スズキ・スイフト

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スイフトSWIFT)は、スズキの小型ハッチバックである。

概要

初代(日本国外の市場でいう3代目)はワゴンR+(現・ソリオ)プラットフォームを用いた廉価な小型車ということを強調した販売がされたが、2代目(日本国外の市場でいう4代目)は世界市場における販売を視野に入れボディ、デザイン、プラットフォームなど全てを一から開発、自動車の基本である「走る・曲がる・止まる」をしっかり作り込んだ車種として日本国内のみならず、世界各国から高い評価を得た。3代目(日本国外の市場でいう5代目)は2代目のキープコンセプトとしつつ、各部を新設計することでさらなる進化を遂げている。

初代からジュニアWRCに参戦しており、ジュニアWRC参戦車をイメージしたホッテストハッチ、スイフトスポーツ(SWIFT SPORT)も高い評価を得ている。

初代は日本国外ではイグニス(IGNIS)の名前でも販売されていたが、2代目から世界共通でスイフト(SWIFT)とされている。

歴史

初代(HT51S 2000年-2006年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2000年1月24日 - 初代スイフト発表(発売は2月9日)。Keiと同じサイドパネルやドアを使い、クロスオーバー風の小型車として登場。(プラットフォームはワゴンRプラスと同じ)[1]。エンジンにはVVTを採用し、65kW(88馬力)を発生する1300cc、4気筒DOHC16バルブのM13A型ガソリンエンジンが搭載されている。当初は「SE」・「SG」・「SX」の3グレードで4速ATのみの展開。なお、2001年から参戦したJWRCのベース車両としても使われた[2]

2000年5月25日 - スズキ創立80周年を記念し、「SG」をベースにエアロパーツを装着し、よりスポーティな外装とした「80周年記念車 SGエアロ」を発売。

2000年9月1日 - 基本装備を充実しながら、82.3万円(2WD・5MT・税抜車両本体価格)からのお買い得価格に設定した新グレード「SE-Z」を発売。「SE-Z」では、新たに5速MT車を設定する。

2001年1月18日 - スポーティな外装と上級装備を備えながら、お買い得価格に設定した新グレード「21世紀記念スペシャル SGエアロII」を発売。

2002年1月21日 - 一部改良。2DIN規格のオーディオスペースが上部に変更された。また、グレード体系を「SE-Z」と「SG」の2グレードに整理した上で、「SE-Z」は新たにパワーウィンドウ、フルホイールキャップ、オーディオを装着しながら価格を従来車より3万円高に、「SG」はフォグランプ、スモークガラスなど装備を充実しつつ、価格を従来車より1万円高にそれぞれ抑えた。また、フロントグリルのエンブレムを小型車専用の共通エンブレムに変更。

2002年6月6日 - エアロパーツやアルミホイールを装着し、よりスポーティーな外観とした特別仕様車「SF」を発売。同日にお買い得グレード「SE-Z」を一律6.3万円値下げし、最低価格が79万円からとなる。

2003年6月12日 - 一部改良。フロントグリル[3]・フルホイールキャップのデザインを一新。内装も変更され、4WD・4AT車を除き「超-低排出ガス車(☆☆☆)」認定を取得。また、特別仕様車として発売していた「SF」がカタロググレードに昇格し、「SG」に代わって、電動格納式リモコンドアミラー、CDステレオなどを装備した上級グレード「SG-X」を新設定。

この一部改良以降、日本では他のコンパクトカーはおろか一般的な軽自動車をも下回る価格「79万円」(税抜車両本体価格)を売りに販売が行われた。

なおこのモデルはパトカー(主に交番駐在所配置)として全国的に導入されている。警察車両として導入された理由としては、室内が広く乗降しやすい、燃費がよいなどの理由が考えられる。

2003年12月12日 - お買い得グレード「SE-Z」をベースに、装備をよりいっそう充実させた特別仕様車「Lリミテッド」を発売。

2004年5月12日 - お買い得グレード「SE-Z」をベースに、装備をよりいっそう充実させた特別仕様車「LリミテッドII」を発売[4]

廉価グレード「SE-Z」[5]に関しては2代目発売以降も2006年3月まで併売されていた。

欧州仕様はハンガリーマジャールスズキで製造されており、2003年から2007年までスバルG3XジャスティとしてOEM供給されていた。(車体は日本仕様とは異なり、兄弟車の初代型シボレー・クルーズと似たものとなる。)

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2代目(ZC11S・ZD11S、ZC21S・ZD21S、ZC71S 2004年-2010年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2004年11月1日 - フルモデルチェンジ。スズキの世界戦略車として開発された。基本コンセプトは先代同様低価格をアピールするが、走行性能は格段に高くなった。発売のおよそ2年前という早い時期からショーモデルを公開してデザインを洗練させるなど、内外装の質感も初代と比べて格段に向上した。日本の工場で年間5万台を生産し、3万6000台を国内で販売、1万4000台をオセアニアに輸出予定。ハンガリーの工場で年間10万台を生産し、2万5000台を同国内で販売、残りの7万5000台は他のヨーロッパ諸国に輸出予定。インド、中国、台湾(太子汽車)の工場での生産分は、同国内で販売予定。

国内仕様では全グレードでイモビライザーが標準装備される。エンジンは当初1300cc・4気筒DOHC16バルブVVT(M13A、67kW/91馬力)と標準仕様に加わった1500cc・4気筒DOHC16バルブVVT(M15A、81kW/110馬力)の2種が設定された。リアサスペンションは、初代のITL式3リンクリジットアクスルに代わって、スズキの市販量産車では初のトーションビーム式サスペンションが採用されている。グレード体系は、1.3Lは「XE」・「XG」の2グレード、新たに設定された1.5Lは「XS」とした。

従来のスズキの小型車には軽自動車のコンポーネンツを発展させた車種が多かったこともあり、デザインや走行性能よりも低廉な価格や質実剛健な作りに注目が集まりがちであった[6]。2代目スイフトでは大きく方針転換し、登録車専用の新設計プラットフォームを開発。ボディは旧型比でねじり剛性1.3倍、曲げ剛性を2.3倍に高めた。欧州車を意識してフロントサスペンションを一新、サブフレームにステアリングギヤボックスやロアアームを取り付けた。リアサスはトーションビーム式にしてバネ下重量を軽減、走行性能を重視した方向性を打ち出した。初代ではSUV調に仕上げるために高めにとってあった最低地上高も、2代目では一般的なコンパクトカー並となっている。

