電人ザボーガー
テンプレート:Redirect テンプレート:参照方法 テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVDrama テンプレート:Infobox animanga/Footer 『電人ザボーガー』(でんじんザボーガー)は、1974年(昭和49年)4月6日から1975年(昭和50年)6月29日まで(放送時間は変更あり)フジテレビ系で全52話が放送されたピー・プロダクション制作の特撮テレビ番組。および作中に登場する架空のロボットの名称。
第40話より「電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ」の副題がつく。
目次
概要
犯罪組織Σ団(シグマだん) 対 警視庁及び秘密刑事・大門豊との戦いを、Σ団のロボット 対 大門が乗るオートバイが変形するロボット・電人ザボーガーとの戦いを交えて描く。
前作『鉄人タイガーセブン』が、その重苦しく陰惨なストーリーが災いして視聴率的に失敗した反省から、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』のヒットにより巻き起こった空手ブームを採り入れた大門の空手アクションや[1]、ロボットアニメブームの影響を受けたメカニック描写の面白さを盛り込み[1]テンプレート:Sfn、低年齢層を意識した明朗なヒーローアクション活劇として作られた。また、人間大ロボットものとしては珍しい主人公の操縦者とロボットという組み合わせだが、大門とザボーガーの人間とロボットを越えた絆のドラマも描かれたテンプレート:Sfn。
商業的にも成功し、本作の玩具を販売したブルマァクに期待以上の利益をもたらした。
第40話以降は新たな敵が現れ、ザボーガーもパワーアップする。
ストーリー
秘密刑事としての訓練を終えて帰国したばかりの大門豊は、亡き父、大門博士が開発した新エネルギー「ダイモニウム」を狙う犯罪組織Σ(シグマ)団の刺客、アリザイラーに殺害されてしまった。しかし豊は、少年期に父によって埋め込まれていた電極回路(特殊なペースメーカー)の力で甦った。電極回路の発する「怒りの電流」で大門のオートバイ、マシーン・ザボーガーから変形して起動するパートナーロボット、電人ザボーガーとともに、大門豊は父の仇でもあるΣ団とそれを率いる悪之宮博士に対し、敢然と戦いを挑む。
放送時間
- 第1話 - 26話:毎週土曜日19:00 - 19:30
- 第27話 - 39話:毎週金曜日19:00 - 19:30
- 第40話 - 52話:毎週日曜日11:00 - 11:30
登場人物
全話共通
- 大門 豊
- 演 - 山口暁
- 主人公。設定年齢23歳。インターポールにより、地中海にあるコルタ島で訓練を受けた「秘密刑事」と呼ばれる警視庁所属の特命捜査官。その素性は警視総監と大門博士の知己である新田刑事しか知らない。6歳の時交通事故に遭い死にかけたため、対応策として大門博士が開発した電極回路を埋め込まれ、この電極回路から発生される「怒りの電流」で犯罪捜査用ロボット・ザボーガーを起動させる。感情を露にすることが多い非常に熱い青年。
- 空手や中国拳法などを生かした格闘技で、Σ団のサイボーグ戦闘員を素手で倒すほどの戦闘力を持つ。必殺技は「飛竜三段蹴り」で、Σ団幹部との戦闘時の決め技として用いることが多い。
- 拳の一撃でコンクリートの壁をぶち抜き、ジャンプ力は数十メートルテンプレート:Refnest。コンクリート詰めにされたり(第5話)、全身に大やけどを負ったり(第7話)しても短時間で回復できる、人間離れした強靭な肉体と優れた身体能力の持ち主である。
- 肉体派ではあるが科学知識にも精通しており、ザボーガー基地内ではたびたび白衣に眼鏡というスタイルで各種実験や分析を行なっている。ただし、ロボット工学には父ほど通暁しているわけではなく、第10話でマシーン・ザボーガーを爆破された際には「自分では修復はできない」と述べていた。
- 「恐竜軍団シリーズ」から、コスチュームが一新された。
- 新田 浩
- 演 - 神谷政浩(第1 - 24、28 - 36、38、40 - 52話)
