4コママンガ劇場
4コママンガ劇場(よんこままんがげきじょう)
- スクウェア・エニックス(旧エニックス)発行の単行本シリーズ。本項で詳述。
- エニックスより1993年10月24日に発行された、『月刊少年ガンガン』の増刊号。1994年に創刊された『月刊少年ギャグ王』の前身となった。
テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『4コママンガ劇場』(よんこままんがげきじょう)は、1990年から2006年にかけて、複数名の作家によるアンソロジー形式で刊行されていた、テレビゲーム等のパロディギャグを題材とした4コマ漫画の単行本シリーズ。スクウェア・エニックス(旧エニックス)発行。
同社の看板作品であるドラゴンクエストシリーズをはじめ、他社作品を含め数々のシリーズが発行されていた。また、同社のコミック事業の原点でもあった。
これをきっかけに頭角を現した作家(柴田亜美、衛藤ヒロユキ等)も多い。
沿革
1990年4月19日の『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』が最初の刊行。以降しばらくはドラゴンクエストシリーズが中心であったが、後に『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』などの他社のゲーム作品の4コママンガ劇場も刊行されるようになった。刊行がスタートした当初は主に、すでに漫画家として活躍していた作家をメインに掲載していたが、本シリーズから派生した読者投稿コーナードラゴンクエスト4コマクラブが始まってからは、主にそこから輩出された新人漫画家や、同社の月刊少年ガンガン及び姉妹誌に所属する漫画家の作品を掲載していた。
ドラゴンクエストシリーズに関しては、4コマ漫画劇場の中で「定番ネタ」として用いられたキャラクター造形や設定が、後に制作されたリメイク版で逆輸入する形で公式設定になった例もある。『IV』では特に顕著で、リメイク版で公式設定になった「アリーナに片想いし、戦闘ではザキ系の呪文ばかり使うクリフト」「カジノ狂で酒豪のマーニャ」などは、4コマ漫画劇場の影響が色濃く見られる。
4コママンガ劇場の刊行は2006年4月21日の『テイルズ オブ シンフォニア 4コママンガ劇場(3)』が最後となり、同年9月以降は『月刊Gファンタジー』編集部が担当していたアンソロジー集「スーパーコミック劇場」(2005年まで刊行)の路線と統合される形で『ガンガンパワード』(後に月刊ガンガンJOKER)編集部が担当する「ガンガンコミックスアンソロジー」へ移行した。ただし、時々復活する事もある(DQIXなど単独タイトルとして)。
公式には4コママンガ劇場シリーズには含まれない扱いだが、ドラゴンクエストXにおいてもあべゆうきによって4コママンガ劇場を冠して連載されている。
4コママンガ劇場作品一覧
- 50音順、ただしシリーズ作品はシリーズの順番。
- 書名は「○○○ 4コママンガ劇場」(○○○の部分には原作ゲームのタイトルが入る)となっている。〜編と付いている場合は「○○○ 4コママンガ劇場・〜編」となる。
- 赤色の作品はドラゴンクエスト関連作品。
- 緑色の作品はエニックスおよびスクウェア・エニックス販売の自社作品。
主な執筆作家
/で区切ったのは4コママンガ劇場で使用された変更した名義または別名義、()内は4コママンガ劇場では使用していない名義。
- あ行
- か行
- さ行
- た行
- な行
- は行
- ま行
- や行
- ら行
- わ行
楽屋裏
