加藤剛

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テンプレート:Mboxテンプレート:ActorActress 加藤 剛(かとう ごう、男性、1938年昭和13年)2月4日 - )は、日本俳優俳優座所属。身長173cm体重70kgみずがめ座[1][2]。本名は表記は同じだが、読みは「かとう たけし」である。

2001年紫綬褒章受章。2008年旭日小綬章受章。

来歴

出生から学生時代まで

静岡県榛原郡白羽村御前崎市)出身。父鉉一郎は小学校の校長[3]。姉四人と兄、弟がいる[4]。加藤家は古くからの地主農地改革で大半を失ったとはいえ、自宅の敷地は八百近く、敷地に続くすぐ裏に持ち山があった[4]。庭にはたくさん木があった[4]。父親が校長というのはプレッシャーにはならなかった[5]。いわゆる腕白少年ではなく、よく母の台所仕事を手伝った[5]畑仕事もした[5]。自作するだけの畑はあったから、サツマイモを交代で作った[5]

御前崎の遠州灘に続く茶畑のある風景の中で育った。地元を離れたのは中学三年の時である[6]。戦争未亡人となり美容室を開いていた文京区の長姉宅に寄宿した[6]

父鉉一郎は加藤を医者にしたかった[7]。俳優になろうとは思っていなくて「何か演劇映画に関係する仕事ができればいいかな」と思っていた[6]小石川高校の時、柔道部に入ってたけど先輩が演劇もやっていて「お前も手伝え」と命じられ舞台に立ったのがきっかけだった[8]

早稲田大学文学部演劇科で学ぶ[6]。学内の劇団、自由舞台で活躍する[6]

俳優として

大学四年の時、二十倍の難関を突破して俳優座養成所に入る[8]

途中テレビドラマ『人間の條件』出演のため1年「休学」。「人間の条件」では「ぼくという裸身の素材にこの男(主人公の梶)の一生を忠実に刻み込んでゆくこと」で演じきり、原作者より「テレビ映画の優れた主演者」と評された[9]。後、13期生として修了。修了時の同級生には石立鉄男佐藤友美細川俊之横内正らがいる。27歳で正月公演で安部公房作『お前にも罪がある』で「男」を演じ、演出上傾いた舞台装置「男の部屋」上で2時間の連続演技を行う主役に抜擢[10]。 長年に渡り一貫して演じ通した当たり役である『大岡越前』は1970年(昭和45年)から、『江戸を斬る』『水戸黄門』等とローテーションを組みながら、足掛け約30年間月曜8時を支え、TBSテレビの看板番組となった(詳しくは『大岡越前』参照)。『大岡越前最終回スペシャル版』では実子である夏原遼頼三四郎との共演を果たした。『大岡越前』で親友役を演じた竹脇無我とは私生活でも40年間以上親友関係にあり、2011年平成23年)8月に竹脇が急死した際は、手書きの追悼文を寄せた[11]

『大岡越前』の終了後、『命のビザ』や『そして戦争が終わった』など現代史ドラマに進出。

人物

テンプレート:出典の明記

  • 高校時代は柔道部
  • 映画評論家の田山力哉は、加藤は大岡越前さながらの真面目で真摯な人柄で、取材の際にジョークをぶつけると、その都度困ったような微笑で返されたと記している。
  • その端整な容姿に対してダウンタウン松本人志は、「世界三大美男子は、アラン・ドロン、加藤剛、ジョン・ローン」であると発言している。
  • 朗読レコード付き絵本「東京こどもクラブ」の第1回配本『さんびきのこぶた』における導入部での「こんにちは。海からやってきた、加藤剛です。ごうおじさんと呼んでね」という自己紹介コメントが、首都圏の深夜ラジオ番組でギャグの題材として取り上げられて大流行した。
  • たばこは吸わず、酒も飲まず、ギャンブルとは無縁である[12]
  • 戦争反対の一心で俳優を続けてきた(同上)。
  • 高校時代、実家でチェーホフの戯曲を読んで俳優を志した(同上)。

家族・親族

加藤家

静岡県御前崎市東京都
加藤家は古くからの地主だった[4]農業も営んでいた[4]。家族九人が揃っていた頃は食事の時など壮観だった[4]。茶の間の広い板の間で作男の人たちが箱膳でご飯を食べた[4]
厳格な明治の男ながら、家事を分担するリベラルさと進取の気性に富む人だった[3]。「何をしてもいいが、自分の行動に責任を持て」と述べ、それ以外は放任主義だった[7]1981年88歳で他界[7]
1937年生 -
1975年生 -
1980年生 -

出演作品

映画

*太字はキネマ旬報ベストテンにランクインした作品

テレビドラマ

主な舞台

  • 俳優座1965年正月公演 『お前にも罪がある』作:安部公房、演出:千田是也 - 主演・「男」 役
  • 次郎長が行く - 清水次郎長
  • コルチャック先生 - コルチャック先生
  • 伊能忠敬物語 - 伊能忠敬
  • 大岡越前〜卯の花が咲くとき〜 - 大岡忠相
  • 月光の海 ギタラ - 速水 役

朗読

CM

ディスコグラフィー

シングル

著書

  • 海と薔薇と猫と(1980年、創隆社)のち中公文庫 
  • 歩く人 加藤剛 写真&エッセイ集(著:蔵原輝人、撮影:しゃっせただお、1985年、創隆社)
  • こんな美しい夜明け(2001年、岩波書店)のち現代文庫 

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:大河ドラマ主演俳優

テンプレート:Asbox
  1. 元の位置に戻る テンプレート:Cite web
  2. 元の位置に戻る テンプレート:Cite web
  3. 以下の位置に戻る: 3.0 3.1 3.2 3.3 斎藤明美『家の履歴書 男優・女優篇』100頁
  4. 以下の位置に戻る: 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 4.9 斎藤明美『家の履歴書 男優・女優篇』101頁
  5. 以下の位置に戻る: 5.0 5.1 5.2 5.3 斎藤明美『家の履歴書 男優・女優篇』102頁
  6. 以下の位置に戻る: 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 斎藤明美『家の履歴書 男優・女優篇』104頁
  7. 以下の位置に戻る: 7.0 7.1 7.2 7.3 斎藤明美『家の履歴書 男優・女優篇』106頁
  8. 以下の位置に戻る: 8.0 8.1 斎藤明美『家の履歴書 男優・女優篇』105頁
  9. 元の位置に戻る 夢の肩身「人間の条件」ほるぷ新聞1969.11.15
  10. 元の位置に戻る 加藤剛『海と薔薇と猫と』1980年 創隆社・「野鴨まで」より
  11. 元の位置に戻る テンプレート:Cite news
  12. 元の位置に戻る 『「最後」の覚悟で舞台へ』生老病死の旅路 2014年6月9日 読売新聞夕刊9面