- 新田警部の息子で小学校三年生。設定年齢8歳。第40話以降は本格的に戦闘にも参加し、ザボーガー基地から大門たちをサポートする。第51話で瀕死の重傷を負い、第52話で一旦息を引き取るが、大門同様に電極回路を埋め込まれ蘇生した。
- 中野刑事
- 演 - きくち英一(第1 - 24、27 - 47、49 - 52話)
- 新田警部の部下。当初は大門を秘密刑事とは知らず新米扱いしていたが、のちにその素性を知ってからは彼に協力するようになる。落語が得意(第16話)。水虫を患っており緊張すると足が痒くなる(第20話)。好物はでん六豆(第37話)。 新田警部がフランスに行った後も、恐竜軍団との戦いでも大門に協力する。
Σ編
主人公側
- 新田 大五郎
- 演 - 根上淳テンプレート:Refnest(第1 - 16、18 - 21、23、28、29話)
- かつて大門博士との交友があった警視庁の警部で、その縁で大門豊の後見人でもある。設定年齢45歳。大門や中野の良き上司で「勉強が足らんよ」が口癖である。父の敵を討とうと血気にはやる大門に冷静になれと諭すこともしばしば。第29話でインターポール捜査官になるべく、その研修のためパリへ旅立った。
- 新田 美代
- 演 - 星野みどり(第1 - 24、28 - 36、38話)
- 新田警部の娘で16歳の高校生。母親に先立たれたため、家事も担当している。父がパリへ旅立った後はザボーガー基地で通信係を担当。第40話で外国へ留学した。
- 大門 勇博士
- 演 - 細川俊夫(第1、2、4、27話)、声:北山年夫(第52話)
- 電人ザボーガーの開発者でダイモニウムの発明者。悪之宮への協力を拒んだために殺され、ダイモニウム製造機を奪われてしまった。プロローグの時点ですでにΣ団に殺されており、本編に登場する大門博士は回想シーンか、敵が差し向けたサイボーグとしての登場のみであった。
Σ団
- 悪之宮博士
- 演 - 岡部健(第1 - 25、28 - 35、37 - 39話)
- Σ団のボスで科学者。大門博士とは旧知であるが、ダイモニウムを手に入れるために彼を殺害する。
- 顔の右半分・左腕・左足などが機械化された、異形の姿を持つ怪人物。義足を装着しているが自力では歩行できず、車椅子を常用している。この車椅子には機銃などの武器が装備されており、部下に押させる事もあるが自走能力もある。また左足の義足にもナイフが仕込まれているなど、見かけに反してその戦闘能力は高い。
- 黒のタキシードとドレスシャツに身を包み、蝶ネクタイをきちんと締めて、生身の右手を指輪で飾るなど、常にシックな装いで決めた洒落者でもある。
- 性格は冷酷そのもので、作戦に失敗した部下を平然と殺す。
- 第39話で竜面隊の襲撃に遭いダイモニウム製造機を強奪されたうえ、悪魔ハットに重傷を負わされてしまう。その後、自分の最期を悟り、大門に戦いを挑むが、ザボーガーからチェーンパンチを受けて車椅子から落ちたところを自らの車椅子の機銃掃射を受け、機械化した右目を撃ち抜かれた際に機械化部分が誘爆、木っ端微塵になるという壮絶な最期を遂げた。
- また、初期(第2 - 6、12話)の次回予告は悪之宮博士が担当した。
- ミスボーグ
- 演 - 藤山律子(第1 - 22、24 - 27、31 - 33、35話)
- Σ団の幹部の一人で悪之宮博士の秘書。悪之宮の車椅子を押す役目も担っている。普段は頭に伸縮自在の2本のアンテナをつけた銀のボディに大きな黒マントをまとう。また、マントを使っての瞬間移動や、相手の攻撃を防ぐ技を持つ。普通の女性に変身できるほか、サイボーグ体となって活動することも可能だが、第1話で飛龍三段蹴りを受けて敗退し、第2話を最後にサイボーグ体での登場はなくなった。前線指揮を担当するが大門の前に失敗を重ね、第31話で小型爆弾を飲まされた。最期はこの爆弾を悪之宮によって作動させられ、爆死した。
- 秋月 玄
- 演 - 風戸拳(第22 - 30、34 - 38話)
