磐越自動車道
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox road
磐越自動車道(ばんえつじどうしゃどう、BAN-ETSU EXPRESSWAY)は、福島県いわき市のいわきジャンクション (JCT) から、郡山市を経由して新潟県新潟市江南区の新潟中央インターチェンジ (IC) へ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は磐越道(ばんえつどう、BAN-ETSU EXPWY)。
目次
概要
太平洋側と日本海側を結ぶ横断軸の1つで、福島県浜通り・中通り・会津地方と新潟県下越地方・新潟市を結ぶ。また、高速自動車国道だけでも、常磐自動車道・東北自動車道・北陸自動車道・日本海東北自動車道の4路線と連絡している。路線の大半は国道49号と並行しているほか、阿武隈高地では国道349号や国道288号に並行している。
テンプレート:要出典範囲[1]。また、行楽期の渋滞が激しい東北自動車道を避け、比較的渋滞の発生しにくい常磐自動車道を利用するための車両が通行する事例もある[2]。
会津若松ICから新潟中央JCT間は一部を除き暫定2車線であるため近年、トンネル付近を中心に正面衝突死亡事故が多発している。また、4車線化された区間も全体的に線形が悪く、急勾配やトンネルが連続している箇所がある。
2011年6月20日から、東日本大震災の被災者については2012年3月31日まで、復旧・復興の物資等輸送のためのトラック・中型車以上のバスについては2011年8月末まで無料開放された[3]。また、福島第一原発事故の避難者については、上記の措置が終了した後も無料通行を可能とする措置がとられている。
路線名
高速自動車国道の路線名および、国土開発幹線自動車道の路線名は東北横断自動車道いわき新潟線である。
通過する自治体
接続高速道路
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。未開通区間の名称はすべて仮称である。
- スマートICは背景色■で示す。利用時間の特記がないスマートICは24時間利用可能である。
- 路線名の特記がないものは町道。
- BSのうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 小野ICと津川ICは△としている。これは当該BSは元々IC近隣に設置された小野町および阿賀町の施設でIC設備からも離れており、本自動車道に属すBSではないためである。しかし実際の運行上の扱いは一緒である。
- 英略字は以下の項目を示す。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | いわき から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
16-1 | いわきJCT | 常磐自動車道 | 0.0 | 福島県 | いわき市 | ||
1 | いわき三和IC | 県道66号小名浜小野線/国道49号 | 8.8 | ||||
- | 差塩PA | - | 18.7 | ||||
2 | 小野IC | 国道349号/あぶくま高原道路 | 35.2 | △ | 小野町 | ||
- | 阿武隈高原SA | - | 46.8 | 田村市 | |||
3 | 船引三春IC | 国道288号 | 55.7 | ||||
- | 三春PA | - | 59.5 | 三春町 | |||
3-1 | 郡山東IC | 国道288号 | 63.7 | 郡山市 | |||
18-1 | 郡山JCT | 東北自動車道 | 71.4 | ||||
- | 五百川PA | - | 76.5 | ||||
4 | 磐梯熱海IC | 県道24号中の沢熱海線 | 79.6 | ||||
5 | 猪苗代磐梯高原IC | 国道115号 | 97.6 | 猪苗代町 | |||
- | 磐梯山SA | - | 105.3 | 磐梯町 | |||
6 | 磐梯河東IC | 県道64号会津若松裏磐梯線 | 111.5 | 会津若松市 | |||
7 | 会津若松IC | 国道121号 | 117.5 | ||||
7-1 | 新鶴PA 新鶴スマートIC |
124.7 | 会津美里町 | ||||
8 | 会津坂下IC | 国道49号/国道252号 | 132.4 | 会津坂下町 | |||
9 | 西会津IC/PA | 県道16号喜多方西会津線 国道49号(西会津バイパス) |
