セーラー服と機関銃
テンプレート:Portal 『セーラー服と機関銃』(セーラーふくときかんじゅう)は、赤川次郎の長編小説。1978年(昭和53年)、主婦と生活社刊。1981年(昭和56年)に映画化、1982年(昭和57年)と2006年(平成18年)にテレビドラマ化されている。
シリーズ概要
父を事故で亡くし天涯孤独になった女子高生の星泉が、遠い血縁に当たる弱小暴力団「目高組」の四代目を継ぐことになり、4人の子分と共に対立するヤクザと戦う、というストーリー。続編に『卒業-セーラー服と機関銃・その後』(カドカワノベルズ)がある。
装丁について
初版である主婦と生活社の単行本の表紙や挿絵の星泉は、セーラー服ではなくブレザータイプの制服を着用している。
角川文庫で発刊されている本書のカバーは多くのバリエーションがあり、映画版の公開直前時は薬師丸ひろ子、テレビドラマ版オンエア直前時は原田知世、長澤まさみの写真で、他にもイラスト(最新の2008年発売版は中村佑介の絵である)となっている。
あらすじ
登場人物
映画
1981年12月19日、全国東映系で公開。角川映画の代表作の1つで、主演の薬師丸ひろ子の人気を決定づけた。製作費1億5千万円テンプレート:Sfn。『燃える勇者』との併映で、23億円の配給収入は1982年の邦画で1位となったテンプレート:Refnest。興行収入は47億円テンプレート:Sfn。主題歌も大ヒットした興行的成功作である一方、アートフィルムとも言える異色の映画でもあるテンプレート:Sfn。
キャスト
- 星泉 - 薬師丸ひろ子
- 佐久間真 - 渡瀬恒彦
- 三大寺マユミ - 風祭ゆき
- 目高組トリオ・政 - 大門正明
- 目高組トリオ・ヒコ - 林家しん平
- 目高組トリオ・メイ - 酒井敏也
- 高校生トリオ・智生 - 柳沢慎吾
- 高校生トリオ・哲夫 - 岡竜也
- 高校生トリオ・周平 - 光石研
- 黒木刑事 - 柄本明
- 松の木組組長・関根 - 佐藤允
- 浜口物産社長・浜口 - 北村和夫
- 萩原 - 寺田農
- 太っちょ・三大寺一 - 三國連太郎
- 星流志(目高組三代目組長) - 藤原釜足
- 尾田医師 - 円広志
- 関根旭(関根組長の伜) - 杉崎昭彦
- 火葬場係員 - 奥村公延
- 浜口物産・受付嬢 - 栗田洋子
- 刑事 - 斉藤洋介
- 太っちょ・ボディガードA - 石川慎太郎
- 太っちょ・ボディガードB - 瀬田素
スタッフ
- 制作 - 角川春樹、多賀英典
- プロデューサー - 伊地智啓
- 原作 - 赤川次郎
- 脚本 - 田中陽造
- 監督 - 相米慎二
- 撮影 - 仙元誠三
- 音楽 - 星勝
- 美術 - 横尾嘉良
- 録音 - 紅谷恒一、信岡実
- 照明 - 熊谷秀夫
- スチール - 正木輝明、小島由起夫[注 1]
- 編集 - 鈴木晄
- 助監督 - 森安建雄
- 製作担当 - 田中雅夫
- アシスタントプロデューサー - 山本勉
主題歌
ロケ地
- 代々木の踏切 - オープニングクレジット。[[[:テンプレート:座標URL]]35_40_56.9_N_139_41_50.4_E_region:JP 地図]
- 暁星学園 - 星泉と高校生トリオが通う高校。
- 太宗寺 - 地蔵菩薩坐像。
- 新宿センタービル - 浜口物産。
- 静岡県・伊豆・松崎町 - ふとっちょの山荘[1]。
- 栃木県・大谷資料館[注 2][2] - 星泉が十字架にはり付けにされる場面。
- 損保ジャパン本社ビル - 佐久間の名刺を紙吹雪にし、ハーモニカを投げ捨てるシーンの歩道橋。
- 伊勢丹新宿本店 - スカートがまくれ上がるラスト・シーン。
企画・製作準備
『セーラー服と機関銃』の映画化は『翔んだカップル』をやる前に相米監督自らが出した企画テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。キティ・フィルムの伊地智プロデューサーに女優が見つかれば実現可能だと言ってきたテンプレート:Sfn。
『翔んだカップル』が出来上がったころ、伊地智は自分の娘から当時まだ無名だった赤川次郎の小説『セーラー服と機関銃』が面白いと教えられ、その本に書いてあった赤川の住所が同じ団地だったこともあり、そのまま赤川宅に映画化の相談に訪れ、すぐに脚本作成に入ったテンプレート:Sfn。