- 高性能バイク・マシーン・ホークを駆る男。孤児で悪之宮によって育てられ、彼の恩義に報いるためにΣ団の一員となった。大門を敵視して執拗に挑戦する。正々堂々戦うことを身上としており、少しでも誤解が生じると、逆に大門を卑怯者呼ばわりするほどである。サンダーパンチを必殺技とし、再登場後の必殺技はハリケーンパンチ。作戦よりも大門の打倒のみを優先することが多く、悪之宮の指令に背くこともたびたびあり、懲罰として頭の鉄の輪を悪之宮によって締められ、悶絶する場面が多かった。第30話での大門との対決で飛龍三段蹴りの前に敗北。その際に鉄の輪も壊され姿を消したが、大門を倒すために再登場。その直後に孤児の冬子と知り合い仲良くなるが、彼女に貰った腕輪は悪之宮に利用され、皮肉にも第二の鉄の輪となってしまう。第38話で大門との勝負に敗れた後、冬子をはじめとする孤児たちのために生きることを誓い、冬子のいる孤児院、「太陽の家」へ去って行った。
- レディ・ボーグ
- 演 - 吉田多永子(第37 - 39話)
- ミスボーグの後任。Σ団前線基地で指揮を執った。口紅型の小型爆弾を武器にしており、時速50キロで走ることもできるテンプレート:Refnest。39話では4人の竜マンを相手に奮戦し、戦闘能力の高さを見せたが、竜マンの吐いた火炎によって爆死した。
- 戦闘員リーダー
- 演 - 宋晃(第30、34話)
- ミスボーグ不在時に指揮を執った。通常の戦闘員と異なり、ヘルメットのツバに金色の模様がついている。
その他
- 武田博士
- 演 - 田中力(第25、41話)
- 大門博士の親友。大門博士の依頼でザボーガー基地を設計した。明(演 - 田鍋友啓)という小学生の息子がいる。のちにマシーン・ザボーガーとマシーン・バッハの合体を考案。
- 冬子
- 演 - 戸川京子(第34、37、38話)
- ふとしたきっかけで秋月と知り合った少女。孤児院の「太陽の家」で育った。その存在が、最終的に秋月を改心させることとなる。
恐竜軍団編
主人公側
- 松江 健
- 演 - 坂大龍也(第40 - 52話)
- 浅尾由起の幼馴染。企画書では浅尾博士の弟子であり、マシーン・バッハの開発も担当したという設定があった。当初はテントで暮らしていたが、第46話以降は身の安全のためザボーガー基地に住み込むようになった。大門よりも若いためか血気にはやって失敗することが多い。なお、ストロング・ザボーガーは大門の指令だけでなく、彼の指令でも活動可能(第42 - 45話)。ストロング・ザボーガーへの指令にはかつて大門が使用していた携帯型マイクを使用する。密かに由起に想いを寄せており、大門に嫉妬する描写もあった(第41話)。第40話のみ、コスチュームが異なっているテンプレート:Refnest。
- 浅尾 由起
- 演 - 本木紀子(第40 - 47、49 - 52話)
- 三ツ首の秘密を知る浅尾博士の一人娘であることから、恐竜軍団に命を狙われる。大門と出会ってからはザボーガー基地に住み込むようになった(第41話)。また、健の発案で大門の身代わりになってマシーン・ザボーガーに乗ったこともある(第49話)。
恐竜軍団
- 魔神三ツ首(三ツ首竜)
- 演 - 宋晃、岩下純三、南川順二、池上臣功(第39 - 52話)、声 - 丸山詠二(第39 - 52話)
- 恐竜軍団の首領。神奈川県龍虎村にある魔神山の魔神窟に潜んでいる。下半身は化石化しており、自ら動き回ることはできない。最終目標は世界の6大陸を沈め恐竜帝国を作ることである。最期はストロングバズーカファイヤーの連射を受け、ストロング・ザボーガーと相討ちとなった。
- 悪魔ハット
- 演 - 遠矢孝信(第39 - 52話)
- 恐竜軍団に服従する科学者。三ツ首伝説を探る浅尾博士にむりやり同行し、三ツ首竜を蘇らせた。その後、竜面隊を率いてΣ大魔城を襲撃。ダイモニウム製造機を悪之宮から奪った。ダイモニウムを内蔵した恐竜型戦闘ロボット「メカアーミー」テンプレート:Refnest(機械竜)を次々に製作する。帽子の鐔には刃が仕込まれており、これを投げて何でも切り裂いてしまう。最期は柱の下敷きになって死亡した。第50話で、爆弾ハットという弟が登場する。
- 王女メザ
- 演 - 堤光子(第39 - 52話)
- 三ツ首竜の部下。三ツ首竜同様、永い眠りについていた。不気味な女の首をかたどった紋章をつけた杖を常用し、武器として使用。竜面隊を率いるほか、自ら変装して諜報活動も行なう。変装のバリエーションは若い美女から老婆まで幅広い。最期は三ツ首竜と悪魔ハットともども、柱の下敷きになって死亡した。
ザボーガーの詳細
- 電人ザボーガー(第1 - 40、51話)
