田川市
テンプレート:Infobox 田川市(たがわし)は、福岡県の中央部に位置する市である。
筑豊地方を構成する自治体の一つ。 田川地区の中心都市であり北九州都市圏に属している。
筑豊を代表する都市の一つで、飯塚市、直方市と並んで筑豊三都に挙げられる。
炭坑節発祥の地としても知られ、筑豊最大の炭都であった歴史を活かしたまちづくりが行われている。
福岡県立大学が立地している。
地理
田川市は福岡県のほぼ中央部に位置し、北九州市中心部から南南西約30km、福岡市から東北東約50km、行橋市から西約20kmの地点にある。旧豊前国に属していたこともあって北九州市や行橋市などの京築地域との関係が深く、北九州都市圏の都市圏#直接通勤圏5%圏域に属する。
北を除いて、東、西、南の三方を山々に囲まれている。東には田川のシンボルでもある香春岳、西には船尾山、南には全国的に霊峰として知られる英彦山を主峰とする山々が並ぶ。平野部には、英彦山を源流とする彦山川と中元寺川が流れ、下流の平野部と結ばれている。
気候
三方を山に囲まれた内陸部に位置するため、冬季は放射冷却で冷え込みやすく、雪が降ると積雪することもある。夏季は真夏日になる日が多く、35度以上になる日もある。
河川
- 彦山川
- 中元寺川
- 金辺川
隣接している市町村
地名
- 川宮(旧後藤寺町)
- 奈良(旧後藤寺町)
- 弓削田(旧後藤寺町)
- 伊加利(旧伊田町)
- 伊田(旧伊田町)
- 夏吉(旧金川村→伊田町)
- 糒(旧金川村→伊田町)
- 位登(旧猪位金村)
- 猪国(旧猪位金村)
- 栄町(1966年、伊田より発足)
- 新町(1966年、伊田・川宮より発足)
- 中央町(1966年、伊田より発足)
- 千代町(1966年、奈良・伊田・川宮より発足)
- 日の出町(1966年、伊田より発足)
- 平松町(1966年、奈良・伊田より発足)
- 丸山町(1966年、奈良より発足)
- 伊田町(1967年、伊田より発足)
- 魚町(1967年、伊田より発足)
- 春日町(1967年、奈良より発足)
- 上本町(1967年、奈良より発足)
- 寿町(1967年、伊田より発足)
- 桜町(1967年、奈良・川宮より発足)
- 白鳥町(1967年、伊田より発足)
- 大黒町(1967年、奈良より発足)
- 西本町(1967年、奈良より発足)
- 番田町(1967年、伊田より発足)
- 本町(1967年、奈良より発足)
- 宮尾町(1967年、奈良より発足)
歴史
明治から1960年代にかけて
明治末から、田川は三井を中心とした炭鉱の街として繁栄した。1900年、三井田川鉱業所が設立されると、仕事を求めて全国から移住者が訪れた。
田川は筑豊最大の炭都として栄え、1943年、後藤寺町と伊田町が合併し、田川市が誕生。戦後、1950年代には人口が10万人を突破した。
しかし、1960年代のエネルギー革命でエネルギー源が石炭から石油に転換すると、石炭産業にかげりが見え始めた。1964年、ついに三井田川鉱業所は閉山し、田川の石炭産業はその歴史に幕を閉じた。
閉山から現在まで
炭鉱の閉山後、全盛期の半分近くまで人口は減少したが、産業構造の転換に向けた取り組みが行われている。
工業では、北九州工業地帯に近い地の利を活かして炭鉱跡地を工業団地として再生し、企業の誘致が進められている。1992年には、医療・福祉の人材の育成を目指し、伊田地区に福岡県立大学が設立された。
炭鉱住宅や失業の問題も残っているが、現在も復興・自立に向けた努力が続けられている。
市域の変遷
- 1883年 東夏吉村、西夏吉村、新所村が合併し、夏吉村が成立。
- 1887年 以下のように村の合併が行われる。
- 上伊田村・中伊田村・下伊田村 → 伊田村
