魔法のマコちゃん
東映魔女っ子シリーズ | ||
第2作 | ひみつのアッコちゃん | 1969年1月 - 1970年10月 |
第3作 | 魔法のマコちゃん | 1970年11月 - 1971年9月 |
第4作 | さるとびエッちゃん | 1971年10月 - 1972年3月 |
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『魔法のマコちゃん』(まほうのマコちゃん)は、1970年11月2日 - 1971年9月27日の毎週月曜日19時 - 19時30分にNET(現・テレビ朝日)系列にて全48話が放送された日本のテレビアニメである。
目次
概要
『魔法使いサリー』、『ひみつのアッコちゃん』に続く「東映魔女っ子シリーズ」の第3作である。
これまで漫画原作があった魔女っ子シリーズで、初の東映動画オリジナル企画になる。アンデルセン童話の人魚姫をベースに脚本の辻真先と演出の芹川有吾が中心となって設定した。対象年齢を高めにし、恋愛要素を取り入れるなど新機軸を打ち出したが、人気では前2作に及ばなかった。
なお、公害や基地演習問題、受験戦争など、社会問題を取り込んだエピソードもある。
あらすじ
人間の姿に変えた人魚のマコ。彼女の人間界での生活を描く。
登場人物
- 浦島 マコ
- 声 - 杉山佳寿子
- 深海の国の姫で人魚。15歳。海上に出たとき、たまたま船に乗っていた青年・アキラに恋をする。再びアキラに会おうとして海上に戻ったとき、船を津波が襲い、アキラは他の乗客を救って自らは溺れてしまう。マコは人間に触れると人魚に戻れない事を覚悟でアキラを救って人間になり、人間界で生活を始める。魔法のペンダント「人魚の涙」に願いをかけると魔法が使える。「からたち学園」中等部2年生。
- パパ
- 声 - 谷津勲
- 深海の国の王。通称「竜王」。マコの事を心配し、時々人間界へ来る事が有る。
- ママ
- 声 - 平井道子
- おばば
- 声 - 高橋和枝
- 神田太郎
- 声 - 丸山裕子
- マコと仲のいい、双子の兄。つり眉なのが特徴。
- 神田次郎
- 声 - 友近恵子
- 双子の弟。垂れ眉なのが特徴。
- 双子のママ
- 声 - 牧野和子
- 双子のパパ
- 声 - 槐柳二
- 番長
- 声 - 大竹宏
- マコのクラスメートでガキ大将。本名は松橋。乱暴だが正義感は強い。マコには頭が上がらない。
- 千吉
- 声 - 山下啓介 / 神谷明
- 番長の子分で知恵袋的な存在。
- 林 ハル子
- 声 - 千々松幸子
- マコのクラスメート。小柄で極度の近視。
- 富田 トミ子
- 声 - 平井道子
- マコのクラスメート。富田建設社長の娘で、とても気が強い。何かというとマコに意地悪をする。母は学園のPTA会長。
- ダバゴン先生
- 声 - 沢りつお
- 学園長
- 声 - 沼波輝枝
- 富田夫人
- 声 - 川島ふじ子
- 茂野 アキラ
- 声 - 市川治 / 作間功
- 浦島老人
- 声 - 梶哲也
- 神田家の離れに住む老人。人間に成りたてのマコを救い、マコを引き取る。
スタッフ
- 企画 - 原徹、横山賢二(東映動画)
- 原作 - 浦川しのぶ(辻真先のペンネーム)
- 音楽 - 渡辺岳夫
- NETプロデューサー - 宮崎慎一
- 作画 - 前田実、金田伊功 他
- 選曲 - 賀川晴雄
- 効果 - 大平紀義
- 現像 - 東映化学
- メインキャラクターデザイン - 高橋信也
- オープニング / エンディング
- 演出 - 高見義雄
- 作画監督 - 岡田敏靖
- 制作 - 東映動画、NET
音楽
渡辺岳夫がBGMおよび主題歌の作曲を行ったほか、作詞も手掛けた。主題歌の編曲に誰もクレジットされていないところは『巨人の星』、『アタックNo.1』、『天才バカボン』等と同じである[1]。
一部のBGMは『好き! すき!! 魔女先生』後期におけるアンドロ仮面の戦闘シーンにも流用された。