- 大門博士が製作した犯罪捜査用ロボット。
- 全高2メートル。重量500キロ。耐荷重量35トン。出力5000馬力。
- 動力源はダイモニウム[2]。
- 博士の息子で警視庁の秘密刑事である大門豊が操縦する。
- 普段はオートバイ形態(マシーン・ザボーガーと呼称)をとっており、操縦者の命令で人型に変形することが可能。
- 大門豊に埋め込まれた電極回路から発せられる「怒りの電流」がロボット形態時の起動キーになっている。彼のヘルメットに内蔵されたマイクや、携帯型のマイクからの指示に従うが、大門がともに戦闘することが多いため、受けた命令からある程度の自律判断ができるようになっている描写が見られる。
- マシーン・ザボーガーは地上では時速300キロで水上では時速130キロで走行可能。
- 武器は拳(基本的に左)を高速で射出する鎖分銅、チェーンパンチ(拳と腕が鎖でつながっている)と、頭部に装備された2枚の耳状の飾りを投げつけ対象を切り裂くブーメランカッター(手を使わずに射出したり、手に持って斬りつけたりすることも可能)。必殺武器は口部に装備された機関銃、速射破壊銃。また第3話では右手から凍結液を放ち、ゴリコングを氷漬けにした。このほか、両肘、両膝に装備されたエレキレンズ(熱線を発射する)の設定が存在したが未使用に終わった[3]。
- ほかにも頭部に偵察用のヘリキャット(ヘリキャッツ)(リモコンヘリ・初期には「(偵察用)ミニ・ヘリコプター」、「ミニヘリ」と呼ばれる。大門は第11話以降、一貫して「ヘリキャッツ」と呼称)、両足部にマウスカー(小型リモコンカー・両方の足から車体の右半分と左半分が分かれて出た後、合体して一体化する。初期には「スペシャル・カー」と呼称)、背中にシーシャーク(小型ジェット機)を内蔵し、潜入捜査や情報収集に使用する。
- マシーン・ザボーガーの形態でも、小型メカやすべての武器が使用可能。
- Σ団編の前期に登場したメカアニマルやメカボーグの前では無敵を誇ったが、Σメカや、恐竜軍団のメカアーミーの前には苦戦を余儀なくされた。
- 恐竜軍団のメカアーミー第1号・ガラキに敗れた後は、第51話で登場するのみである。これはザボーガー基地を失ったためにダイモニウムの補充ができずにエネルギーが枯渇寸前となったための窮余の一策だったが、メカアーミーのギラリにはまったく通用せず、悪魔ハットから旧式ロボット呼ばわりされていた。
- 大門にとっては父の形見であると同時に、犯罪捜査をともに行なうことから愛着が強く、ロボットであるザボーガーをまるで弟のように扱うこともある。ザボーガーも大門に対して、時おり人間的なリアクションを見せることがあった。
- 第10話において一度Σ団に爆破されバラバラにされたが、浦上博士が命と引き換えに行った必死の作業によって、直後に無事修復されている。
- 第41話の武田博士の弁によると、「(基本設計が完璧過ぎて)改良を加える余地がない」とのことで、単体での強化改造が事実上不可能であり、これが恐竜軍団のメカアーミーに苦戦する大門を苦悩させることとなる。
- ストロング・ザボーガー(第41 - 52話)
- 松江健が操るバズーカ砲搭載オートバイ「マシーン・バッハ」とザボーガーが合体した姿。ザボーガーにセットされていたダイモニウムを二つに分け、一方をマシーン・バッハに組み込んだことで合体が可能となった。初合体成功時は、まだ名前が決まっていなかったが、メカアーミー1号のガラキを倒した後、「強力なザボーガー」の意味で大門によって命名された。
- 大門だけではなく健の指令でも活動可能。
- 全高2メートル。重量800キロ。耐荷重量80トン。出力は電人ザボーガーの2倍。その冠する名前の通り無類の強さを誇り、各回に登場するメカアーミーを圧倒した。
- 武器はロケットエンジンの推進力でチェーンパンチの威力を倍加したロケットチェーンパンチ(チェーンパンチと異なり、右腕を射出)、リング状につながった両側頭部の飾りを、ジェットエンジンの推進力を活かして超高速で射出するジェットブーメラン。
- 速射破壊銃に相当する、口部装備の強化武器の有無は不明。
- 必殺技は両腰部に装備されたバズーカ砲の2門同時斉射ストロングバズーカファイヤー。
