スバル・レガシィ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年8月16日 (土) 11:53時点における126.250.50.227 (トーク)による版 (3代目 BE/BH系(1998年-2003年): 開発コンセプト)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

レガシィLEGACY )は、スバルブランドを展開する富士重工業が生産する乗用車。同社の看板車種であると共に、アルシオーネSVXの販売終了以降はスバルの旗艦車種となった。

スバル・1000から始まる水平対向エンジンレオーネで実現された4WDといったスバル独自の機構を採用し、ツーリングワゴンをはじめ、スポーツセダンのB4、ステーションワゴン型SUVのアウトバックなど、いずれのバリエーションも日本国内外で高い人気を誇っている[1]

しばしば「レガシー」と誤記される向きもあるが、カタカナ表記は「レガシィ」である。

歴史

初代 BC/BF系(1989年-1993年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

概要

当時の富士重工業は、好調なアメリカ向けの輸出への過度の依存による組織の硬直化が進み、1980年代末には専門誌や新聞等で公然と他社による買収や吸収合併、倒産の危機が報道されるほどの厳しい局面を迎えていた。

この危機からの打開のため、開発主管制度の導入、開発部門の連携の強化などの大規模な組織改革が断行され、開発コード「44B」として開発が進められたのが、初代モデル(型式BC/BF/BJ(=日本国外向けロールーフワゴン))である。 開発プロジェクトの総括責任者は、中村孝雄(商品企画室 担当部長)。

新開発のボディは、くさび形をモチーフに、ブリスターフェンダーが与えられ、各ピラーを黒色処理とすることで、ガラスが連続する航空機キャノピーを連想させるもの。「アルシオーネ」で用いられたデザインテーマを継承した。デザインワークにはジョルジェット・ジウジアーロが関与したとも言われているが、純然たる社内デザインによる作である。チーフデザイナーを務めた杉本清によればスケッチの段階までジウジアーロとコンタクトがあったものの最終的に社内でデザインが進められたと語っている[2]。特に4ドアセダンではデザイン上の特徴として、リヤサイドウィンドウとクォーターウィンドウの下端を段付処理、ツーリングワゴンではクォーターウィンドウとリアウィンドウの下端を段付処理している。

1991年のマイナーチェンジでセダンの「段付」の修正が検討されたが、大幅なプレス部品およびガラス部品の変更が必要なため断念したと言われている。レオーネと比較して全長で約140mm、全幅で約30mm、ホイールベースで約110mm大型化した(4ドアセダン比)。レオーネに引き続き用意されたツーリングワゴンには、ひとつの伝統として2段ルーフが採用され、最上級の「VZ」にはルーフレールが標準装備された(順次、装着車種拡大)。ただし輸出向けツーリングワゴンには、単に「ワゴン (WAGON)」と呼ばれ、2段ルーフを採用していないモデルもある。

エンジンは新開発の水冷水平対向4気筒エンジン「EJ」型を搭載。「EJ20」のシリンダーブロックシリンダーヘッドはレオーネの「EA」型と同じく総アルミ合金製で、ペントルーフ型燃焼室、センタープラグ配置、クロスフロー方式である。また、全車に4バルブヘッドおよび電子制御インジェクションを採用している。クランクシャフト5ベアリング支持で、バルブ開閉機構にはHLA(ハイドロリックラッシュアジャスター)を設ける。さらにクランク角センサー、カム角センサー、ノックセンサーからの信号をECUで学習管理、点火時期を決定する電子制御点火方式を採っている。「RS」グレードに搭載された「EJ20」ターボは220psを叩き出し、これは発表当時のクラス最強であった。

トランスミッションは、FF・4WD共、5速MTと4速ATが用意された。 4WD-5速MT車にはセレクティブ4WDとフルタイム4WDがあり、1.8L「Mi」のみセレクティブ4WDとなり、同排気量の「Ti」を含む他の4WD-5速MT車はフルタイム4WDとなる。「RS」系と「GT」はリヤデフにビスカスカップリングLSDを備える。ATは、油圧多板クラッチ「MP-T」をトランスファーに用いて、前後輪の回転差、車速、スロットル開度等から前後輪へのトルク配分を、前輪:後輪=6:4を基本として、自動かつ無段階に変化させる「アクティブ・トルク・スプリット4WD(ACT-4)」を採用している。

サスペンションはフロントがL型ロアアームを用いたコイル/ストラット、リヤがラテラルリンク2本を配したコイル/ストラットを採用している。また、前後ロールセンターを結んだ「ロールアクシス」軸を最適化することによる「アンチダイブ・アンチスクォット・ジオメトリー」によって、加速・ブレーキング時の車体の姿勢変化を少なくしている。ツーリングワゴンVZには「EP-S」を装備した「VZエアサス」もあった。

年表

  • 1989年1月21日、アメリカ・アリゾナ州フェニックスで、デビュー前のレガシィセダンRSが、10万km耐久走行における走行平均速度223.345km/hという国際記録(当時)を樹立した。これは燃料補給やメンテナンスなどのロスタイムも含めた19日間で達成した速度記録である。
  • 1989年1月23日、アッパーミドルクラスの乗用車、レガシィ・シリーズを発表。翌2月1日から発売。
  • 1989年9月、最上級グレードとして「EJ20G」のカムプロファイル、ターボチャージャー変更により、オートマチックトランスミッションとのマッチングや、実用域での扱いやすさを重視したセッティングの「GT」がセダン、ツーリングワゴン共に登場した。折からの「バブル景気」で「ハイパワー4WDワゴン」という独自のカテゴリーを創造。端正なスタイルと相まって現代に至るまで続く爆発的なヒットの原動力になった。
  • 1990年5月、Bタイプへのマイナーチェンジに際して、モータースポーツ用ベース車両「RS type RA」のトランスミッションをクロスレシオに変更している。
  • 1991年6月、マイナーチェンジで後期型となり、フロント周りが刷新された。新グレード「Brighton(ブライトン)」が追加され、エンジンにはAT専用セッティングの「EJ20D」と2.0L OHC「EJ20E」が新登場。きめ細かい燃料噴射制御が可能になったことで、操縦性や燃費が向上した。
  • 1992年6月、マイナーチェンジでそれまで輸出専用だったEJ22型エンジンを搭載したレガシィ初の3ナンバーとなるツーリングワゴン「Brighton 220」と同「Brighton220 エアサス」、そして2WD仕様のツーリングワゴン「Brighton FF」を追加。「VZ」には新デザインの14インチメッシュタイプアルミホイールと「GT」と同じフロントバンパーを新たに採用。「GT」と「VZタイプR」は15インチアルミホイールのデザインをマイナーチェンジ前の「GT」と同じ6本スポークタイプに戻し、それまで採用していたディッシュタイプを「Brighton220」系に採用した。
  • 1992年8月、STIからコンプリートカー「レガシィ ツーリングワゴンSTi」を200台限定発売。専用ECUの採用により、ターボチャージャーの最大過給圧を標準の450mmHgから650mmHgへ高め、4ドアセダン「RS」と同じ最高出力・最大トルクを発生。専用ATコントロールユニットも採用。
  • 1992年9月、セダン「GT」をベースにエクセーヌシート、BBSホイール、専用サスペンションなどを装備した「GT type S2」を発売。
  • 1992年11月、「Brighton」をベースにアルミホイール、リモコンキーなどを追加した特別仕様「Brighton GOLD」を発売。