ところが、相米監督は自らが出した企画にもかかわらず、リアリティが無く映画化しずらい話だとも話しているテンプレート:Sfn。
主役の星泉役に薬師丸ひろ子を使うため、薬師丸の所属する角川春樹事務所に出演交渉を行うが、事務所は薬師丸の他社映画への出演を拒絶した[3]テンプレート:Sfn。そこで、伊地智は相米監督を使って、事務所を経由せずに直接薬師丸に脚本を渡し読ませたテンプレート:Sfn。脚本を非常に気に入った薬師丸が角川春樹を説得、予想外に早くOKの返事が来て、キティ・フィルムと角川春樹事務所が提携して映画を製作することになったテンプレート:Sfn[3]。
問題は提携の具体的中身だったが、本音では角川とは組みたくなく、特に製作だけは絶対に譲りたくなかった伊地智の思惑通り、製作は完全にキティ、宣伝は角川が担当するという分担になったテンプレート:Sfn[注 3]。角川側は金を半分出しているだけで、映画の製作過程や出来上がった作品について文句をつけることはなかったテンプレート:Sfn。
製作
1981年夏、当時東京都立八潮高等学校2年生だった主演の薬師丸の夏期休暇に合わせ、東京・新宿周辺でのロケを主体に撮影された。
撮影開始に際し、監督の相米は薬師丸をショートカットの髪型にさせている[注 4]。
薬師丸ひろ子の初登場シーンはロングショットでブリッジをしていて、寄ると顔がセーラー服のリボンで隠れているというアイドル映画としては異例なものだったが、角川サイドは何も文句を言わなかったテンプレート:Sfn。
泉の学校に佐久間たちが迎えに来る「校門にやくざがずらりと並び、佐久間が校舎から出てきた泉を迎えて車に乗せる(ただし実際の目高組の組員は4名であり、後にこの時並んでいた組員は借物だと佐久間が泉に説明する)」シーンは、暁星学園の学園正門を使って撮影された[注 5]。
新宿通りを暴走するシーンは本物の暴走族が参加しての一発撮り。周辺住民から騒音の苦情が出たため、スタッフ2名が警察の事情聴取を受ける[3]。
薬師丸が機関銃を撃って有名な台詞をつぶやくシーンでは、破裂して飛び散ったビンの破片テンプレート:Refnestが薬師丸の鼻のすぐ脇に当たり、出血を伴う軽傷を負った[4][注 6]。薬師丸本人はこの負傷に気づかなかったがテンプレート:Refnest、すぐ脇に立っていた渡瀬恒彦は気づき、薬師丸をかばう(手当てを受けさせるよう手配する)ようなそぶりを見せている。翌日、伊地智は預かっている薬師丸を負傷させてしまったお詫びに角川に出向くが、何の文句も言われないので拍子抜けしたテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest。映画撮影終了後に撮影された主題歌のレコードジャケット写真では、メイクによってこの出血が再現されている[5]。
ラストの薬師丸が極端に短い髪型に変わり、赤いハイヒールを履いて『七年目の浮気』のマリリン・モンロー風に地下鉄通風口からの風でスカートをひらめかせるシーンは伊勢丹新宿店の前(新宿通り)で撮影が行われた。薬師丸の演技は数百メートル離れた新宿東映会館上階から望遠レンズを用いて隠し撮りされている。薬師丸の周囲にエキストラを使っている以外は、たまたま居合わせた一般の人が薬師丸を取り巻いているテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest。
撮影は台風や薬師丸のケガのトラブルがあったので8、9日ぐらいの超過、予算も1千万円以内超過の1億8千万円と伊地智は実に穏やかだったと記憶しているテンプレート:Sfn。
歌手デビュー
テンプレート:Main 映画に関して何も注文をつけなかった角川春樹が、キティ・レコードが用意していた来生たかおの主題歌に「この主題歌は俺が聴いたなかで最低だよ。」とクレームをつけたテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest。また、相米監督はキティ・フィルムとキティ・レコードの社長多賀英典に「ラストシーンを考えると、主題歌は女性の方がいい。」と主役の薬師丸に歌わせると言い出した[3]。相米監督や榎戸助監督は薬師丸に同曲を歌わせ、カセットテープに録音したテンプレート:Sfn。この歌の出来が良かったので、角川には内緒で主題歌を薬師丸に変更しキティ・レコードからリリースすることになったテンプレート:Sfn[3]。薬師丸が歌うことで、角川は曲に対して何も文句を言えなくなったテンプレート:Sfn。