デザイン面においても力強いカタマリ感と質感を重視し、また日本の都市部や欧州でも評価させるデザインを開発するために、同社デザイナーの結城康和が、横浜の先行デザイン拠点やトリノに延べ8か月の滞在を行なうなど世界各地を飛び回り、現地でデザインとモデルのレベルを上げるなど、今までのスズキの開発プロセスではやらなかったことを大胆に行ない、スズキ社内のデザインのレベルや、社内での小型車のデザイン基準、それに至るための方法論などをも、次々に変えていった。結城は初期企画段階から、初期コンセプトカー「CONCEPT-S」[7]、「CONCEPT-S2」[8]、続いてこの量産版スイフトのデザインまでを、デザイナーとして一貫して担当した。

同時期に発売された同社の3代目エスクードと共にグッドデザイン賞を受賞するなどの評価を得ている。

2005年6月15日 - 「1.3 XE」をベースに明るめのベージュを用いた内装、ボディ同色ドアミラー・ドアハンドル、スモークガラスなどを装備した特別仕様車「1.3 XE Style」を発売。

2005年11月9日 - 2005‐2006日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞Most Fun受賞

2005年11月15日 - 2006年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞

2005年12月 - 一部改良(2型)。ヘッドライトレベリング調節や平均燃費表示機能の追加、リヤシートヘッドレストやドアミラー形状の変更、他にも細部の追加および変更を実施。

2006年1月17日 - 受賞を記念し、スポーティでかつ上品な仕様とした期間限定車「1.3XG Limited」を発売。( - 2006年4月まで発売)

2006年6月8日 - 特別仕様車「1.3 XE Style」をバージョンアップ。シートに撥水加工を施し、新たに電動格納式ドアミラーとフルオートエアコンを装備、バックドアに専用エンブレムを貼付。また、「1.3 XG」をベースにモノトーンな内装と15インチアルミホールを装着した外装、快適装備を充実させたもうひとつの特別仕様車「1.3 XG Limited II」を発売。同時にカタロググレードの仕様変更を行い、ボディカラーの「ガーネットオレンジメタリック」を廃止。

2007年5月24日 - マイナーチェンジ(3型)。新たに、1200cc・4気筒DOHC16バルブVVT(K12B、66kW/90馬力)エンジン+CVTアイシンAW製)搭載モデルが追加された[9]。K12Bエンジンには省燃費やCVTとの協調制御の高度化のために、電子制御スロットルを用いたドライブ・バイ・ワイヤが採用されている。また、内外装のリファイン、ターンランプ付ドアミラーやキーレススタートシステムの装備[10]、「1.5 XS」にはSRSカーテンエアバッグ・フロントシートSRSサイドエアバッグを新たに装備された。さらに、新グレードとして「XG Lパッケージ」と「スタイル」を加えた。なお、「XE」と「XG」に設定されていた1.3L・2WD・4AT車は廃止。新グレード「スタイル」は、一部改良前のカジュアルな仕様から、革巻きウッド調ステアリングホイールや、アルカンターラ&本革シートを使うなどした高級仕様へとシフトした。ベースも「XG」に変更されたが(一部改良前はXE)、小回りを重視するために、タイヤサイズは従来どおり14インチが採用されている。ボディカラーも一部ラインナップを変更し、「パールメタリックカシミールブルー」を廃止し、「オーシャンライトブルーメタリック2」、「サンライトカッパーパールメタリック2(XE・XG系グレード)」、「マルーンブラウンパール(STYLE)」の3色を加えた。

2007年12月5日 - 「XG Lパッケージ」をベースにディスチャージヘッドランプなどを装備した特別仕様車「XG Eセレクション」を発売。

2008年4月8日 - 「カーシェアリング専用車」の受注生産を開始。「1.2 XG」をベースに、ICカード読み込み装置や通信機を装備する。

2008年3月 - インドのマルチ・スズキ・インディアが「スイフトディザイア」 (Swift DZire) を発売。スイフトのセダンバージョンである(全長4160mm)。

2008年5月 - 世界累計生産台数100万台達成。生産開始から3年8か月でのこの100万台突破は、それまでのスズキの小型車としては最短記録となった[11]

2008年6月5日 - 「XG」のオーディオレス仕様車をベースに、エアロパーツやアルミホイール、黒色の「アルカンターラ」使用・専用シートなどを装備した特別仕様車「XGエアロ」と、薄灰色と黒色の「アルカンターラ」使用・専用シートやアルミヘアライン調ドアトリムを使用し、上品な仕様とした特別仕様車「STYLE-L」を発売。

2008年12月18日 - スイフトスポーツの特別仕様車「S-Limited」の発売に合わせ、特別仕様車「XGエアロ」のボディカラーに「パールメタリックカシミールブルー」を専用色として追加し、ディスチャージヘッドランプ装着車を新たに設定した。

2009年5月12日 - 一部改良(4型)。1.2L・2WD・CVT車の燃費性能を向上し、「平成22年度燃費基準+15%」を達成。「環境対応者普及促進税制」に対応した。この他、XG系列グレードのシート表皮とドアトリム表皮を変更したほか、一部グレードに装着するアルミホイールのデザイン、ステアリングオーディオスイッチを変更した。また、特別仕様車の「XGエアロ」もバージョンアップされた[12]。なお、この一部改良に伴い、最廉価グレードの「XE」と1.5Lモデルの「XS」が廃止。ボディカラーは「オーシャンライトブルーメタリック」と「サンライトカッパーメタリック2(XG系グレードのみ設定)」を廃止し、「XGエアロ」の専用色として設定されていた「パールメタリックカシミールブルー」をカタロググレードにも拡大設定。なお、同色は2007年5月の一部改良に伴う廃止以来、約2年ぶりに再設定された。

2010年1月21日 - スズキ四輪車国内累計販売台数2,000万台達成を記念し、「XG」をベースに、オートライトシステム、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、15インチアルミホイール、ドアトリムオーナメント(アルミヘアライン調)、オートドアロックシステム、リモート格納ドアミラー、運転席・助手席シートヒーター(2WD車のみ、4WD車は標準装備)、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、フロントアームレスト、フロントスピーカーシルバーリングを装備し、快適な使い勝手を重視した特別仕様車「XG Cセレクション」を発売。

日本国外では、2004年中にハンガリー(マジャールスズキ)で、2005年5月にはインドマルチ・スズキ・インディア)および中国長安スズキ)での生産開始。中国名は【雨燕】。