トピック

  • 発売から2年目の1990年、富士重工業の100%出資の子会社「スバル・ワールド・トレーディング」が、S.I.A(当時はスバル・イスズ・オートモーティブ)」製の「EJ22E」搭載の左ハンドル「レガシィLSi」を日本で販売していた。本皮シート内装、サンルーフ、クルーズ・コントロールなどの高級装備が特徴。
  • 北海道小樽市タクシー会社「こだま交通」向けに、レオーネを引き継ぐかたちで2.0L・4WDLPG車が設定されていた。
  • いすゞ自動車へは4ドアセダンがアスカCXとしてOEM供給されていた。
  • 青森県警に初期型ブライトンや後期型TXなど、複数の白黒パトカーが存在した。その後2代目もかなりの台数が導入されていたが、3代目になると高速隊にRS30が2002年に導入され、プラモデル化されるなど話題を呼んだ。現在まで白黒パトカー、捜査用車両ともに警察への導入実績は根強い。
  • セダンのターボモデルである 「RS」 には「RSタイプR」「RSタイプRA」という、モータースポーツ向けのモデルが用意された。
    • 1989年9月に発売された「RSタイプR」は、RSから内装の装備を簡略化し、足回りなどを強化したものである。
    • 1989年11月に発売された「RSタイプRA」 の 「RA」とは 、「(10万km速度)記録挑戦=RECORD ATTEMPT 」に由来しており、 「RSタイプR」 に、スバルテクニカインターナショナル (STI) が手作業で加工した、動弁系部品、クランク、強化コンロッド、強化メタルなどを採用。駆動系部品にもバランス取りを施し、専用のクイックステアリングギヤボックスを装着した他、より足回りも強化され、1990年5月、レガシィ・シリーズのB型へのマイナーチェンジに際して、クロスミッションとアンダーガードを採用。BC/BF型のモデルライフを通じて販売されるカタログモデルに昇格した。
  • 初代セダン「RS」は欧州におけるスバルブランド向上のため、STIがイギリスのモータースポーツ・コンストラクタープロドライブの協力の元、1990年から世界ラリー選手権 (WRC) に参戦した。当時、三菱・ギャラン VR-4トヨタ・セリカ GT-FOURフォード・エスコート・コスワースランチア・デルタ インテグラーレなどとグループA全盛期に相対し、レオーネ RXの勇退からインプレッサ WRX登場までの4年間を戦い抜いた。そしてインプレッサのWRCデビュー戦を間近に控えた1993年のニュージーランド・ラリーで、コリン・マクレーのドライビングによりスバルにとって初の、レガシィにとって最初で最後のWRC優勝を飾り、第一線の性能を有したまま、その座をインプレッサに譲った。
  • ツーリングワゴンのデザインは、当時富士重工業でカーデザインを担当していた現在、ミュージシャングリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロースとして活躍するパラダイス山元である。

2代目 BD/BG系(1993年-1998年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

概要

開発主査は土屋孝夫。開発テーマは「継承・熟成」。バブル期に開発がスタートしているため、同時期の同格他社車両が一様に拡幅3ナンバー化、大排気量化の道をたどったのに対し、5ナンバー枠サイズと2L以下の排気量を守っている。結果的には「5ナンバーサイズでありながら上級クラスに負けない走りと室内空間を実現している」という評価を得て、そのことが2代目レガシィの最大の特徴となり商業的成功に繋がった。

内外装のデザインには元メルセデス・ベンツのチーフデザイナー、オリビエ・ブーレイが参加し、社内スタッフと共に作業を行った。4ドアセダンは6ライトのウィンドウグラフィックはそのままに、A、Cピラーの黒色処理をやめ、リヤホイールアーチ真上のCピラー根元を太くすることで、視覚的な力強さを表現した。一方でツーリングワゴンは、サイドからリアまで回り込むウィンドウデザインやステップアップしたルーフ形状など成功作となった先代と共通するイメージを採用した。また、フロントグリルにはスバル・ff-1から想起されたという台形デザインが新たに盛り込まれており、この台形グリルは次の3代目レガシィや同時期のインプレッサなどにも波及した。

ボディ・モノコックの基本構造は、初代BC/BF型を引き継いでいるが、初代と比較してボディの曲げ剛性およびねじり剛性は向上している。全長は60mm延長されているが、2,580mmから2,630mmへ50mm延長されたホイールベースにそのほとんどが費やされている。Bピラー直後のフロアが延長され、主に後席の居住性の改善に主眼が置かれた。

車両重量は1,460kg(1993年ツーリングワゴンGT・4AT)に対して、1,460kg(1996年ツーリングワゴンGT・4AT)と、ボディサイズの拡大や安全対策の追加に伴う重量増を、ボディの構造や各部材の見直しにより全モデルで30 - 40kg軽量化することにより対応した。