「楽屋裏」とは、掲載された漫画家が題材となったゲームやアニメのことを、1ページを使って語るコーナーのことである。このコーナーにより、読者が漫画家に親近感を沸くようになり、ひいては4コママンガ劇場シリーズが読者に強く受け入れられることにつながった。4コママンガ劇場シリーズを象徴するコーナーだともいえる。
ドラゴンクエスト・4コママンガ劇場が刊行された初期段階ではすずや那智、柴田亜美、石田和明、栗本和博といったメインメンバーのみが楽屋裏を描いていた。新人作家の場合は無し、もしくは半ページだったこともあったが、ドラゴンクエスト4コマクラブがスタートした頃になると全員が一律に1ページずつ描くようになる。また、当初は「ドラゴンクエスト」が題材の4コママンガ劇場にしかなかった楽屋裏であったが、2000年頃からはそれ以外のゲームタイトルを題材とした4コママンガ劇場にも楽屋裏が載るようになった。
楽屋裏以外の特殊コーナー
- 読者投稿
- 『ドラゴンクエスト』の2~5巻と『スーパーマリオ』の3巻以降に収録。
- 読者より投稿作品を募集し、優秀作品を掲載。『ドラゴンクエスト』は後に「ドラゴンクエスト4コマクラブ」が発足され、『ドラゴンクエスト 番外編』に移行する。
- 知られざる伝説
- 『ドラゴンクエスト 番外編』1~3巻に収録。
- 石田和明による、自身とすずや那智、栗本和博、柴田亜美を中心にした4コマ作家の執筆模様を面白おかしく描いた漫画(勿論フィクション)。
- タイトルは、ドラゴンクエストシリーズのゲーム外エピソードを書いた書籍「知られざる伝説」になぞらえたものと思われる。
- スーパー合作4コマ
- 『ドラゴンクエスト 番外編』5巻以降に収録。
- 「ドラゴンクエスト4コマクラブ」投稿作品のうち、選外作品で傑作を、4コマクラブ出身作家によって描き直された作品を掲載。15巻以降ではカバーをはずした表紙と裏表紙に元となった作品を掲載。
- 巻頭カラースペシャル
- 『ドラゴンクエスト ガンガン編』4~9巻に収録。
- 『月刊少年ガンガン』『月刊Gファンタジー』『月刊少年ギャグ王』に連載作品を持っていた作家(一部、4コママンガ劇場執筆経験者で既に4コママンガ劇場を引退していた作家を含む)によって描かれた作品。
- 『月刊少年ガンガン増刊 4コママンガ劇場』や、『月刊少年ギャグ王』に掲載された作品を収録。
- 執筆作家
- 太字は過去に4コママンガ劇場執筆経験者、()内は執筆当時の主な上記雑誌群連載作品。50音順。
- いがらしみきお (忍ペンまん丸)
- 石田和明 (レニフィルの冒険)
- 岩村俊哉 (電撃ドクターモアイくん)
- 上田信舟 (女神異聞録ペルソナ)
- 衛藤ヒロユキ (魔法陣グルグル)
- 大清水さち (TWIN SIGNAL)
- 桜野みねね (まもって守護月天!)
- 津島直人 (妖怪人間ベムRETURNS)
- 堤抄子 (聖戦記エルナサーガ)
- 西川秀明 (Z MAN)
- 箱田真紀 (ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣)
- 広内秀昭 (はるまげドン)
- 藤原カムイ (ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章)
- 増田晴彦 (輝竜戦鬼ナーガス)
- 松沢夏樹 (突撃!パッパラ隊)
- 水沢勇介 (夢幻街)
- 三剣もとか ※連載作品は持っていないが、7巻では巻頭カラースペシャルのみ執筆。
- 結賀さとる (天空忍伝バトルボイジャー)
- よしむらなつき (御意見無用っ!!)