2010年6月、スイフトの車体をベースとした電気自動車「スイフト・レンジエクステンダー」を発表。およそ百台弱が生産され、一般販売はされないがスズキ販売代理店や地元浜松の公共機関などに貸し出され、実証実験を行っている。電気自動車としての航続距離は15kmほどだが、発電専用のガソリンエンジン(同社のお家芸である軽自動車のエンジンである)を搭載し、満タンで1115kmという航続距離を実現している[13]

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3代目(ZC72S・ZD72S 2010年-)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2010年8月26日 - フルモデルチェンジを発表し、9月18日から販売開始。「More SWIFT(もっとスイフトに)」という開発時のキーワードからわかるようにエクステリアや運動性能等2代目の好評だった部分(=スイフトらしさ)を残しつつ、プラットフォームを軽量・高剛性に優れた新プラットフォームに刷新。ホイールベースを40mm拡大し、トレッドも拡大したことで直進安定性・旋回性・居住性を高めた。年間の販売目標は4万3000台。

ステアリングにはステアリング操作量に応じてタイヤの切り角を変化させる可変ギヤレシオステアリングを採用し、機敏さを高めると共に最小回転半径を4.8m(16インチタイヤ装着車は5.2m)に縮小し、小回り性能を向上した。エンジンについては先代後期型ではCVT車がK12B型、5MT車と4AT車(4WDのみ)がM13A型と分かれていたが、今回のモデルチェンジを機に従来の吸気側に加えて排気側にもVVTを採用し[14]、エンジン負荷低減が可能な発電制御付オルタネーター[15]を採用した改良版のK12B型に統一した。また、トランスミッションは4WD車に設定していた5MTと4ATを廃止し、5MT(2WD)とCVT(2WD・4WD)に整理した。同時に、樹脂パーツと高張力鋼部位の拡大などで軽量化を図ったことにより、2WD車において車両重量が1トンを切った(5MT車が970kg、CVT車が990kg)。また、CVT車は従来のアイシンAW製からジヤトコ製の同社と日産が共同開発した副変速機構付CVTに切り替えた(すでに一部の軽自動車には採用しているが、同社の登録車としては初採用となる)。これらにより、CVT車は2WD・4WD共に「平成22年度燃費基準+25%」を、5MT車も「平成22年度燃費基準+15%」をそれぞれ達成。その後、2WD・CVT車は「平成27年度燃費基準」も達成した。また、CVT車はシフトノブをゲート式からストレート式に変更し、操作性を向上。5MT車は軽快で且つ正確なシフト操作を可能にするシフトアシスト機構を採用した。なお、ヨーロッパ向け仕様は2010年のモンディアル・ド・ロトモビル(通称:パリサロン)で発表。日本市場未設定の3ドアや1.3Lディーゼルエンジンも引き続き投入され、同時にMT車にはアイドリングストップ機能が採用される。
また、足回りについてはフロントがストラット、リヤがトーションビームと形式こそ変更ないが、さらなる剛性と軽量化を図るべくすべて新設計とされた。フロントはコイルスプリングの巻き径を縮小し、バネ座部分をたる型とすることで構造自体をコンパクト化。リヤはパイプ断面を2重構造とした上で、ねじれ剛性を25%高めつつ、2kg軽量化。同時に、取り付けブッシュを平行配置から傾斜配置とすることでスタビリティを向上させた。ダンパーは日立オートモティブシステムズが新設計した専用品を装着。

エクステリアについてはフロントデザインにU字モチーフを採用し、ウィンドー部はフロントからサイドまで連続的で一体感のあるデザインとなった。ヘッドランプは縦長の大型タイプに、リアコンビネーションランプは躍動感のあるショルダーラインから連続したデザインとし、ドアミラーも高さ/幅がそれぞれ10mm/8mm拡大された。インテリアは同社のキザシの流れを汲む質感あるものへと変わると同時に、収納スペースを増やし、インフォメーションディスプレイをインパネ中央からメーター内に移動させることで使い勝手と視認性を向上させた。

装備面では、全車に省燃費運転の目安となるエコドライブインジケーター(CVTのみ)、フルオートエアコン、キーレスプッシュスタートシステム、全面UVカット機能付ガラス、6スピーカー、EBD付4輪ABS&ブレーキアシストなどを装備するとともに、シートリフターやチルトステアリングに加え、日本のBセグメント車においては極めて珍しいテレスコピックステアリングをも備えることで最適なドライビングポジションを取りやすくなった。オーディオはカーナビゲーションなどの後付需要に対応するため、オーディオレス仕様となった(なお、「XG」はメーカーオプションでAM/FMラジオ・オートボリュームコントロール付CDプレーヤーを装備することができる。他グレードについてはディーラーオプション)。また、日本仕様独自の装備としてグレードによりリヤリクライニングシートや運転席アームレスト、助手席用インパネ収納式カップホルダー、ラゲッジボード、パドルシフトを採用している。視認性向上に一役買うプロジェクター式ディスチャージヘッドランプ(オートライトシステムつき)も「XL」と「XS」に引き続きメーカーオプションで用意される。

グレード体系は15インチタイヤ採用のベースグレード「XG」、タイヤサイズを16インチに上げ、アルミホイールやサイドターンランプ内蔵ドアミラー、本皮革ステアリング等装備を充実させた「XL」、パドルシフトやクルーズコントロール、可倒式フロントアームレスト、フロントシートSRSサイドエアバッグ&SRSカーテンエアバッグ、ヒルホールドコントロール付ESP、リヤディスクブレーキなどを装備した最上級グレードの「XS」の3グレードをラインナップした(5MTは「XG」・「XL」のFF車のみの設定)。

なお、日本国内向けの生産はこのモデルから初代以来生産を行っていた湖西工場からキザシやSX4と同じ相良工場に変更された。同時に、台湾仕様は太子汽車製から相良工場製に変更された[16]

2010年11月16日 - 2011年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞

2011年2月25日 - 同年1月末時点で世界累計販売台数200万台を達成したことを発表(累計生産台数は2010年12月時点で200万台を達成している)。販売比率はインドが約39%、欧州が約27%と海外でも人気が高いことがうかがえる。日本国内でも約15%の比率を占めている[17]

2011年8月17日 - 子会社であるマルチ・スズキ・インディア社を通じ、インド向け仕様車をフルモデルチェンジ[18]。インド向け仕様では1.2Lガソリン車だけでなく、ヨーロッパ向け仕様と同じく1.3Lディーゼル車も設定されるほか、専用タイヤ・ホイール・サスペンションを採用して乗り心地とハンドリング性能を両立。また、定員乗車に対応するため後席空間を広くとるなど、インドの市場要望に応えた専用設計となっている。