プロモーション
1981年11月29日に新宿アルタ前で行われたイベント"ひろ子DEデート"にはファン1万5,000人が集まり、映画宣伝イベントの動員記録となった[6]。
映画のプロモーションの一環として、薬師丸の同級生役で共演していた柳沢慎吾、光石研、岡竜也による「ひょうたん三銃士」というトリオが作られ、彼らが歌う「センセーショナルHIROKO」というレコードが製作された[7]。映画公開当時にはこの3人が出演しているPV映像も製作され、映画本編の上映前にはスクリーンでも流された。
封切り
封切り当初、東映宣伝部は5週間で配給収入12億円と予想したが、それさえ大風呂敷と思われていたテンプレート:Refnest。最終的に東映の歴代記録となる配給収入23億円を達成したテンプレート:Refnest。
『セーラー服と機関銃』の公開2日目(1981年12月20日)、大阪・梅田東映ほかでの舞台挨拶を予定していたが、徹夜組を含めた約8000人[注 7]のファンが上映3館に殺到したため、放水車を伴う機動隊まで出動し、舞台挨拶も上映も中止となった。その騒動は翌日のスポーツ新聞のみならず、一般新聞の社会面トップ記事にもなった[3][6][8]。その後、薬師丸が大阪を訪問するには、何年かの間、警察の許可が必要だった[9]。舞台挨拶を見られなかったファンは薬師丸を追って大阪空港へ殺到し、空港もパニックになる。空港を回避し新大阪駅に向かったが、そこにもファンがいて、結局、名古屋までタクシー移動し東京に戻ったテンプレート:Sfn。
映画館は連日満員御礼が続き。現在のような完全入れ替え制ではなかったためもあり、席が空かずに立ち見客があふれ、スクリーンの目の前に体育座りをして見ている人までいるという光景だった[10]。
また別の記事では1982年1月7日の銀座の映画館は扉が閉まらないほどの満員で壁に寄りかかる隙間さえなく、縦通路の床には二列縦隊で座り込んでいる観客もいる始末、観客は中高生が大半で男女比は半々ぐらいだったと紹介されているテンプレート:Refnest。
プロデューサーの伊地智はオーナーの多賀英典とともにドアが閉まらないほどの満員の劇場を訪れたテンプレート:Sfn。これまで映画を作っても観客の存在を実感することはなかったけれど、本当に自分たちの映画に観客がいることを初めて実感したテンプレート:Sfn。
評価
相米監督は、魚眼レンズやズームレンズを実験的に使ったが、やり過ぎだったと反省しているテンプレート:Sfn。
完璧版
相米作品の大きな特徴である長回しの手法が多用された結果、撮影時間が膨大になってしまったと言われ、同年暮れに公開された版は重要部分が大幅にカットされていた。
1981年12月19日に最初の版が公開されてから数か月後の1982年7月10日の夏には、カットされたシーンを付け加え、「完璧版」と称した長尺版が公開された。「完璧版」公開の際には、薬師丸が『野性の証明』で映画デビューした直後(1978年)、TBS系で放送された主演ドラマ『装いの街』が併映されている。なお、「完璧版」の公開初日には大学受験のために芸能活動を控えていた薬師丸が新宿東映会館に姿を見せ、報道陣のインタビューを受けるというハプニングもあった。
ソフト
2012年に、「角川ブルーレイ・コレクション」の一作品としてBD化された。
備考
- 有名な「カ・イ・カ・ン」という台詞は原作小説にはなく、本映画オリジナルのものである。
- 衣装の制服は本物の制服。何回も衣装合わせをしたが監督の気に入ったものがない状態の時、薬師丸が学校帰りに自分の学校(八潮高校)のセーラー服を着たまま撮影所に行くと、その姿を見た監督がそれを気に入り採用となった。映画公開後も、薬師丸は、そのセーラー服姿で山手線を使って通学していた[11]。
- 薬師丸が撃った銃はM3グリースガン。1977年までハドソン産業で製造されていた軟鋼板プレス製のモデルガンをベースに電気着火式へ改造したプロップであり、発射時に空薬莢は排出されず発砲炎だけが再現される構造となっていた。
- 泉(薬師丸)とマユミ(風祭ゆき)が劇中で口ずさむ歌は「カスバの女」。