- 上弓削田村・下弓削田村・見立村 → 弓削田村
- 後藤寺村・宮尾村 → 奈良村
- 川原弓削田村・宮床村 → 川宮村
- 猪膝村・金国村 → 猪国村
- 上糸村・下糸村 → 位登村
- 1889年4月1日 町村制度施行により、現在の市域にあたる以下の4村が発足。
- 田川郡
- 伊田村 - 伊田村、伊加利村が合併。
- 弓削田村 - 弓削田村、奈良村、川宮村が合併。
- 金川村 - 夏吉村、糒村が合併。
- 猪位金村 - 猪国村、位登村が合併。
- 田川郡
- 1905年 弓削田村川宮のうち、宮床地区を糸田村に編入。
- 1907年4月1日 弓削田村が町制施行し、後藤寺町に改称。
- 1914年1月1日 伊田村が町制施行。伊田町となる。
- 1933年5月1日 伊田町が金川村を編入する。
- 1943年11月3日 後藤寺町・伊田町が対等合併し、市制施行。田川市となる。
- 1955年1月1日 猪位金村(猪国の一部を除く)を編入(猪国の一部は山田市に編入)。
歴代市長
- 坂田九十百(1950年-1979年)6期
- 滝井義高(1979年-2003年)6期
行政
市長
- 伊藤信勝(3期目)
- 任期:2015年4月29日
市議会
- 条例定数:20人(法定上限議員定数:30人)
- 任期:2015年5月1日
消防
- 田川地区消防本部
警察署
人口
教育
大学
高等学校
- 福岡県立西田川高等学校
- 福岡県立東鷹高等学校(旧田川東高等学校)
- 福岡県立田川科学技術高等学校
- ※田川農林高等学校(香春町)・田川商業高等学校(添田町)・田川工業高等学校の3校統合による新設校。
- 福岡県立田川高等学校(※所在地は香春町)
- 私立福智高等学校(旧九州商業高等学校)
中学校
- 田川市立中央中学校
- 田川市立田川中学校
- 田川市立後藤寺中学校
- 田川市立弓削田中学校
- 田川市立伊田中学校
- 田川市立鎮西中学校
- 田川市立金川中学校
- 田川市立猪位金中学校
小学校
- 田川市立田川小学校
- 田川市立後藤寺小学校
- 田川市立弓削田小学校
- 田川市立大浦小学校
- 田川市立伊田小学校
- 田川市立鎮西小学校
- 田川市立大藪小学校
- 田川市立金川小学校
- 田川市立猪位金小学校
学校教育以外の施設
産業
- 石炭産業とともに近代の田川市を支えてきたセメント産業は現在でも残っており、市西部の船尾山で麻生ラファージュセメントによる石灰石の採掘が行われている。
- チョコレート駄菓子として有名なチロルチョコを製造する松尾製菓の本社工場がある。
交通
鉄道
長距離バス
西鉄バス(西日本鉄道・西鉄バス筑豊)の長距離バスが運行されている。
- 田川市 - 飯塚市 - 福岡市
- 田川市 - 北九州市
一般路線バス
- 西鉄バス(西鉄バス筑豊) - 後藤寺バスセンター・西鉄後藤寺を拠点に、川崎町・添田町・福智町金田・糸田町方面に運行している。かつてはこれ以外に直方市・嘉麻市山田・大任町・福智町赤池・みやこ町・行橋市などへの路線もあったが、人口減、モータリゼーション進行、平成筑豊鉄道の開業などで廃止が進んでいる。
- 田川市コミュニティバス - 田川市が田川構内自動車に委託し6路線を運行している。
- 嘉麻市山田バス - 嘉麻市のコミュニティバスで、嘉麻市との市境近くにある坂谷地区と嘉麻市中心部の間を運行している。
- 大任町コミュニティバス - 大任町のコミュニティバスで、田川伊田駅を起終点とし、大任町内各地を通る。
道路
- 高速道路
- 市内には通っていない。最寄りインターチェンジは、九州自動車道小倉南インターチェンジ、東九州自動車道行橋インターチェンジなど。
- 一般国道
- 国道201号 - 市の中心市街地の北側を東西に通る。西は飯塚市・福岡市などに、東は行橋市・苅田町などに通じる。