2011年8月25日 - 欧州仕様に先行搭載されたアイドリングストップシステムを採用した「XGアイドリングストップ」と「XLアイドリングストップ」を追加(9月13日販売開始)。本システムの搭載により、JC08モード燃費で1.2km/L向上され、21.8km/Lの低燃費を実現した(平成27年度燃費基準達成)。「XS」に設定されているヒルホールドコントロール付ESPが標準装備となるほか、バックドアにアイドリングストップシステム搭載車の証として「IDLING STOP」エンブレムが装着される。

2011年11月17日 - 特別仕様車「RS」を発売。これは「XG」をベースに減衰力を高めたダンパー、欧州仕様タイヤ、パワーステアリングコントローラーを採用し、直進安定性を高めるとともに、スポイラー(フロントスパッツ・リア・サイドアンダー・ルーフエンド)、フォグランプ、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、16インチアルミホイール、リアシートリクライニングを特別装備し、専用ファブリックシート・本革巻きステアリングホイールとシフトブーツにシルバーステッチを施したモデルである。ボディカラーは特別設定色の「プレミアムシルバーメタリック」(キザシに設定済のカラー)を含む5色を設定した。メーカーオプションとしてオートライトシステム付ディスチャージヘッドランプとCDオーディオを設定。

2012年2月1日 - マルチ・スズキ・インディアがインド専用車種の4ドアセダン「スイフトディザイア」を全面改良し、発売開始した[19]。新型ディザイアはリアデッキを切り詰めたスタイルとなり、全長が先代の4160mmから3995mmに短縮された。これにより税制面で有利になっている(インドでは4mを超える車に対しては22%の物品税が課せられるのに対して4m以内だと10%で済む)[20]。なお、同種のショートセダンはタタ・モーターズがインディゴCSで先行している。エンジンはハッチバック同様1.2Lガソリン (K12B) と1.3Lディーゼル (D13A) の2種類で、トランスミッションは5MTの他に、ガソリン車には4ATもラインナップされる。新型のディザイア登場後も従来型ディザイアは「ディザイア ツアー(DZiRE Tour)」として内外装を簡略化したうえでタクシー向けに継続販売される。

2012年6月5日 - 一部改良(2型)。2012年7月からのシートおよびシートベルトに関する保安基準の改正に対応して、フロントシートのヘッドレストを大型化し、リアシートについても、中央席へのヘッドレストの設置と、中央席シートベルトのNR2点式タイプからELR3点式タイプへの変更が行われた[21]

2012年11月5日 - 特別仕様車「RS」を一部改良。新たにクルーズコントロールシステムを追加し、4WD車に装備されているリアディスクブレーキを2WD車にも拡大適応。CVT車は7速マニュアルモード付パドルシフトに変更した。また、リアコンビランプは大型単眼ストップランプ(ブレーキランプ)を内蔵し、専用ファブリックシートのデザインを変更。オプション設定のオートライト付ディスチャージヘッドランプはヘッドランプの塗装色をメタリックグレーに変更した。

2013年1月30日 - 同年1月で世界累計販売台数300万台を達成したことを発表した[22]

2013年7月17日 - マイナーチェンジ(3型)[23]。フロントデザインは躍動感がある新デザインに変更し、ロアグリルをワイド化、ラジエーターグリルをメッシュ化することでスポーティーさと力強さを調和させた。また、「XL」・「XS」に装備の16インチアルミホイールのデザインを変更し、「XS」にはフォグランプベゼルにLEDイルミネーションランプを採用した(「XG」・「XL」はシルバー塗装のカバーを装着)。また、ファブリックシートにブルーの差し色を追加して華やかな印象を加えた。装備面では一部グレードのみに標準装備されていたESPを「XG」・「XL」にも拡大適応して全車標準装備した。ボディカラーは「スモーキーグリーンメタリック2」と入れ替えで「ルミナスブルーメタリック」を追加した。さらに、4WD車は既存のK12B型エンジンをベースに、燃焼室をコンパクト化して最適な形状としたことで熱効率の向上とノッキングの抑制を両立するとともに、インジェクターを1気筒あたり2つ設置し、燃料を霧状に微粒化して噴射することで燃えやすくするうえ、燃料室の近くに配置したことで燃料を効率よく充填させる「デュアルインジェクションシステム」や排出ガスの一部を冷却して燃焼室内に再循環させることで燃焼温度を下げ、圧縮比アップに伴う筒内温度上昇によるノッキングを抑制する水冷式の「クールドEGRシステム」の採用など、ノッキング抑制やフリクション(摩擦抵抗)の低減を徹底的に行い、熱効率を極限にまで追求した「デュアルジェットエンジン」に置換したことで燃費を向上し、4WD車全車「平成27年度燃費基準」を達成した。アイドリングストップシステム搭載車はブレーキを踏んで13km/h以下になると自動でエンジンを停止する停車前アイドリングストップ機能を加え、軽自動車の一部車種に採用されている「エネチャージ」や「エコクール」、さらには「デュアルジェットエンジン」も搭載したことに伴って「XG-DJE」・「XL-DJE」に改名するとともに、「XS-DJE」を新たに追加[24]。DJE系は2WD車で26.4km/L(JC08モード)の低燃費を実現し、駆動方式を問わず「平成27年度燃費基準+20%」を達成した。特別仕様車「RS」はカタロググレード同様、4WD車に「デュアルジェットエンジン」を搭載するとともに、アンダースポイラー(フロント・リア)を専用開発したことで全長を25mm拡大し、ファブリックシート表皮や専用リアエンブレムを新仕様に変更した。

