江戸川乱歩の美女シリーズ
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『江戸川乱歩の美女シリーズ』(えどがわらんぽのびじょシリーズ)は、テレビ朝日系列の2時間ドラマ「土曜ワイド劇場」(毎週土曜日21:00 - 22:51)で放送されていたシリーズのひとつ。1977年から1994年にかけて放送。全33回。
目次
概要
従来テレビでは子供向け作品の映像化が多かった江戸川乱歩作品を大人向け作品に絞って映像化し、トップ女優の官能的な演技とヌードシーン(主に入浴シーン。主演級の女優のヌードの多くは吹き替えとされる)を盛り込み、現代風にアレンジした。短編原作ものをはじめ、ほとんど原作の影をとどめていないオリジナル脚本同然の作品も少なくない。物語終半の、変装の名人でもある名探偵・明智小五郎が変装を解くシーン(別俳優との入れ替えによる。ただし第8作目「悪魔のような美女」では天知が変装した人物も元から演じていたため二役だった)が恒例となっている。ベテラン井上梅次監督が大部分を手がけ、時にエンディングクレジットを中断してドラマを再開したり、明智に視聴者へ向けて語らせるなど、いい意味のケレン味を発揮した独自のタッチは今なお人気が高い。また、音楽は全作品とも鏑木創が担当しているが、有名なテーマ曲は第6作目の「妖精の美女」より使用されている。製作は松竹だが、初期脚本を担当した宮川一郎をあわせ、監督、明智役、第一作主演女優が新東宝出身者であり、同社末期のモダニズムとキッチュ感が混合したような独自の雰囲気も再現されている。
天知茂が明智に扮して1977年から他界する1985年まで25作品が制作され、その後北大路欣也が2代目明智に扮し1986年から1990年まで6作品、西郷輝彦が3代目明智に扮し1992年と1994年に2作品が制作されており、作品数は全33作を数える。天知主演25作品と北大路主演の6作品はフィルム撮影のテロップ打ち込み式だが、西郷主演の2作品はVTR撮影である。
天知茂主演の25作品が「江戸川乱歩シリーズ」としてDVD化されているほか、2009年1月7日には北大路欣也主演、西郷輝彦主演の8作品をまとめたDVDボックスが発売された。
美女シリーズ以外の江戸川乱歩作品
「美女シリーズ」とは別に『土曜ワイド劇場』では江戸川乱歩原作の作品を制作している。
- 「名探偵・明智小五郎シリーズ」
- 稲垣吾郎を明智役としたシリーズ。『陰獣』と『三角館の恐怖』を原作とし制作し、1998年と2000年に2作品制作(変装を解くシーンもあり)。
- 『明智小五郎VS金田一耕助』
- 2005年制作。松岡昌宏が明智役、長瀬智也が金田一耕助役を演じたを制作している(ドラマオリジナルの作品)。明智は探偵ではなくプロファイリングの専門家で大学教授という設定で、変装を解くシーンもない。サブタイトルには、「妖しい傷痕の美女」とつけられていた。
登場人物
- 明智小五郎
- 数々の難事件を解決してきた、探偵の中の名探偵。
- 愛車はダイハツ・シャルマン→マツダ・ルーチェ(天知版)マツダ・RX-7→日産・グロリア→アウディ・100(北大路版)
- 文代
- 明智の美人助手。原作では「魔術師」の玉村文代で、明智と結婚する。
- 小林(青年)
- 明智の助手。
- 波越(警部)(第2作 - 最終作)
- 警視庁刑事部捜査一課の警部。明智の親友。
- 恒川(警部補)(第1作のみ)
- 警視庁の警部補。明智を頼りにしている。
天知茂版
キャスト
- 明智小五郎 - 天知茂
- 文代 - 五十嵐めぐみ(第1話 - 第19話)、高見知佳(第20話 - 第23話)、藤吉久美子(第24話、第25話)
- 小林(少年) - 大和田獏(第1話)、柏原貴(第6話 - 第19話)、小野田真之(第20話 - 第25話)
- 波越(警部) - 荒井注(第2話 - 第25話)
- 恒川(警部補) - 稲垣昭三(第1話)
ゲスト
- 第1作(1977年) 「氷柱の美女」
- 第2作(1978年) 「浴室の美女」
- 第3作(1978年) 「死刑台の美女」
- 第4作(1978年) 「白い人魚の美女」
- 第5作(1978年) 「黒水仙の美女」
- 第6作(1978年) 「妖精の美女」
- 第7作(1979年) 「宝石の美女」
- 第8作(1979年) 「悪魔のような美女」
- 第9作(1979年) 「赤いさそりの美女」
- 第10作(1979年) 「大時計の美女」
- 第11作(1980年) 「桜の国の美女」
- 第12作(1980年) 「エマニエルの美女」