- 国道322号 - 中心市街地を貫き北東から南西に延びる。北東は北九州市に、南西は朝倉市・久留米市などに通じる。
- 主要地方道
空港
主要都市までの距離
- 福岡県
- 大分県
祭り・イベント
- 川渡り神幸祭(5月) - 風治八幡神社に伝わる伝統の祭り。2日間にわたり、彦山川を2基の神輿と11基の山笠が渡る。福岡県の5大祭りの1つ。福岡県の無形民俗文化財にも指定されている。
- 岩戸神楽 - 春日神社に伝わる祭り。江戸時代から伝えられている。神幸祭(5月)、夏越祭(8月)神待祭(10月)の際に奉納される。福岡県の無形民俗文化財にも指定されている。
- 伊加利人形芝居 - 正月初巳の日に人形芝居を奉納する。福岡県の無形民俗文化財にも指定されている。
- TAGAWAコールマイン・フェスティバル(11月) - 炭坑節まつりとも呼ばれており、2日間にわたり開催される。
名所・観光スポット
- 石炭記念公園 - 炭坑節にも歌われた2本の煙突や巻き上げ機が保存されている。
- 田川市石炭・歴史博物館 - 田川の炭鉱関係の資料、古代から現代までの歴史、山本作兵衛の絵巻などを展示している。石炭記念公園に隣接。
- 田川市美術館
- 田川文化センター・青少年文化ホール
- 風治八幡神社 - 川渡り神幸祭の舞台となる神社。田川伊田駅近くにある。
- 春日神社 - 岩戸神楽の舞台となる神社。田川後藤寺駅近くにある。
- 丸山公園 - 後藤寺地区にある桜の名所。
- 成道寺公園 - 伊田地区にあるツツジの名所。
- 岩屋鍾乳洞
- ロマンスヶ丘
- 夏吉のボタ山
- 夏吉古墳群
- 大法山天慎寺
田川市を舞台とした作品
- 「青春の門」 - 五木寛之原作の小説。
- 「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜 (映画)」 - リリー・フランキー原作。
出身者
- 滝井義高 - 元田川市長。
- 武内享 - ギタリスト。
- 大土井裕二 - ベーシスト。
- バカリズム - お笑い芸人。
- 中ノ森文子 - シンガーソングライター。
- 藤田山忠義 - 元力士。
- 真木ひでと - 歌手。
- 緒方賢一 - 声優。
- 中島かずき - 劇作家。
- りゅうこうじ - ドラマー。
- 坂本博之 - 元プロボクサー。
- 猿渡寛茂 - 元プロ野球選手。
- 大久保弘司 - 元プロ野球選手。
- 香月清人 - 柔道家。
- 手嶋多一 - プロゴルファー。
- 小田孔明 - プロゴルファー。
- 辻村明須香 - 女子プロゴルファー。
- タイガー立石 - 画家、漫画家。
- 安部慎一 - 漫画家。
- 末松保和 - 歴史学者。
- 宮成なみ - 料理研究家。
- 渡邉文男 - 実業家。
出身ではないがゆかりのある人物
- 山下洋輔 - ジャズピアニスト。小学校3年生時から中学校一年生の半ばまで田川市で過ごす。出身は東京都。
- 宅麻伸 - タレント。田川市立大薮小学校卒業。出身は岡山県玉野市。
- 山倉和博 - 元プロ野球選手(巨人軍)。出生地ではあるが、出身地は愛知県大府市としている。
- IKKO - メイクアップアーティスト・ヘアメイクアーティスト、タレント。 福岡県立西田川高等学校卒業。出身は田川郡福智町。
- 井上陽水 - 歌手・音楽プロデューサー。福岡県立西田川高等学校卒業。生まれは嘉穂郡幸袋町(現・飯塚市)で、少年時代のほとんどを田川郡糸田町で過ごした。
- 平山泰朗 - 衆議院議員。出生地ではあるが、出身地は長崎県壱岐市としている。
- 高良健吾- 俳優。両親(転勤族)の実家は田川市である。出身地は熊本県熊本市。
外部リンク
- 炭坑節のふるさと田川市(公式ホームページ)