日産・グロリア

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グロリアGLORIA )は、プリンス自動車工業日産自動車1959年から2004年まで製造・販売していた上級セダンである。

概要

初代BLSI型グロリアは初代ALSI型スカイラインの派生モデルとしてスタート。4代目230型からはセドリック姉妹車となり、2つを併せて「セド・グロ」と呼ばれた。セドリックと共に、同クラスのトヨタ・クラウンとは、自家用車をはじめタクシーハイヤーパトカー教習車などの法人需要でも長年の競合車種であった。

歴史

初代 BLSI型系(1959年 - 1962年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 プリンス自動車工業(発売開始当時は富士精密工業と称した)が製造・発売していた。開発期間を短縮する観点からALSI型スカイラインのボディーを流用し、シートや内・外装を高級化した。

  • 1958年10月 - 第5回全日本自動車ショウ(後の東京モーターショー)に「スカイライン1900」として出品。
  • 1959年1月 - 初代グロリア(BLSIP-1型)発売。直列4気筒OHV1,862cc GB30型エンジンを搭載。戦後一般発売された日本車では初の3ナンバー車となった(翌1960年まで5ナンバー規格は1,500cc以下だったため)。
  • 1961年2月 - BLSIP-3型発表。
    • 8月 - リエージュ・ソフィア・リエージュラリーに出場するが、リタイア。
  • 1962年 - リエージュ・ソフィア・リエージュラリーに出場するが、リタイア。

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2代目 S40型系(1962年 - 1967年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 ワイドアンドローのプロポーションを持つフラットデッキスタイルを特徴とする。ショルダーをぐるりと一周するモールから「ハチマキグロリア」と呼ばれるが、シンプルな原型の外装をプリンス会長の石橋正二郎が認めなかった[1]ため、市販型では車体随所(ボンネットフード上中央にまで)に多量のモールを追加するデコレートが施された逸話がある。また試作車のデザインがシボレー・コルヴェアにそっくりであったため、デザインを修正したというエピソードも残る。構造面では先代同様のトレー型フレーム、およびリアサスペンションのド・ディオンアクスルを採用。当初は在来型の改良である直列4気筒1,900ccエンジンのみで、のち6気筒モデルを追加した。クーラー等のオプション類も充実したが、自社のトラック向け技術の応用でノンスリップデフのオプション搭載も可能としていた。上位グレードのスーパー6・グランドグロリアは日産・セドリック・スペシャルやクラウン・エイトセンチュリー(いずれもトヨタ)と共に国内の貴賓用として主に用いられたが、特にグロリアは宮内庁に多数納入され、各宮家にも愛用されていた。これはプリンス自動車が御料車プリンス・ロイヤル開発を受託する布石の一つにもなったとされる。量販グレードの販売実績はクラウンやセドリックなどの競合車に比して振るわなかったものの、プリンスの日産自動車合併後まで生産が続行された。

  • 1962年9月 - S40型にモデルチェンジ。
  • 1963年6月 - 直列6気筒 SOHC「G7型」(1,988cc、105ps)を搭載した「グロリア・スーパー6(S41D-1型)」を追加。日本製量産乗用車として初のSOHCエンジン搭載車であると同時に、小型車唯一の6気筒車であった。以後トヨタ、日産、三菱も追随する。

同じエンジンを搭載した「6エステート」と呼ばれるステーションワゴン(5ナンバー)、および「6ワゴン」と呼ばれる商用バン(4ナンバー)も存在した。

  • 1964年5月 - スーパー6をベースとした上位モデルのグランドグロリア(S44P型)発売。エンジンはG7型を元に排気量拡大・4バレルキャブレター装備としたG11(2,484cc・130ps)を搭載、3ナンバーモデルが復活。当時のカタログデータでは最高170km/hを公称。パワーウインドウなどの快適装備を充実させ、外装モールも更に追加、内装には西陣織を用いた豪華仕様。宮内庁向けにホイールベースを僅かに延長した特装モデルが少数製作されており、明仁皇太子(今上天皇)が私用車として自ら運転していた。
    • 同年のマイナーチェンジにより、オプションで2速AT「スペース・フロー」を追加。
  • 1966年8月 - プリンスと日産の合併に伴いニッサン・プリンス・グロリアとなる。
モータースポーツ
  • 1964年5月 - 第2回日本グランプリT-IVクラスにGR7A型エンジンを搭載したグロリアスーパー6が出場。競合するトヨタ・クラウンなどを退けて圧勝を飾った。