143.8 | ○ | 西会津町 | ||
- | 黒森山トンネル | - | 長さ 2758m | ||||
新潟県 | 阿賀町 | ||||||
- | 上川PA | - | 162.6 | ||||
10 | 津川IC | 新潟県道89号津川インター線 | 166.2 | △ | |||
- | 三川BS | - | 172.8 | ○ | |||
11 | 三川IC | 県道587号三川インター線 | 174.0 | ||||
- | 阿賀野川SA | - | 181.0 | ||||
12 | 安田IC | 県道41号白根安田線 | 188.9 | ○ | 阿賀野市 | ||
- | 五泉PA | - | 191.2 | 五泉市 | |||
13 | 新津IC | 県道34号新津停車場線 | 198.5 | 新潟市 | |||
- | 川口BS | - | 202.2 | ○ | |||
13-1 | 新津西スマートIC | 国道403号 | 204.5 | 新潟中央JCT方面出入口 | |||
- | 酒屋BS | - | 207.5 | ○ | |||
- | 新潟PA | - | 208.6 | ||||
42 | 新潟中央JCT | 日本海東北自動車道 北陸自動車道 |
211.9 | ||||
14 | 新潟中央IC | 県道16号新潟亀田内野線 | 212.7 |
※キロポストは、常磐道方面からの合流を起点に0.5KPから設置されている。
SA・PA
売店はすべてのSAと五百川PAに設置されている。レストランは磐梯山SAと阿賀野川SAにあるほか、阿武隈高原SAにはフードコートが設置されている。ガソリンスタンドは阿武隈高原SAと磐梯山SAにあり、阿武隈高原SA下り線が深夜営業をしていないほかは24時間営業である。24時間営業の売店は、阿賀野川SA下り線のファミリーマートのみである。なお、PAについては五百川PAを除きトイレと自動販売機のみとなっている。
主なトンネルと橋
テンプレート:出典の明記 会津若松ICから新潟中央JCT間は一部を除き暫定2車線であり坑道(本線部分)は1つのみ設置されている。また、他の区間について上下線が分離されているトンネルについてはいずれも、当初は1つの坑道のみが暫定2車線として供用されたのち、並行するもう1つの坑道を供用し拡幅するとともに上下線の分離がなされている。
トンネルの数
区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
いわきJCT-いわき三和IC | 1 | 1 |
いわき三和IC-差塩PA | 1 | 1 |
差塩PA-小野IC | 0 | 0 |
小野IC-阿武隈高原SA | 1 | 1 |
阿武隈高原SA-磐梯熱海IC | 0 | 0 |
磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC | 5 | 5 |
猪苗代磐梯高原IC-会津若松IC | 0 | 0 |
会津若松IC-会津坂下IC | 1 | |
会津坂下IC-西会津IC | 3 | |
西会津IC-上川PA | 4 | |
上川PA-津川IC | 0 | |
津川IC-三川IC | 1 | |
三川IC-阿賀野川SA | 4 | |
阿賀野川SA-安田IC | 2 | |
安田IC-新潟中央IC | 0 | 0 |
合計 | 24 | 24 |
※会津若松IC以西でトンネルのある区間は暫定2車線の対面通行であるため、上下線で1本のトンネルとなっている。
歴史
- 1990年(平成2年)10月31日 : 郡山JCTと-磐梯熱海IC間の供用を開始する。
- 1991年(平成3年)8月7日 : 磐梯熱海ICと猪苗代磐梯高原IC間の供用を開始する。
- 1992年(平成4年)10月29日 : 猪苗代磐梯高原ICと会津坂下IC間の供用を開始する。
- 1994年(平成6年)7月28日 : 安田ICと新潟中央IC間の供用を開始し、北陸自動車道と接続する。
- 1995年(平成7年)8月2日 : いわきJCTと郡山JCT間の供用を開始し、常磐自動車道と接続する。
- 1996年(平成8年)10月17日 : 会津坂下ICと西会津IC間の供用を開始する。
- 1996年(平成8年)11月14日 : 津川ICと安田IC間の供用を開始する。
- 1997年(平成9年)10月1日 : 西会津ICと津川IC間の供用を開始し、全線開通。
