瀬戸 (列車)
テンプレート:列車名 サンライズ瀬戸(サンライズせと)は、東京駅 - 高松駅間を東海道本線・山陽本線・宇野線・本四備讃線(瀬戸大橋線)・予讃線を経由して運行している寝台特別急行列車である。
本項では、東京と四国を結んでいた優等列車の沿革についても記述する。
目次
概要
「サンライズ瀬戸」は、1998年(平成10年)7月10日に、それまで24系25形客車によって東京駅 - 高松駅間で一往復運転していた寝台特急「瀬戸」を、新たに製造した285系電車に置き換えて運転を開始した列車である。「瀬戸」では全区間単独運転であったが、東京駅 - 岡山駅間は同じく寝台特急「出雲」から置き換えられた「サンライズ出雲」とともに併結運転されるようになった。
2009年(平成21年)3月14日のダイヤ改正により東京駅発着の客車寝台特急(ブルートレイン)が全廃されたため、「サンライズ出雲」とあわせて唯一の東京駅発着、大阪駅以西を運転する寝台列車(寝台特急)となっている。
なお、2014年時点ではJR4社(東日本・東海・西日本・四国)の区間を跨いで運行する唯一の旅客列車である。
運行概況
テンプレート:Sound 東京駅 - 高松駅間を約9時間30分で結び、毎日1往復が運転されている。
1999年7月から2009年8月までは多客期に松山駅発着で延長運転されていた[1]。この際には長距離利用客を優先するため、高松駅 - 松山駅間の予讃線内延長区間のみの利用はできない。そのため、高松駅では下り列車到着時にはここからの乗車がないよう、行先表示器には「回送」と表示される。この時は坂出駅(正式には宇多津駅、同駅の項目および本四備讃線・デルタ線も参照のこと) - 高松駅間を2回走行することになるが、営業上の特例として、高松駅の改札を出ない限り、宇多津駅 - 高松駅間の運賃・特急料金は不要となっている。
2014年9月から11月までの金曜日・土曜日・休前日の合計31日間に、下り列車に限り琴平駅着で運転される予定である。[2]
設定当初は、夏休み期間中ほぼ毎日運転されたり、春休み、大型連休や秋季にも運転されていたことがあったが、年々運転日が減少していった。秋季に続いて2002年限りで春季の運転がなくなった後はお盆と年末年始にそれぞれ数日運転されるのみとなっていたが、2009年 - 2010年の冬季以降は運転されていない。
「瀬戸」が、宇高連絡船を利用し首都圏・東海道本線の各沿線都市と四国を結ぶ列車として、本州側でダイヤが考慮されていたことや、四国側にも同名の列車が運行されたこと、瀬戸大橋線開業以降も四国旅客鉄道(JR四国)管内の坂出駅・高松駅で特急列車と接続が計られており、それゆえ東海道・山陽新幹線の列車と同様に特急券の乗り継ぎ料金制度が存在する。
列車番号は、5031M・5032Mと運転線区等で変更がなく、下りが5031M、上りが5032Mとなっている。多客期の延長運転区間(高松駅 - 松山駅間)の列車番号は9000番台で、下りが9031M、上りが9032Mとなっている。
停車駅
東京駅 - 横浜駅 - 熱海駅 - 沼津駅 - 富士駅 - 静岡駅 - (浜松駅) - 〔大阪駅〕 - 〔三ノ宮駅〕 - 姫路駅 - 岡山駅 - 児島駅 - 坂出駅 - 高松駅
- 延長運転区間の停車駅
- 高松駅 - 丸亀駅 - 多度津駅 - 観音寺駅 - 川之江駅 - 伊予三島駅 - 新居浜駅 - 伊予西条駅 - 壬生川駅 - 今治駅 - 伊予北条駅 - 松山駅
- 高松駅 → 多度津駅 → 善通寺駅 → 琴平駅
使用車両・編成
テンプレート:Sunrize Izumo+Seto 1998 テンプレート:-
担当乗務員
車掌は、東京駅 - 児島駅間をJR西日本の岡山車掌区が、児島駅 - 高松駅間をJR四国の高松車掌区が担当する。運転士は東日本旅客鉄道(JR東日本)・JR東海・JR西日本・JR四国が自社区間のみを担当することから、会社境界である熱海駅・米原駅・児島駅などで運転士が交代する。
利用状況と競合交通機関
