沈まぬ太陽

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沈まぬ太陽』(しずまぬたいよう)は、1995年平成7年)から順次発表された、作家・山崎豊子による3編に亘る長編小説である。

日本航空と、実在する同社社員で同社の労働組合役員である人物の体験に基づいて脚色、再構成されたフィクション社会派作品[1]2009年平成21年)には、同名の映画化作品が公開された。

作品概要

日本のナショナル・フラッグ・キャリアである国民航空の社員で同社の労働組合委員長を務めた恩地元と彼を取り巻く人々の描写を通して、人の生命にかかわる航空会社の社会倫理を表現した作品である。日本航空とその元社員である小倉寛太郎、単独機の事故として史上最悪の死者を出した日本航空123便墜落事故などがモデルとされている。実在の複数の人物が登場人物のモデルとなったとの推測があるが、作者は公式には認めていない。この作品の『週刊新潮』への連載・映画化に日本航空は不快感を示し、雑誌連載中は日本航空機内での『週刊新潮』の扱いを取りやめている[2]。 本作は、以下の3編からなる。

アフリカ篇
作中の現在は1971年(昭和46年)11月13日午後(ケニア時間)より。
国民航空ナイロビ営業所に勤務する恩地を中心に物語は進行する。国民航空の労働組合委員長として経営陣と対立した結果、カラチテヘラン、そしてナイロビの足掛け8年に亘る「現在の流刑」にも等しい左遷人事に耐える中で、母親と死別し、家族と別れることになった経緯と作中の現在に至るまでが、回想形式で描かれる。一方、大学の同輩であり組合の副委員長として恩地を蔭ながら支えてきた行天四郎は、堂本常務の言葉によって恩地と袂を別ち、出世街道を歩むこととなる。
御巣鷹山篇
作中の現在は1985年(昭和60年)8月12日18時24分頃(日本時間)より。
10年の左遷に耐えて日本に帰国した恩地であったが、国民航空は追及の手を緩めず、恩地を更に10年の間、東京本社での閑職に追いやる。そんな中、御巣鷹山で「国航ジャンボ機墜落事故」が発生、救援隊・遺族係へ回された恩地を中心に物語は進行する。一部実在者を含む遺族の姿がオムニバス形式で随所に挿入されている[3]
会長室篇
作中の現在は1985年(昭和60年)12月より。
御巣鷹山墜落事故から4ヶ月後、利根川総理大臣は国民航空の再建を期し、関西の紡績会社の会長である国見正之を国民航空会長に据えた新体制をスタートさせた。遺族係として大阪に赴任していた恩地は東京に呼び戻され、国見が新設した「会長室」の部長に抜擢される。改革に奔走する国見と恩地、そして次期社長の座を狙う行天を中心として、国民航空の腐敗体質の温床となった存在と、その背後の黒幕が描かれる。

主な登場人物・企業

必ずしも全ての登場人物にモデルが存在するわけではなく、モデルとして複数の意見が存在するものもある[4]

団体

企業

国民航空(国航, NAL、こくみんこうくう、こっこう)
主要な舞台となる企業で、主人公を始め多くの登場人物が所属している。日本航空がモデルとされている。
新日本空輸(新日空、しんにっぽんくうゆ、しんにっくう)
国航と同規模の航空会社であり、国内の主要航空路線ではライバル関係にある。全日本空輸がモデルとされている。
極東国内航空(きょくとうこくないこうくう)
新日空と同じく国航のライバル関係にある航空会社。当時の東亜国内航空(後の日本エアシステム)がモデルとされている。
日本産業銀行(にほんさんぎょうぎんこう)
ボーイング
アメリカの大手航空機メーカー。国航や新日空を始め、多くの航空会社に航空機を販売している。アメリカ西海岸の大都市シアトルに本社がある。名前の通りボーイング社がモデルとされている。

政党

自由党(じゆうとう)
政権を担当する与党として政財界に大きな影響力を持つ。中道右派政党。党内の議員の一部は左翼を蛇蝎の如く嫌っており、共産党に挨拶に行ったり、恩地を重用するなどする国見へ不信がつのる土壌があった。なお、当時の政権与党は自由民主党である。
社進党(しゃしんとう)
野党。社会民主主義を唱える中道左派政党。
共産党(きょうさんとう)
野党。共産主義を唱える左派政党。代々木に本部を置く。名前の通り日本共産党がモデルとされている。