水平対向4気筒DOHCターボエンジン「EJ20G」は、シーケンシャル・ツインターボを採用した「2ステージ・ツインターボ」の「EJ20H」へと進化した。「2ステージ・ツインターボ」は、低回転域ではプライマリー・ターボ(PRI T/C)のみで過給し、高回転域で予め過給したセカンダリー・ターボ(SEC T/C)も連続して(=Sequential)合わせて働くもので、A/R比はBC型「RS」の20に対し、低回転域:12、高回転域:24に設定し、高出力化と全回転域でのレスポンス・アップを狙った。インタークーラーは「EJ20G」の水冷式から、インプレッサと同じ空冷式に変更され、初代の水冷式から4.5kgの軽量化を果たしている。「EJ20H」は、BC/BF型「EJ20G」から一気に出力で30ps、トルクで4.0kg·mの大幅なスペック向上を果たしたが、最大トルク発生回転数が1,000rpm上がり、この過渡領域回転数付近でいわゆる「ターボ切換えの息付き」や「トルクの谷間」が指摘された。 なお、マイナーチェンジで登場した「EJ20R」を搭載したGT-BおよびRSのMT車は、一般量産2.0L車としては世界で初めて最高出力280psに到達した車である。

2.0LターボAT車にアルシオーネSVXで採用されていた「VTD-4WD」を、それ以外のAT車に「アクティブ・トルク・スプリット4WD(ACT-4)」を搭載している。2.0LターボMT車にはリヤにビスカスカップリングLSDを装備している。また、日本のFF車としては初の「TCS(トラクションコントロールシステム)」も用意された。

サスペンションは、初代のフロント/リヤ:コイル/ストラットの形式を踏襲している。ジオメトリーの変更、フリクションの低減、ストロークの延長などの熟成が行われた。また、リニア・コントロール・バルブ付ショックアブソーバーを全車種に採用し、微小作動領域での減衰力の変化がスムーズになっている。ツーリングワゴン・ブライトン、ブライトン220には、車高調整およびセルフレベリング機能付きのエアサスペンション「EP-S」が用意された。

ツーリングワゴン250Tをベースに、車高を上げ、フォグライトを埋め込んだバンパーなどを備えた、クロスオーバーSUV(オフロード踏破性とオンロードにおける快適性を兼ね備えた)的性格を与えた「アウトバック」を1995年からアメリカ向けに展開した。これは日本でも1995年8月、「グランドワゴン」として発売された。日本国内における売り上げ比率はそれほど高くなかったが、郊外に未舗装路が多い北米で大ヒット。その後、アウディ、ボルボなど多くの他メーカーから同様のコンセプトを持つ車両が相次いで発売され、ステーションワゴン型クロスオーバーの先駆けとなった。

年表

  • 1993年9月9日、米国ユタ州のボンネビルスピードウェイでデビュー前のツーリングワゴンGTが平均速度249.981Km/h の世界最速ワゴン記録を樹立。
  • 1993年10月7日、スバル・レガシィ・シリーズをフルモデルチェンジ、同日発売。
  • 1994年6月、モデルチェンジの際に消滅した1,800ccエンジンが復活。
  • 1994年10月、「250T」登場。
  • 1996年6月、マイナーチェンジで後期型となる(Bタイプ)。ツーリングワゴンGT-B、4ドアセダンRS・MT専用エンジンの「EJ20R」が登場。当時流行していたリーンバーンエンジン「EJ20N」の追加や、すべてのエンジンの低フリクション化、効率向上が図られる。実に7種類ものエンジン・バリエーションを誇った。
    • GT-B、RSのサスペンションに、ビルシュタイン社製倒立式ダンパーを採用。フロント16インチベンチレーテッド、リヤ15インチベンチレーテッド・ディスク・ブレーキを装備。4WD全モデルに4センサー4チャンネルABSが標準装備となった。
  • 1997年7月、アクセルを離してもエンジン回転数が落ちない不具合を隠し、内密に処理されていたことが滋賀県警の捜査により判明(リコール隠し)。その他不具合も含め、延べ11車種147万台余りについてリコールを届け出た[3]


  • 1997年9月、最後のマイナーチェンジ(Cタイプ)

トピック

  • 1996年に行われたマイナーチェンジは一般的なデザイン小変更、小改良の規模に留まらず大林眞悟らが中心となってシャシー、エンジン他全域にわたって大幅に手が入れられた。スバルはこれをビッグマイナーチェンジと呼称し、発表時のコピーは「全性能モデルチェンジ」をうたった。エクステリアデザインの小変更とは裏腹の「フルモデルチェンジに相当する大改良」により高評価を獲得。2.0L量産車初の280ps到達、ビルシュタイン社製ダンパーや215/45R17タイヤの新規採用といったトピックスが盛りだくさんのツーリングワゴンGT-Bが牽引役となり、バブル崩壊後の不景気が続く中、スバルの販売記録を全て塗り替える程の大ヒットとなった。
  • マイナーチェンジ後のワゴン・GT-B、セダン・RSの前後サスペンションには、量産乗用車としては異例(日本の乗用車としては初)のビルシュタイン社製倒立式ダンパーが採用された(GT-Bの「B」は、Bilsteinの頭文字からきている)。日本においてビルシュタイン社製ダンパーがリプレイスメント・パーツとして高いブランド・ステイタスを保有していたことと、MT車が日本車の2.0L車で初めて280psに到達したエンジンを搭載していたことも相まって人気を博し、富士重工業およびビルシュタイン社の当初の予想を上回る大ヒットとなったことで倒立式ダンパーが品薄となったため、通常の船便に加えて急遽航空便を使用してのダンパーの調達が行なわれた。(当時、ビルシュタイン社は富士重工業へのパーツ供給のため、新工場を建設している。また、外国製の高価な改造パーツは材質、精度等の品質を落として日本でOEM生産・供給されるのが常だが、レガシィに搭載されているビルシュタイン製ダンパーは一貫して欧州のビルシュタイン社直営工場で生産されている)ビルシュタイン社製ダンパーはその後レガシィのハイパフォーマンス・グレードに標準装備となり、GT-Bというグレード名も3代に渡って受け継がれることとなった。レガシィを語る上で外すことのできないアイテムとして現在に至っている。

