鈴木ヒロミツ
テンプレート:Infobox Musician 鈴木 ヒロミツ(すずき ひろみつ、1946年(昭和21年)6月21日 - 2007年(平成19年)3月14日)は、歌手、俳優、タレント。所属事務所はホリプロであった。本名は鈴木弘満(読みは同じ)。GSムーブメントから登場したロックバンド、ザ・モップスのボーカリストも務めた。
目次
来歴・生涯
満州生まれ。私立芝高等学校卒業。武蔵大学経済学部中退。東京都文京区旧・小日向台町出身。
1967年にデビュー(結成は前年)したザ・モップス(実弟のスズキ幹治がドラムス担当)のボーカリストとして芸能界入り。モップス時代は「鈴木ひろみつ」「鈴木博三」とも表記。 テンプレート:Main
ザ・モップスが1974年に解散して以降、俳優・タレントとして活躍。1971年に放映されたモービル石油のCM「のんびり行こうよ」編ではガス欠のクラシックカーを押す青年の役を演じ、昭和の名CMの一つとなった。1974年からTBSで放送された大映テレビ製作の刑事ドラマ『夜明けの刑事』『新・夜明けの刑事』『明日の刑事』にうだつの上がらない刑事役で出演、エンディング・テーマも担当した。
芸能界きっての美食家としても知られ、紀行番組のグルメリポーターとしても活躍、2002年に自らが堪能した絶品料理を紹介した単行本『食わずに死ねるか!』を出版した。
また、大の中日ドラゴンズのファンで(実の母親が名古屋市生まれだった)、東海テレビのドラゴンズ応援番組『ヒロミツのスーパードラゴンズ』(『ドラゴンズHOTスタジオ』の前身)ではメイン司会を務め、多くの選手や首脳陣と親交があった。しかし番組内で「こんなことなら、星野ドラゴンズって名前を変えればいいんですよ」と星野仙一監督を批判、このことが原因で番組を降板している。
NHK教育テレビで、中学生向けの英語番組の司会もつとめていた。
2007年3月14日午前10時02分、肝細胞癌のため東京都千代田区の病院で死去[1]。テンプレート:没年齢 。医師の診察を受けた際には既に病状が進行しており、告知も冷静に受け止めた。入院治療より家族とともに過ごすことを選んだ。戒名は「美雄永満愛大喜善居士」で、その戒名は生前に決めていたと言う。戒名には自分の名や家族の名前の一部が入っており、家族を愛する気持ちが込められている。亡くなる1週間前に行ったインタビューと、病床で書いた妻と子供への手紙をまとめた単行本『余命三カ月のラブレター』(幻冬舎刊 ISBN 9784344013254)が死後出版された。
鈴木ヒロミツの死去を受けてモップス時代の盟友:星勝、長年の音楽仲間であった真木ひでと(オックス)、森田巳木夫(ザ・ジャガーズ)が故人との想い出を語った他[2]、ギタリストの三根信宏も自らのサイトの日記にて鈴木ヒロミツを悼むコメントを記している[3]。
死去の2ヵ月後に公開されたオムニバス映画『歌謡曲だよ、人生は』でヒロインの死病を告知する医師、同窓会の8ミリフィルム上映で小学生時代を回顧する初老男性の2役で出演しているが、撮影は自身が告知を受ける前だったといわれる。
一周忌を過ぎた2008年4月23日に、鈴木の所属していたホリプロの後輩である和田アキ子のデビュー40周年記念CDアルバム『わだ家』に、鈴木がボーカルを務めたモップスの代表曲「たどりついたらいつも雨ふり」の鈴木と和田のデュエットバージョンが収録される。生前の鈴木の歌声に和田が新たに歌をオーバー・ダビングした。
和田が自身のラジオ番組『アッコのいいかげんに1000回』で「ヒロちゃんはホリプロで一番古い先輩で、私がデビュー前から現在まで本当によくかわいがってもらったし、私を叱ったりしてくれたのも先輩のヒロちゃんだけだった。お見舞いに行ったときに自分が生きてる間にもう一度桜の花が見たいなって言ってたけど、咲く前に亡くなってしまってほんと悔しかった」などと鈴木との思い出話を番組内で長々と語っていた。
モップスのGS末期、モップス解散時、短期間の在米時など、引退を考えたことがあった。 ロックバンドの解散コンサートには、自身の経験から否定的な考えを持っており、解散コンサートを企画、実行できるほど、人間関係が良好ならば、解散などせずに、バンドを維持すべきと述べている。この発言から、モップスの解散は、音合わせさえしたくないと思われるほどのバンドやそれを取り巻くスタッフなどの人間関係の悪化があった事を示唆している。