主題歌を歌ったのは当時13歳の堀江美都子で、彼女にとっては少女アニメ第1作であり、渡辺岳夫と組んだ最初の作品である[2]。堀江は主人公マコと同年代で同じ横浜市在住だったこともあり、感情移入して歌ったという。OP冒頭の「どこからきたーンのおっ」という歌い方は渡辺からの「『アクビ娘の歌』のように、シャクるように歌ってほしい」という要望に答えたものである。EDのセリフで苦労したが、やはり渡辺が「自分の弟が悪戯した時のように言ってごらん」とアドバイスしてくれたという[3]。本作ではOP、EDともにセリフがあるが、堀江が声優としてデビューするずっと前のことである。
なお、OPテロップでは堀江美都子の「堀」の字が“さんずい”になっていた。
OPには大杉久美子によるカヴァー版も存在する。大杉はやはり渡辺岳夫作曲で自身のアニメソング・デビュー曲でもあった『アタックNo.1』の主題歌の録音時にセリフで苦労していたため、「また、セリフ?」と思ったという[4]。
主題歌
- オープニングテーマ - 「魔法のマコちゃん」
- 作詞・作曲 - 渡辺岳夫 / 歌 - 堀江美都子
- 映像は第20話より、ラストのセリフ部分の背景が変更された。
- 堀江のセルフカヴァー・ヴァージョン(編曲:青木望)が「40th Anniversary Encore」に、ライブ・ヴァージョンが堀江のライブCD「Heartful Concert」に(メドレーの一部として)、それぞれ収録されている。
- エンディングテーマ - 「ボクはマコについてゆく」
- 作詞・作曲 - 渡辺岳夫 / 歌 - 堀江美都子、コロムビア・メール・ハーモニー
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 美術 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1970年11月2日 | 初恋 | 辻真先 | 芹川有吾 | 岡田敏靖 | 遠藤重義 |
第2話 | 1970年11月9日 | 海より愛をこめて | 雪室俊一 | 高見義雄 | 高橋信也 | |
第3話 | 1970年11月16日 | からたち学園 | 北原しげみ | 芹川有吾 | 細田暉雄 | 山崎誠 |
第4話 | 1970年11月23日 | 新しい芽 | 久岡敬史 | 岡田敏靖 | 遠藤重義 | |
第5話 | 1970年11月30日 | 奪われた魔力 | 布勢博一 | 佐々木勝利 | 江藤文男 | 山崎誠 |
第6話 | 1970年12月7日 | 再会の涙 | 小川英 神山一機 |
岡崎稔 | 永樹凡人 | 横井三郎 |
第7話 | 1970年12月14日 | 面影の人 | 浪江志摩 | 山本寛巳 | 高橋信也 | 遠藤重義 |
第8話 | 1970年12月21日 | サンタは何処に | 松本守正 | 芹川有吾 | 菊池城二 | |
第9話 | 1970年12月28日 | 港が丘の決斗 | 岡本克己 | 高見義雄 | 細田暉雄 | 横井三郎 |
第10話 | 1971年1月4日 | 学園の星 | 浪江志摩 | 勝田稔男 | 木暮輝夫 | |
第11話 | 1971年1月11日 | 逃げないでジム! | 布勢博一 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | 沼井一 |
第12話 | 1971年1月18日 | 海のひびき | 浪江志摩 | 久岡敬史 | 江藤文男 | 遠藤重義 |
第13話 | 1971年1月25日 | パパとデート | 辻真先 | 芹川有吾 | 岡田敏靖 | 沼井一 |
第14話 | 1971年2月1日 | さまよう青春 | 山本和子 | 勝田稔男 | 田中英二 | 遠藤重義 |
第15話 | 1971年2月8日 | 明日に賭けるトランペット | 荒木芳久 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | |
第16話 | 1971年2月15日 | 制服はいやよ | 岡本克己 | 高見義雄 | 細田暉雄 | 遠藤重義 |
第17話 | 1971年2月22日 | 雪の夜に笛が聞える | 辻真先 | 芹川有吾 | 江藤文男 | 伊藤主計 |