3代目 BE/BH系(1998年-2003年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

概要

開発主管は桂田勝。開発コンセプトは「レガシィを極める」。1998年6月に登場。このモデルチェンジでFF車が廃止され、全グレードが4WDとなった。全幅を1,695mmとし、先代に引き続き5ナンバーサイズを死守している。セダンはワゴンに半年遅れて発売され、新たに「B4」[4]のブランド名が与えられた。B4はスポーティグレードのみ(RSK、RS)の設定とするなど、ツーリングワゴンとの差別化が計られ、その後スポーツセダンマーケットの代表車種として認識されるにまで成長して4代目以降に引き継がれている。 1998~1999RJCニューカー・オブ・ザ・イヤー(登録車)受賞(ツーリングワゴン・ランカスター)。

ボディデザインはレガシィらしさを備えつつ、より重厚で骨太なものとなり、ヘッドランプは上下2灯タイプを採用、上級グレードにはHIDランプが初採用された。内装の品質もそれまでのスバル車から格段に向上し、アメリカのハイエンド・オーディオブランドであるマッキントッシュ製オーディオ[5]がメーカー装着オプションで設定されるなど、走行性能以外の品質向上が図られた。また、トヨタGOAに代表される高い衝突安全性能が販売戦略上重要視される時代に登場した本モデル(新環状力骨構造の採用)だが、自動車事故対策センター(現在の独立行政法人自動車事故対策機構)が1998年と1999年にテストした衝突安全性能試験では格上のクラウン(1999年モデル)など、3.0L級高級車両を凌ぐAAAの成績を運転席、助手席共に獲得した。なお、モデル途中からツーリングワゴンのルーフレールは埋め込み式になった。

BD/BG型に引き続き、EJ20型エンジンおよびEJ25型エンジンを搭載し、先代まで搭載されていた1.8LのEJ18型エンジンは搭載されていない。ターボモデルは先代に引き続き「2ステージツインターボ」を採用。また、ランカスター(先代のグランドワゴンから改名)用に3.0LのEZ30型エンジンが採用された。その後EZ30型はB4とワゴンにも搭載された。EZ30型を搭載したB4の「RS30」は富士重工としては初の「大排気量セダン」となった(EZ30型は、アルシオーネSVXの3.3LエンジンであるEG33エンジンがベースではなく、前後長がより短い新設計であり、このエンジンを積む前提でボディのエンジンルームが広く設計されていた。スバル1300G以来の、幅の狭いクランクシャフトベアリングが使用されている)。

リアサスペンションがストラット式からマルチリンク式に変更され、ストラットタワーの張り出しをなくすことで、ラゲッジスペース(B4はリアトランクルーム)の最大容量は先代よりも大幅にアップしている。前モデルに引き続きビルシュタイン製ダンパーも上級グレードに採用されたが、リアサスペンションについてはマルチリンク式となって剛性が向上したことと、スペースの都合で通常型とされ、フロントのみ倒立式が継続採用されている。

プレミアム性の高まったこのモデルでは、ポルシェデザインが監修したエアロパーツを纏った限定モデルも存在する。「BLITZEN(ブリッツェン)」[6]と名付けられたこのモデルは、2000年より毎年限定生産された。専用のブリッツェンのみの鮮やかな赤いカラーを施された仕様のものは、数が少なく、5速マニュアルは特に希少とされている。

またモデル末期には開発主査・桂田勝の強い意志によりSTIによるスペシャルチューニングを施した「レガシィS401 STi version」が400台限定で販売された(のちに桂田はSTI社長に就任)。エンジンは熟練工による手組み、バランス取りなどが施されており、これに伴いヘッドカバーも黒からシルバーへと変更され、シリアルナンバーが入っている。6,400rpmで293psを発生させ、4,400〜5,600rpm の幅広い回転域で35.0kg·m のトルクを発生した。車両形式も変更されGH-BESとなり、車体番号はBES-002001からとなる(SはSTiの意、Sが使われたのが最初で最後となる)。またGD型インプレッサWRX-STIで採用される6速MTを搭載し、ブレンボ社製のブレーキやS401専用パーツなどが与えられスペシャルモデルとしてふさわしい装備となっていた。286台で生産を終了している[7]

「ランカスター」を基にした4ドアピックアップトラックBaja(バハ)」という派生モデルも存在する。2002年に登場したこの車種は、レオーネのピックアップである「BRAT(ブラット)」の再来とも言えるモデルで、北米でのみ生産、販売が行われ、BL / BP型へのモデルチェンジ後も、2006年まで継続生産された。ちなみに3代目レガシィ系列でターボエンジンが設定されたのは北米市場ではバハのみである。

BE / BH型発売直前の1998年4月23日にはアメリカ・コロラド州の公道での速度記録に挑戦し、1kmの区間平均速度で270.532km/hを達成、自らの持つ「ステーションワゴン多量生産車無改造部門」における世界速度記録を更新した。

この代から官公庁の公用車として採用されることが非常に多くなった。それまでは5ナンバー・4ナンバーの130クラウンワゴン・バンや、Y30セドリック/グロリアワゴン・バンの採用が大半を占めていたが、クラウンワゴンは1999年に170系へのモデルチェンジに伴って大型化し、セドリック/グロリアワゴンは同じく1999年に生産中止となったためにその代替としての採用である。4代目では新車登場直後から導入されている。

