関西アーバン銀行
株式会社関西アーバン銀行(かんさいアーバンぎんこう)は、大阪府に本店を置く第二地方銀行で、三井住友銀行の子会社。
概要
2004年(平成16年)2月1日に、関西銀行と幸福銀行の営業を譲り受けた関西さわやか銀行が合併し発足。同日は日曜日であったため、窓口営業の開始はその翌日から開始された。旧関西さわやか銀本店は、合併により「中央営業部」とされたが、統合されたため現存しない。後述の通り、2010年3月1日に滋賀県を地盤とするびわこ銀行と合併した。
同行は三井住友銀行が資本参加しており、三井住友銀のATMで同行の出金手数料は自行扱いとなるほか、ゆうちょ銀行、セブン銀行、イオン銀行等提携金融機関ATMでも入出金手数料が自行扱いとなる。
139の支店と18の出張所があり、主に大阪府内や滋賀県内に店舗を構えている。最近は駅前に隣接していない店舗を駅前近辺へ移転と他支店との統廃合するなどの合理化を図る一方、旧びわこ銀店舗を中心に店舗改装を行っている。
沿革
- 1922年(大正11年)7月1日 - 京都府京都市に山城無尽株式会社設立。
- 1951年(昭和26年)10月19日 - 山城無尽株式会社が株式会社関西相互銀行と商号変更。同時に、大阪府大阪市に移転。
- 1973年(昭和48年)10月15日 - 大証2部に上場(証券コード:8545)。
- 1975年(昭和50年)3月1日 - 大証1部に指定替え。
- 1989年(平成元年)2月1日 - 株式会社関西相互銀行が普通銀行に転換し、株式会社関西銀行と商号変更。
- 2000年(平成12年)9月26日 - 株式会社関西さわやか銀行設立。
- 2001年(平成13年)2月26日 - 株式会社関西さわやか銀行が株式会社幸福銀行より営業を譲り受け、営業開始。
- 2003年(平成15年)7月1日 - 株式会社関西さわやか銀行を子会社化。
- 2004年(平成16年)2月1日 - 株式会社関西銀行を存続銀行として株式会社関西さわやか銀行と合併し、株式会社関西アーバン銀行と商号変更。
- 2005年(平成17年)4月7日 - 東証1部に上場。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
びわこ銀行との合併
不動産業者向け融資の不良債権化という問題を抱える旧関西アーバン銀行と、同じ第二地方銀行で地盤地域におけるシェアの小ささから企業成長に限界を感じる旧びわこ銀行との合併を一貫して主導したのは、メガバンクの一角である三井住友銀行(SMBC)であった[1]。
関西アーバン銀行はSMBCが当時約42%の株式を保有する同行の連結子会社で、当時の会長・頭取ともSMBCの前身である住友銀行の出身者が務めており、一方のびわこ銀行にとってもSMBCは第3位の大株主で、関西アーバン銀行同様、頭取には住友銀行出身者が就いていた。2009年(平成21年)3月31日には、金融・経済情勢の悪化等に備えるために新銀行の資本を手厚くすべく、関西アーバン銀行がSMBCを引受先とする第三者割当増資を実施している。
これら一連の合併をSMBCが主導した背景には、同じ頃に関西域内にてメガバンクの三菱東京UFJ銀行が音頭を取った泉州銀行と池田銀行の経営統合も少なからず影響したものと見られている[1]。
2010年(平成22年)3月1日、関西アーバン銀行がびわこ銀行を吸収合併(合併比率は関西アーバン銀行1:びわこ銀行0.75)。関西では初めての府県を跨いだ合併劇で[1]、滋賀県内や隣接する京都府下での店舗に厚みを増す事になり、預金量ベースでは京都銀行、南都銀行に次ぐ規模となった。
新銀行は行名とロゴは従前の関西アーバン銀行のものをそのまま存続させたが、旧びわこ銀行が環境保全活動に取り組んでいたことから、旧びわこ銀行のロゴを新銀行の「環境マーク」という形で存続させた他、滋賀県大津市の旧びわこ銀行本店を「びわこ本部」として主に滋賀県、京都府内の融資案件を担当する審査第二部や、個人業務部、法人業務部、外国業務部の担当者を配置するなど一部の本部機能を置いている[2]。
また、これまでびわこ銀行が大垣共立銀行及び三重銀行とのATM相互間出金利用提携に参加していたが、合併後は旧びわこ銀店舗の口座・ATM相互間に限られていたものの、2010年(平成22年)10月18日からは無料対象を既存の関西アーバン店にも範囲を拡大した。
2011年(平成23年)1月4日、旧びわこ銀の勘定系システムと旧関西アーバン銀のシステムが統合された。これに伴い、旧びわこ銀行通帳、ならびに「青●に白抜きで琵琶湖の形の入ったマーク」のある旧びわこ銀のシステムで作成された通帳は使用停止となり、繰越の対象となった。
この合併により旧びわこ銀店舗での保険、投資信託など個人向け預かり資産の販売力強化が図れ、法人向けではそれまでできなかった外国為替取引や、金利スワップなどのデリバティブ商品、M&Aの提案が可能になった[2]他、2012年3月までの合併後2年間で累計30億円超のコスト削減効果を生み出した[3]。
店舗統合は、2011年(平成23年)6月6日のゆめおうみ支店(実体店では、同年6月13日の大阪支店と京都中央支店)を皮切りに、主に京阪神圏における重複店(旧関西銀・旧関西さわやか銀間の未整理店を含む)を中心に順次実施されている。
また2012年以降の2年間で20億円強を投じ、約50店舗ある旧びわこ銀店舗の大半を改装し、個人客の資産運用の相談に応じるブースを設けるなどの営業体制整備を行い、店舗網が手薄な京都府南部についても新規出店を検討している[3]。
店舗
大阪府内
- 大阪市内(大阪市) - 本店営業部1・支店24・プラザ2
- 北部(高槻市・茨木市・摂津市・吹田市・豊中市・箕面市・池田市) - 支店15・プラザ2
- 中部(枚方市・寝屋川市・交野市・守口市・四条畷市・大東市・東大阪市・八尾市・柏原市・松原市) - 支店16・プラザ5
- 南部(堺市・羽曳野市・富田林市・岸和田市・南河内郡) - 支店9・プラザ2
滋賀県内
- 大津市(大津市) - 営業部1・支店11
- 南東部(草津市・栗東市・守山市・野洲市・湖南市・甲賀市) - 支店17
- 東部(彦根市・東近江市・近江八幡市・愛知郡・蒲生郡) - 支店13・プラザ1
- 北部(長浜市・米原市) - 支店6
- 西部(高島市) - 支店3
大阪府外・滋賀県外
不祥事
同銀行の男性取締役が、2006年10月から2013年6月にかけ、同行や子会社の交際費1,000万円超を着服し、自己の飲食費などに私的流用していたことが明らかになった。同行は、「顧客被害の有無などを慎重に判断したかった」などの理由で、発覚時に発表せず、2013年10月18日になってようやく報道発表している。当該の取締役は同月に辞職しており、同行は顧客被害が無かったとして、刑事告訴は見送った[4][5]。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 3.0 3.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 関西アーバン銀行の元取締役が1千万円超を着服 交際費を流用 産経新聞 2013年10月18日
- ↑ 不祥事件の発生について 関西アーバン銀行ニュースリリース 2013年10月18日