2014年6月12日 - 特別仕様車「STYLE」・「STYLE-DJE」を発売。「XG」・「XG-DJE」をベースに、専用メッキフロントグリル、切削加工とブラック塗装を施した16インチアルミホイール、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、運転席&助手席シートサイドポケット、リモート格納ドアミラー、IRカット機能付フロントガラス、プレミアムUVカットガラス(フロントドア)、クルーズコントロールシステム、7速マニュアルモード付パドルシフト、リアシートリクライニング、運転席&助手席シートヒーター(2WD車のみ、4WD車はベース車に標準装備)を装備し、専用シート表皮はレザー調とラックススエードを組み合わせ、専用ドアトリムにスエード調を、インストルメントパネル&ドアトリムオーナメントにヘアメタル調を、運転席アームレストにレザー調をそれぞれ採用し、オーディオスイッチ付本革巻ステアリングホイールとシフトブーツにシルバーステッチを施した。また、ディスチャージヘッドランプ(オートライトシステム付)、フロントフォグランプ、LEDイルミネーションランプをセットオプションとして設定するとともに、ボディカラーは特別設定色の「プラズマイエローパールメタリック」と「プルシアンブルーパール」を含む7色を設定するとともに、特別設定色2色と「スーパーブラックパール」の3色にはオプションで2トーンルーフ(「プラズマイエローパールメタリック」設定時はブラック2トーンルーフ、「プルシアンブルーパール」と「スーパーブラックパール」設定時はホワイト2トーンルーフ)も設定された。併せて、「RS」はLEDイルミネーションランプを追加したほか、4WD車に採用されているデュアルジェットエンジン及びエネチャージ、アイドリングストップシステム、エコクールを搭載した「RS-DJE」を追加した[25]。併せて、カタロググレードの仕様変更を行い、「XS-DJE」へ統合のため「XS」を廃止した。

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スズキ・スイフトスポーツ

初代(HT81S)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2003年6月12日 に「スイフト」の一部改良とともに、スイフトスポーツが発売される。ボディは3ドアハッチバックのみ。

エアロパーツなどで見た目のみを「スポーツ」にしたモデルとは違い、オーバーフェンダーを含むエアロパーツやレカロシート、専用チューニングをした85kW(115馬力)を発生する1500cc自然吸気エンジン(M15A)が搭載されるなど本格的なスポーツモデルにもかかわらず、税別119万円という他のコンパクトカーの標準グレードとさほど変わらない価格[27]であった。また、コストアップを極力抑えようと、グレード設定はクロスレシオ化された5速MTのみであり、オーディオレス設定。他にも240km/hスケールのスピードメーター(ホワイトタイプ)、専用サスがおごられた。なおリヤブレーキはドラムからディスクブレーキ、ピストンは鍛造品で標準グレードとは全く違う内容になっている(初代では1. 5リッターエンジンはスイフトスポーツ専用)。2代目スイフト発売以降も併売されていたが、2005年3月に販売を終了した。

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2代目(ZC31S)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2005年9月15日 - フルモデルチェンジ(MT車は遅れて10月28日発売)。エンジンがジュニアWRCと同排気量の1600cc(M16A型、125馬力、ハイオク仕様)になり、トランスミッションも初代の5速MTのみから4速ATも選べるようになった。初代は3ドアのみの設定だったが、2代目の日本仕様は標準車と同じく5ドアのみの設定となった。なお、欧州では3ドアのラインナップも存在する。

エンジンは初代同様専用チューニングを受け、2本出しの大容量マフラーを採用するためフロアを専用設計[28]するとともにリアサスペンション取り付け部の剛性をアップし、ダンパーはテネコ社製<モンロー>[29]を採用。またスポーツのみハブが5穴となり、4輪ディスクブレーキを採用している。エクステリアも空力を考慮したデザインの専用エアロパーツを装着、特にフロントバンパーは大型化されサイドミラーも小型化されるなど変更が施される。先代では標準装備であったレカロシートはHIDヘッドライト、SRSサイドエアバッグとのセットオプション設定となったものの、速度計は220km/hスケール仕様で、赤色をふんだんに使用した内装色となっている。M16A型エンジンには電子制御スロットルを用いたドライブ・バイ・ワイヤが採用された。
なお、標準ではオーディオレスで6スピーカーを装備しているが、オーディオはオプションで装備可能である。

2006年12月6日 - 専用フロントスポーツダンパー・サイドスポイラーを採用した外観、アルカンターラと本皮を組み合わせた専用レカロシートなどを装備した台数限定車「Limited」を発売。(限定1,000台)

2007年5月24日 - 一部改良(2型)。5速MT車は1速→2速のクロスレシオ化(1速3.545→3.250)、ファイナルギア比変更(4.235→4.388)、レッドゾーンの引き上げ(6800rpm→7200rpm)(レブリミットは7000rpm→7500rpm)、クラッチミートポイントの変更(1型より奥側に変更)、さらに「スポーツ」共通の変更点として、ESP(横滑り防止機構)の搭載、サスペンションのチューニング(フロントロアアーム後ろ側のブッシュ硬度変更、欧州仕様ショックアブソーバー採用(伸び側減衰力を10%アップ))、サイドターンランプ付ドアミラーの採用(ボディのサイドターンランプは廃止)、内装変更(ドアハンドルのトリムが赤→黒、メーカーオプションのレカロシート色が赤黒基調→黒グレー基調)、後席シートの折りたたみ機構変更(タンブルフォールディング→シングルフォールディング)、ラゲッジボード追加(これにより後席と床との段差をサブトランクとして使用することが可能)などが行われている。ボディカラーの「シルキーシルバーメタリック」新設定された替わりに、「パールメタリックカシミールブルー」を廃止。

2007年12月5日 - 2007年ジュニアラリー選手権で「スイフトスーパー1600」で参戦したP-Gアンダーソン選手がドライバーズチャンピオンを獲得したことを記念し、車体同色のフロントスポーツバンパー、アルカンターラを使用したスポーツシートなどを装備した特別仕様車「Vセレクション」を発売。

2008年12月18日 - 車体色同色の専用フロントスポーツバンパーとサイドアンダースポイラー、ホワイトの専用アルミホイール、アルカンターラと本革を組み合わせたレカロシート、一部をシルバーステッチで施された内装を装備。また、SRSカーテンエアバッグ・フロントシートSRSサイドエアバッグ、ディスチャージヘッドランプも装備し、安全性も向上された特別仕様車「S-Limited」を発売。

2009年5月12日 - 一部改良(3型)。アルミホイールのデザインとシート表皮を変更。ボディカラーの「パールメタリックカシミールブルー」を再設定され、全7色展開。

2010年1月21日 - スズキ四輪車国内累計販売台数2,000万台の達成を記念し、ディスチャージヘッドランプ(ハイ/ロービーム、オートレベリング機構付)、ボディ同色のフロントスポーツバンパー&サイドアンバースポイラー、金属調のアウトドアハンドル&フロントフォグランプベゼル、高輝度ダークシルバーの16インチアルミホイール、シルバーステッチ入り専用シート表皮&本革巻ステアリングホイール、本革巻シフトノブ、シルバーステッチ入りMTシフトブーツ(5MT車)またはクロームメッキシフトリング(4AT車)、スモーク調のSportリアエンブレムを装備した特別仕様車「Fリミテッド」を発売。