その他

関西紡績(かんさいぼうせき)
国民航空会長となる国見が会長を務める紡績会社。カネボウがモデルとされている。
国航開発(こっこうかいはつ)
国民航空の子会社。国民航空が就航する世界各地に豪華ホテルなどを経営する。作中では、ニューヨークのグランドホテルを買収するが、買収にあたり、資金の流れが不透明であり、恩地らが追求することになる。
おすたか会(おすたかかい)
国航ジャンボ機墜落事故の遺族会。なお、実際の日航ジャンボ墜落事故の遺族会は「8・12連絡会」である。

人物

主要人物

恩地元(おんちはじめ)
本作品の主人公。実直で何事にも筋を通す性格であり強い信念の持ち主。国航労組の委員長職を半ば強引に押しつけられるも、職場環境の改善に積極的に取り組む。団体交渉の席で(経営陣から見れば)無理難題を要求したり、ストライキ権をちらつかせて首相フライトを阻止しようとしたりした。そのことがきっかけで会社に目を付けられ、カラチ、テヘラン、ナイロビと左遷人事の憂き目にあう。組合員たちのために経営陣と戦ったことに誇りを持っており、(経営陣に)詫び状は絶対書かず、理不尽な仕打ちを受けようとも会社は絶対に辞めなかった。帰国後は永らく窓際へ追いやられていたが、ジャンボ機墜落事故では、山岳部の経験を買われ御巣鷹山へ派遣され、そのまま、事故の遺族係になる。国見会長就任後、国航の会長室に抜擢され、会社の改革のため奔走する。小倉寛太郎をヒント・モデルに創作された作中人物とされる。
行天四郎(ぎょうてんしろう)
かつては労組において恩地の盟友だったが、後に袂を分かつ。堂本に懐柔されて経営陣派に転向し、僻地へ左遷させられた恩地とは対照的に、アメリカの支店を転々として栄転する。その後は、出世のためなら手段を選ばず、国民航空の役員にまで上り詰める。行天には特にモデルとなった人物はいないとされる。マスコミの情報操作や株主優待券を使った裏金作り、政界への工作活動、御巣鷹山事故負傷者の病院への潜入、遺族会の分断工作など、当時の国航側にあった黒い噂を、物語上で実行する役回りともいえる。

恩地の家族

恩地りつ子(おんちりつこ)
元の妻。気苦労ばかりかける夫を献身的に支える。元には自身の感情を吐露することはあまりなかったが、我慢を多く重ねてきている。
恩地将江(おんちまさえ)
元の母。労組の委員長とした働いた恩地に、ひどい仕打ちをする会社に憤りを隠さない。物語開始時点から病床についており、元の海外勤務時代に他界する。元は転勤先から大急ぎで帰国したが、死に目には間に合わなかった。
恩地克己(おんちかつき)
元の長男。元は明るく元気な少年であったが、日本人の友達のいない海外へ行ってからは、寂しさからか内向的になる。長じてからは、元に理解を示すようになる。
恩地純子(おんちじゅんこ)
元の長女。兄の克己同様、元の海外勤務によって子供時代は苦しむことになる。元が独りでナイロビへ行ってからは、学校には登校拒否になる。自分の信念を貫こうとする元に「自分勝手なお父さん」と非難する手紙を送る。物語後半で縁談が持ち上がるが、相手の両親が元の経歴に不信を抱く。その誤解は結局解けるのだが、純子の結婚をめぐって行天が圧力をかけることになる。