- 第51話でダイモニウムエネルギーが完全に枯渇し、武器の使用が不可能になったが、第52話で怒りの電流により復活。だが、三ツ首竜との戦いにおいて、ストロングバズーカファイヤーの連射によってオーバーヒートを起こして自爆してしまった[4]。
- 合体時のコマンド・ワードは「チェンジ! ストロング・ザボーガー!」(大門が発声する)。ただし第41話での初合体時においては、「ストロング・ザボーガー」の命名前のため、「チェンジ! 合体ザボーガー!」となっていた。
- マシーン・バッハに取り付けられている2門のバズーカ砲(バッハ・ボルト)は、外して普通のバズーカ砲として使用することも可能。健による砲撃の際には、「ガッツ・ボルト!」と呼称する。
キャスト
詳細は上記「登場人物」参照。
- 電人ザボーガー(スーツアクター) - 田尻陽一郎、可寺常臣(第14、15、22 - 27話)
- ストロング・ザボーガー(スーツアクター) - 田尻陽一郎
- ナレーター - 岡部政明(第1 - 15話)、渡部猛(第16 - 39話)、岡部健(第40 - 52話)
スタッフ
- 企画 - 別所孝治、鷺巣富雄
- プロデューサー - 松原久晴、石黒光一
- 原案 - 小池一雄
- 企画協力 - スタジオ・シップ
- 監督 - 奥中惇夫、山田健、鈴木俊継、中西源四郎、湯浅憲明、岡屋竜一、村石宏美
- 脚本 - 上原正三、高橋二三、まつしまとしあき、高久進、山崎晴哉、しのだとみお(篠原茂と鷺巣富雄の共同ペンネーム)、安藤豊弘、新井光、藤川桂介、祝雅治、高階完二、森田太郎、鈴木二郎
- 撮影 - 早川勝春
- 照明 - 小中健二郎
- 編集 - 小出良助
- 操演 - 中島徹郎、高城忍
- 合成作画 - 鷺巣富雄、渡辺善夫
- 合成撮影 - 黒田清
- 造形 - アルファ企画、ゼン工芸、ヒルマモデルクラフト[5]
- 技斗 - 菊池英一
- スタント指導 - 高橋政生
- 助監督 - 中西源四郎、村石宏實、大内健二
- 音楽 - 菊池俊輔
- 制作 - ピー・プロダクション、フジテレビ (制作協力:友映)
主題歌
オープニングテーマ「戦え! 電人ザボーガー」
- 作詞:上原正三 / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:子門真人
エンディングテーマ「おれの兄弟 電人ザボーガー」
- 作詞:上原正三 / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:子門真人
- 第39話までは1コーラス目、第40話以降は2コーラス目が使用された。
両曲とも、歌詞に第39話までの敵組織名「Σ」が入っていたが、「恐竜軍団シリーズ」となった第40話以降も歌詞の変更はなされなかった。
放送リスト
話数 | 放映日 | サブタイトル | 登場敵キャラクター | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1974年 4月6日 |
たたかえ! 電人ザボーガー |
|
上原正三 | 奥中惇夫 |
2 | 4月13日 | これが秘密殺人強盗機関Σだ | |||
3 | 4月20日 | 大暴れ! 水爆ゴリコング |
| ||
4 | 4月27日 | Σ殺人基地 殴りこめ[6] |
|
山田健 | |
5 | 5月4日 | Ω地獄計画開始! |
|
高橋二三 | |
6 | 5月11日 | 鉄骨ビルが消えた! |
|
鈴木俊継 | |
7 | 5月18日 | 危機一髪!! 燃える秘密刑事 |
| ||
8 | 5月25日 | 標的はあのダイヤ!! |
|
まつしまとしあき | 中西源四郎 |
9 | 6月1日 | 謎の男 ドルマン9 |
| ||
10 | 6月8日 | Σ団・恐怖の地獄作戦 |
|
高久進 | 山田健 |
11 | 6月15日 | ジャンボメカ 東京破壊作戦! |
| ||
12 | 6月22日 | 驚異の人間長距離砲 |
|
上原正三 | 鈴木俊継 |
13 | 6月29日 | 秘密刑事 死の一騎討ち |
| ||
14 | 7月6日 | 不死身の殺し屋ギルコンフー |
|
山田健 | |
15 | 7月13日 | 死斗!! 謎のΣ大魔城 |
| ||
16 | 7月20日 | 恐怖 メカボーグ誕生!! |
|