2010年9月 - 「スイフト」のフルモデルチェンジに伴い販売終了。

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3代目(ZC32S)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2011年11月8日 - 同月下旬の公式発表を前に、第42回東京モーターショー2011へ3代目モデルを参考出品することを発表[30]

2011年11月28日 - 2代目の販売終了から約1年2か月のブランクを経てフルモデルチェンジ(MT車は同年12月13日より、CVT車は2012年1月27日よりそれぞれ販売開始)。3代目はスイフトシリーズの走りを象徴する「The sporty flagship」をコンセプトに開発。エンジンは先代と同じくM16A型を採用するが、可変吸気システムの採用、吸気VVT制御の最適化、バルブリフト量の増加、冷却システムの改良を行い、高効率化を図ったことで、1.6Lの自然吸気エンジンながら100kW(136PS)の高出力を達成。トランスミッションは2種類が設定され、マニュアルが先代の5速MTから6速MTに、オートマチックは4速ATからスイフトスポーツ初のCVTに変更されている(後者は日本/台湾市場専用設定)。MT車は輸出向けのキザシに搭載される6速MTをベースに2~5速をクロスレシオにして加速性能を高めるとともに、軽量・コンパクトに設計し直したことで燃費性能をも向上。6速MTの採用は日本向けのスズキ車では初となる。CVT車は標準モデルと同じく副変速機構付CVTを採用するが、エンジンの高出力・高トルク特性に合わせて改良が施され、ダイレクトで素早いギア操作ができるパドルシフト付7速マニュアルモードも備えている。

シャシーにも改良が施され、サスペンションは前輪のストラットを大径化してリバウンドスプリングを内蔵、後輪は旋回時の安定性を高めた専用仕様とした。また、ボディに高張力鋼板を積極的に使用するとともに、ホイールやタイヤ、ブレーキなどの軽量化によってバネ下重量を軽減。MT車は衝突安全性能や走行性能を高めながら約10kgの軽量化を実現した。

フロントデザインは低く構えた前傾フォルムにフロントグリルは大開口にすることでエンジン性能の高さを表現し、大型フォグランプベゼルはアグレッシブさを強調する3本フィン形状を採用。アルミホイールはシャシーの改良に合わせて17インチにサイズアップし、フォグランプベゼルの3本フィン形状をモチーフにしたスポークデザインに変更された。メーターパネルは従来の3眼から5眼となり、質感と読み取りやすさを両立するために、各メーターリングにシルバーリングで縁取りを施した。さらに、外気温・シフトポジション(CVT車)・オドメーター・トリップメーター・瞬間燃費・平均燃費・走行可能距離を切替表示するマルチインフォメーションディスプレイも搭載された。キーレスプッシュスタートシステム、クルーズコントロール、イモビライザーが新たに標準装備され、2012年7月からのシートおよびシートベルトに関する保安基準の改正に対応して、フロントシートのヘッドレスト大型化と、リアシート中央席にもヘッドレストとELR3点式シートベルトを装備した。また、CVT車のみ、坂道発進をサポートするヒルホールドコントロール機能を追加した。

欧州仕様は3ドアのみの設定だが、日本/台湾仕様は先代と同じく5ドアのみの設定。先代より継続設定されたボディカラー「チャンピオンイエロー4」も日本/台湾仕様専用設定となる。ディスチャージヘッドランプはメーカーオプション。また6スピーカーを装備したオーディオレス仕様であるが、販売会社装着アクセサリーのオーディオやカーナビを装着した場合、ステアリングに追加されたオーディオスイッチで、ステアリングから手を離さずに音量調整や選曲の操作ができる。

モータースポーツ

ジュニア世界ラリー選手権 (JWRC)での活躍

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 WRCの下位クラスに位置するJWRC[31]グループA・クラス6、スーパー1600と呼ばれる1、600ccの自然吸気エンジン搭載のFF車をベースとした競技である。60mmφの吸気リストリクター採用、エンジンの最高出力発生回転数は9000回転を下回ることと定められ、車両最低重量は950kg(後に改定され1000Kg)。そのため、各マシンの性能差が出にくくなっている。車両販売価格は10万ドル以下で、カーボンなどの特殊な素材の使用は禁止され、その他にもタイヤの使用本数の制限やメカニックは1台につき4名までなど、徹底したコスト削減策がとられている。このカテゴリーにはマニュファクチャラーの直接参加は認められていないがサポートは許可されており、コストの問題などでWRC参加を躊躇している自動車メーカーが参加しやすいようにされていた。またドライバーには出場制限として年齢の上限が存在し、28歳以上のドライバーは出場できない。そのためドライバーの平均年齢は低く、「WRCへの登竜門」的な存在であった。

スズキおよびスズキスポーツは、JWRCに参戦するために初代スイフト(海外名イグニス)をベースとした競技車両「イグニス・スーパー1600」を開発。2001年にアジアパシフィックラリー選手権(APRC)に実戦投入し、田嶋伸博/ジュリア・ラベットー組が第5戦のチャイナラリーにおいて、スーパー1600カテゴリーで優勝を果たし、二輪駆動車部門でトップの総合6位という高い成績を残す。そして2001年から始まったJWRCには、2002年から本格に参戦を開始した。