A - C型について、エアフロメーター(吸気量センサー)故障の頻発が指摘されていた。D型よりデンソー製に変更することによって、この問題はほぼ解決したとされる。

年表

  • 1998年4月23日 世界最速ワゴン記録更新(BH型)[8]
  • 1998年6月17日 BH型レガシィツーリングワゴンとランカスター発表、販売開始[9]
  • 1998年11月2日 特別仕様車として、TS tyepRをベースにスポーティーな内外装を追加した「TS typeR Limited」と、量販モデルのBrightonをベースに装備を充実させた「Brighton-S」を発売[10]
  • 1998年12月21日 BE型レガシィB4(セダン)発表、販売開始[11]
  • 1999年5月24日 年次改良[12]。B型となった。ツーリングワゴンのターボ系にアルミ製ボンネットが採用された[12]。「ブラックフェイスメーター」やツーリングワゴンにはB4・RSKのサスセッティングを移植し、スポーツシフトを搭載した「GT-B E-tune」を追加設定[12]。外見ではホイールカラーやグリルの色などを変更している[12]。GT-BのMT車を廃止し、MT車の設定をE-tuneに移行[12]
  • 1999年9月24日 ランカスターに「ランカスターADA」追加[13]
  • 1999年10月23日 東京モーターショーで「BLITZEN」を公開[14]
  • 1999年11月24日 レガシィB4発売1周年を記念して、RSをベースにビルシュタイン製ダンパーやHIDヘッドランプ、CD/MDプレイヤーなど、走行性能・安全性・快適性を向上した特別仕様車「RS type B」を発売[15]
  • 1999年12月22日 B4 RSKに対し、富士重工業とポルシェデザインが共同開発した外装部品やフロントヘリカルLSD(MT車のみ)などを装備した特別仕様車「BLITZEN」を発売[16]
  • 2000年5月24日 年次改良[17]。C型となった。ランカスターに新開発水平対向6気筒3.0Lエンジン「EZ30」[18]を搭載した「ランカスター6」追加[17]。B4のターボ車にもアルミ製ボンネットが採用されたほか、これまでターボ系のMT車に設定がなかった「ブラックフェイスメーター」がMT車にも採用された[17]。ツーリングワゴンは、ターボ系に専用バンパーが採用され、全グレードを対象にグリル意匠を変更とブラック系またはグレー系の内装色に統一された。B4のみの設定だったスペシャルレザーシートがワゴンにも設定された。GT-VDCには新デザインのアルミホイールを採用。またメーカオプション装備であるマッキントッシュオーディオのスロットがカセットからMDに、A型のイメージカラーだった「バイオレットブルーマイカ」と「マスタード・マイカ」が廃止され、新たに「コーストグレー・メタリック」と「グランブルー・マイカ」が新設定された。
  • 2000年10月3日 ツーリングワゴン TX-Sをベースに快適装備などを追加した特別仕様車「TX-G」を発売[19]
  • 2001年1月24日 ツーリングワゴンGTをベースにVTD-4WDと専用色「プレミアムホワイトパールマイカ」を採用した「GT-Limited」を発売[20]。また、スバルテクニカインターナショナルより、ツーリングワゴン/B4 BLITZEN 2001 modelを発売[21]
  • 2001年5月22日 ビッグマイナーチェンジ[22]。D型となった。フロントマスクの大整形に併せて六連星のエンブレムが復活[23]。ターボ系は軽すぎるステアリングフィールを改めるため、速度感応型電子制御パワステからターボ車専用にチューニングした新型回転数感応型パワステに変更。B4は、シート生地が全車変更され、サンルーフも設定された。B4に2.5LNAの「RS25」追加[22]。ツーリングワゴン「GT-B E-tune」を「GT-B E-tuneII」に名称変更。VDC-4WD標準装備モデルを廃止、VDCはメーカーオプション装備となる。また、従来より指摘の多かったエアフロメーター故障について、生産メーカーをデンソーに変更することで、この問題をほぼ解決した。B4には「ブリッツェン」を思わせるフォグランプベセルを大きく取った個性的なフロントバンパーが新採用されたが、賛否両論があり、D型後期でデザインが変更されている。
  • 2002年1月21日 ツーリングワゴンおよびB4にEZ30型3.0L水平対向6気筒エンジン搭載グレードとして、それぞれ「GT30」、「RS30」を追加[24]。ホイールはターボ系と同様のものが採用された。グリルやリヤガーニッシュ、メーターなどもターボモデルとは異なるものに変更されている。
  • 2002年2月8日 「BLITZEN 2002 model」を発売[25]
  • 2002年5月21日 一部改良により(アプライドモデルはD型から変わらず、D型後期と俗称されている)、カッパーオレンジマイカが廃止され、ジェットグレーメタリックを新設定。17インチタイヤの銘柄がRE010からRE040に変更され、インパネ上部の運転席側小型デフロスターの可変機構が廃止に。賛否両論あったB4のフォグランプベセルのデザイン変更。またターボの廉価仕様である「リミテッド」シリーズが登場。B4としては初のSOHCエンジン搭載車である「S」が追加された[26]
  • 2002年8月21日 スバルテクニカインターナショナルより、ツーリングワゴン「GT30」とB4「RS30」をベースにした「BLITZEN6」が発売[27]。また、Brightonをベースにした特別仕様車「B-SPORT」が発売。
  • 2002年11月12日 STIによるコンプリートカー「S401 STi Version」を400台限定で発売。STi仕様としては唯一の型式認定車(全車持込登録)である。
  • 2002年11月27日 B4とツーリングワゴンにそれぞれ、ユーザーからの要望の多かった走りの装備を加えた「RSK S-edition」「GT-B S-edition」を設定 GT-B E-tuneII,RSKをベースにアルミパッド付スポーツペダル、ダークグレーのヘッドライトベゼル(ブリッツェン・S401同等品)、ステアリングホイールを含むチタン調内装パネル(Blitzen2002、2003同等品)、ブラックインテリア(ピラー、ルーフまでブラック)、インプレッサ22B-STi Versionで採用された22Bキャリパー(フロントのみ対向4ポットキャリパー、リアはノーマルに赤色塗装のみ)が装備された。MT車ではヘリカルLSDが採用され、ステアリングのギヤ比が16.5対1から15対1に早められている。WRブルーマイカやスパークイエローマイカなどのボディーカラーが選択できた。
  • 2003年1月24日 B4「RSK」をベースとした「BLITZEN 2003 model」が発売[28]
  • 2003年5月23日 BP型ツーリングワゴン発表、販売開始。BE/BH型生産終了。北米生産車は2004年夏まで継続生産された。
  • 日本国内総生産台数 43万4,624台(BE、BHを含む)

4代目 BL/BP系(2003年-2009年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

概要

開発責任者であるプロジェクトゼネラルマネージャーは清水一良。欧州市場への対応、衝突安全性能向上のため、ボディの全幅を先代より35mm増やしている。これにより、3代目まで5ナンバーサイズを維持してきたボディは、3ナンバーサイズとなった。このサイズ拡幅とともに前モデルに比し質感やスマートさを増した内外装のデザイン処理、ATの5速化等によって、プレミアム性をより一層高めたモデルへと進化した。

ボディ剛性の向上、安全装備の充実、ターボ車および6気筒車のATの5速化を図りながら、アルミニウム等の軽量パーツや高張力鋼板を各所に導入しながら十二分に考えられた設計により、前モデルと比してグレードによっては100kg近くの軽量化を達成している。通常は衝突安全性や車体剛性向上のために重量が増える傾向にあるが、3ナンバー化によって対衝突設計の自由度が高まったこと[29]などから、安全性を向上させながらも軽量化を実現した。また、車体幅を増やした事で前輪舵角がより確保できるようになったため、最小回転半径は5.6m(BE/BH型)から5.4mに狭められており、取り回しの面ではむしろ向上している。