- 浜口物産に殴り込みを駆けた時に浜口社長がホームシアターで観ていたのは、美空ひばりと江利チエミ主演の時代劇ミュージカル映画『ひばり・チエミの弥次喜多道中』(1962年)。当初は、東宝のミュージカル映画『ああ爆弾』を流したかったが、東宝が東映の映画には貸せないと断られたため、東映の『ひばり・チエミの弥次喜多道中』になった[12]。別説として、2代目快楽亭ブラックはホームシアターで観ていたのは市川右太衛門主演の『浪人八景』(1958年)か『浪人市場 朝やけ天狗』(1960年)ではないかと推測している[13]。映画評論家の垣井道弘もキネマ旬報誌上の座談会で「市川右太衛門が写ってましたね。」と発言している[14]。『ひばり・チエミの弥次喜多道中』には市川右太衛門は出演していない。結論を得るため、快楽亭ブラック (2代目)が、直接、相米慎二監督に確認したが、監督も映画の題名を知らなかった[13]。
- 浜口物産の高層ビルのエレベータ内で、星泉組長が佐久間と政の関係を怪しみ、「オタクひょっとしてェ、クルージング?」と尋ねているが、『クルージング』は1981年に日本公開されたゲイ(ホモ・セクシャル)を扱ったアメリカ映画。
- ラストシーンの伊勢丹前のゲリラ撮影では、一般の人が自由に動く中、助監督が仕込みのエキストラを誘導するためにエキストラとして参加してるテンプレート:Sfn、特に黒沢清助監督はラストカットで映画に映り込んでいるテンプレート:Sfn。
- それ以前の角川映画と同様、角川春樹がカメオ出演している(風鈴の屋台を引く男)。
- 仙元誠三キャメラマンも村川透監督の『遊戯シリーズ』がワンカット(長回し)が多く、自分も好きだったので、「ワンカットで行きましょう」と自分から監督に提案することもあったテンプレート:Sfn。
- 当初、東宝の正月映画第2弾1月15日公開の予定だったが、角川春樹が配給を東宝から東映に変更し、東映の正月映画となった[3]。東宝の正月映画はたのきんトリオの『グッドラックLOVE』テンプレート:Refnest。
- 映画公開当時、角川書店から出版されていた赤川次郎の本は、文庫が本作と『血とバラ』、単行本が『さびしがり屋の死体』、『悪妻に捧げるレクイエム』の計4冊しかなく、大規模なブック・フェアは出来なかったテンプレート:Sfn。中川は、角川映画のビジネスモデルが「文庫本を売るための映画作り」から「専属女優とそのファンのための映画作り」に本作から移行したと分析しているテンプレート:Sfn。
- 1983年1月3日にはTBSの「月曜ロードショー」で新春1回目としてTV初放送され、その半年後の9月26日には同局同枠「月曜ロードショー」で再放送された。
- 日本郵便が2006年10月10日に発行した特殊切手「日本映画Ⅱ」(現代の名作)(1980年〜2000年代公開)は、代表的な日本映画10作品を選定しているが、その1本に薬師丸主演の映画『セーラー服と機関銃』が選ばれた[15]。
テレビドラマ(1982年)
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists フジテレビ系列で1982年7月5日から9月20日まで毎週月曜日19:00 - 19:30(JST)に放送された日本のテレビドラマ。主演は原田知世。
本作は原田のデビュー作である[注 8]。
全体にコミカルな雰囲気が強調され、主人公・泉と同級生の恋愛も描かれている。原作と映画にあった、ラストシーンの泉と佐久間の関係も変更されている。
なお、本作はビデオやDVDで発売されていない。テンプレート:要出典範囲
キャスト
- 星泉 - 原田知世
- 渡辺周平 - 高柳良一
- 竹内智生 - 水上功治
- 奥沢哲夫 - 大野貴保
- アキラ - 新井康弘
- ダボ健 - 阿藤海(現・阿藤快)
- チョロ松 - 堀広道
- 三大寺真由美 - 風吹ジュン
- 星小鉄 - 高橋昌也
- 多々良品子 - 蔦恵美子
- 松丸豊 - 秋山武史
- 悦子 - 大泉成子
- 大倉直美 - 星直美
- 中本ヒロミ - 麻生えりか
- マネージャー - 中村有二
- 黒木刑事 - ベンガル
- 堂島耕一郎 - 金田龍之介
- 佐久間真 - 鹿内孝
スタッフ
主題歌
- 原田知世「悲しいくらいほんとの話」(作詞:来生えつこ、作曲:来生たかお、編曲:星勝)