- 渡辺広之 (魔法大冒険ダダとコゾ)
- カラーイラスト
- 『Kanon』や『To Heart』などギャルゲーを題材にした作品では、巻頭カラーページにカラー4コママンガとあわせて、キャラクターのイラストを掲載した。後期の作品では、4コママンガ無しでカラーイラストのみの作品もある。作品によっては、イラストのみ参加の作家の楽屋裏も掲載された。
- 『To Heart』では、掲載されたカラーイラストをポストカードに仕立てたイラスト集「ポストカードギャラリー To Heart Heart & Heart」も刊行された(全2巻)。
- ショートコミック
- 巻末部分に掲載された、非4コマの短編ストーリーマンガ。執筆作家陣はある程度固定されており、主にこもわた遙華や岬下部せすなが担当していた。また、エニックスの雑誌でそのゲームが原作のマンガを連載している漫画家が担当することもある。
上記のほか、特に初期の作品では単発のコーナーもいくつか存在した。
関連項目
- ドラゴンクエスト4コマクラブ
- アンソロジーコミック
- スーパーコミック劇場(『月刊Gファンタジー』編集部による非4コマのアンソロジー集)
脚注
- ↑ 基本的に刊行当時の最新作を題材にした作品が中心だが、旧作品を題材にした作品も掲載。9巻は『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』、11巻は『スーパーマリオ64』と『マリオカート64』を題材にした作品のみ。
- ↑ 『スターオーシャン』、『スターオーシャン セカンドストーリー』、『スターオーシャン ブルースフィア』、『スターオーシャン Till the End of Time DIRECTOR's CUT』の4作品を題材とした作品が収録されている。
- ↑ 『スーパーストリートファイターII』以降を題材にした作品が収録されている。
- ↑ 『ストリートファイターZERO2 ALPHA』を題材にした作品を含む。
- ↑ 1~3巻が『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』、4、5巻が『ゼルダの伝説 夢をみる島』、6巻以降がその両方を題材にした作品を収録。4、5巻は表紙のタイトル自体が『ゼルダの伝説 夢をみる島』となっている。
- ↑ 1~6巻は第1作~『IV』を題材にした作品を収録し(ただし、1巻ではIVはモンスターのみが登場するネタのみを掲載)、7巻以降『V』、12巻以降『VI』を題材にした作品が追加されて収録されている。
- ↑ 「ドラゴンクエスト4コマクラブ」への投稿作を収録。3巻以降は「月刊少年ガンガン」掲載の入選作を合わせて収録。1~5巻は第1作~『IV』を収録し、6巻以降『V』、13巻以降『VI』を題材にした作品を追加。
- ↑ 『月刊少年ガンガン』に連載されていた作品を収録。1、2巻は第1作~『IV』を収録し、3巻以降『V』、8巻以降『VI』を題材にした作品を追加。
- ↑ 『月刊少年ギャグ王』に連載されていた作品を収録。題材は第1作~『VI』。
- ↑ 第1作~『III』を「ロトの章」、『IV』~『VI』を「天空の章」、『モンスターズ』『モンスターズ2』を「DQモンスターズの章」として収録。4巻以降は『VII』を収録した「エデンの戦士たち」を追加。
- ↑ 過去の作品から再録。
- ↑ 12.0 12.1 過去の作品から再録。原作ゲームのストーリー順に収録されており、4コマに挟む形で原作のストーリーやモンスター、アイテムを簡素に紹介するページが設けられている。
- ↑ 過去の作品から再録。登場人物・モンスター・アイテム・呪文を辞典形式で紹介し、それにまつわる4コマをまとめて収録する形態になっている。
- ↑ PS2リメイク版発売に合わせての刊行。
- ↑ 1巻では『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』と『ファイアーエムブレム外伝』、2~4巻が『ファイアーエムブレム 紋章の謎』のみ、5巻が『紋章の謎』と『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』、6巻は『聖戦の系譜』のみを題材とした作品を収録。
- ↑ 2巻以降『月刊少年ガンガン』に連載されていた『ポケットモンスター ギャグワールド』をあわせて収録。
- ↑ 基本的に刊行当時の最新作を題材にした作品が中心だが、旧作品を題材にした作品も掲載。5巻は『星のカービィ3』を題材にした作品のみ。
- ↑ 1~5巻までは『モンスターファーム』を、6巻以降は『モンスターファーム2』を題材にした作品を収録。