競合交通機関としては、羽田空港と高松・徳島・高知・松山の各空港を結ぶ航空路線のほか[3][4]、東京 - 四国の各都市間では高速バスが運行されている[5]。中心市街地から各空港へのアクセス所要時間等を考慮した場合、松山以外の各都市については、航空機の最終便より遅く出発し、翌朝の始発便より早く到着可能なダイヤとなっている。
また、上り列車は三ノ宮駅と大阪駅を午前0時台に発車することから、京阪神圏から東京方面への最終列車としての役割も担う。東海道新幹線の始発列車よりも約1時間早く東京駅へ到着できることもあり、「ノビノビ座席」を中心に両駅からの乗車客も一定数存在する。
東京対四国優等列車概略
瀬戸
「瀬戸」は、1950年10月に初の宇野線直通列車となる四国連絡の急行列車が東京駅 - 宇野駅間で運転を開始したのがルーツで、東京駅 - 岡山駅間は、東京駅 - 広島駅間急行の「安芸」と併結運転していた。一方、四国側の連絡列車は、高松桟橋駅 - 宇和島駅間に準急「せと」が設定された。準急「せと」は、高松桟橋駅 - 多度津駅間で、高松桟橋駅 - 窪川駅間の準急「南風」を併結していた。
1951年9月からは単独運転となったが、同年11月から1956年11月までは東京駅 - 大阪駅間で、東京駅 - 大社駅間を福知山線経由で運転する急行「出雲」に併結して運転されていた。
1951年12月に「せと」と名付けられ、1956年11月のダイヤ改正で再び「せと」は単独運転となり、列車名は漢字の「瀬戸」に変更した。1964年10月には寝台急行列車「さぬき」が新設されて四国連絡の2本目の列車としていたが、1968年10月のダイヤ改正で「瀬戸」に統合されて「瀬戸」は2往復になった。
1972年3月には、特急列車化されたが1往復に削減され、1988年4月の本四備讃線(瀬戸大橋線)開通後は、同線を経由して運転区間は東京駅 - 高松駅間に変更された。
廃止時の運行概況(1998年)
停車駅
東京駅 - 横浜駅 - 熱海駅 - 沼津駅 - 富士駅 - 静岡駅 - (浜松駅) - 〔大阪駅〕 - 〔三ノ宮駅〕 - 姫路駅 - 岡山駅 - 児島駅 - 坂出駅 - 高松駅
使用車両・編成図
テンプレート:Seto Asakaze 1994-1998 テンプレート:- 「瀬戸」として運転開始当初は10系客車を使用していたが、1971年、「瀬戸」1号・2号のB寝台車に新開発の14系寝台車を試用して、翌年には元の10系客車に戻された。1972年3月に特急列車化されたことにより20系客車に変更し、1977年9月に24系25形客車に置き換えられるまで使用された。置き換え以降は開放式B寝台のみのモノクラス編成が続いたが、1990年3月10日より、車両を共通運用していた「あさかぜ」2号・3号とともに個室A寝台「シングルデラックス」とラウンジカーが連結された。
さぬき
1964年10月に「瀬戸」の増発列車として1968年10月まで、東京駅 - 宇野駅間で運転されていた寝台急行列車である。「瀬戸」に統合されて廃止されていたが、サロンカーのオシ16形が連結された特徴ある列車であった。
列車名の由来は、香川県の旧国名である讃岐国であるが、当初は東海道新幹線の開業によって廃止される「すばる」が使用される予定であったが、香川県の要望によって「さぬき」が使用されるようになった。
沿革
四国連絡急行の整備
- 1950年(昭和25年)10月1日:東京駅 - 宇野駅間で、初の宇野線直通列車となる四国連絡の急行列車が運転開始。
- 1951年(昭和26年)
- 1956年(昭和31年)11月19日:ダイヤ改正(1956年11月19日国鉄ダイヤ改正)により、「せと」は単独運転になり、列車名は漢字の「瀬戸」になる。
- 1964年(昭和39年)10月1日:東京駅 - 宇野駅間で四国連絡の寝台急行「さぬき」が運転開始。
- 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正で次のように変更。