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル |
---|---|---|
第1話 | 1982年7月テンプレート:05日 | 女子高校生組長誕生ス! |
第2話 | 7月12日 | うるわしのポリスマン |
第3話 | 7月19日 | くちづけが一個 |
第4話 | 7月26日 | 哀愁少女不良化物語 |
第5話 | 8月テンプレート:02日 | チョロの初恋物語 |
第6話 | 8月テンプレート:09日 | チャイナタウンで風になる |
第7話 | 8月16日 | 殺人犯にくちづけを! |
第8話 | 8月23日 | 嵐の夜になにかが起こる! |
第9話 | 8月30日 | フルーツパーラーで死にたい |
第10話 | 9月テンプレート:06日 | 壮絶!アキラの死 |
最終話 | 9月20日 | そして別れの時が来た |
そのほか
この作品で原田が撃ったのは、MGC社がモデルガン化していたXM177E2アサルトカービンを電気着火式に改造したプロップである。
テレビドラマ(2006年)
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 TBS系列の金曜ドラマ枠(毎週金曜日22:00 - 22:54[注 9]、JST)で2006年10月13日から11月24日まで放送された日本のテレビドラマ。主演は長澤まさみ。
TBS系でリメイクされ、主題歌は長澤まさみが星泉として歌った。また、主演の長澤はこの作品が連続ドラマ初主演でもある。
なお、山陽放送、熊本放送、長崎放送、大分放送、宮崎放送、南日本放送、琉球放送の地上デジタル放送では11月24日の最終回のみのサービス放送を行っていた。
登場人物
目高組
- 星 泉
- 演 - 長澤まさみ
- 本作のヒロインで、現役女子高生。母だけでなく、父まで亡くしてしまう。父がヤクザに殺されたことから、犯人を見つけるため、極道一家「目高組」の8代目組長を襲名する。特別な取りえもないが、責任感のある生真面目な少女。勉強もできず、ヤクザ用語をメモをとる。かなりの近視で、たびたび眼鏡を壊すため、ついにコンタクトになった。血を見るのが苦手で、すぐに気絶してしまう。武が死んだのは自分の責任と感じている。金造、健次、英樹が次々と殺されたため、復讐のために最終回で浜口組と黒木、そして三大寺に殴り込みをかけに行く。しかし、彼女の標的はあくまで人の心を狂わせるヘロインその物であり、ヘロインだけを攻撃して、一切人を殺すことも佐久間に殺させることもしなかった。結果的にそのことが組員の仇である浜口組、黒木、三大寺の壊滅に繋がる。
- 佐久間 真
- 演 - 堤真一
- 目高組の若頭。目高組を継げると思っていたが、辰夫の遺言を絶対のものとして、泉を組長として支えることにする。頭が固く融通がきかない、どこまでも仁義を通すキレ者。最終回で組を解散して以来4カ月ぶりに泉に会いに行くが、途中でヤクザのケンカの仲裁に入ったところドスで刺され亡くなる。
- 酒井 健次
- 演 - 中尾明慶
- 目高組の組員。金蔵の甥で、通称ケン坊。高校でイジメにあい、引きこもっていた。英樹と同じく、頼りない泉の組長就任に反対する。第6話で政治家の三大寺一を殺そうとするが浜口組に阻まれ、英樹を庇い幾多の銃弾を浴び亡くなる。
- 原作では最初に殺害されるが、本作では英樹と同時に死亡する。
- 西野 武
- 演 - 田口浩正
- 目高組のナンバー3。元コンピューターのエンジニアで、パソコンが得意。ネットで株式取引を行い、目高組を支えている。太り気味で、非常に汗っかき。面倒見がよい。第4話で浜口組から泉を庇い、組員にドスで刺され亡くなる。
- 原作では唯一生き延びた組員だが、本作では最初に死亡する。
- 酒井 金造
- 演 - 山本龍二
- 目高組のナンバー2で、目高組の補佐。浅草では「仏の金さん」と呼ばれている、痩せぎみの元刑事。第5話で浜口組にヘロインとの取引で健次を人質に取られ、一人で取引に向かうが健次を守るため黒木に拳銃で撃たれて亡くなる。原作には登場しないオリジナルキャラクター。
- 剛田 英樹
- 演 - 福井博章