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3代目 A30型系(1967年 - 1971年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 車名が「日産・グロリア」となる。ただし、車検証の車名は「プリンス」だった(元々プリンスにて、「S6系」として開発が進められていた)。フロント両サイドに縦に並んだ4灯式ヘッドランプが、グロリア同様プリンスで開発され日産合併後に発表された日産・プリンスロイヤルと似ていることから(但しボディーパーツの共用はない)、当時「ロイヤルルック」と称された。またやはりその特徴的なフロントデザインから「縦目グロリア」「タテグロ」などの愛称でも呼ばれる。同様のデザインが1960年代のアメリカ車キャディラックポンティアック等)にも見られ、アメリカ車的雰囲気を持つことからのちに「代用アメ車」としての人気も高まり、40年以上たった今でも高い人気を保ち続けている。発売当初のグレード体系は上から、スーパーデラックス、スーパー6(以上6気筒)、スタンダード(4気筒ガソリン・LPG)、それとバンデラックス(6気筒)、バンスタンダード(4気筒)を用意。末期にはスーパーデラックスを豪華に仕立てたGLが追加された。6気筒車にはAT車も設定され、個人タクシーで多く使われた。合併劇の最中も開発が進行していたため、セドリックとの部品共用化が推し進められた。端的な例としては、リアサスペンションに用いられていた伝統のド・ディオンアクスルが廃止され、単純なリーフリジッドとなった(但し、本モデルからモノコックボディになるなど、進歩した面もある)。6気筒エンジンはプリンス直系のG7型を搭載し(PA30)、4気筒は当初から日産製H20型を搭載していた (A30) 。東京地区の標準仕様価格はスーパー6が101万5000円。スタンダードが75万5000円であった。

  • 1967年4月 - モデルチェンジ。
  • 1968年10月 - マイナーチェンジ。フェイスリフト等。
  • 1969年11月 - マイナーチェンジ。6気筒エンジンが日産製のL20型に変更される(HA30)。

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4代目 230型系(1971年 - 1975年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 このモデル以後、セドリックと基本構造を統一した姉妹車バッジエンジニアリング)となる。セドリックとの違いはボンネットフード、ラジエーターグリル、テールランプ、ホイールカバー、フードマスコット等。また、車検証の車名も「ニッサン」となる。当初のボディバリエーションは2ドアハードトップ、セダンの2種。セドリックに設定のあったワゴンはグロリアには設定されなかった。エンジンは直列4気筒OHV H20型、直列6気筒SOHC L20型、同L20型SUツインキャブ仕様(ハイオク/レギュラー)の他、H20P型LPGエンジン、SD20型OHVディーゼルエンジンが設定された。サスペンションは前輪ダブルウイッシュボーン。後輪はリーフリジッドであった。キャッチフレーズは「小さなタメ息が生まれる•••大きなグロリア」。

  • 1971年2月 - 発売。
    • 10月 - 直列6気筒SOHC2,565cc L26型搭載モデルを追加。
  • 1972年7月 - マイナーチェンジ。フロントマスクのデザインを変更と同時に前期型グロリアの特徴であったフードマスコットが廃止される。
    • 8月 - 4ドアハードトップを追加。日産のオリジナリティとして2ドアと同様のピラーレスハードトップを採用した。
  • 1973年4月 - 2600のマイナーチェンジでバンパーにオーバーライダーを追加。ディーゼルエンジン以外に48年排気ガス規制対策を施し、ハイオク仕様を廃止。リアスタビライザーを装備。「26004ドアハードトップカスタムDX」、およびバンを追加。