- 東京駅発着の四国連絡夜行列車の列車名は「瀬戸」に統合され、「さぬき」が廃止。「瀬戸」は2往復になる。
- 従来の「さぬき」は「瀬戸」1号(下り)・2号(上り)とし、「瀬戸」は「瀬戸」2号(下り)・1号(上り)とした。なお、「瀬戸」1号(下り)・2号(上り)の寝台列車指定は変わらなかったが、座席車中心の「瀬戸」1号・2号にも寝台車を連結していた。
- 四国列車の「せと」は「うわじま」に改称。
- 東京駅発着の四国連絡夜行列車の列車名は「瀬戸」に統合され、「さぬき」が廃止。「瀬戸」は2往復になる。
- 1971年(昭和46年):「瀬戸」1号・2号のB寝台車に、新開発の14系寝台車を試用。翌年には元の10系客車に戻される。
四国連絡ブルートレイン「瀬戸」
- 1972年(昭和47年)3月15日:「瀬戸」が特急列車化され、1往復になる。使用車両を10系客車から20系客車に変更。
- 1973年(昭和48年)10月ごろ:「瀬戸」の食堂車営業休止して一時期は食堂車を編成から外す。
- 1975年(昭和50年)3月:「瀬戸」の車両の受け持ちが、品川客車区から下関運転所(現在の下関総合車両所に相当)・広島運転所に変更され、「あさかぜ」2号(下り)・1号(上り)と共通運用となる。なお食堂車の連結を復帰させたが、営業は休止していた(当時の編成図)。
- 1977年(昭和52年)9月:B寝台を2段寝台とした24系25形に置き換え、A寝台の連結を終了(当時の編成図)
- 1988年(昭和63年)4月10日:本四備讃線の開通により、「瀬戸」の運転区間が東京駅 - 高松駅間に延長される。岡山駅 - 高松駅間でいわゆる「ヒルネ」扱いが開始。
- 1990年(平成2年)3月:A個室寝台「シングルデラックス」車両とシャワー室を備えた「ラウンジカー」が連結開始(当時の編成図)。
- 改造車についての詳細は、当該改造車についてを参照されたい。
電車寝台特急「サンライズ瀬戸」
- 1998年(平成10年)7月10日:「瀬戸」が電車化され、「サンライズ瀬戸」として運転開始。ただし従来の「瀬戸」は8月31日まで臨時運行した。東京駅 - 岡山駅間は「サンライズ出雲」と併結運転。これに伴い岡山駅 - 高松駅間のヒルネ扱いも廃止。
- 1999年(平成11年)7月:多客期に高松駅 - 予讃線松山駅間で延長運転開始。
- 2006年(平成18年)3月18日:停車駅に上郡駅を追加[6]。
- 2010年(平成22年)3月13日:上郡駅が停車駅から除外される。
- 2014年(平成26年)9月 - 11月:瀬戸内海国立公園指定80周年を記念し、金・土曜・休前日に高松行きを琴平駅まで延長運転。
脚注
参考文献
- 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0。
- 今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 4号・東京』新潮社、2010年。ISBN 978-4-10-790038-8。
関連項目
外部リンク
テンプレート:JR東海の在来線列車 テンプレート:JR四国の列車
テンプレート:現存する夜行列車en:Sunrise Izumo/Sunrise Seto- ↑ 夏の臨時列車のお知らせ(インターネット・アーカイブ)- 四国旅客鉄道プレスリリース 2009年5月15日
- ↑ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-08-01/01.htm 寝台特急「サンライズ瀬戸」高松~琴平間延長運転について
- ↑ テンプレート:PDFlink - 日本航空
- ↑ テンプレート:PDFlink - 全日本空輸
- ↑ 高速バス・夜行バスのJRバス-関東⇔中国・四国の高速バス情報 - JRバスグループ
- ↑ 平成18年3月18日ダイヤ改正(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年1月30日