ディスコグラフィ
ザ・モップス
ソロ活動
- でも、何かが違う(TBS系TV映画『夜明けの刑事』主題歌 作詞・作曲:マチ・ロジャース 編曲:あかのたちお)
- 何処かで失したやさしさを (TBS系TV映画『夜明けの刑事』主題歌(後期) 作詞・作曲:マチ・ロジャース、編曲:あかのたちお)
- 愛に野菊を(TBS系TV映画『明日の刑事』主題歌 作詞:岡田冨美子 作曲:マイケル・ホルム 編曲:小笠原寛)
- ヤットデタマン・ブギウギ・レディ(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹)(フジテレビ系TVアニメ『ヤットデタマン』EDテーマ(17cmアナログシングル盤・同OPテーマ「ヤットデタマンの歌」のB面)
- たどりついたら雨ふりだけじゃなかった(作詞:Bro.TOM、作曲:Bro.KORN)(「電リクときめき倶楽部~フォーエバーヤング」エンディング・テーマ)
出演作品
テレビドラマ
- 時間ですよ2 → 時間ですよ3(TBS) - 猫田 役
- アイちゃんが行く!(TBS)
- 事件狩り(1974年、TBS)
- 夜明けの刑事(1974年、TBS)
- 松本清張シリーズ・愛の断層(1975年、NHK) - めがね屋店員 役
- 火曜日のあいつ(1976年、TBS)
- 赤い衝撃(1976年、TBS)
- 新・夜明けの刑事(1977年、TBS)
- 赤い激流(1977年、TBS)
- 明日の刑事(1977年、TBS)
- 土曜ワイド劇場「図ぶとい奴・危険な賭け」(1978年)
- 風鈴捕物帳(1978年 - 1979年、テレビ朝日・東映) - 熊 役
- 秘密のデカちゃん(1981年、TBS) - 秋葉刑事 役
- 桃太郎侍(1981年、日本テレビ・東映)第232話「嫁にするなら錦絵の女」
- 玉ねぎむいたら…(1981年、TBS) - 作田紀之 役
- 悦子逆転 (1982年、フジテレビ)
- 六月の危険な花嫁(1982年、TBS・大映テレビ)
- 婦警さんは魔女(1983年、TBS) - 上松刑事 役
- ぐうたらママ2(1983年、フジテレビ)
- 火曜サスペンス劇場「青い幸福」(1983年、NTV / 東映) - 田代刑事 役
- 青い瞳の聖ライフ (1984年、フジテレビ)
- 特命刑事ザ・コップ(1985年、朝日放送)
- 誇りの報酬(1986年、日本テレビ)
- 土曜ワイド劇場「ラーメン刑事「龍」の殺人推理」「タクシー」
- 火曜サスペンス劇場「密閉島」(1988年8月、NTV・日本映像) - 岩木 役
- 明日に向かって走れ! (1989年、フジテレビ)
- 土曜ワイド劇場「牟田刑事官事件ファイル14」(1991年、テレビ朝日)
- 世にも奇妙な物語 『ボクの好きな先生』(1991年、フジテレビ)
- デパート!夏物語(1991年、TBS) - 三田幸弘 役
- 私の生徒は12人(1992年、TBS)
- デパート!秋物語(1992年、TBS) - 三田幸弘 役
- 闇を斬る!大江戸犯科帳(1993年、NTV・ユニオン映画) - 一色密偵・伝六 役
- HOTEL第3シリーズ(1994年、TBS)
- 江戸を斬る第8部(1994年、TBS・C.A.L) - 原田喜左ヱ門 役
- 水戸黄門 第23部 第22話「白いお髭の意地比べ・萩」(1995年、TBS・C.A.L) - 押尾喜太夫 役
- ビーロボカブタック (1997年、テレビ朝日) - 小金井太郎 役
- ドーラク弁護士(1999年、フジテレビ) - 坪井 役
- リモート(2002年、日本テレビ) - 交通課課長 役
- 夢のカリフォルニア(2002年、TBS) - 庄田 役
- 農家のヨメになりたい(2004年、NHK) - 大柴哲也 役
- 富豪刑事(2005年、テレビ朝日、第9回ゲスト) - 八木信平 役
- 吾輩は主婦である(2006年、TBS)
- 金曜エンタテイメント『京都祇園入り婿刑事事件簿10 商品開発の利権を巡る連続殺人 消えた研究者は結婚詐欺師?』(2003年、フジテレビ) - 権藤達矢 役
