仏教系大学
仏教系大学(ぶっきょうけいだいがく)とは、仏教系の宗教団体が設立した大学。
概要
その性質上、古くは僧侶養成に重点が置かれていたが、信徒の教養教育、技芸教育にも力を入れるようになり、人文系、福祉系、教育系、医療系などの学部を有する。
沿革
インドにて、上記の目的を達成するため、治世者の援助で、ナーランダ大学、ヴィクラマシーラ大学などが設立され、法顕や玄奘などが遊学している。
東南アジア各国の場合
タイやミャンマー、スリランカなど、テーラワーダ仏教国では、国立や寺院立の大学が、後継者育成のために設立されている。
日本の場合
平安時代初期に、一般大衆向けの綜藝種智院が設立されたが、空海滅後に衰微し、比叡山や高野山などで僧侶養成のカリキュラムが構築された。
室町時代後期から江戸期にかけ、各宗派で檀林と呼ばれる僧侶養成機関が設立され、明治維新、学制改革を経て、今日の新制大学に至る。これらの大学は仏教系大学会議を結成し、音楽祭や単位互換制度、図書館相互利用制度などの交流活動を行っている。
設立の経緯から仏教学部、仏教学科を擁している場合が多く、佛教大学のように、名称に仏教を冠している大学もある(四天王寺大学も、2007年度まで四天王寺国際仏教大学を名乗っていた)。
戦後すぐまでの学生の割合は、寺院の後継者がほとんどであったが、2012年現在においては、一般家庭出身者の割合の方が高い。
ミッション系大学に対抗して「シャクソン系大学」(釈尊系)という呼び方も一部にある。
台湾の場合
国民党の統治開始以降、大陸から渡来した僧侶らによって、佛光山や法鼓山など各宗派が設立された後、後継者の育成、信徒の技芸教育のため、大学が設立され始めた。
韓国の場合
日本の統治終了後に復活した曹渓宗などの諸宗派によって、後継者の育成、一般の人々の技芸教育のため、東国大学校などの大学が設立され始めた。
欧米各国の場合
欧米各国に伝道した各宗派によって、大学がそれぞれ設立されている事例が見られる。
各国の仏教系大学
日本の仏教系大学
平安時代より前の仏教
平安仏教
天台宗系
真言宗系
鎌倉新仏教
浄土宗系
浄土真宗系
曹洞宗系
臨済宗・黄檗宗系
法華宗系
超宗派系
その他、仏教精神を冠する大学
インドの仏教系大学
スリランカの仏教系大学
タイの仏教系大学
- マハーチュラロンコーンラージャヴィドゥャ大学 - 公立
- モンクット仏教大学 - 公立
- ナコンラーチャシマー仏教大学 - 寺院立
- 国際仏教大学 (タイ)
ミャンマーの仏教系大学
- 国際仏教大学 (ミャンマー) - 国立