国航関係者

八馬忠次(はちうま)
恩地の前任組合委員長。恩地に委員長を押し付けるも、経営陣に噛み付くという恩地の暴走に手を焼く。頑固な恩地を手に余らせてはいたが、優秀な後輩であるとは認識しており、恩地の海外勤務先へ訪れて「(経営陣に)詫び状を書けば、お好みのポストで日本に帰してやる」と迫る。これを恩地は拒否し、八馬は激昂して「吠え面をかくぞ」と言い捨てる。
権田宏一(ごんだ)
恩地と対立する新生労働組合委員長。
轟鉄也(とどろぎてつや)
新生労働組合副委員長。
岩合宗助(いわごうそうすけ)
新生労働組合の黒幕。後に国航開発社長となる。そのワンマンな経営姿勢は「岩合天皇」とあだ名されている。物語終盤に国航開発の乱脈経営の責任を問われ、国見らにより解任される。
岡部貨物部長(おかべ)
桧山(ひやま)
恩地が組合委員長だった頃の国航社長。労使交渉で恩地と対立した一方で、他の経営陣らに嫌われる恩地の処遇を案じており、苦肉の策として恩地の海外勤務を提案するも、「2年で日本へ帰す」という恩地との約束を守れなかったことに心を傷める。
小暮(こぐれ)
桧山の後任の国航社長。
堂本信介(どうもとしんすけ)
ジャンボ機墜落事故発生時の国航社長。かつて国航の労務担当役員として冷徹に組合交渉に臨み、権謀術数を巡らせ組合の分断工作などを行う。言葉巧みに行天を誘い、自らの手駒として手懐ける。その一方で、過激な労組運動を行った恩地に共産党の秘密党員(アカ)のレッテルを張り、抹殺を図る。オーディオマニアである。社長就任後は、官僚の天下りではない社内の「生え抜き派」として長期政権をねらうが、大事故の発生により失脚する。事故後、死に体となった社長として、苦い顔をしながら遺族行脚をする。社長退任後は院政を画策する。若いころは筋金入りの左翼活動家であったが、昭和初期の大弾圧のなか獄中で体制派に転向したという過去をもつ。[5]
国見正之(くにみまさゆき)
関西紡績会長。ジャンボ機墜落事故の後、総理直々の指名で三顧の礼をもって、国航会長に迎えられる。関西紡績の労務問題を解決した手腕と、元軍人であることを理由に選ばれ、「お国のため」に働くことを政界から求められる。安全の確立といった社内の改革、520名の被害者の側に立つことを明確化。実直すぎる人柄と、利根川首相の政敵・永田と交流があったこと、共産党に挨拶に行ったことや左翼分子の疑いをかけられている恩地を重用したことから、やがて首相に厄介者扱いされる。深刻な労使対立などの国民航空に巣食う病根の深さに翻弄され、ついには道半ばで更迭される。[6]
海野昇(うみののぼる)
国見の会長就任と同時に国航社長となる。天下り官僚で、元運輸次官。外面は国見にへつらっているが、腹の底では真面目一筋の国見に辟易している。
三成通男(みつなりみちお)
国見の会長就任と同時に国航副社長となる。
秋月純(あきづきじゅん)
国航開発会長。
永尾(ながお)
国航常務。
田丸(たまる)
国航常務。
三井美樹(みついみき)
客室乗務員。恩地らと共に組合の一員として働く。国民航空退職後は、国民航空の労組問題に力を貸すようになる。
八木和夫(やぎかずお)
国航の旧労働組合員。かつて、恩地らとともに経営陣と戦った。
小川亜紀子(おがわあきこ)
客室乗務員。行天の愛人で、行天からは「アコ」と呼ばれている。
和光(わこう)
国航監査役。国民航空の10年もののドル先物予約などの不正を告発する。
川野
国航秘書課長。
細井守(ほそいまもる)
見るからに不健康そうな細身の男。通称「針金課長」。行天の指示で大量の株主優待券を換金して現金を用意させられたり、ペーパーカンパニーの社長をやらされたりと、散々な目に遭う。そのために、ノイローゼを患う。国民航空内部の暗部を東京地検特捜部に告発する書簡を送った後に、東尋坊に身を投げ自殺する。

政界

利根川泰司(とねがわやすし)
国航ジャンボ墜落事故時の首相。出世の見込めない弱小派閥の長だったが、党内抗争でキャスティングボートを巧みに握り、総理の座まで上り詰める。ジャンボ機墜落事故を起こした国航の次期経営者の人事を、監督官庁である運輸大臣ではなく総理大臣自らが手がけることで、権力を誇示すると共に運輸利権を手にしようと目論む。国見を国民航空会長に据えたまではよかったが、その扱いの苦心することになる。なお、実際の当時の首相は中曽根康弘である。
竹丸(たけまる)
副総理。政界・財界に広い人脈を持ち、利根川を補佐する。財界の有力者のつてを使い、インドネシア政府開発援助がらみで、国民航空に10年もののドル先物予約を仕組み、関係機関から献金を受け取っていた。国見らがドル先物予約の異常さに気づくと、自身の献金のカラクリが明るみに出るのを恐れ、閣議決定で幕引きを図る(それでも、国見らがドル先物予約の件をいくらつつこうが、滅多なことではそのカラクリがばれることはないようであるが)。なお、実際の日航ジャンボ墜落事故後の副総理は金丸信である。
十時(ととき)
官房長官。その名の通り午後10時に退庁する勤勉な男。国見と利根川の間に立つ役回りである。なお、実際の日航ジャンボ墜落事故後の官房長官は後藤田正晴である。
道塚(みちづか)
運輸大臣運輸族を束ねる。国民航空の後任社長人事をめぐって利根川に介入を試みる。なお、実際の日航ジャンボ墜落事故後の運輸大臣は三塚博である。
永田(ながた)
元首相で、利根川の政敵。運輸利権を握っている。利根川に対抗して、国航の情報を社進党にリークする。
龍崎一清(りゅうざきいっせい)
利根川のブレーン。元大本営参謀で、関東軍の将兵と共に、シベリアに抑留された過去を持つ。利根川の命で国見とたびたび接触する。現実において、中曽根首相のブレーンとして活躍したのは瀬島龍三である(瀬島龍三をモデルとした登場人物は、山崎豊子の小説不毛地帯に壱岐正としても登場する)。
青山竹太郎(あおやまたけたろう)
運輸族の代議士。
石黒(いしぐろ)
運輸省航空局総務課長。
井之山(いのやま)
社進党の中堅議員。永田からリークされた情報を元に、国会で国航の経営問題を追及する。
安西富貴(あんざいふき)
目白の女王。元首相・田沼の秘書。
不二(ふじ)
共産党委員長。なお、実際の当時の共産党委員長は不破哲三である。