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5代目 330型系(1975年 - 1979年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 エンジンは排ガス対策の困難なSUツインキャブは廃止され、主力となる2,000ccはL20型シングルキャブ仕様のみ。2,600ccは2,800ccに拡大され、セダンのタクシー仕様は4気筒2,000ccのH20P型LPG仕様のみ。全車が50年排出ガス規制適合。エクステリアでは、当時流行したサイドウインドのホップアップラインを強調したデザインだった。ヘッドライトはセダン・バンと4ドアハードトップが丸型4灯、2ドアハードトップが角型2灯。セドリックとグロリアの違いはフロントグリルとテールランプの造形違いのみとなった。キャッチフレーズは「アダルトのグロリア」。

  • 1975年6月 - 発売。
    • 10月 - 2000GL-E/SGL-Eを追加。触媒装置その他で80 - 90kg増加した2,000cc車の非力を補う目的でもあった。また230系以来の5速MTも復活した。
  • 1976年6月 - 乗用車は51年排出ガス規制適合で331型へ。4ドアハードトップに角型ヘッドライト・ボディ同色ホイールカバーを追加したFタイプを追加。また、GL仕様のホイールカバーがSGL仕様のホイールカバーと同一となる。セダン、ハードトップの型式が統一される。
  • 1977年6月 - マイナーチェンジ。最高級グレード2800E「ブロアム」を追加。グロリア初のSD22型OHV2200ディーゼルエンジン搭載車をセダンとバンに設定。4ドアハードトップは主力を角目ライトのFタイプに移行したため既存の丸目ライトの4ドアハードトップはフロアMTのみに車種整理。4ドアハードトップのコラムシフト車も廃止(次の430系で設定車あり)。ハードトップ車にアルミロードホイールがオプション設定される。
  • 1978年11月 - 乗用車の53年排出ガス規制適合で332型へ。2800ブロアム並みの装備を取り入れた2000SGL-Eエクストラをセダンと4ドアハードトップに追加。ハードトップ系ブロアムとSGL-Eエクストラにラジアルタイヤを標準装備。2800SGLを廃止し、2800SGL-Eに変更。
   

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6代目 430型系(1979年 - 1983年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 L20S型を除くガソリン全車にECCSと呼ばれるエンジン統合制御システムが導入された初の国産車であり、また日本初のターボエンジン搭載車である。エンジンはL28E型、L20ET型、L20E型、L20S型のガソリンSOHCストレート6、LD28型のSOHCディーゼルストレート6。SD22型のOHVディーゼル。このほかタクシー用にLPG4気筒・Z20Pと6気筒・L20Pが存在する。またワゴンも設定。グレードはブロアム、SGLエクストラ、SGL、GLが基本でハードトップ専用としてSGL-F(後にジャックニクラスバージョン<後期のターボ車>)、ターボS、カスタムSがある。セダンはそれに加えカスタムデラックス、デラックス、スタンダード。ワゴンはGLのみ、バンはカスタムデラックス、デラックス、スタンダードである。ディーゼルモデルは初期はSD22のみでセダンとバンのみ設定。GL(セダンのみ)、DX、STD(セダン・バン)グレードとなる。ただしSD22エンジン車は1979年中(セダンGL/DX)、1981年4月(バンとセダンSTD)に消滅[2]。キャッチフレーズは「サイレント・グロリア」、「グロリアの歴史は高級車の歴史」。

  • 1979年6月 - モデルチェンジ。
    • 年10月 - 6気筒ディーゼル(LD28型)エンジン搭載車追加。フロアATのみ設定。
    • 12月 - 日本初のターボエンジン(L20ET型)搭載車を発表・発売。5速MTのみ。
  • 1980年2月 - LD28エンジン搭載車にフロア5MT(VL-6・VS-6・VO-6)、コラム4MT(VO-6)追加。
    • 4月 - ターボブロアム(ATのみ)を追加。既存のターボにもAT車を追加。またハードトップ200Eに固定式ガラスサンルーフ・3ウェイツートンカラーを持つSGL-Fを追加(マイナーチェンジでジャックニクラスバージョンに発展)。
    • 9月 - バン/ワゴンのLD28エンジン搭載車にマニュアル車を追加。
  • 1981年4月 - マイナーチェンジ実施。2.8L車は大型カラードバンパーを採用。ハードトップのターボ車にグロリア専用としてジャックニクラスバージョンを追加(当初はパックオプション扱い)。
  • 1982年6月 - 200E/200Eターボ/280EのATをフルロックアップ付き電子制御4速化。これにより25%も燃費向上。ディーゼル車は昭和57年排出ガス規制に適合。バンのガソリン車(L-V431型)は56年排出ガス規制適合。

