アジアハイウェイ
アジアハイウェイ(Asian Highway Network)は、アジアの32カ国を横断する全長14万kmにわたる高速道路。主に既存の道路網を活用し、現代のシルクロードを目指して計画されているものである。トルコからは欧州自動車道路に接続する。英語での略称は、AH。
経緯
- 1959年:国際連合アジア極東委員会(ECAFE)により提唱された。
- 1968年:国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)に「AHP事務局」が設立される。
- 1988年:中華人民共和国が参加。
- 2003年11月:AH政府間協定に関する政府間会合にて日本も路線参加を表明。
- 2003年11月18日:バンコクにて「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定」が採択される[1]。
- 2004年4月26日:国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)にて関係23ヶ国が調印。日本も確定的署名を行う[1]。
- 2005年7月4日:テンプレート:Flagicon カンボジア、テンプレート:Flagicon 中国、テンプレート:Flagicon 日本、テンプレート:Flagicon ミャンマー、テンプレート:Flagicon 韓国、テンプレート:LKA、テンプレート:Flagicon ウズベキスタン、テンプレート:Flagicon ベトナム、テンプレート:Flagicon ロシアにて協定が発効[1][2]。
- 2005年9月5日:テンプレート:Flagicon アルメニアにて協定が発効[3]。
- 2005年11月16日:テンプレート:Flagicon ブータンにて協定が発効[4]
- 2006年1月17日:テンプレート:Flagicon パキスタンにて協定が発効[5]
- 2006年3月9日:テンプレート:Flagicon グルジアにて協定が発効[6]。
- 2006年4月8日:テンプレート:Flagicon アフガニスタンにて協定が発効[7]
- 2006年5月17日:テンプレート:Flagicon インドにて協定が発効[8]
- 2006年6月11日:テンプレート:Flagicon タイにて協定が発効[9]。
- 2006年7月8日:テンプレート:Flagicon タジキスタンにて協定が発効[10]。
- 2006年11月3日:AH-7、AH-48、AH-63、AH-65の経路の一部が改定される[11]。
- 2006年11月28日:テンプレート:KGZにて協定が発効[12]。
- 2008年1月30日:テンプレート:Flagicon カザフスタンにて協定が発効[13]。
- 2008年3月17日:テンプレート:Flagicon フィリピンにて協定が発効[14]。
- 2008年7月9日:テンプレート:Flagicon ラオスにて協定が発効[15]。
ルート
主要幹線ルートとして、以下のような8本のルートがある。
- AH-1(延長:20,710km)
- 東京(Tokyo・起点)、福岡(Fukuoka)、釜山(Busan)、ソウル(Seoul)、平壌(Pyongyang)、北京(Beijing)、長沙(Changsha)、広東(Gangdong)、ハノイ(Hanoi)、ホーチミン(Ho Chi Minh City)、プノンペン(Phnom Penh)、バンコク(Bangkok)、ヤンゴン(Yangon)、インパール(Imphal)、ダッカ(Dhaka)、コルカタ(Calcutta)、ニューデリー(New Delhi)、イスラマバード(Islamabad)、カーブル(Kabul)、テヘラン(Tehran)、アンカラ(Ankara)、イスタンブル(Istanbul)、カプクレ(トルコ、ブルガリア国境・終点)
- AH-2(延長:10,711km)
- デンパサール(Denpasar インドネシア・起点)、スラバヤ(Surabaya)、ジャカルタ(Jakarta)、シンガポール(Singapore)、クアラルンプール(Kuala Lumpur)、バンコク(Bangkok)、チェンライ(Chiang Rai)、マンダレー(Mandalay)、インパール(Imphal)、ダッカ(Dhaka)、ヘタウダ(Hetauda)、ニューデリー(New Delhi)、ラホール(Lahore)、クエッタ(Quetta)、テヘラン(Tehran)、コスラヴィ(イラン・終点)
- AH-3(延長:6,286km)
- ウランウデ(Ulan-ude ロシア連邦・起点)、ウランバートル(Ulan Bator)、北京(Beijing)、天津(Tianjin)、上海(Shanghai)、長沙(Changsha)、昆明(Kunming)、チェンライ(Chiang Rai)・テンプレート:仮リンク(タイ、ミャンマー・終点)
- AH-4(延長:4,811km)
- ノボシビルスク(Novosibirsk ロシア連邦・起点)、ホブド(Hovd)、ウルムチ(Urumqi)、カシュガル(Kashi)、イスラマバード(Islamabad)、ラホール(Lahore)、カラチ(Karachi パキスタン・終点)
- AH-5(延長:9,842km)