2代目、3代目と低速・低回転時のトルク確保のために採用していた2ステージ・ツインターボだが、踏み込んでいった際に加速が息をつくこと(ターボ切換えの息付き、トルクの谷間)を指摘され続けていた。この問題を解決するために本モデルでは初代以来のシングルタービンが採用されたが、ツインスクロールターボによって、わずか2,000rpmで30kg·mを超える最大トルクを発生させ、高回転仕様の水平対向エンジンとシングルタービンの弱点を克服した。また、ドライブ・バイ・ワイヤ機構「エレクトロニック・スロットル・チャンバー」を採用し、全車電子制御式スロットル仕様となった。これらにより以前からのEJ20型エンジンも、圧倒的パワーに加えスムーズさや低燃費をも兼ね備える洗練されたエンジンとなった。また、エンジンに関しても既にインプレッサのSTIモデルで先行採用されていた「等長等爆エキゾーストマニホールド」を採用。これにより水平対向エンジンの宿命と言われた「排気干渉」を防ぐとともに、燃焼効率の向上を果たした。なおインテークマニホールドを樹脂にすることで非常に複雑な形状の成型に成功した。

欧州では、2006年にドイツ向けを中心とする純正ディーラーオプションとしてLPGとのバイフューエルとなる[30]エコマチック」が投入された。取り扱い全車種にLPGバージョンを設定したのは欧州スバルが最初である。

2006年5月のマイナーチェンジにあわせ、一部グレードのエンジンのシリンダー研削にELID[31]ホーニングを採用する[32]。これにより1気筒あたりの加工時間がほぼ半減されたほか、シリンダー壁面の面粗度や加工精度の向上により、同排気量の他社製エンジンに水をあけられている燃費改善の一助とする。

また、2008年には量産車用としては世界初となる水平対向ディーゼルターボ仕様[33]も欧州向けに発売されている(レガシィの他、フォレスターにも同エンジンが追加された)。2.0Lの排気量から150psの最高出力と35.7kg·mの最大トルクを発生。排ガス規制はEUのユーロ4に対応している。

STIによる限定コンプリート車として2007年に「tuned by STI」、2008年に「S402」が発売された。どちらも元富士重工業車両実験部のチーフテストドライバーである辰己英治によって纏め上げられている。「tuned by STI」は専用のビルシュタイン社製ダンパー、フレキシブルタワーバーなどを採用したほか、タイヤサイズが変更 (215/45R18) され600台の限定販売。S402は、エクステリア および インテリアの随所に専用装備が採用され、235/40R18というタイヤを収めるためにフロントには片側20mm拡幅された特注のブリスターフェンダーが装着された。パワーユニットは輸出用の水平対向4気筒2.5Lターボを改良し搭載[34]。tuned by STI2007で採用されたフレキシブルタワーバー(フロント)のほか、新たに採用されたフレキシブルロアアームバーとフレキシブルフロアバー(リヤ)により、応力を「いなす」セッティングが施されている。また、BBS製ホイールや、インプレッサ・タイプRA-Rで採用されたブレンボ製ブレーキディスクと対向6ポッドモノブロック・キャリパーが採用され402台の限定生産とされた。

B4の2.0GTが高速道路交通警察隊用のパトカーとして2007年に国費導入されており、これは近年の警察車両では珍しいMT車となっている。

レガシィは過去3回のフルモデルチェンジを4 - 5年で行ってきたが、スバル初のミニバンであるエクシーガの開発があったことと、BP/BL型の完成度の高さから安定して人気を保っていたためか、この代は約6年にわたって販売が続けられ、歴代の中でも最長のモデルライフとなった。

先述したとおりこの型式から日本国内向けモデルは全て等長エキゾーストマニホールドを採用したため、先代まで続いた独特な排気音(通称ボクサーサウンド)は消滅してしまったが、限定モデルのアウトバック2.5XTのみ不等長エキゾーストマニホールドとシングルスクロールターボの組み合わせを採用した日本国外向けEJ25ターボエンジンを転用したため、ボクサーサウンドを聞くことができる。