山崎晴哉 | 鈴木俊継 |
17 | 7月27日 | 殺人キック! メカボーグチーム |
| ||
18 | 8月3日 | 必殺のアームガン グリーンベレー |
|
しのだとみお | 山田健 |
19 | 8月10日 | キリマンジャロの赤い豹 |
|
上原正三 | |
20 | 8月17日 | 死を呼ぶ合体ロボット・ゴーゴン |
|
安藤豊弘 | 鈴木俊継 |
21 | 8月24日 | 処刑ロボット大作戦 |
| ||
22 | 8月31日 | 謎のマシーン・ホーク 秋月玄登場!! |
|
しのだとみお | 山田健 |
23 | 9月7日 | 破壊! 魔のΣメカ デス・ガンダー | 高久進 | 湯浅憲明 | |
24 | 9月14日 | ファイト! ザボーガー 倒せ! デス・ガンダー | |||
25 | 9月21日 | 怪奇・忍者ロボット・ジャニン |
|
山崎晴哉 | 山田健 |
26 | 9月28日 | 強奪! 狂犬ロボット・ブル・ガンダー |
| ||
27 | 10月4日 | 激突! ザボーガー対ブル・ガンダー | しのだとみお | ||
28 | 10月11日 | 動く爆弾! ヘルガンダー |
|
新井光 | 岡屋竜一 |
29 | 10月18日 | 爆走! 死のヘルガンダー | |||
30 | 10月25日 | 飛竜三段蹴り対サンダーパンチ |
|
山崎晴哉 | 山田健 |
31 | 11月1日 | 空飛ぶ鉄拳!! アイ・ロボッター!! |
|
藤川桂介 | |
32 | 11月8日 | 恐るべきハンマー投げ カイザー! |
|
しのだとみお | 岡屋竜一 |
33 | 11月15日 | 襲撃!! 動くテトラ・ポット! |
|
藤川桂介 | |
34 | 11月22日 | ゴールド・ジャッカー! 首を捜せ! |
|
祝雅治 | 山田健 |
35 | 11月29日 | 爆弾フラワーを巨大化せよ!! |
|
藤川桂介 | |
36 | 12月6日 | 空飛ぶ巨砲 ドルカノン |
|
新井光 | |
37 | 12月13日 | 秘密指令!! 邪魔者は消せ!! |
|
藤川桂介 | 湯浅憲明 |
38 | 12月20日 | 決戦!! ザボーガー対悪之宮博士!! |
| ||
39 | 12月27日 | 大滅亡! 悪之宮博士の死 |
|
祝雅治 | 岡屋竜一 |
電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ | |||||
40 | 1975年 4月6日 |
甦えった魔神三ツ首!! |
|
しのだとみお | 岡屋竜一 |
41 | 4月13日 | 出来た!! ストロング・ザボーガー | 高階完二 | 山田健 | |
42 | 4月20日 | 魔神三ツ首竜 その謎をあばけ! |
|
森田太郎 | |
43 | 4月27日 | 恐るべき恐竜軍団の野望! |
|
山崎晴哉 | 岡屋竜一 |
44 | 5月4日 | 危うし!! ザボーガー基地 |
|
鈴木二郎 | |
45 | 5月11日 | ゴーストタウンの決闘! |
|
山崎晴哉 | |
46 | 5月16日 | マシン・バッハを取り返せ! |
|
新井光 | 山田健 |
47 | 5月25日 | ザボーガー基地爆破作戦! |
|
高階完二 | |
48 | 6月1日 | 毒ガス作戦をふっとばせ!! |
|
山崎晴哉 | |
49 | 6月8日 | 急げ大門! ザボーガー基地を救え! |
|
新井光 | 村石宏美 |
50 | 6月15日 | 大爆発!! ザボーガー基地 |
|
山崎晴哉 | |
51 | 6月22日 | ストロングザボーガー作動停止! |
|
鈴木二郎 | 山田健 |
52 | 6月29日 | ストロングザボーガーよいつまでも |
|
製作裏話
参考文献:DVD-BOX付属ブックレット、『スペクトルマンvsライオン丸』、『電人ザボーガー大全』、『電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑』
本作品はピー・プロダクション製作となっているが、ピー・プロが直接製作したわけではなく、ピー・プロから友映に製作が委託されていた。DVD-BOX付属のブックレットに掲載されている、局プロデューサー・別所孝治の談話によると、この当時のピー・プロは新作を作るごとに赤字が増える状態にあり、このような形にしなければ製作が難しいところまで来ていたという。