- 第13作(1980年) 「魅せられた美女」
- 第14作(1981年) 「五重塔の美女」
- 第15作(1981年) 「鏡地獄の美女」
- 第16作(1981年) 「白い乳房の美女」
- 第17作(1982年) 「天国と地獄の美女」
- 第18作(1982年) 「化粧台の美女」
- 第19作(1982年) 「湖底の美女」
- 第20作(1983年) 「天使と悪魔の美女」
- 第21作(1983年) 「白い素肌の美女」
- 第22作(1984年) 「禁断の実の美女」
- 第23作(1984年) 「炎の中の美女」
- 第24作(1985年) 「妖しい傷あとの美女」
- 第25作(1985年) 「黒真珠の美女」
スタッフ
- 原作 - 江戸川乱歩
- 脚本 - 宮川一郎、井上梅次、長谷川公之、ジェームス三木、櫻井康裕、成沢昌茂、吉田剛、篠崎好、江連卓、池田雄一、山下六合雄
- 音楽 - 鏑木創
- 監督 - 井上梅次、村川透、長谷和夫、貞永方久、永野靖忠
- 撮影 - 平瀬静雄
- 美術 - 猪俣邦弘
- 絵画製作 - 田口雅巳
- 録音 - 島田満
- 照明 - 石渡健蔵
- 編集 - 鶴田益一
- 助監督 - 増田彬
- 記録 - 真下栄子
- 美粧 - 細井栄子
- メーク - 三岡洋一
- 進行 - 鞠子政巳、平田一夫
- 装置 - 田村武男
- 装飾 - 安田道三郎
- 調音 - 松竹録音スタジオ
- 現像 - 東京現像所
- 衣装 - 松竹衣装
- 製作主任 - 石和薫
- 衣装協力 - 三松
- インテリア協力 - ドレクセル
- プロデューサー - 佐々木孟
- 製作担当 - 森文弥
- 製作 - 松竹、テレビ朝日
放送日程
- 第17作「天国と地獄の美女」と第20作「天使と悪魔の美女」は二部構成。
- 第19作「湖底の美女」をもって、シリーズ刷新のため、井上梅次監督とレギュラーの五十嵐めぐみ(文代役)・柏原貴(小林少年役)が降板している。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原作 | 美女役 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1977年テンプレート:08月20日 | 氷柱の美女 | 『吸血鬼』 | 三ツ矢歌子 | 宮川一郎 | 井上梅次 | 12.6% |
2 | 1978年テンプレート:01月テンプレート:07日 | 浴室の美女 | 『魔術師』 | 夏樹陽子 | 20.7% | ||
3 | 4月テンプレート:08日 | 死刑台の美女 | 『悪魔の紋章』 | 松原智恵子 | 宮川一郎 井上梅次 |
15.6% | |
4 | 7月テンプレート:08日 | 白い人魚の美女 | 『緑衣の鬼』 | 夏純子 | 宮川一郎 | 14.5% | |
5 | 10月14日 | 黒水仙の美女 | 『暗黒星』 | ジュディ・オング | 宮川一郎 井上梅次 |
15.3% | |
6 | 12月30日 | 妖精の美女 | 『黄金仮面』 | 由美かおる | 長谷川公之 | 14.0% | |
7 | 1979年テンプレート:01月テンプレート:06日 | 宝石の美女 | 『白髪鬼』 | 金沢碧 | 宮川一郎 井上梅次 |
13.0% | |
8 | 4月14日 | 悪魔のような美女 | 『黒蜥蜴』 | 小川真由美 | ジェームス三木 | 15.4% | |
9 | 6月テンプレート:09日 | 赤いさそりの美女 | 『妖虫』 | 宇津宮雅代 | 長谷川公之 | 16.9% | |
10 | 11月テンプレート:03日 | 大時計の美女 | 『幽霊塔』 | 結城しのぶ | 23.4% | ||
11 | 1980年テンプレート:04月12日 | 桜の国の美女 | 『黄金仮面II』 | 古手川祐子 | 櫻井康裕 | 15.9% | |
12 | 10月テンプレート:04日 | エマニエルの美女 | 『化人幻戯』 | 夏樹陽子 | ジェームス三木 | 19.5% | |
13 | 11月テンプレート:01日 | 魅せられた美女 | 『十字路』 | 岡田奈々 | 成沢昌茂 井上梅次 |
20.0% | |
14 | 1981年テンプレート:01月10日 | 五重塔の美女 | 『幽鬼の塔』 | 片平なぎさ | 櫻井康裕 | 21.6% | |
15 | 4月テンプレート:04日 | 鏡地獄の美女 | 『影男』 | 金沢碧 | 吉田剛 | 19.7% | |
16 | 10月テンプレート:03日 | 白い乳房の美女 | 『地獄の道化師』 | 片桐夕子 | 宮川一郎 | 20.1% | |