年表

  • 2003年5月23日 BL/BP型発表、BP型ツーリングワゴン販売開始。
  • 2003年6月23日 BL型B4販売開始。シリーズ全体の目標月間台数は6000台。
  • 2003年9月9日 B4/ワゴンに3Lモデル「3.0R」、ワゴンに「3.0R ADA」追加。
  • 2003年10月22日 ワゴンに「アウトバック」追加。なお、アウトバックはワゴンからの派生モデルではなく、別物として扱われていた。
  • 2003年11月13日 2003-2004日本カー・オブ・ザ・イヤー(日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会主催)を受賞。富士重工製車種としては初めての受賞だった。
  • 2003年12月19日 日本での販売累計が100万台を突破。
  • 2004年5月17日 年次改良。B型となった。A型では硬すぎたSpec B系のサスセッティングを変更した。車速感応式ワイパーやオーディオパネルのサイド部をアルミからアルミ調に変更された。B4に「2.0 CNG」追加設定。全グレードにメーカーOPのサイド&カーテンエアバッグやマッキントッシュオーディオを選択できるようになった。オーナーの好みで装備を選択できた2.0GTカスタマイズエディションの廃止。
  • 2004年10月19日 B4/ワゴンに「3.0R Spec B」を追加設定。当初は6速MTのみの設定、のちに5速ATが追加された。専用チューンのビルシュタイン製ダンパーや専用グリルやスポイラー、18インチのホイールの採用で通常の3Lモデルとは差別化を図った。
  • 2005年3月24日 世界累計生産台数が300万台を突破。ツーリングワゴンとB4に「2.0R B-SPORT」、「2.0i B-SPORT」、ツーリングワゴンにのみ「GT-II」、アウトバックに「2.5i S-style」を設定した。
  • 2005年5月24日 年次改良。C型となった。B4、ワゴンと共に取り付け位置によるサスセッティングが行われた。ヘッドランプの色味の変更、センターキャップに六連星を採用。「3.0R spec B」に5速AT車、「2.0i」「2.0i Casual edition」に5速MT車の追加設定、新ボティカラーの設定などが行われ、カーナビゲーションをDVDからHDD型式へと変更。
  • これと同時に、2005年9月30日までの期間限定車として、3.0R,2.0GT,2.0Rをベースに南関東限定(東京スバル、神奈川スバル、埼玉スバル自動車、千葉スバル自動車での取り扱い)の「GLAENZEN(グレンツェン)」[35]も設定され、レガシィの中ではかなり高価な値付けがなされた(3.0Rで約456万円)。
    • 同車の特別装備は、本革とアルカンターラを組み合わせたレカロ社製シート「MAGNIFICA」(マニフィカ)を前席に2脚(1脚80万円相当)、スイス・SPORTEC社製アルミホイールの装着、マッキントッシュオーディオの標準搭載など。
  • 2006年5月24日 マイナーチェンジ、D型(後期型)となる。一部グレードのエンジンのシリンダーELID研削法を導入。内外装が変更され、「SI-DRIVE」を3.0R系、2.0GT系に採用。また、ボティのストラット部の補強、サスペンションにも大幅に手が加えられ、メーターをはじめインテリアの質感も大幅に向上した。足回りの改良は、結果として乗り心地の大幅な向上につながった。
  • 2006年8月8日 特別仕様車「tuned by STI」を設定。600台限定だった。
  • 2006年11月28日 B4/ワゴンに「2.0i B-sport Limited」「2.0GT SI-Cruise Limited」「3.0R SI-Cruise Limited」を追加設定。2007年3月末までの限定販売だった。
  • 2007年5月15日 年次改良。E型となった。「3.0R」、「2.0GT」、「2.0GT Spec.B」にスマートエントリースタートキーが標準装備され、「2.0R」のグレード名を「2.0R SpecB」にし、「3.0R SpecB」を廃止。先の「SI-Cruise Limited」をカタログモデル化した「2.0GT/3.0R SI-Cruise」の追加などが行われた。
  • このマイナーチェンジにより3000ccのMT仕様が廃止された。
  • 2007年8月7日「tuned by STI」を発表し、同日より全国スバル店を通じ発売。
  • 2007年11月14日 ツーリングワゴン・B4・アウトバックに特別仕様車「Urban selection」を設定すると共に、ツーリングワゴンとB4に水平対向4気筒2500cc SOHCエンジン搭載車種「2.5i Urban selection」を追加。
  • 2008年5月8日 年次改良[36]。F型となった。「3.0R」「3.0R SI-Cruise」「2.0GT SI-Cruise」「2.0R Spec.B」を廃止、これにより水平対向4気筒2000ccのNAのDOHCエンジンのグレードは消滅。新たに運転支援システム「EyeSight」を搭載した「3.0R EyeSight」「2.0GT EyeSight」を追加。また先の「Urban Selection」で登場した2.5リッターモデルをカタログモデル化し(「2.5i」「2.5i SI-Cruise」)SI-DRIVE搭載モデルを2.5リッターモデルにも拡大。同時にSUBARU50周年特別仕様車として、B4/ワゴンに「2.0i Advatage Line」を販売。2.0iに上級モデルで採用されている装備が付与されたモデルだった。
  • 5月14日 「究極のグランドツーリングカー」をコンセプトにしたSTI製コンプリートカー、「S402」を発表。
  • 10月29日 特別仕様車「Smart Selection」・「Premium Leather Limited」発売開始。「Smart Selection」は専用シート表皮の採用のほか、ベース車に対して一部装備を変更したモデル、「Premium Leather Limited」はブリックレッドの専用本革シートの採用のほか、クロームモール付サイドスカートなどを装備したモデルであった。


5代目 BM/BR系(2009年-2014年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

概要

2009年春に開催されたニューヨークオートショーにて5代目となる新型レガシィのプロトタイプが公開された。プロジェクト・ゼネラルマネージャーは、2009年4月より富士重工業執行役員・スバル商品企画本部長、STI社長兼任の日月(たちもり)丈志。

日本国外から(北米)の要望に応え、先代に比べ車体を大きくしたことで、室内長・室内幅・室内高が広くなり、十分にゆとりがある室内空間を確保。最小回転半径5.5mと取り回しの良さも実現している。一方で、各グレードにおいて先代より約100kgの重量増となった。また、電動パーキングブレーキの採用(インパネ右端に装備、6速MTを含む全車に採用)でハンドレバーがなくなり、センターコンソールのレイアウトに余裕を持たせた。レオーネ以来の伝統であったサッシュレスドアが廃止され[37]、一般的な窓枠(サッシュ)付きのドアになったことでドアの剛性アップと開口部の拡大に繋がっている。またドアノブもこれまでのフラップ式からバーグリップ式に変更された。ツーリングワゴンにおいては同じくレオーネ時代からの伝統であったDピラーのブラックアウトが廃止され、ボディ同色とされた。また、エンジンフードはコストを削減するためアルミ製ではなく鋼板製となった。 エンジンは4代目モデルから大型化し、2.0Lは廃止され、2.5L水平対向4気筒SOHCエンジン、2.5L水平対向4気筒DOHCターボエンジン、アウトバックのみに設定する3.6L水平対向6気筒DOHCエンジンの3種類とした。2.5LのSOHCエンジンには縦置きパワーユニットを搭載する量産四輪駆動車としては世界初のチェーン式のバリエーター(主変速機機構)を採用したCVT「リニアトロニック(6速マニュアルモード付)」を新たに設定し、オーバードライブ走行時の燃費向上や、パドルシフトの採用で0.1秒以下の素早い変速を実現した。 このモデルから、MT車が2.5Lターボ車(2.5GT S Package)のみの設定となった。

シリーズ全グレードオーディオレス(日本国内仕様に限り)であるが、メーカーオプションのHDDカーナビゲーションシステムについては、高精彩8型VGAワイド液晶ディスプレイに、高速CPUと大容量HDDの採用により、快適な操作性を実現。またセットとして、オーディオリモートコントロールスイッチやリアビューカメラ、AV入力端子(後期型はUSBとミニジャック端子に変更)などが装備された。またメーカーオプションのナビ選択時に2種類のオーディオから選べるようになる。