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7代目 Y30型系(1983年 - 1999年)

ハードトップ・セダン:1983年 - 1987年 テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 エンジンは、長年に渡って搭載されていた直列6気筒SOHCのL型エンジンに代わり、国産量産初ガソリンV型6気筒OHC(VG型)のVG30E型、VG20ET型、およびVG20E型と直列6気筒SOHCディーゼル LD28型。このほか廉価グレード用に直列4気筒SOHC CA20S型、タクシー用に直列4気筒LPG仕様・CA20P型が存在する。1984年2月に直列6気筒LPG・L20P型、1984年6月に3,000ccターボ付のVG30ET型が追加。グレードはブロアム、SGL、グランデージ(前期型は限定発売、後期型では1986年1月に正式モデル化)、GLを基本とし後に最上級グレードであるブロアムVIP(1984年1月~6月はVG30E、1984年6月以降はVG30ET)が追加された。ハードトップ専用グレードとしてジャックニクラスバージョン[3]、アストロード(1985年6月までターボS)、カスタムS(1985年6月まで)、セダンにはカスタムデラックス、デラックス、スタンダード。ワゴンにはGL、カスタムデラックス(1985年6月まで)、デラックス。バンにはカスタムデラックス、デラックス、スタンダードとなる(1987年6月のバンのV6追加時にGL追加)。ヘッドランプは異型2灯としたが、バンおよび教習車、タクシー向けの「スタンダード」は丸型4灯を設定。ワゴン、バンには、左側のラゲッジルームウィンドウが外側から開閉できる機能を先代に引き続き設定。Y31型にモデルチェンジ後もワゴン・バンは、セドリックワゴン・バンと同様に1999年8月まで継続生産されており、実質的な後継車種のステージアが登場するまでは、セドリックワゴン・バンと同様に、官公庁向けの公用車や、首都圏京阪神など大都市圏の地域ではワゴンタクシーとして使用されていたほか、長い期間にわたって継続生産されていたことから、レトロカーやカスタムカー愛好者にも根強い人気がある。

  • 1983年6月 - 4ドアハードトップ、4ドアセダン、ステーションワゴン、バンがモデルチェンジ。
  • 1984年6月 - VG30ETエンジン搭載車追加。ブロアムVIPがVG30ETエンジンに移行(カタログにはVG30Eエンジン搭載車のブロアムVIPを受注生産とする記述あり)。セダンとハードトップの最上級グレードのブロアムVIP、ハードトップのジャックニクラスバージョン(メーカーオプション)には電子制御式オートレベライザーが標準装備。これは、乗員やトランク内荷物の増減に従って生ずる車高の低下(尻下がり)をエア・サスペンションに依って補正するシステムである。
  • 1985年6月 - マイナーチェンジで内外装を変更。VG20ET型がジェットターボ仕様となったほか、ディーゼルエンジンがLD28型に替わり新設計のRD28型となる。430型のターボ車以来の「ターボS」に代わって「4ドアハードトップV20ターボアストロード(Y30系前期では限定車で発売)」が追加されたほか、「ワゴンV20E SGL」、「ワゴン280D-6 GL」が追加された。一部グレードにスーパーソニックサスペンションと呼ばれる超音波感知式電子制御サスが用意された。
  • 1986年1月 - アストロード及びL20P搭載のブロアム追加。
    • 3月 - 一部改良、RD28エンジン搭載のA/T車のロックアップ制御を電子制御式に変更。
    • 11月 - 一部改良。駐車灯が廃止され、フロント合わせガラスとリヤシート中央にシートベルトを追加[4]
  • 1987年1月 - 特別仕様車グランデージG及び4ドアハードトップのターボアストロードG追加。
    • 6月 - セダンとハードトップが販売終了。ワゴン/バンはそのまま継続販売となった。同時にバンに2LのV6エンジン搭載車を追加。このモデルはワゴンと同じフォグランプ内蔵の角目ライトの顔を持つ。グレードはDX/カスタムDX/GLの3種類。AT車も選べた。
  • 1989年3月 - 一部改良。A/Tシフトロック追加。
  • 1991年6月 - ハードトップが9代目に移行後もセダンは8代目、ワゴン/バンは7代目を継続生産。
  • 1993年8月 - RD28ディーゼルエンジン搭載車廃止。
  • 1994年3月 - バン/ワゴンを一部変更。エアコンは代替フロン化されサイドドアビーム・ハイマウントストップランプ・後席左右に3点式シートベルトを装備[5]
  • 1995年11月 - 10代目登場に合わせ、ワゴン/バンがマイナーチェンジ。バンは全車V6エンジン搭載車のみに集約と同時に6人乗りのマニュアルコラムシフト車が廃止。ワゴンにはルーフレールの追加とベンチシート&コラムATのSGLリミテッドを追加。その他コストダウンのためシート素材の変更と一部装備の廃止。運転席エアバッグをワゴン全車に標準装備。
  • 1997年8月 - 一部改良[6]
  • 1999年8月 - 販売終了。ワゴンはセフィーロワゴンプリメーラワゴンステージア、バンはエキスパートが受け皿となった。