2002年
初参戦の第1戦モナコモンテカルロでは出場した3台中2台が完走し、うちニコラス・シェレが6位入賞という快挙を果たした。新チームの初戦は「完走すれば良い方」と言われるラリーにおいて、いきなりポイント圏内に入賞するという結果に関係者も驚いたという。またユハ・カンガスは9位であった。第2戦スペインはシェレ8位、カンガス11位。第4戦ドイツはシェレ3位、丹羽和彦9位。第5戦イタリアはシェレ7位、カンガス14位。しかし、第3戦ギリシャと最終戦イギリスでは出場した3台すべてがリタイアし、2002年シーズンのドライバースポイントランキングはシェレの8位が最高であった。
2003年
スズキは昨年の参戦データを元にマシンを改良。信頼性を高めると共に、206馬力であったエンジンを216馬力に強化する。チームは3台体制から4台体制になり、昨年の「手探り」の走りから一転して「攻め」の走りに入ったイグニスはその実力を発揮し始める。第1戦モンテカルロでウルモ・アーヴァが5位入賞。第2戦トルコでサルバドール・カニェヤスが2位、V-P・テウロネンが4位に入賞。第3戦ギリシャではダニエル・カールソンが2位、カニェヤスが3位、アーヴァが4位入賞。そしてついに第4戦フィンランドでカールソンがスズキと自身にとって悲願の初優勝を果たし、カニェヤス4位、アーヴァも5位に入った。第5戦イタリアではカニェヤスが2位、テウロネン4位。第6戦ではカールソン3位、テウロネン4位、カニェヤス5位、アーヴァ6位と4台すべてが入賞。最終戦イギリスでは再びカールソンが優勝を飾り、テウロネン3位、カニェヤスが4位に入賞する。2003年シーズンはドライバーズチャンピオンこそ逃したものの、カニェヤスがポイントランキング2位に入り、参戦した選手全員がランキング6位以上に入るという好成績を残した。
2004年
ベースとなるスイフト(イグニス)スポーツがホモロゲーション(公認申請)取得後に例外的に認められた10箇所の変更をすべて使い果たし、改良に限界が出てきたため、ベース車輌を兄弟車である5ドアモデルの欧州仕様のイグニス(フロントデザインは初代型シボレー・クルーズとほぼ同一)に変更する。これによりFIAには「別車両で新たに申請した」ことになり、中身はほぼ前年と同一のマシンであるが新たに改良をすることが可能となった。チームは昨年の勢いをさらに増し、第1戦モンテカルロ2位、第2戦ギリシャ優勝、第3戦トルコ優勝、第4戦フィンランド優勝、第5戦イギリス優勝、第6戦イタリア優勝、第7戦スペイン2位と猛威を振るった。中でも第3戦トルコと第6戦イタリアでは表彰台をスズキ勢が独占するという強さで[32]、もはやイグニス同士で競い合っているような状態であった。この年のイグニスは、そのあまりの強さと速さから「Yellow Bullet(黄色い弾丸)」[33]と呼ばれた。2004年シーズンのドライバーズチャンピオンはパー・ガンナー・アンダーソン。JWRC参戦からわずか3年。スズキ初のJWRCドライバーズチャンピオン誕生であった。
2005年
それまで実戦で培ってきた経験や実績を元に、新たに開発された2代目スイフトがベースの「スイフト・スーパー1600」を後半戦に試験的に導入。先代のイグニスと交替しながら戦うという、スズキにとって実験的なシーズンとなる。第1戦モンテカルロ2位、第2戦メキシコ優勝、第3戦イタリア2位、第4戦ギリシャ優勝、第5戦フィンランド2位、第6戦ドイツ3位、第7戦フランス3位、第8戦スペイン2位という成績であった。この年はダニエル・ソルドシトロエン・C2)がドライバーズチャンピオンを獲得し、スズキ勢のランキング最上位はガイ・ウィルクスの2位であった。またこの年のWRC第11戦・ラリージャパンにA6クラスでスイフト・スーパー1600が参戦、クラス1位、総合でも19位という成績を収めた。
2006年
マシンをイグニスから2代目スイフトへシフトして参戦。それまでの培ってきたノウハウを詰め込まれたスイフトは非常に高い戦闘力を見せ付けたが、それだけでは決して勝てないことも教えられたシーズンでもあった。第1戦スウェーデン優勝、第2戦スペイン4位、第3戦フランス2位、第4戦アルゼンチン優勝、第5戦イタリア3位、第6戦ドイツ6位、第7戦フィンランド優勝、第8戦トルコ優勝、第9戦イギリス優勝と結果だけみれば優秀であるが、まだスイフトの信頼性が確立されていなかったこともあってリタイアやノーポイントも多く、結果としてドライバーズチャンピオン獲得を逃した。また、この年もWRC第11戦・ラリージャパンにプライベートチームとして特別に参戦。A6クラス1位、総合37位を獲得した。
2007年
このシーズンだけ、ヨーロッパ以外での開催がなく世界(World)大会とならなかったため、名称がジュニア・ラリー・チャンピオンシップ(JRC)となる。昨年のデータを元に改良を加えられた2007年型スイフトは、スペック上はほとんど昨年と変わらないものの信頼性は格段に向上し、その強さを遺憾なく発揮する。第1戦ノルウェー優勝、第2戦ポルトガル優勝、第3戦イタリア優勝、第4戦フィンランド5位、第5戦ドイツ2位、第6戦スペイン優勝、第7戦フランス4位という成績を残し、パー・ガンナー・アンダーソンが2度目のドライバーズチャンピオンに輝いた。また、このシーズンもWRC第14戦・ラリージャパンに参戦。A6クラス1位、総合15位という成績であった。
2008年
このシーズンからスズキはSX4・WRCでWRC参戦を本格的に開始するが、この年より始まる世界的な経済不安に伴う自動車販売の不振でスズキも各事業の見直しを強いられ、シーズン終了後、わずか1年でWRC参戦休止を表明する。この年はシトロエン・C2ルノー・クリオが勢いを取り戻し、さらに前年チャンピオンのアンダーソンはJWRCの規定により出場できない[34]などのマイナス要因が重なり、スイフトは苦戦を強いられる。第1戦メキシコ2位、第2戦ヨルダン4位、第3戦イタリア優勝、第4戦フィンランド3位、第5戦ドイツ8位、第6戦スペイン6位、第7戦フランス4位という成績で終わる。
2009年
2009年以降のWRC参戦を休止したスズキであったが、JWRCのサポートは続けると表明。体制を再びJWRCに集中させることとなった。前年、シトロエン・C2で上位に食い込む活躍を見せたアーロン・ブルカルトを新たにチームに加え、新体制で挑んだ。第1戦アイルランド優勝、第2戦キプロス2位、第3戦ポルトガル優勝、第4戦アルゼンチン優勝、第5戦イタリア2位、第6戦ポーランド3位、第7戦フィンランド3位、第8戦スペイン2位と、好成績を残す。ドライバースチャンピオンこそ逃したが、ミハエル・コシュツシコがランキング2位、ブルカルトが3位と健闘した。
2010年
2011年からJWRCはWRCアカデミーに移行、フォード・フィエスタR2のワンメイクラリーとなることが決まったため、スズキやシトロエンルノーのJWRCマシンは、事実上2010年限りで撤退が決まった。最後のシーズンとなった2010年はスズキ・シトロエン・ルノーによる三つ巴の壮絶な戦いとなった。
第1戦トルコは、ライバルと目されていたシトロエン・C2のティエリー・ヌヴィルがデイ2でリタイアしたこともあり、終始アーロン・ブルカルトがトップをキープして優勝、チームメイトのカール・クルーダが6位となる。第2戦ポルトガルでも早々にシトロエン勢が脱落するが、代わってルノー・クリオのケビン・エヴィリングがトップに踊り出てそのまま優勝。クルーダは2位、ブルカルトは3位となる。第3戦ブルガリアはそれまで不調だったシトロエン勢が息を吹き返し、ヌヴィルとハンス・ウェイスJr.がワン・ツーフィニッシュを達成。一方のスズキ勢はJWRCの規定に従いブルカルトはこのイベントをパス。クルーダは5位に終わる。第4戦ドイツは前戦の勢いそのままにシトロエンのウェイスJr.が優勝、ブルカルトが2位に食い込み、クルーダも3位になるなど健闘した。第5戦フランスもやはりシトロエン勢が速かったが、プライベート参戦のジェレミー・アンシャン(スズキ・スイフト)が優勝、ウェイスJr.は2位止まりになる。一方、ブルカルトは5位に入賞してポイントランキング1位をキープした。この時点でのドライバーズポイントはブルカルト68、ウェイスJr.61。ドライバーズチャンピオンは最終戦のスペインにもつれ込んだ。ランキングトップのブルカルトのスイフトは、デイ2でコーナリング中にハブボルトを破損。ホイールが脱落しコースオフを喫してしまう。スーパーラリーで復帰は可能だったが、ランキング2位のウェイスJr.はこの時点で2位を走行しており、ウェイスJr.の逆転チャンピオンかと思われた。しかし、デイ3でウェイスJr.のC2はマシントラブルでストップ。修理して復帰したものの順位を3位に落とした。一方のブルカルトはその後はノートラブルで完走し4位入賞。最終ポイントはブルカルト80、ウェイスJr.76となり、4ポイント差でブルカルトが最後のJWRCドライバーズチャンピオンに輝いた。