- 上海(起点)、南京(Nanjing)、西安(Xian)、蘭州(Lanzhou)、ウルムチ(Urumqi)、アルマトイ(Almaty)、ビシュケク(Biskek)、タシケント(Tashkent)、アシガバート(Ashkhabad)、トルクメンバシ(Turkmenbasi)、バクー(Baku)、トビリシ(Tbilisi)、イスタンブル(Istanbul)、カプクレ(トルコ、ブルガリア国境・終点)
- AH-6(延長:10,407km)
- 釜山(Pusan・起点)、平壌(Pyongyang)、ウラジオストク(Vladivostok)、ハルビン(Harbin)、イルクーツク(Irkutsk)、ノボシビルスク(Novosibirsk)、オムスク(Omsk)、チェリャビンスク(Chelyabinsk)、モスクワ(Moscow)、クラスノエ(ロシア連邦、ベラルーシ国境・終点)
- AH-7(延長:4,776km)
- エカテリンブルク(ロシア連邦、起点)、チェリャビンスク(Chelyabinsk)、アスタナ(Astana)、オシ(Osh)、タシケント(Tashkend)、ドゥシャンベ(Dushanbe)、カーブル(Kabul)、ヘラート(Herat)、クエッタ(Quetta)、カラチ(Karachi パキスタン・終点)
- AH-8(延長:4,435km)
- トルピュノブカ(ロシア連邦、フィンランド国境・起点)、サンクトペテルブルク(Sankt-Peterburg)、モスクワ(Moscow)、アストラハン(Astrakhan)、マハチカラ(Makhachikara)、バクー(Baku)、テヘラン(Tehran)、バンダレ・エマーム(イラン・終点)
路線番号
路線番号の付与方法は以下のとおり[16]。
- 「アジアハイウェイ」を表す「AH」から始まり、一桁、二桁または三桁の番号がこれに続く。
- 1から9までの一桁の路線番号は、二以上の小地域を実質的に通過するアジアハイウェイの路線に割り当てる。
- 二桁および三桁の路線番号の組は、小地域内のアジアハイウェイの路線(隣接する小地域につながるものを含む。)および加盟国内にある道路の路線を示し、以下のとおり割り当てる。
- 10から29までおよび100から299までは、ブルネイ・ダルサラーム国、カンボジア、インドネシア、ラオス人民民主共和国、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイおよびベトナムを含む東南アジアの小地域に割り当てる。
- 30から39までおよび300から399までは、中国、朝鮮民主主義人民共和国、日本国、モンゴル、大韓民国、ロシア連邦(極東)を含む東アジアおよび北東アジアの小地域に割り当てる。
- 40から59までおよび400から599までは、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、パキスタンおよびスリランカを含む南アジアの小地域に割り当てる。
- 60から89までおよび600から899までは、アフガニスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、グルジア、イラン・イスラム共和国、カザフスタン、キルギス、ロシア連邦、タジキスタン、トルコ、トルクメニスタンおよびウズベキスタンを含む北アジア、中央アジアおよび南西アジアの小地域に割り当てる。
関係国
※アルファベット順。なお( )内は各国におけるハイウェイの延長距離(単位km、総延長141,714km)
テンプレート:Flagicon アフガニスタン(4,247)、テンプレート:Flagicon アルメニア(958)、テンプレート:Flagicon アゼルバイジャン(1,442)、テンプレート:Flagicon バングラデシュ(1,806)、テンプレート:Flagicon ブータン(1)、テンプレート:Flagicon カンボジア(1,340)、テンプレート:Flagicon 中国(26,699)、テンプレート:Flagicon 北朝鮮(1,320)、テンプレート:Flagicon グルジア(1,154)、テンプレート:Flagicon インド(11,432)、テンプレート:IDN(4,115)、テンプレート:Flagicon イラン(11,218)、テンプレート:Flagicon 日本(1,108)、テンプレート:Flagicon カザフスタン(13,189)、テンプレート:KGZ (1,695)、テンプレート:Flagicon ラオス (2,318)、テンプレート:Flagicon マレーシア(1,595)、テンプレート:Flagicon モンゴル(4,286)、テンプレート:Flagicon ミャンマー(3,003)、テンプレート:Flagicon ネパール(1,321)、テンプレート:Flagicon パキスタン(5,377)、テンプレート:Flagicon フィリピン(3,517)、テンプレート:Flagicon 韓国(907)、テンプレート:Flagicon ロシア(16,869)、テンプレート:Flagicon シンガポール(19)、テンプレート:LKA(650)、テンプレート:Flagicon タイ(5,101)、テンプレート:Flagicon タジキスタン(1,925)、テンプレート:Flagicon トルコ(5,254)、テンプレート:Flagicon トルクメニスタン(2,204)、テンプレート:Flagicon ウズベキスタン(2,966)、テンプレート:Flagicon ベトナム(2,678)
日本におけるアジアハイウェイ
国土交通省は、2005年「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定」が発効したことを受け、協定に規定されたアジアハイウェイに係る標識を、順次設置することを発表している[17]。
