椎葉村
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テンプレート:Infobox 椎葉村(しいばそん)は、宮崎県の北西部にある村である。東臼杵郡に属する。
目次
地理
宮崎県内陸部の九州山地に位置しており、全体が山地で、村内には多くの山が存在する。このため南九州でありながら冬期は雪が積もることがある。村域の多くが九州中央山地国定公園に指定されている。
隣接市町村
地名
- 大河内
- 下福良
- 不土野
- 松尾
歴史
戦国時代には椎葉三人衆(向山城、小崎城、大河内城の那須氏)と呼ばれる豪族が支配していた。1618年(元和4年)、那須氏の間で対立が激化。1619年(元和5年)、幕府は阿倍正之、大久保忠成を派遣して事態の収拾を図らせた。徳川実紀によると住民1000人が捕らえられ140名が殺害されたという(椎葉山騒動)。以降、天領となり1656年(明暦2年)隣接する人吉藩の預かり地となった。
伝承としては、壇ノ浦の戦いで滅亡した平氏の残党が隠れ住んだ地の1つとされ、平美宗や平知盛の遺児らが落ち延びてきたという。那須氏はその出自ではないかともいわれる(那須大八郎と鶴富姫伝説)。
日本民俗学の先駆けである柳田國男は椎葉村でフィールドワークを行い、その経験をもとに『後狩詞記(のちのかりのことばのき)』(明治42年、1909年)を記した。これには当時の椎葉村長中瀬淳の協力も大きかったという。
近現代
ファイル:Shiiba Village Office 200810.jpg
椎葉村役場旧庁舎(2008年撮影、大字下福良1747番地20)
- 1873年 椎葉山中84か村が合併し向山村(のち不土野村)・大河内村・松尾村・下福良村が成立。
- 1889年5月1日 町村制施行。不土野村・大河内村・松尾村・下福良村が合併し椎葉村が成立。
- 1933年 富高(日向市街地) - 椎葉村間の県道(現在の国道327号)が開通。同時にバス路線も開設される。
- 1938年 九州帝国大学(現九州大学)が2900haの演習林(宮崎演習林)を取得する。
- 1949年4月1日 西臼杵郡から東臼杵郡へ所属変更。上述した県道開通により、日向方面との交流が深くなったため。
- 1998年12月25日 十根川地区が重要伝統的建造物群保存地区に選定される。
- 2010年9月30日 廃藩置県以来約140年間、隣接する熊本県水上村との境界が、国道388号付近で約1700メートルにわたり未確定だったが、官報で県の境界にわたる市町の境界の確定 (平成22年総務省告示第356号)が公示され、水上村との境界が確定。これにより椎葉村の面積は1.15平方キロメートル増加した[2][3]。
- 2012年4月1日 村役場新庁舎が竣工、旧庁舎から50メートル東の場所に移転[4]。なお同年3月19日より新庁舎で業務を開始していた[5]。
村政
- 村長:椎葉晃充 (1997年 - 、4期目)
国政・県政
国政
衆議院小選挙区選挙では宮崎2区(延岡・日向・西都・児湯郡・西臼杵郡・東臼杵郡)に属する。近年選出の議員は以下のとおり。
- 2009年8月(第45回衆議院議員総選挙)
- 2012年12月 (第46回衆議院議員総選挙)
宮崎県議会
テンプレート:Main 本村と美郷町、諸塚村、門川町で選挙区をなす。定数は2人。近年選出の議員は以下のとおり。
- 2007年4月
- 黒木正一 (無所属)
- 米良政美 (自民)
公共機関
国の行政機関
国立大学法人
経済
産業
- 主な産業:農業、林業。日本で唯一、焼畑農業を継承している地域がある。
姉妹都市
国内
地域
人口
教育
中学校
- 村立
小学校
- 村立
- 椎葉小学校
- 鹿野遊(かなすび)小学校
- 尾向小学校
- 不土野小学校
- 小崎小学校
- 大河内小学校
- 松尾小学校
交通
バス路線
一般路線バス
- 椎葉村営バス
- 仲塔線(大杉号、上椎葉 - 仲塔)
- 尾向線(みいけ号、上椎葉 - 尾手納)
- 川の口線(やんぼし号、上椎葉 - 川の口)
- 間柏原線(つちのこ号、上椎葉 - 辻)
- 不土野線(奥椎葉号、上椎葉 - 不土野)
- 本郷線(上椎葉 - 大河内・本郷)
- 大河内線(大河内・本郷 - 下の原・大藪橋)
道路
高速道路の最寄りインターチェンジは九州自動車道御船インターチェンジ、東九州自動車道日向インターチェンジなど。
一般国道
一般県道
村道
- 村道椎葉矢部線
- 村道椎葉五家荘線
- 村道松尾線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
ファイル:Miyazaki Shrine Grand Festival in 2008 Shiiba.jpg
椎葉平家まつり(宮崎神宮大祭「宮崎まつり百景」)
ファイル:Shiibamura miyazaki japan.JPG
椎葉村十根川(重要伝統的建造物群保存地区)
- 椎葉神楽(国の重要無形民俗文化財)
- 椎葉村十根川伝統的建造物群保存地区(国の重要伝統的建造物群保存地区)
- 那須家住宅(国の重要文化財、通称「鶴富屋敷」)
- 椎葉厳島神社
- 上椎葉ダム(日本初の100m級アーチダム)
- 日向椎葉湖(上椎葉ダムによる人工湖)
- 八村杉(国の天然記念物)
- 松尾のイチョウ(県指定天然記念物)
- 大久保の大ヒノキ(国の天然記念物)
- 椎葉平家まつり(11月)
脚注
参考文献
- 椎葉村・編 『椎葉村史』 1994年。
外部リンク
- 椎葉村
- 九州大学農学部付属宮崎演習林 - 九州大学農学部附属演習林
- 椎葉村十根川(山村集落 宮崎)文化遺産オンライン - 文化庁
- ↑ 地籍調査状況マップ・東臼杵郡椎葉村 - 地籍調査Webサイト 国土交通省 土地・水資源局
- ↑ 熊本・宮崎の一部、やっと県境決まる 廃藩置県後未画定朝日新聞、2010年10月2日閲覧
- ↑ 宮崎・熊本の県境確定 廃藩置県以来の課題解決共同通信、2010年10月2日閲覧
- ↑ 新庁舎に移転しました 椎葉村公式ウェブサイト、2012年4月4日。
- ↑ 3階建て新庁舎、落成式と見学会-椎葉村『夕刊デイリー新聞』2012年4月19日1面。