その他

鷹名(たかな)
日本新聞記者。
小野寺(おのでら)
国際総合開発会長。
三島(みしま)
東京工商会議所会頭。
永井藤夫(ながいふじお)
レジャーランド社長。
兵庫(ひょうご)
ナイロビ在住の獣医師。

連載

1995年から1999年まで週刊新潮で連載し3部構成を出している。

  • 第1部:1995年1月5日号~1996年4月11日号
  • 第2部:1997年1月2・9日号~1997年10月9日号
  • 第3部:1998年1月1・8日号~1999年4月11日号

既刊一覧

1999年に単行本での出版を経て、新潮文庫から全5巻で刊行されている。

  • 第1巻 - アフリカ篇・上 (2001年11月発売, ISBN 978-4-1011-0426-3)
  • 第2巻 - アフリカ篇・下 (2001年11月発売, ISBN 978-4-1011-0427-0)
  • 第3巻 - 御巣鷹山篇 (2001年12月発売, ISBN 978-4-1011-0428-7)
  • 第4巻 - 会長室篇・上 (2001年12月発売, ISBN 978-4-1011-0429-4)
  • 第5巻 - 会長室篇・下 (2001年12月発売, ISBN 978-4-1011-0430-0)

映画

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本作は3時間22分と長時間の作品であるため、上映途中に10分間の休憩(インターミッション)が入る[7]

2011年2月11日には日本テレビの映画放送番組・『金曜ロードショー』を枠拡大した『金曜特別ロードショー』として、約4時間にわたり本編ノーカットで地上波初放送された。視聴率は15.0%(関東地区・ビデオリサーチ社調べ)。

第33回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。上映時間が3時間を超えた作品が日本アカデミー賞を受賞したのは史上初であり、1980年の『ツィゴイネルワイゼン』の2時間24分をはるかに上回る新記録となった。

解説

小説の内容から映像化は困難といわれていた。2000年徳間康快大映社長が、東映との共同制作で映画化を発表したものの、徳間社長が死去したため実現しなかった[7]2006年5月には、角川ヘラルド映画(現・角川書店(映像事業)。以下 “ 角川 [8]“)によって2008年夏公開を目指し製作されることが発表されるなど、何度か映画化の話が持ち上がったが、実現していなかった。また、同じ著者による『白い巨塔』を二度にわたって映像化したフジテレビが2009年の開局50周年にあわせてテレビドラマ化するという企画があったが、立ち消えになっている。しかし、2008年12月、角川は、2009年秋公開として正式に映画化を発表した。角川に吸収合併された旧・大映の社員が奔走し、映画化にこぎつけたという。2009年2月にイランロケでクランクイン[7]。アフリカなどでの撮影も行われ、日本の空港シーンはタイの空港を利用して撮影した。飛行機のシーンは、日本航空の協力が得られなかったため、CGによって再現した[7]

週刊朝日』によると、日本航空は映画化について、「ご遺族の中には映画化を快く思っていない方もいらっしゃる。すべてのご遺族の心情をきちんと汲んで欲しい」と映画化反対のコメントを出している[2]。また、日本航空から角川に対し「名誉毀損の恐れがある」と警告文を2度送っているという[2]角川は「映画は全くのフィクション」であるとしている[2]。また、本編の最後には、飛行機事故による犠牲者達への哀悼の意と共に、フィクションである旨の但し書きが表示される。しかし、日本航空は自社の社内報の中で「『フィクション』と断っているが、日航や役員・社員を連想させ、日航と個人のイメージを傷つける」「作り話で商業的利益を得ようとする行為は遺族への配慮が欠けている」と再度批判しており、法的な提訴も辞さない姿勢を見せていた[9][10]