- 刑事調査官 玉坂みやこ(2003年、フジテレビ) - 長谷部邦雄 役
- 土曜ワイド劇場「殺人逃亡者の妻」(2004年、テレビ朝日)
- 女と愛とミステリー 滝警部補の事件日誌(2005年1月30日、BSジャパン) - 黒坂和俊 役
- 水曜ミステリー9「検察官キソガワ」(2005年4月27日、テレビ東京)- 片山春樹 役
- ボイスレコーダー~残された声の記録~ジャンボ機墜落20年目の真実(TBS、2005年8月12日放送)
- 赤い奇跡(TBS、2006年4月9日・4月10日放送)
- 上条麗子の事件推理⑤(TBS、2006年4月17日放送)- 秋元健次 役
- 土曜プレミアム『新・美味しんぼ』(2007年、フジテレビ)- 勝一 役
- 水曜ミステリー9『刑事吉永誠一・涙の事件簿5 約束の指切り』(2007年、テレビ東京) - 比留間 役
- 金曜プレステージ『所轄刑事3・涙の生活安全課~必死のアキバ捜査網~』(2007年、フジテレビ) - 金沢大介 役
- この作品は死去のわずか2日後の3月16日に放送されるため急遽タイトル冒頭に「鈴木ヒロミツさん追悼」とテレビ欄やテレビ局公式HPで表記している。
- 月曜ゴールデン 『血痕(2)警科研・湯川愛子の鑑定ファイル』(2007年、TBS) - 樋口英一郎 役
- 山村美紗十三回忌特別企画「新・祇園芸妓シリーズ(3)京都花嫁衣裳殺人事件」フジテレビ/2008年2月
- 土曜ワイド劇場「女警察署長」(2009年5月、テレビ朝日)[4]
映画
- トラック野郎 御意見無用(1975年・東映) - トラック運転手「さすらいの童貞」荒金 勇次 役
- 人間の証明(1977年10月8日・東映) - 喫茶店・ボーイ 役
- 戦国自衛隊(1979年12月5日・東宝) - 西沢剛一士 役
- 日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章(1981年・エヌ・アール企画) - 三沢吾郎 役
- LONGRUN ロングラン(1982年)
- ふるさと (1983年の映画) (神山征二郎監督 加藤嘉主演)
- ころがし涼太-激突!モンスターバス-(1988年・シネ・ロッポニカ、にっかつ) - 営業所員 役
- さくら-(1994年) - 国鉄バス運転士 役
- 陰陽師II(2003年・東宝)
- 憑神(2007年・東映)
テレビアニメ
- MARCO 母をたずねて三千里(1997年) - ジョルジオ
- ぼくの孫悟空(2003年) - 猪八戒〈千里眼〉
ラジオ
- ヤングタウンTOKYO・鈴木ヒロミツ大放送 (1977年4月~1979年10月 TBSラジオ)
バラエティ
- わからん島(1972年・NHK総合「おかあさんといっしょ」の1コーナーに「モップス」として出演。同コーナー自体は半年で打切り)
- レッツゴーヤング(NHK総合)
- ズバリ!当てましょう(フジテレビ)※歴代司会では第1期・2期トータルで一番の短命(1980年1月~3月)
- ためしてガッテン(NHK総合)
- ハロー動物ファミリー(テレビ大阪)
- ものまね王座決定戦(フジテレビ、審査員として出演)
- なるほど!ザ・ワールド(フジテレビ)
- びっくらドン!(TBS)
- 一億人の歌謡曲(TBS)
- 夜はエキサイティング(テレビ東京)
情報番組
- ヒロミツのスーパードラゴンズ(東海テレビ)
- ちちんぷいぷい(毎日放送、木曜月一回)- 準レギュラーで出演していた。
- ぶらり途中下車の旅(山手線編 2002年7月6日 日本テレビ)- 500回記念の旅人だった。
- 静岡発そこ知り(2006年9月21日静岡放送)
- きらり九州(大分県編 2007年1月13日 TVQ九州放送)
- 2006年11月に大分でロケ。このテレビ取材が生涯最後の仕事となった。
CM
関連項目
脚注
外部リンク
- ↑ 俳優の鈴木ヒロミツさん死去「夜明けの刑事」 朝日新聞 2007年3月14日閲覧
- ↑ 鈴木ヒロミツさん死去…GS時代の仲間が素顔明かす 夕刊フジ 2007年3月15日閲覧
- ↑ ひとり言 三根信宏オフィシャル・サイト 2007年3月14日付
- ↑ 2006年収録