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車名の由来

swiftは英語で「軽快・快速」を意味する[35]。なお、SWIFTという車名は1980年代以降スズキが販売していた「カルタス」の輸出名であった。このため、日本国外においては20年以上にわたり馴染みのある名称である。

脚注

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関連項目

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外部リンク

テンプレート:Car-stub

テンプレート:自動車テンプレート:スズキ車種年表
  1. 軽自動車Keiのパーツを多岐にわたって流用してはいるものの、新世代のプラットホームを使用しているため、ベースは軽自動車ではない。
  2. 輸出モデル名であるイグニスにて参戦。
  3. 一部改良に伴い、フロントグリルのエンブレムが発売当時のもの(デフォルメされた「Sマーク」)に戻る
  4. 基本的な仕様は「Lリミテッド」と同様。違うのは、ボディカラーの種類のみ。
  5. 829,500円 - 1,044,750円。
  6. 初代・2代目カルタスと、その流れを汲む初代スイフトはその代表格とされる。
  7. 2002年パリで発表。
  8. 2003年フランクフルト&東京発表。
  9. 1.2Lは「XE」・「XG」・「XG Lパッケージ」・「スタイル」に設定。2WD車のみとなる。
  10. ターンランプ付ドアミラーは「XG Lパッケージ」と「XS」に、キーレススタートシステムは「1.2 XE」を除く全てのグレードに装備。なお、「スポーツ」・「スタイル」は両方とも標準装備
  11. スズキ株式会社、ニュースリリース、2008年6月18日
  12. 1.2L・2WD・CVT車の燃費向上、アルミホイールのデザインとドアトリム表皮を変更。
  13. http://eco.nikkeibp.co.jp/em/ecolabo/58/03.shtml
  14. 排気側へのVVT採用はスズキのエンジンでは初。
  15. 日産からのOEM車であるランディ(初代)に搭載されていたMR20エンジンには既に採用されていたが、スズキオリジナルのエンジンでは初採用である。
  16. その証拠に、当代の台湾仕様カタログの表紙には日本製であることを示す「日本原装」の文字が記されている。
  17. スズキ「スイフト」が世界累計販売200万台を達成 スズキ株式会社 ニュースリリース 2011年2月25日(2011年2月28日閲覧)
  18. スズキのインド子会社マルチ・スズキ社が新型「スイフト」を発売 スズキ株式会社 ニュースリリース 2011年8月18日
  19. スズキのインド子会社マルチ・スズキ社が新型「スイフトセダン」を発売, スズキ株式会社 ニュースリリース, 2012年2月2日
  20. テンプレート:Cite web
  21. スイフトスポーツは、2011年11月のフルモデルチェンジ時に対応済み。
  22. スズキ「スイフト」が世界累計販売300万台を達成 スズキ株式会社 企業ニュース 2013年1月30日
  23. スズキ、小型乗用車「スイフト」に新開発「デュアルジェット エンジン」と「エネチャージ」搭載車を設定 スズキ株式会社 企業ニュース 2013年7月17日
  24. グレード名に付記されるDJEとは、「デュアルジェットエンジン(Dual Jet Engine)」と「エネチャージ(Ene-charge)」の頭文字をとったもの
  25. スズキ、小型乗用車「スイフト」に特別仕様車「STYLE」、「STYLE-DJE」を発売 特別仕様車「RS」に「RS-DJE」を追加設定
  26. 2012年11月の一部改良後はリヤコンビランプがスイフトスポーツ(ZC32S)と同等のものに変更。
  27. ワゴンR・RRやアルト・ワークスといった軽モデルのスポーツタイプより割安
  28. スペアタイヤを装備できずパンク修理キットで代用している
  29. 欧州仕様のスイフトは標準車もテネコのダンパーを使っている
  30. 第42回東京モーターショー2011への出品概要 - スズキ株式会社 ニュースリリース 2011年11月8日(2011年11月10日閲覧)
  31. 2001年はSuper1600と呼ばれていたが、2002年からJunior World Rally Championship(JWRC)に名称変更されている。
  32. SSによってはWRCカーをも凌ぐタイムを出すなど驚異的速さで、特にグラベルでは2輪駆動車とは思えない速さであったという。
  33. 一方で、コースオフでマシンが横転しあちらこちらが叩きつけられ丸くなった状態でも走り続けたため、「テニスボール」とあだ名されたこともある。
  34. 前年チャンピオンは翌年のJWRCに参加不可という規定があるため。そのためアンダーソンはSX4・WRCのドライバーとしてWRCに出場している。
  35. スズキ四輪車 車名の由来