原作との相違点

  • 原作の物語の開始(作中の現在)が恩地のアフリカ時代の1971年であるのに対して、映画での物語の開始は御巣鷹山事故の1985年となっている。恩地の過去はこの時点からの回想になっている。
  • 龍崎から再三の説得の末、会長に就任する国見だが、その動機が異なる。原作では、現在の国の危機を鑑み、国を思い戦争で散っていた国見のかつての同志たちに思いを馳せ、自身にとって二度目の召集だと思って、「お国のため」と引き受ける。しかし、映画では、「お国のために力になってはくれまいか?」と竜崎は説得しているのだが、国見はそうではなく、御巣鷹の事故で亡くなられた御霊とそのご家族のためにと引き受ける。
  • 原作の後半に登場する人物が一部登場しない。映画では、原作の前半に登場する人物にその役割を担わせている。
    • 行天の愛人である小川亜紀子が登場せず、三井美樹が行天の愛人として登場している。
    • 行天の命令で裏金作りをする細井守が登場せず、代わりに八木和夫が裏金作りをし東尋坊に身を投げる。
    • 国航商事社長の岩合宗助が登場せず、代わりに八馬忠次が社長になっており、岩合の代わりに最後の役員会で解任される。
  • 原作は「事実を基に構成した作品」であるが、映画は「完全なフィクションである」としている。

キャスト

国民航空社員とその家族

国民航空労働組合委員長、遺族係、会長室部長
恩地元の妻
恩地元の母
恩地元の長男
恩地元の長女。学校は途中から登校拒否、完全に不登校になる。
労働組合副委員長、取締役
客室乗務員、行天の愛人
国民航空社長
労務担当役員、桧山の後任社長
国見の会長就任と同時に社長になる。
国見の会長就任と同時に副社長になる。
事故後の国民航空会長
労組書記長
カラチ支店長
取締役、国航商事会長
恩地の後任の労組委員長
遺族係
整備士長
客室乗務員。三井美樹の代わりに123便に乗り、事故に遭う。
恭子の母
新生労組幹部。
新生労組幹部。

日本政府・国会議員・官僚等

内閣総理大臣
副総理
利根川のブレーン。
内閣官房長官
運輸大臣
運輸族の代議士。
社進党代議士
運輸省官僚(運輸省課長)
衆議院運輸委員会。
東京地検・特捜部

123便犠牲者とその遺族

その他

ジャーナリスト。
浩三の両親。
純子の婚約者。
日本政策銀行会長。
行天の馴染みのホステス。

スタッフ

予告編ではベートーヴェンピアノソナタ第8番ハ短調作品13『悲愴』第2楽章の冒頭部が使われている。

受賞歴

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:山崎豊子 テンプレート:日本アカデミー賞最優秀作品賞

テンプレート:毎日映画コンクール日本映画大賞
  1. 単行本の但し書きには、事実を基にした作品である旨が記されている
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 三嶋伸一 「製作費20億円「沈まぬ太陽」で日航と角川映画が水面下で大バトル」 『週刊朝日』 2009年5月8日号、朝日新聞出版、124頁。
  3. 単行本の但し書きに遺族を実名で登場させたことが記されている。
  4. モデルの典拠は「週刊朝日2000年2月11日号および18日号の“『沈まぬ太陽』を「私は許せない」”という批判記事の対照表に基づく。
  5. モデルは、当時の日航社長の高木養根である。なお、堂本の人物像については、小倉から見た高木像を山崎が脚色したものであり、実際とは異なるとの指摘がある。 小説「沈まぬ太陽」余話(Ⅲ)より
  6. モデルは、ジャンボ機墜落事故発生後に日航会長に就任した元鐘紡会長伊藤淳二である。
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 伊藤徳裕 「苦難乗り越え「沈まぬ太陽」あす公開」 『産経新聞』 2009年10月23日付朝刊、産経新聞東京本社、12版、17面。
  8. 角川ヘラルドはその後社名を“ 角川映画 ”に変更後、2011年1月に角川書店本社に吸収。企業としての角川映画は現在角川書店と同義になっているので、この解説文では“ 角川 “に統一した。
  9. テンプレート:Cite web
  10. テンプレート:Cite web
  11. 2009年7月26日 胃がんのため死去。これが遺作となった。
  12. イギリス在住のヴァイオリニスト。彼女の父親は日本航空123便墜落事故で事故死している。