日本橋を起点[18]とし、東京-福岡間の首都高速道路、東名高速道路、名神高速道路、中国自動車道、山陽自動車道、広島岩国道路、関門自動車道、九州自動車道、福岡都市高速道路の高速道路がAH-1に編入された。
参考文献
- 山内洋隆著「遥かなるアジアハイウェイ」JETROレポート、2004年。
- 文献内で引用されているUNESCAPのデータ。
脚注
関連項目
外部リンク
- About the Asian Highway テンプレート:En icon - 国際連合アジア太平洋経済社会委員会
- アジアハイウェイ・プロジェクトの概要 - 国土交通省総合政策局
- アジアハイウェイとは - 国土交通省総合政策局
- アジアハイウェイ標識 - 国土交通省道路局
- テンプレート:PDFLink テンプレート:PDFLink
- ↑ 1.0 1.1 1.2 2005年(平成17年)6月21日外務省告示第464号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定の効力発生に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)3月1日外務省告示第110号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のロシア連邦による確定的署名に関する件」
- ↑ 2005年(平成17年)8月15日外務省告示第778号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のアルメニア共和国による批准に関する件」
- ↑ 2005年(平成17年)9月28日外務省告示第975号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のブータン王国による批准に関する件」
- ↑ 2005年(平成17年)12月7日外務省告示第1136号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のパキスタン・イスラム共和国による批准に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)3月1日外務省告示第109号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のグルジアによる承認に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)3月1日外務省告示第111号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のアフガニスタン・イスラム共和国による批准に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)4月24日外務省告示第251号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のインドによる批准に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)4月24日外務省告示第252号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のタイ王国による批准に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)6月13日外務省告示第319号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のタジキスタン共和国による批准に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)9月27日外務省告示第557号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定の附属書の改正に関する件」
- ↑ 2006年(平成18年)10月17日外務省告示第582号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のキルギス共和国による批准に関する件」
- ↑ 2008年(平成20年)1月18日外務省告示第41号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のカザフスタン共和国による承認に関する件」
- ↑ 2008年(平成20年)2月7日外務省告示第86号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のフィリピン共和国による批准に関する件」
- ↑ 2008年(平成20年)5月27日外務省告示第298号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のラオス人民民主共和国による批准に関する件」
- ↑ アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定 付属書Ⅰ
- ↑ アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定に基づく標識の設置について 国土交通省 2010年6月22日
- ↑ アジアハイウェイの標識について 国土交通省