を制作し、びわ湖放送(試合の主催者だったが自社制作は行わず)、テレビ大阪に配信した。公式戦においても2009年や2013年の倉敷マスカットスタジアムや、2013年の沖縄セルラースタジアム那覇[6]で行った主催試合をスカイ・A、GAORAに配信した事例がある。
2013年より虎テレでの全試合生配信とおよびスカイ・Aでの全試合中継が行われるようになったため、地方球場や巨人戦でもTigers-aiによる実況が行われるようになった。
NHK BS1では2007年から、BSデジタル放送において野球中継を16:9のワイド画面で放送しているため、これまでBSデジタルハイビジョンのみ実施していたハイビジョン制作による中継が増加した(2010年までは標準画質での放送)。スカイ・AやGAORAの中継分も、スカパー!(東経124/128度CS)ではHD放送サービス「スカパー!HD」(現:スカパー!プレミアムサービス)にて、スカイ・Aでは2009年5月1日開始、GAORAでも同年10月1日に開始した。スカパー!(東経110度CS)でのハイビジョン放送はスカイ・A、GAORAとも2012年12月1日開始した。また、スポーツニュース用の映像は2009年からハイビジョン画質で配信されている。
ウエスタン・リーグの阪神戦についても阪神鳴尾浜球場や、阪神甲子園球場などで開催されるものを、CS放送向けに制作している(スカイ・AやGAORAとの共同制作)。また、2011年4月15日~17日に東日本大震災の影響でクリネックススタジアム宮城から甲子園に移して開催された「東北楽天ゴールデンイーグルス×オリックス・バファローズ」の公式映像ならびにスカイ・A向けの中継映像を制作した(2012年の甲子園での主催試合は当初の予定どおりの開催だったため通常通りTCP制作で放送した)。
在阪局では、NHK・毎日放送・関西テレビ・読売テレビ・テレビ大阪がニュース素材としてタイガース・アイから購入している(自局での中継制作がない試合のみ購入)。朝日放送では野球中継で提携しているサンテレビジョンの映像を主に使用している(サンテレビジョンでの中継制作がない日はタイガース・アイから購入する)。なおサンテレビでは、1度だけ2003年に朝日放送制作で中継する予定の阪神戦が急遽放送できなくなり、その代わりとしてTigers-aiの映像を使った自社制作による中継が行われたことがある。関西テレビでタイガースホームゲームが放送された時はフジテレビONEのプロ野球ニュースやすぽると!では関西テレビの映像を使用する。
2013年からはNOTTVへも一部試合が配信されている。なお、NOTTVでは、スカイ・AやGAORAではCMが放送されている時間も、球場内の映像が放送されている。
CS中継の解説・実況・リポーター
解説者
- 工藤一彦
- 佐野慈紀(読売テレビ、BS-TBS、NHK-BSメジャーリーグ解説者兼)
- 岡義朗(サンテレビ、オリックス球団制作中継解説者兼)
- 大熊忠義(GAORA解説者兼)
- 濱中治(朝日放送、スカイ・A解説者兼)
- 藤本敦士(MBSテレビ・MBSラジオ解説者兼)
- ※2013年よりスカイ・Aの阪神主催試合全試合中継に伴い、GAORAで放送が行われない「阪神×巨人」戦に限り掛布雅之・上田二朗が解説を務める場合がある。
- ※ウエスタン・リーグの中継では、スカイ・A向けはスカイ・A専属解説者(村上隆行など)・朝日放送専属解説者が、GAORA向けは同局専属解説者(大熊忠義など)・毎日放送専属解説者が解説を務める。
実況アナウンサー
- 寺西裕一(元KBS京都、土曜日は競馬、日曜日はサッカー実況を担当しているため平日が多い)
- 中井雅之(元ラジオ大阪、2010年から参加)
- 桐山隆(元南日本放送、サンテレビ制作の「サンテレビボックス席」と兼務していた時期あり)
- ※桐山は2014年から平日の試合はレポーターでの出演が主で、実況は週末を中心として担当する
- ※ウエスタン・リーグの中継では、スカイ・A sports+向けは朝日放送アナウンサーが、GAORA向けは同局専属のアナウンサー(城野昭<元MBS>、岡本育子など)及び毎日放送アナウンサーが実況を担当する(上記のアナウンサーが担当することもある)。
リポーター
- 桐山隆
- 村田匡輝(主に桐山が実況を担当する日に出演)
- 過去のリポーター
- ウエスタンリーグ中継では、スカイ・エーでの生中継の場合、元タイガース選手でディレクターの福家雅明がリポーターを務める場合がある。
注
- ↑ ただし、親会社の阪神電気鉄道は朝日放送、スカイ・A、GAORAに出資している。また阪神電鉄の親会社である阪急阪神ホールディングスは関西テレビ放送を傘下に持つので放送局と無関係ではない。
- ↑ 2010年まではBSデジタルハイビジョン(2011年3月31日廃局)でも中継
- ↑ 基本的にどちらか一方のチャンネルが生放送し、もう一方は試合終了後にNEARLIVE方式=撮って出しによる録画中継(実質再放送)である。
ただし、朝日放送で地上波中継が行われる日のスカイ・エーはABCの放送を、毎日放送で地上波中継が行われる日のGAORAはMBSの放送をそのまま放送することもある。
また、両局が同時間帯に同じ試合の再放送をすることもある。 - ↑ 阪神タイガースLive!は毎日放送が運営しており、中継を視聴する場合は有料会員制となっていたが2007年度は行わない(詳細当該項参照)。
またTigers-net.comでは会員専用の中継ページがあり、同プロバイダーの会員であれば試合の映像を無料で視聴できる。
ブロードバンド対応コース(ADSL・Bフレッツ)では画像320×240、512kbpsでライブ中継と録画中継を楽しめる。
ナローバンド対応コース(ダイヤルアップ、フレッツISDN、モバイル)は画像160×120、50kbpsのライブ中継のみ利用できる。
対象は巨人戦以外の甲子園での主催ゲーム年50試合前後。 - ↑ この場合、スカイ・A(朝日放送が中継する試合を除く)とGAORA(毎日放送が中継する一部試合を除く)はサンテレビからネットを受けるが、サンテレビ単独中継の場合はTigers-aiで制作しない日もある
- ↑ この時は琉球放送・毎日放送が技術協力という形で参加しており、RBCも第2試合があった7月10日の試合を自社制作中継している
関連項目
- スカイ・Aスタジアム(スカイ・A)
- GAORAプロ野球中継(GAORA)
- NHKプロ野球(NHK・大阪放送局)
- 福家雅明(元タイガース選手で本番組ディレクター)