それまでのピー・プロ作品を担当してきた篠原茂が当初病床にあったため、大映京都撮影所の制作部長だった友映の松原久晴をプロデューサーに迎え制作された。しかし、彼の予算管理が非常にケチケチしていて、試写のたびに現場スタッフとプロデューサーとの間に険悪なやり取りがあり、うしおそうじも板挟み状態だったとのことである。
「原作者」として小池一雄の名がクレジットされているが、うしおによれば、当時フジテレビの夜7時台はピー・プロの独占状態となっており、なにかと他のプロダクションの横槍も多かったそうで、それをかわすためにワンクッションを入れ、企画の通りを良くするために業界の慣習に倣い、単に名義を借りただけであり、「番組そのものに小池はまったくタッチしていない」とのことである[8]。
企画当初の作品タイトルは『仕掛けロボット ジュピターQ』。
ザボーガーのデザインや各種の設定は、『鉄人タイガーセブン』に引き続き、漫画家の藤田茂が務めた。敵キャラクターのデザインは、うしおそうじのほか、『ザボーガー』のコミカライズを手がけていた成井紀郎(第18・19・23 - 39話、その他ジャンボメカや秋月玄、マシーン・ホークも含む)や、安井尚志(コンピューターアニマル)[9]などが担当した。
殺陣師を務めた菊池英一は、この番組のために一時的にアクションチームを結成し、幹部やスーツアクターの配役も行なった。その関係から、かつて菊池が所属しピープロ制作番組のアクションを担当した JFA の元メンバーが遠矢孝信を筆頭に多数起用されている[10]。
マシーン・ホークのカウル部分が鷹のような形状をしているのは、当初はザボーガー同様にロボットに変形する設定があったためだが、予算や撮影スケジュールの都合でロボット形態[11]は登場せずに終わっている。
悪魔ハットを演じた遠矢孝信は、日本大学の先輩である殺陣担当の菊池英一がいたためピー・プロを訪ねたところ、ちょうど打ち合わせで悪魔ハットのオーディションが行なわれていて、参加した俳優が帰った後にうしお社長から台本を渡されて、その場で配役が決まってしまった。同時に菊池から「役作りのためにスキンヘッドにしてくれ」と頼まれ、頭を剃ることには了承したものの、さらに眉毛を剃るように要求され、これはさすがに固辞したという。以後、撮影の行き帰りには通行人がみんな避けて通ったそうである。
第49話で少年時代の大門を演じたのは本職の子役ではなく、山口暁の甥にあたる少年だった。これは山口が村石監督に「そういうシーンがあるのなら使ってください」と写真を持参して売り込んだことによるもの。また同話には、監督と親交のあった小倉一郎が牧師役でゲスト出演している。
第51・52話で、恐竜軍団による「六大陸沈没作戦」の尖兵として出現した恐竜が石油コンビナートを破壊するシーンでは、『スペクトルマン』第32・33話の映像が流用されている。
地方局の放送状況
宮城県の系列局である仙台放送は『快傑ライオン丸』までは同時ネットだった。1973年4月から1974年3月までは自社制作番組『東北新幹線クイズ プラザQ』を放送していたため、前々作『風雲ライオン丸』は日曜日11時から、前作『鉄人タイガーセブン』は土曜日18時からの遅れネットだったが、本番組から再び同時ネットになった。
静岡地方のテレビ静岡では、毎日放送系列の仮面ライダーシリーズ(『仮面ライダー』から『仮面ライダーX』まで。『仮面ライダーX』は途中から金曜日19時 - 19時30分枠に移動して、土曜日19時 - 19時30分枠の後番組は『仮面ライダーアマゾン』ではなく、日本テレビ系の『驚異の世界』に変更)を土曜日19時 - 19時30分枠で放送していたため、前番組『鉄人タイガーセブン』までのピー・プロダクション作品は日曜日10時30分 - 11時枠の放送だったが、本作からは月曜日18時 - 18時30分枠になった。その後は、木曜日18時 - 18時30分枠に移動した。