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8代目 Y31型系(1987年 - 1999年)

ハードトップ:1987年 - 1991年

セダン:1987年 - 1991年

セダン一次改良車: 1991年 - 1995年

セダン二次改良車: 1995年 - 1999年

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 ボディはピラーレスハードトップとプレスドアのセダン。なお、セダンとハードトップモデルが同時にモデルチェンジを受けるのは、このY31型が最後となる。セダンは1999年までY31型が継続生産され、セドリックセダンと統合される形で消滅した。エンジンはガソリンエンジンはVG30ET、VG30E、VG20DET、VG20E。プロパンモデルとしてRB20P、CA20P。ディーゼルエンジンはRD28。VG20DETを初搭載したモデルでもあり、同時にグロリア史上(姉妹車のセドリックにとっても)初のDOHCエンジン搭載モデルとなる。トランスミッションは電子制御4速ATの設定が全グレードに設定されたが、VG20EとRD28には5速フロアMTも設定されていた(VG20E車はグランツーリスモ、クラシックSV、クラシック、スーパーカスタム、RD28はクラシック、スーパーカスタム)。ハードトップのコラムAT車は廃止され、セダンのコラムマニュアル車は営業車のみになった。一部グレードを除きリアサスペンションがセミトレーリングアームIRSとなった。ブロアムVIPには電子制御エアサス装着車が設定されていた。後の定番グレードとなるグランツーリスモ(ハードトップVG20DETグランツーリスモSV、グランツーリスモ、VG20Eグランツーリスモ)が初登場。高級車らしからぬスポーティさとVG20DET型エンジンの高い動力性能で若々しいイメージを持ち込みヒット作となった。また、フロアAT車のパーキングブレーキが足踏み式化された。

  • 1987年6月 - モデルチェンジ。
    • 9月 - VG20E型エンジン車に「ブロアム」追加。
  • 1988年6月 - セダンVG20DET車に「グランツーリスモSV」及び「RD28スーパーカスタム6人乗り」追加。AT車にシフトロックシステム採用。
  • 1989年3月 - パーソナル キーの材質をステンレスに変更。
    • 6月 - マイナーチェンジ。後期モデルからVG20DET車に世界初の電子制御5速ATが設定された。同時にVG20DET型エンジン搭載車にインタークーラーを装着し、ハイオク化され、185psから210psに向上した。VG20DETブロアムが3ナンバー化された。デジタルメーターをオプション設定。
  • 1990年8月 - VG20E・RD28車に「ブロアムセレクション」(3ナンバー車)を追加。VG20DET車ブロアムに5ナンバー車復活。
  • 1991年3月 - VG20E・RD28車に「クラシックS」を追加。
    • 6月 - セダンマイナーチェンジ。大幅変更を行う。ハードトップはY32型へ移行。
  • 1995年8月 - セダンマイナーチェンジ。3ナンバー車の外装はグリル、ヘッドランプ、およびバンパーのデザインを変更。5ナンバー車の外装はグリルとテールランプ変更。「V20EクラシックSV」、および「V20EスーパーカスタムG」を追加。
  • 1999年8月 - セドリックセダン系に統合されるかたちで生産終了。