- 目高組の組員。元暴走族のヘッドで、かなりキレやすい性格をしている。女子高生の泉が組長になることを、快く思っていない。長渕剛のファン。健次と同じく、三大寺一を殺そうと腹にダイナマイトを仕込んだがライターのガスが切れていた為、発火させることが出来ず、浜口組組員と蘭丸にドスで刺され亡くなる。組長に「攻める」より「守る」ほうがカッコいいと教えてもらった。
- 目高 辰雄
- 演 - 桂小金治
- 弱小の任侠集団である、目高組の7代目組長。肺炎にかかり、70過ぎで大往生する。甥である星貴志に、跡目を継がせようとしていた。星貴志の命日と同じ日であった。
その他
- 三大寺 真由美
- 演 - 小泉今日子
- 星貴志の葬儀に現れた、謎の女。貴志の恋人と名乗り、実際に親しかった。国会議員の三大寺は、実の父親。三大寺のヘロイン関与を警察に通報した。
- 三大寺 一
- 演 - 緒形拳(特別出演)
- 現職の国会議員で真由美の父親。星貴志の殺害に関わり、貴志の残したはずの「ある物」を探している。別名「太っちょ」と呼ばれている。最終話で自殺に使った銃はSIG P230。
- 原作では猟奇思考を持つ暴力団組長(映画版では新興宗教の教祖)だが、今作では裏で悪事を働く政治家に設定変更された。
- 星 貴志
- 演 - 橋爪淳
- 泉の父親。母が亡くなって以来、父娘水入らずで暮らしてきたが、第一話冒頭で交通事故で亡くなってしまう。後に、ヘロインに関わったことで、ヤクザに殺された可能性があることが判明する。
- 黒木 幸平
- 演 - 小市慢太郎
- 警視庁の刑事で、組織犯罪対応部の警部補。稲葉とコンビを組んでいるが、浜口とグルだったことを知られ、口封じのために稲葉を射殺する(同時に金造も殺害された)。使用している銃はコルト・ガバメント。怒りを買った蘭丸に刺されて死亡する。
- 稲葉 通男
- 演 - 井澤健
- 東北なまりの刑事で、黒木の部下。第5話で黒木の行動に不信感を抱き、尾行したところ、黒木がヘロインの取引を行っているところを目撃。拳銃で阻止しようとするが、黒木に撃たれて死亡する。
- 浜口 昇
- 演 - 本田博太郎
- 目高組に敵対する広域暴力団の組長。表向きには浜口物産の社長。
- 柴田 光明
- 演 - 中野英雄
- 浜口組の若頭。使用している銃はベレッタM92シルバーモデル。第3話で目高組に捕まった。
- 森 蘭丸
- 演 - 森廉
- 浜口組の一員。ナイフ使いがうまく、見事なリンゴの皮むきを見せる。浜口に対して絶対的な忠誠心を持つ。浜口に小言を言われたことでショックを隠しきれなかった。
- 岩倉 智男
- 演 - おかやまはじめ
- 泉の学校の教師。目高組組員が運動場に集結した際、スピーカーを片手に動揺していた。
- 常盤 和子
- 演 - 井端珠里
- 泉のクラスメート。原作では苗字が設定されていない。
- 金田 麗華
- 演 - 森本ゆうこ
- 小林 朱美
- 演 - 谷亜里咲
- ともに泉のクラスメート。原作に登場しないオリジナルキャラクター。
- 1階住人
- 演 - 杉浦双亮(360°モンキーズ)
- 常にバットを持っている青いジャージを着た男。つねにフルスイングで生きている。
- 手塚 勇次
- 演 - 田中幸太朗
- 第3話ゲスト。浜口組に雇われたヒットマン。佐久間に強い恨みを持ち復讐を誓うも、真実を知り裏の世界から足を洗う。
スタッフ
- 原作 - 赤川次郎
- 企画 - 伊與田英徳(TBS)
- 脚本 - いずみ吉紘
- 音楽 - 河野伸
- 音楽プロデュース - 志田博英
- 撮影 - 須田昌弘
- アクションコーディネイト - FCプラン
- 銃器 - BIGSHOT
- プロデュース - 石丸彰彦(TBS)
- 演出 - 平川雄一朗、加藤新
- 演出補 - 中前勇児、中井芳彦、飯田和孝
- 制作 - TBSテレビ
- 製作・著作 - TBS
主題歌
- 映画版主題歌のカバー。
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 2006年10月13日 | 女子高生組長誕生!! | 平川雄一朗 | 17.3% |
第2話 | 10月20日 | 女子高生組長の初仕事は涙の大乱闘!! | 14.2% | |
第3話 | 10月27日 | さらば愛しの人よ | テンプレート:09.6% | |
第4話 | 11月テンプレート:03日 | 愛した組員の死 | 加藤新 | 16.0% |