前番組の『鉄人タイガーセブン』まで同時ネットだった関西テレビでは、1974年4月から自社制作番組『爆笑寄席』を土曜19時 - 19時30分枠で放送していたため、本作は土曜日18時 - 18時30分枠の先行放送(1974年10月 - 12月までは、キー局の翌日に放送)だった。1975年1月4日からは「電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ」を、キー局よりも3か月早く土曜日の7時30分 - 8時枠で先行放送。1975年3月29日放送の第52話を最後に終了した。
広島県では、当時フジテレビ系列の広島テレビ放送(HTV)が、日本テレビ系列とのクロスネット局だったため、HTVの編成から外れた両系列の番組を放送していた広島ホームテレビ(HOME・当時UHT、テレビ朝日(当時NETテレビ)系列)が平日の8時 - 8時30分枠で放送していた模様(当時テレビ新広島(TSS)は未開局)。
福岡県では、基幹局のテレビ西日本が1974年12月27日までキー局と同時ネットで放送していたが、1975年1月3日からは「電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ」を、キー局よりも3か月早く金曜日の19時 - 19時30分枠で先行放送。1975年3月28日放送の第52話を最後に終了した。
鳥取県と島根県では山陰中央テレビが火曜の18時から放送されていた。
映像ソフト化
- 2002年9月25日にキングレコードより、全話収録のDVD-BOXが発売。2006年12月27日に価格を下げて再発売。2011年9月7日、劇場版公開を記念して、パッケージの仕様を変更した廉価版DVD-BOXが発売された。
- 2014年現在単巻のDVDは未発売。
漫画版
- 冒険王(1974年5月号 - 1975年4月号):原作・うしおそうじ、作画・一峰大二 - 2002年に角川書店から初単行本が全2巻で出版された。
- テレビマガジン(1974年5月号 - 8月号):原案・小池一雄、作画・成井紀郎 - オイルショックによる本誌の総ページ数削減に伴い、4回で打ち切られた[12]。
- テレビランド 作画・長谷川清俊 - 諸事情テンプレート:Refnestで未掲載。のちにDVD-BOXの封入特典として単行本化された。
映画
参考文献
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- 『スペクトルマンvsライオン丸・うしおそうじとピープロの時代』(太田出版・1999年) ISBN 4-87233-466-3
- テンプレート:Cite book
- 別冊映画秘宝『電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑』(洋泉社・2011年)
脚注
前後番組
テンプレート:前後番組- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 第1話の悪之宮の説明によれば、どのようなものでもサイボーグ化して蘇生させる機能を持つとされ、第5話のナレーションでは「無機物に生命を与える」と解説されている。
- ↑ コミカライズ版では使用例も見られた。
- ↑ 本編ではオーバーヒートについての説明はないが、連射直後に自爆したため、関連書籍などではこのように解釈されている。
- ↑ ノンクレジット。
- ↑ 劇中のナレーションでは「Σ殺人基地へ殴りこめ」となっている。
- ↑ メカアニマルではなく、脱獄囚を改造した「Ωサイボーグ」という設定。
- ↑ 小池のスタジオ・シップに所属していた者が、作品の登場メカであるラジコンヘリのテストを川原で行なったことがあるとの証言もあるので、まったくノータッチだったのかは不明。
- ↑ 『電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑』145頁で原口智生が証言。
- ↑ 第17話でラガーズ兄弟を演じた中本竜夫と中本恒夫のように、大野剣友会のメンバーが出演した例もある。
- ↑ 当時、成井紀郎によってデザイン画が描かれたが現存していない。後年『電人ザボーガー大全』に、成井の描き下ろしによるロボット形態のイラストが掲載された。
- ↑ 1974年9月号からは、情報ページ「こちら電人ザボーガー特報局」がスタート。成井は記事構成とイラストを手がけた。