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9代目 Y32型系(1991年 - 1995年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 時代の流れを受けボディは3ナンバーとなり、Y31系シーマに搭載されていたVG30DET、VG30DEを搭載するモデルも登場する。このモデルチェンジでセンターピラーを有するピラードハードトップとなり安全性や耐久性が大幅に向上、高い走行性能を支える強固な骨格も実現された。エンジンはガソリンエンジンがVG30DET、VG30DE、VG30E、VG20E、ディーゼルエンジンはRD28が搭載された。トランスミッションはMTがラインナップから無くなり全車ATのみとなる。VG30DE、VG30Eは電子制御5速ATを搭載、VG30DET、VG20E、RD28は電子制御4速ATが搭載された。先代で好評だったグランツーリスモ系には丸型4灯のヘッドライトが与えられより強い印象に仕立てられた。グレードは発売当初はグランツーリスモSV、グランツーリスモ。そしてVG30DET型エンジンを搭載するトップグレードのグランツーリスモアルティマが新たに追加された。一方のブロアム系は角型2灯のノーブルな雰囲気に仕立てられ、同じボディを使用して廉価仕様のクラシック系も用意された。トップグレードから順にブロアムVIPエアサスペンション仕様、ブロアムVIP・Cタイプ、ブロアムG、ブロアム、クラシックSV、クラシックとなる。ブロアムVIP系はグランツーリスモアルティマ同様全車VG30DETを搭載する。また、グランツーリスモ系とブロアム系・クラシック系でフロントバンパーのデザインが異なる。その為、グランツーリスモ系の方がほんの僅かに全長が長い(20mm)。

  • 1991年6月 - ハードトップがモデルチェンジ。セダンは先代モデルのY31型を継続生産。
  • 1992年2月 - グランツーリスモにお買い得装備を追加したグランツーリスモS追加。
    • 6月 - バーチャルビジョンメーターや専用シート地などの専用装備を奢った最上級グレードのグランツーリスモアルティマLVが追加。
  • 1993年6月 - マイナーチェンジ。ブロアム・グランツーリスモ系共に若干のフェイスリフトを受けると同時にグレードも若干整理された。ブロアムGがブロアムVに変わる。廉価仕様のクラシック系が廃止され、ブロアムJとなる。ブロアム系の全長がグランツーリスモ系と同じ。
  • 1994年6月 - グランツーリスモアルティマ・グランツーリスモSV・ブロアム(VG30DET・VG30DEモデル)にSパッケージ追加。
    • 9月 - V20Eグランツーリスモ追加。今まで全車3リッターだったグランツーリスモにVG20Eを搭載したモデルである。
  • 1995年1月 - V20Eブロアム追加。VG20E型にE-ATを組合わせる。

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10代目 Y33型系(1995年 - 1999年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 エンジンはVQ30DET、VQ30DE、VG30E、ディーゼルRD28が搭載された。新世代のVQ型ターボエンジンのVQ30DETはインタークーラーが装着され270psを発生する。トランスミッションは旧モデルのY32系で設定のあった電子制御5速ATが搭載されなくなり、電子制御4速ATに統一される(当時、日産の財政悪化によるコスト削減策)。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式。グレードはグランツーリスモアルティマ・タイプX、グランツーリスモアルティマ、グランツーリスモSV、グランツーリスモS、グランツーリスモ、ブロアムVIP、ブロアムV(1996年8月まで)、ブロアム、ブロアムJ。先代と同じく、グロリアではグランツーリスモアルティマを旗艦グレードとし、セドリックとの差別化が図られている。また、グランツーリスモ系の特徴である丸型4灯のヘッドライトも継承されている。運転席および助手席SRSエアバッグを全車標準装備とする。