第5話 | 11月10日 | 愛し組員よ永遠に | 10.8% | |
第6話 | 11月17日 | 目高組の解散!! | 平川雄一朗 | 12.0% |
最終話 | 11月24日 | 涙の機関銃発射〜さらば女子高生組長 | 13.0% | |
平均視聴率 13.4%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
原作・旧作との違い
- 目高組の構成員が、組長の泉を除き、原作と旧作が4人なのに対し、今作は5人になっている。ただし、佐久間以外の構成員の名前が原作準拠になった上に、苗字が設定されている。
- 泉は本作では男女共学ではなく女子高に通っているため、智生や周平の登場はなく、友人たちとの関わり合いもあまり描かれていない。
- 原作と旧作では泉は好戦的で男勝りの負けず嫌いな性格だったが、本作では大人しく控えめな性格。また原作と旧作では元から強さと組の統率力を持っていたが、本作では戦いを通じて組長として成長していく。
- 旧作の一番の悪役である萩原が登場しない代わりに、黒木と(原作と旧作では小悪人的な存在だった)浜口がより凶悪な性格に変更されている。
- 泉は4代目ではなく、8代目の組長になる。
- 泉は高倉健の仁侠映画をレンタルして、ヤクザらしいセリフや身振りを独自に研究。浜口組とのやりとりで披露した。
- 第5話のBGMには目高組にちなんで「めだかの学校」が使われた。
- 本作では、映画版で有名な「カ・イ・カ・ン!」とセリフを呟くシーンはないが、劇中に流れるロッテのど飴のコラボCMでは引用されている。
放送
放送と同時に長澤まさみが出演している筆頭スポンサーであるロッテののど飴のコラボレーションCMをTBS系列限定でオンエアした。また、当クールより金曜ドラマのスポンサーにトヨタ自動車が復帰したが、テンプレート:要出典範囲
そのほか
- 泉の住んでいたマンションの部屋番号は「8940(語呂合せで(薬師丸))」となっている。
- 本作品で泉が撃っているのはMP40(短機関銃)であり、マルシン工業製のABS樹脂製モデルガンが電気着火式に改造されたプロップである。実在の同銃は第二次大戦中にドイツ軍が使用したことで広く知られているが、後に日本近隣で勃発した朝鮮戦争での中国軍やベトナム戦争中のベトコン勢力が使用したほか、同時期の米軍部隊の一部で員数外装備として保有されていた。現在テンプレート:いつでも南アフリカ共和国や中南米・アフリカ東部などで流通している。
モバイルゲーム
脚注
注釈
出典
参考文献
外部リンク
- テンプレート:Jmdb title
- テンプレート:Movielink
- テンプレート:Movielink
- セーラー服と機関銃 - Movie Walker
- セーラー服と機関銃 - 映画.com
- テンプレート:Movielink
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- テンプレート:ぴあ映画チラシ
- テンプレート:Cite video
- テンプレート:Cite video
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- TBSチャンネル
- TBSオンデマンド
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- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 「薬師丸ひろ子"カ・イ・カ・ン"はいかにして生まれたのか」(多賀英典氏インタビュー)、『FLASH』 2013年8月20・27日号。
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- ↑ 6.0 6.1 「永遠の名演技"カイ・・・カン!"」『昭和40年男』2013年2月号、クレタパブリッシング
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- ↑ 「セーラー服と機関銃特集 座談会」、『キネマ旬報』 1981年12月下旬号、P52。
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