第18話 | 1971年3月1日 | しぶきの中の二人 | 近藤正 | 佐々木勝利 | 木暮輝夫 | 沼井一 |
第19話 | 1971年3月8日 | 危険な年頃 | 鈴樹三千夫 | 山本寛巳 | 大貫信夫 | 遠藤重義 |
第20話 | 1971年3月15日 | スチュワーデスとパイロット | 岡本克己 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | 沼井一 |
第21話 | 1971年3月22日 | うそつき学園 | 辻真先 | 高見義雄 | 田中英二 | 遠藤重義 |
第22話 | 1971年3月29日 | 誰かが呼んでいる | 山本寛巳 | 江藤文男 | ||
第23話 | 1971年4月5日 | 即席キューピッド | 鈴樹三千夫 | 久岡敬史 | 高橋信也 | |
第24話 | 1971年4月12日 | あたしは誰なの? | 雪室俊一 | 勝田稔男 | 木暮輝夫 | 沼井一 |
第25話 | 1971年4月19日 | 山のかなたへ | 浪江志摩 | 西沢信孝 | 細田暉雄 | 遠藤重義 |
第26話 | 1971年4月26日 | いたずら王子 | 辻真先 | 芹川有吾 | 田中英二 | 沼井一 |
第27話 | 1971年5月3日 | 赤いギャラック | 押川国秋 | 勝田稔男 | 木暮輝夫 | 遠藤重義 |
第28話 | 1971年5月10日 | グランドの天使 | 辻真先 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | 沼井一 |
第29話 | 1971年5月17日 | おねがいしま〜す! | 岡本克己 | 高見義雄 | 江藤文男 | 伊藤主計 |
第30話 | 1971年5月24日 | 人魚姫 | 雪室俊一 | 金子允洋 | 荒木伸吾 | 遠藤重義 |
第31話 | 1971年5月31日 | 終点の王様 | 久岡敬史 | 田中英二 | 沼井一 | |
第32話 | 1971年6月7日 | 生きているルル | 辻真先 | 芹川有吾 | 高橋信也 | 遠藤重義 |
第33話 | 1971年6月14日 | 子ジカ街を行く | 北村秀敏 | 山本寛巳 | 江藤文男 | |
第34話 | 1971年6月21日 | ささくれの歌 | 雪室俊一 | 佐々木勝利 | 荒木伸吾 | 辻忠直 |
第35話 | 1971年6月28日 | 社長七変化 | 辻真先 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | 沼井一 |
第36話 | 1971年7月5日 | 命売ります | 西沢信孝 | 細田暉雄 | 辻忠直 | |
第37話 | 1971年7月12日 | はじめての口紅 | 雪室俊一 | 高見義雄 | 木暮輝夫 | 沼井一 |
第38話 | 1971年7月19日 | ジャングル番長 | 辻真先 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | 遠藤重義 |
第39話 | 1971年7月26日 | マオ死なないで | 押川国秋 | 久岡敬史 | 田中英二 | |
第40話 | 1971年8月2日 | 花嫁になる研究 | 雪室俊一 | 金子允洋 | 木暮輝夫 | 沼井一 |
第41話 | 1971年8月9日 | めぐりあい | 山崎忠昭 | 勝田稔男 | 高橋信也 | 辻忠直 |
第42話 | 1971年8月16日 | たったひとつの記録 | 辻真先 | 芹川有吾 | 荒木伸吾 | 遠藤重義 |
第43話 | 1971年8月23日 | 幽霊がそこにいる | 池田宏 | 江藤文男 | 辻忠直 | |
第44話 | 1971年8月30日 | 絵のないアルバム | 雪室俊一 | 岡崎稔 | 永樹凡人 | |
第45話 | 1971年9月6日 | 日曜日のあいつ | 西沢信孝 | 木暮輝夫 | 沼井一 | |
第46話 | 1971年9月13日 | 妖怪の涙(前編) | 小川英 神山一機 |
高見義雄 | 細田暉雄 | 遠藤重義 |