17 | 1982年テンプレート:01月テンプレート:02日 | 天国と地獄の美女 | 『パノラマ島奇談』 | 叶和貴子 | ジェームス三木 | 16.6% | |
18 | 4月テンプレート:03日 | 化粧台の美女 | 『蜘蛛男』 | 萩尾みどり | 宮川一郎 | 17.6% | |
19 | 10月23日 | 湖底の美女 | 『湖畔亭事件』 | 松原千明 | 16.0% | ||
20 | 1983年テンプレート:01月テンプレート:01日 | 天使と悪魔の美女 | 『白昼夢』(大筋は『猟奇の果て』) | 高田美和 | 篠崎好 | 村川透 | 12.6% |
21 | 4月16日 | 白い素肌の美女 | 『盲獣』(大筋は『一寸法師』) | 叶和貴子 | 長谷和夫 | 13.3% | |
22 | 1984年テンプレート:01月テンプレート:07日 | 禁断の実の美女 | 『人間椅子』 | 萬田久子 | ジェームス三木 山下六合雄 |
貞永方久 | 18.9% |
23 | 11月10日 | 炎の中の美女 | 『三角館の恐怖』 | 早乙女愛 | 江連卓 | 村川透 | 22.4% |
24 | 1985年テンプレート:03月テンプレート:09日 | 妖しい傷あとの美女 | 『陰獣』 | 佳那晃子 | 池田雄一 | 永野靖忠 | 24.7% |
25 | 8月テンプレート:03日 | 黒真珠の美女 | 『心理試験』 | 岡江久美子 | 山下六合雄 | 貞永方久 | 26.3% |
※視聴率はビデオリサーチ社調べによる関東地区のもの
北大路欣也版
キャスト
- 明智小五郎 - 北大路欣也
- 文代 - 佐藤万理(第1話 - 第4話)、高見恭子(第5話 - 第6話)
- 小林(少年) - 小西邦夫(第1話 - 第3話)、岡崎浩一(第4話 - 第6話)
- 波越(警部) - 坂上二郎
ゲスト
- 第1作(1986年) 「妖しいメロディの美女」
- 小早川涼子 - 夏樹陽子
- 俵田真一郎 - 有馬昌彦
- かたせ梨乃
- 第2作(1987年) 「黒い仮面の美女」
- 第3作(1987年) 「赤い乗馬服の美女」
- 結城志摩子 - 叶和貴子
- 伸子 - 蜷川有紀
- 結城剛三 - 根上淳
- 結城宏行 - 志垣太郎
- 第4作(1988年) 「日時計館の美女」
- 郷田千賀子 - 真野響子
- 林千絵 - 朝加真由美
- 遠藤 - 西田健
- 郷田万喜子 - 水野久美
- 第5作(1989年) 「神戸六甲まぼろしの美女」
- 第6作(1990年) 「妖しい稲妻の美女」
スタッフ
放送日程
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原作 | 美女役 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1986年7月テンプレート:05日 | 妖しいメロディの美女 | 『仮面の恐怖王』 | 夏樹陽子 | 吉田剛 | 池広一夫 | 19.9% |
2 | 1987年1月10日 | 黒い仮面の美女 | 『凶器』 | 白都真理 | 貞永方久 | 17.0% | |
3 | 8月15日 | 赤い乗馬服の美女 | 『何者』 | 叶和貴子 | 篠崎好 | 17.9% | |
4 | 1988年5月14日 | 日時計館の美女 | 『屋根裏の散歩者』 | 真野響子 | 吉田剛 | 村川透 | 16.4% |
5 | 1989年8月26日 | 神戸六甲まぼろしの美女 | 『押絵と旅する男』 | 南條玲子 | |||
6 | 1990年4月14日 | 妖しい稲妻の美女 | 『魔術師』 | 佳那晃子 | 池広一夫 | 15.8% |
※視聴率はビデオリサーチ社調べによる関東地区のもの
西郷輝彦版
キャスト
ゲスト
- 第1作(1992年) 「からくり人形の美女」
- 第2作(1994年) 「みだらな喪服の美女」
スタッフ
放送日程
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原作 | 美女役 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1992年7月4日 | からくり人形の美女 | 『吸血鬼』 | 美保純 | 吉田剛 | 永野靖忠 | 15.5% |
2 | 1994年1月8日 | みだらな喪服の美女 | 『白髪鬼』 | 杉本彩 | 鷹森立一 | 13.4% |
※視聴率はビデオリサーチ社調べによる関東地区のもの