サービス放送
サービス放送（サービスほうそう）は、放送局の新規開局を前に行われる試験放送の一環であるが、一部放送局では名目上サービス放送としていながらも事実上本放送同様の内容を放送されていることがある。
実例でも、移行期間中における地上デジタル放送がアナログ放送、中継局が基幹送信所と同様の編成で放送されたら事実上本放送ともいえる。
正式な本放送を前に実際に放送される内容とほぼ同じ形態で番組を進行し、製作担当者や出演者の最終的な「慣れ」、および機材操作・動作の確認をすると同時に、視聴者に対して放送局の番組を大々的にPRする目的でなされている。民放ではスポンサー提供がないため、CM枠は番宣や公益法人の啓蒙CMが流されるケースが多い。
地上波
地上波では、正式な開局日の1週間から1か月くらい前から放送するのが定番だが、長い例では、1967年11月1日のUHF第1次チャンネルプランにて予備免許を受けた民放テレビ局15局の内、主にその翌々年の4月1日に開局をした放送局の中では、約2～3ヶ月余もサービス放送を行ってから開局した局が多かった。一番長い例では、長野放送や岡山放送（いずれも両局とも現在は、フジテレビ系列）は、約3ヶ月強もの長きに渡って放送していた（詳細は、各放送局の「沿革」や「歴史」の項を参照のこと）。これは、その県で初のUHFテレビ局である局が、UHF放送普及を促進するために長く設定したためである。さらに同じフジテレビ系列の北海道文化放送は1972年1月14日からサービス放送が行われた。これは同年4月開局のため、通常通りの3月中旬からのサービス放送では地元開催の札幌オリンピックの中継を放送できないためであり、3か月近く前からのサービス放送という異例の形となった(ただし放送範囲は道央のみ)。
地上デジタル放送の例
移行初期における地上デジタル放送では本放送開始の2～3か月前から流す放送局も少なくなかった。特に静岡第一テレビが2005年11月1日本放送開始のところを5か月前の2005年6月1日からサービス放送を始めるといった例も存在する（ただし休日昼間は別編成の自社制作番組などを放送。日本テレビ送出番組のHD化と休日昼間を含めた完全なサイマル放送開始は同年9月1日）。また、これ以上早くサービス放送を開始する局も現れている。
衛星放送
現在、行われている有料放送（スカパー!、ケーブルテレビ向けの専門放送）では、正式に有料放送として開局する前に視聴料無料のノンスクランブル放送（但しケーブルテレビの場合はシステムの都合により無料放送が試聴できない場合がある）で番組を放送する事例がある。
WOWOW（日本衛星放送）は1991年4月1日に正式な有料本放送をするのに先駆けて、日本初の民間衛星放送であることをPRする目的で1990年12月1日から開局前日の1991年3月31日まで4か月間にわたる無料サービス放送を実施した。FOX bs238（現・FOXスポーツ&エンターテインメント）においても2011年10月1日から2012年9月30日まで1年間限定の無料放送を行っており、事実上のサービス放送だったが、2012年10月1日から正式な有料放送となったが、2013年2月にスカパー!プレミアムサービスでのサービス提供を開始するようになるまではケーブルテレビ局での配信を一時廃止した局も多かった。
またNHK衛星第1テレビジョンは1984年5月から、NHK衛星第2テレビジョンは1986年12月からそれぞれ試験放送として1989年5月まで放送を行っているが、当時は無料放送であったため事実上サービス放送と同じであった。