- 1999年(平成11年)4月27日 : 磐梯熱海ICと猪苗代磐梯高原IC間が両側4車線に拡幅される。
- 2001年(平成13年)10月31日 : 磐梯山SAと磐梯河東IC間が両側4車線に拡幅される。
- 2004年(平成16年)11月19日 : 郡山東ICと郡山JCT間が両側4車線に拡幅される。
- 2004年(平成16年)12月1日 : いわき三和ICと差塩PA間が両側4車線に拡幅される。
- 2005年(平成17年)10月1日 : 日本道路公団の分割民営化により、道路の管理・運営が東日本高速道路(NEXCO東日本)に承継される。
- 2005年(平成17年)12月26日 : 新鶴PAスマートICが社会実験として供用を開始する。
- 2006年(平成18年)11月22日 : 小野ICと阿武隈高原SA間が両側4車線に拡幅される。
- 2007年(平成19年)4月1日 : 新鶴スマートICの社会実験が前日をもって終了し、供用を開始する。
- 2007年(平成19年)11月17日 : 阿武隈高原SAと船引三春IC間が両側4車線に拡幅される。
- 2008年(平成20年)11月14日 : 船引三春ICと郡山東IC間が両側4車線に拡幅される。
- 2008年(平成20年)11月30日 : いわきJCTといわき三和IC間、差塩PAと小野IC間が両側4車線に拡幅され、これによりいわきJCT-会津若松ICの4車線化が完了する。
- 2009年(平成21年)6月30日 : 新津西スマートICの連結が許可される[4]
- 2011年(平成23年)6月20日 : 東日本大震災の被災者および福島第一原発事故の避難者、復旧・復興の物資等輸送のためのトラックおよび中型車以上のバスを対象とした無料開放を開始する[3]。
- 2011年(平成23年)12月17日 : 新津西スマートICの供用を開始する。
4車線化に向けた動き
磐越道は1997年の全線開通以降も拡幅工事が順次進められ、会津若松IC以東では2008年に4車線化が完成した。一方で会津若松IC以西においては、区間のほとんどがICや休憩施設周辺の本線合流部を除き暫定2車線区間であり、拡幅に向けた具体的な動きもほとんどない。これは、4車線化整備の目安となる交通量が1日1万台とされるなかで[5]、すでに整備済みの猪苗代磐梯高原IC-会津若松ICの東側区間が1万3千台数えるのに対し、未整備区間の会津若松より西の区間で最大の区間でも8千台余り(新潟中央-新津間)という交通量の実績(いずれも2010年度)[5]がそのまま反映された形となっている。路線全体で見ても対面通行区間の延長は未だ95.2kmと道路全体の約半分にのぼるため、特に路面状況が悪化する冬季期間においては安全面の問題が指摘されている。
磐越道は太平洋と日本海を単独で結ぶ国内唯一の高速道路であり[5]、東日本大震災や新潟・福島豪雨の際には指定道路として緊急車両や資材運搬車両の往来に活用され、被災地を支える“命の道”として機能したほか[5]、震災以降新潟東港の取り扱いコンテナ量が増えたため磐越道を通行する大型車の数が増えるなど[6]、その重要性も見直されている。
こうした状況を踏まえ福島県と新潟県の沿線の8つの商工会議所は、2012年5月7日に北陸地方整備局、同年5月10日に東北地方整備局に、それぞれ全線4車線化に向けた要望書を連名で提出した[7][8]。これに対し北陸整備局長は「次の4車線化の候補にはなってくると思われる」「財源の問題、交通量を踏まえ今後の検討課題」と応じ[7]、東北整備局長も「縦軸ばかりでなく、横方面の安定した交通軸は重要」と回答している[8]。
道路管理者
- 東日本高速道路東北支社
- いわき管理事務所 : いわきJCT - 小野IC
- 郡山管理事務所 : 小野IC - 猪苗代磐梯高原IC
- 会津若松管理事務所 : 猪苗代磐梯高原IC - 津川IC
- 東日本高速道路新潟支社
- 新潟管理事務所 : 津川IC - 新潟中央IC
ハイウェイラジオ
- 五百川(郡山JCT - 磐梯熱海IC)
- 新津(新津IC - 新潟PA)
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 |
---|---|---|
いわきJCT-会津若松IC | 4=2+2 | 80km/h |
会津若松IC-新潟PA | 2=1+1 | 70km/h |
新潟PA-新潟中央JCT | 4=2+2 | 100km/h |
新潟中央JCT-新潟中央IC | 40km/h |
IC・SA・PA・一部のトンネル付近に追越車線あり。安田ICと新津IC付近の追越車線は80km/h。