  • 1995年6月 - モデルチェンジ。
  • 1997年6月 - 後期型にマイナーチェンジされると同時に、FR車にVQ25DE・V型6気筒2,500ccエンジン搭載車追加と4WDのアテーサE-TSも設定される(アテーサE-TS車は直列6気筒のRB25DETを搭載)。オドメータートリップメーターを液晶化した。
  • 1998年1月 - 特別仕様車としてVQ25DE車ブロアムプライムエディションとグランツーリスモプライムエディションを追加。
    • 5月6日 - 特別仕様車としてVQ30DE車ブロアムプライムエディションとグランツーリスモプライムエディション、VQ25DE車ブロアムエクストラエディションとグランツーリスモエクストラエディションを追加。

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11代目 Y34型系(1999年 - 2004年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 先代までの「グランツーリスモシリーズ」のダイナミックさをグロリアの個性とする「1ブランド1モデル」とした。基本的なスタイリングポルシェデザインが担当した。搭載エンジンは直噴技術であるNEO Diシステムを採用したV型6気筒DOHC VQ30DD型(240ps)、VQ25DD型(210ps)、280psを発生するターボ付VQ30DET型、および4WD車専用の直列6気筒DOHCターボ付RB25DET型(260ps)の4機種。

  • 1999年6月28日 - モデルチェンジ。
    • 11月 - 無段変速機「エクストロイドCVT」搭載グレード「300ULTIMA-Z」および「300ULTIMA-Z Vパッケージ」発売開始。また、既販車に電動フェンダーミラー及びLSDがオプション設定される。
  • 2000年1月7日 - 40周年記念車およびオーテックジャパンの手による特別仕様車「オーテック」を発売。搭載エンジンはVQ30DET型。
    • 6月7日 - 特別仕様車「オーテック」のグレード名を「300AX」に変更し、VQ25DD型を搭載する「250AX」を追加。一部改良実施、一部に「プレミアムリミテッド」を追加した。
    • 10月30日 - 「グランツーリスモ」を一部グレードに設定。
  • 2001年12月4日 - マイナーチェンジ。フロントデザイン(エンブレムが日産マークに変更)および内装の一部仕様変更がなされたほか、グレードをグランツーリスモシリーズに統一した。特別仕様車「300AX/250AX」はセドリックのみに継続設定された。車名ロゴがセドリックと同様、NE-01の「GLORIA」に変更された。デジタルメーターのオプション設定を廃止した。
    • 2002年3月 - 第102回ニューヨーク国際オートショーに、Y34型をベースとする北米専用車「インフィニティ・M45」を出品。F50型シーマの北米向けである「インフィニティ・Q45」と同じVK45DE型エンジンを搭載する。
    • 9月 - RB25DETが260psから250psにダウン。
  • 2004年4月7日 - 特別仕様車「NAVIエディションII」、「NAVIエディションII本革パッケージ」を発売。エクストロイドCVT搭載グレード(3Lターボ車)廃止
    • 10月14日 - 後継車の「フーガ」登場に伴い、45年間の歴史に幕を閉じた。

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車名の由来

宮内庁と車両納入でつながりの深かった当時の富士精密工業(後のプリンス自動車工業)が、皇太子明仁(現・今上天皇)と正田美智子(現・皇后)の成婚を記念して、ラテン語で「栄光」を意味する「グロリア」の名が付けられた。

取扱販売店

もともと、プリンス店チェリー店と全系列取扱店での取扱であったが、日産のディーラーがブルーステージとレッドステージの2系列への統合以降は、レッドステージ(プリンス店・サティオ店・チェリー店)とレッド&ブルーステージ(全系列取扱店)での取扱となった。

脚注

  1. 石橋は乗用車について、アメリカ車を範とする派手で見栄えのするスタイリングを好み、簡素なデザインを是認しない志向があった。
  2. なおセドリックのみ設定のあったSD20エンジンの200Dスタンダードは1981年4月以降はグロリアにも設定された。
  3. グロリア専用のグレード名でセドリックはターボF(前期)、アーバンX(後期)
  4. 道路運送車両の保安基準改正により、後部座席中央のシートベルト装備が義務化されたことによる措置。
  5. ワゴンの8人乗りコラムAT車も1995年11月まで休止。
  6. 日産社内の資料ではフルモデルチェンジしてWY30型になった事になっている。

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:NISSAN Timeline(初期) テンプレート:1980-1999 NISSAN Timeline テンプレート:NISSAN Timeline テンプレート:自動車