第47話 | 1971年9月20日 | 妖怪の涙(後編) | 久岡敬史 | |||
第48話 | 1971年9月27日 | また逢う日まで | 辻真先 | 山本寛巳 | 江藤文男 | 辻忠直 |
放送局
放送系列は当時のもの。
放送局 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|
NETテレビ | NETテレビ系列 | 制作局 |
北海道テレビ | ||
青森放送 | 日本テレビ系列 | |
テレビ岩手 | 日本テレビ系列 NETテレビ系列 |
|
山形放送 | 日本テレビ系列 | |
ミヤギテレビ | 日本テレビ系列 NETテレビ系列 |
|
福島中央テレビ | ||
新潟総合テレビ | フジテレビ系列 NETテレビ系列 日本テレビ系列 |
|
信越放送 | TBS系列 | |
山梨放送 | 日本テレビ系列 | |
静岡放送 | TBS系列 | |
北日本放送 | 日本テレビ系列 | |
北陸放送 | TBS系列 | |
福井放送 | 日本テレビ系列 | |
名古屋放送 | NETテレビ系列 日本テレビ系列 |
|
毎日放送 | NETテレビ系列 東京12チャンネル系列 |
当時、朝日放送はTBS系列だった |
山陰放送 | TBS系列 | |
岡山放送 | フジテレビ系列 NETテレビ系列 |
当時は岡山・香川は別エリアだった |
瀬戸内海放送 | NETテレビ系列 | |
中国放送 | TBS系列 | 県内で放送局が変更された |
↓ | ||
広島ホームテレビ | NETテレビ系列 | |
山口放送 | 日本テレビ系列 | |
四国放送 | ||
南海放送 | ||
高知放送 | ||
九州朝日放送 | NETテレビ系列 | |
長崎放送 | TBS系列 | |
熊本放送 | ||
テレビ大分 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 NETテレビ系列 |
|
宮崎放送 | TBS系列 | |
鹿児島テレビ | フジテレビ系列 日本テレビ系列 NETテレビ系列 |
|
沖縄テレビ | フジテレビ系列 |
劇場版
『東映まんがまつり』内で、2本が上映されている。
- 魔法のマコちゃん(1971年3月20日公開)
- 魔法のマコちゃん(1971年7月18日公開)
- 第28話のブローアップ版。併映は『アリババと40匹の盗賊』『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』『ゴーゴー仮面ライダー』『アンデルセン物語 おやゆび姫』の4本。
関連商品
LP・EP
- 魔法のマコちゃんLP・シングルレコード (1979年発売 7インチ盤・AB両面) COCC-11865~6
- 魔法のマコちゃんEP・ポクはマコについてゆく (1970年発売 ドーナツ盤・AB両面) SCS-118
DVD
- DVD-BOX (初回限定生産・全巻封入特典・DISC全8巻・販売元:東芝デジタルフロンティア)
- DVD-BOX 1 [5枚組・片面2層 前半の第1 - 24話に収録 2003年3月21日発売] PIBA-7170
- DVD-BOX 2 [4枚組・片面2層 後半の第25 - 48話に収録 2003年4月25日発売] PIBA-7171
参考文献
- 魔女っ子大全集 〈東映動画篇〉 (大型本 バンダイ 1993年発売、現在は絶版。) ISBN 4891895055
関連項目
脚注
- ↑ もっとも、渡辺岳夫の作品に限らず、1970年頃までのアニメソングには編曲クレジットが付かないことが多かった。
- ↑ このコンビは後年、『キャンディ・キャンディ』の主題歌でミリオンセラーを出すことになる。
- ↑ CD「MICCHI 100% -あしたがすき-」(コロムビアミュージックエンタテインメント、COCX-30415/7)のライナーノーツより。
- ↑ 大杉久美子 40周年記念CD-BOX『燦(きらめき)のとき やさしさの歌』発売記念 大杉久美子スペシャル・インタビューより。