交通量
区間 | 平成17年度 (2005年度) |
平成22年度(2010年度) | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
台数 | 混雑度 | ||||
いわきJCT-いわき三和 | 9,132 | 10,469 | 0.23 | 福島県 | |
いわき三和-小野IC | 9,361 | 10,858 | 0.25 | ||
小野IC-船引三春IC | 9,490 | 10,941 | 0.28 | ||
船引三春IC-郡山東IC | 10,579 | 12,164 | 0.20 | ||
郡山東IC-郡山JCT | 10,155 | 11,229 | 0.20 | ||
郡山JCT-磐梯熱海IC | 14,001 | 13,843 | 0.25 | ||
磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC | 14,206 | 14,119 | 0.25 | ||
猪苗代磐梯高原IC-磐梯河東IC | 12,887 | 13,475 | 0.19 | ||
磐梯河東IC-会津若松IC | 10,175 | 11,031 | 0.17 | ||
会津若松IC-新鶴PA | 6,808 | 7,288 | 0.48 | ||
新鶴PA-会津坂下IC | 6,963 | 0.50 | |||
会津坂下IC-西会津IC | 6,419 | 6,402 | 0.45/0.88 | ||
西会津IC-津川IC | 6,203 | 6,111 | 0.91/0.47 | ||
新潟県 | |||||
津川IC-三川IC | 7,132 | 7,106 | 0.93 | ||
三川IC-安田IC | 7,101 | 7,152 | 0.93 | ||
安田IC-新津IC | 7,566 | 7,561 | 0.59 | ||
新津IC-新津西SIC | 8,246 | 8,451 | 0.58 | ||
新津西SIC-新潟中央JCT | |||||
新潟中央JCT-新潟中央IC | 6,667 | 16,246 | 0.40 |
渋滞
テンプレート:出典の明記 テンプレート:独自研究 通常期には渋滞することはほぼないが、ゴールデンウィーク・お盆などの繁盛期になると一部区間で渋滞が発生する。
いわきJCT - 郡山JCTは常磐道と共に東北道の迂回ルートとして機能しており、一部区間で数km程度の渋滞が発生する場合があったが、4車線化に伴って解消しつつある。また、東北道下りの安達太良SAや福島トンネルを先頭とする渋滞が郡山JCTを過ぎて磐越道下りの郡山東IC付近まで延びてくることもある。
また、会津若松IC以西の対面通行区間でも一部区間で数km程度の渋滞が発生することがある。
以前は会津若松IC - 磐梯熱海IC、いわきJCT - 郡山JCTの間も対面通行でお盆やゴールデンウィーク、紅葉シーズンなどに激しい渋滞が発生していた。
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist テンプレート:脚注ヘルプ
関連項目
外部リンク
- NEXCO東日本 コーポレートサイト - 東日本高速道路(公式サイト)
- ↑ 一例として、東北道本宮ICから名神高速彦根ICまでの料金(普通車・ETC割引なし)は、首都高速・東名高速経由の14,600円に対して、磐越道・北陸道経由では12,400円となる。
- ↑ 東北道/常磐道・磐越道 ルート選択で快適なドライブを! - ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ
- ↑ 3.0 3.1 東日本大震災を踏まえた高速道路の料金について - 国土交通省 報道発表資料 2011年6月8日
- ↑ 高速自動車国道へのインターチェンジの追加設置について(報道発表資料) - 国土交通省
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 7.0 7.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 8.0 8.1 テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:PDFlink - 国土交通省道路局
- ↑ テンプレート:PDFlink - 国土交通省道路局