米国IIHS(道路安全保険協会)は、2009年8月27日、スバル『レガシィ』(日本名:『レガシィB4』)と『アウトバック』(日本名:『レガシィアウトバック』)を「2009トップセーフティピック」に選定した。前面衝突の各項目、側面衝突、ボデー構造での各項目に置いて全て「優」の評価となった。

2010年1月21日 スバルコリアを通じて韓国で発売を開始することを発表(車名は同じ。韓国語:레가시、発音的にはレガシ)[38]。同年4月末より発売を開始。なお、投入されるのはB4のみで韓国内においてツーリングワゴンは人気薄のジャンルであるため投入されない(同様の理由でBMWメルセデス・ベンツアウディなどもワゴンモデルは韓国未導入)。ただし、ツーリングワゴンと共通のボディを有するアウトバックは投入される。

ヨーロッパ仕様においては、2.0LのDOHC自然吸気ガソリンエンジン、2.5LのSOHC自然吸気ガソリンエンジン、2.0LのDOHCディーゼルターボエンジンが設定されており、MT車のラインナップが豊富である。

キャッチコピーは、前期型が「Love Your Life.」、後期型が「全レガシィ、全性能進化。」と謳っている。

また、EyeSightの試乗体験キャンペーンのプレゼント商品「ぶつからない!?ミニカー」のパッケージ内で、箱に写真が掲載しているグレードは、ツーリングワゴンの「2.5GT EyeSight」(D型)である。

東京都内においては、ツーリングワゴン・B4とも個人タクシーが数台存在する。

年表

  • 2009年5月20日 - (A型)ツーリングワゴン・B4・アウトバック共にフルモデルチェンジ(3タイプが一斉にフルモデルチェンジ・同時発売するのは初めてのこと)。3タイプ合わせて月間販売目標は3,000台と発表されている。ターボ車を含め全車「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」を達成すると共に、ツーリングワゴンとアウトバックの2.5Lの一部グレード(ツーリングワゴンはオプション装着により、車両重量が1,520kg以上)で「平成22年度燃費基準+15%/+20%」を達成した。
  • 2009年10月23日 - 2009-2010日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞「Best Value」を受賞[39]。この受賞を記念し、同年11月4日にツーリングワゴンとB4に2種類の特別仕様車「2.5i L Package Limited」、「2.5i S Package Limited」を発売。前者は「2.5i L Package」をベースに、17インチアルミホイール、フロント16インチブレーキ、オートライト&オートワイパー、ヘッドランプウォッシャーなどを装備。一方の後者は「2.5i S Package」をベースに、専用ハイラスター塗装を施した18インチアルミホイール、フロント17インチブレーキ、助手席8ウェイパワーシート、キーレスアクセス&プッシュスタートなどを特別装備した。
  • 2010年4月21日 -自動車アセスメントにおける衝突安全性調査においてグランプリを受賞した。スバルとしては2007年度のインプレッサに次いで二度目の受賞である[40]
  • 2010年5月18日 - 一部改良(B型)。先代に装備されていた「EyeSight」の進化版である「EyeSight(Ver.2)」をツーリングワゴン・B4の「2.5i」と「2.5GT」、アウトバック「2.5i」と「3.6R」の全6タイプに設定。「EyeSight(Ver.2)」は衝突回避性能を向上した“プリクラッシュブレーキ”、渋滞走行時などにおける追従性を高め、先行車が停車した時には自車も停車し、停止保持状態を維持する“全車速追従機能付クルーズコントロール”、前方で障害物を検知した状態で、ペダルの踏み間違いによる誤発進を抑制する“AT誤発進抑制制御”など、先進の機能を備える。これ以外にも「L Package」では17インチアルミホイール、オートライト&オートワイパー、ヘッドランプウォッシャーなどを、「S Package」では左右独立温度調整機能付フルオートエアコン、助手席パワーシートなどをそれぞれ装備し機能を充実。「EyeSight(Ver.2)」非搭載グレードにもクルーズコントロールを標準装備した。また、ツーリングワゴンとアウトバックの「2.5i L Package」と「2.5i EyeSight」は「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。さらに、ツーリングワゴンとB4には「2.5i」をベースに専用16インチアルミホイール、HIDロービームランプ、本革巻ステアリングホイールなどを装備した特別仕様車「2.5i S-style」を同時発売した。なお、グレード体系が整理され、ツーリングワゴンとB4は「2.5GT」の「L Package」と「SI-Cruise」を廃止。アウトバックの3.6L車は「3.6R Eyesight」に一本化された。
  • 2010年6月8日 - モータースポーツ統括会社のスバルテクニカインターナショナル(STI)より、ツーリングワゴンとB4の「2.5GT S Package」をベースに、専用チューニングのサスペンション、フレキシブルタワーバー・フロントなどを装備して路面追従性を高め、しっかり感のある乗り味としなやかな乗り心地を実現した他、STI製のフロントアンダースポイラー、リアスポイラー、18インチアルミホイール、アルカンターラ/本革シートなどを採用した特別仕様車「2.5GT tS」を発売(発売は同年6月25日より、同年11月7日受注分までの600台限定販売)。
  • 2010年11月16日 - 「EyeSight Sport Selection」を発売[41]。ツーリングワゴンとB4の「2.5i S Package」、「2.5GT S Package」をベースに、運転支援システム「EyeSight (ver.2)」、シルバーアルカンターラ/ブラック本革シート、シルバーアルカンターラのドアトリム、ハイラスター塗装のアルミホイールを装備した特別仕様車「2.5i EyeSight Sport Selection」、「2.5GT EyeSight Sport Selection」を設定した。
  • 2011年6月14日 - 一部改良(C型)。ツーリングワゴンとB4に特別仕様車で発売されていた「EyeSight Sport Selection」の装備内容を見直し、「2.5i EyeSight S Package」・「2.5GT EyeSight S Package」としてカタロググレード化。さらに、足回りの見直しによる走行性能の強化、「EyeSight」の性能向上、室内側から確認できるターンインジゲーター付ドアミラーの採用、ボディカラーに新色「アイスシルバー・メタリック」の追加などを実施。なお、2010年5月の一部改良時に発売されたツーリングワゴンとB4に設定の特別仕様車「2.5i S-style」はベース車の改良を受け販売を継続する。
  • 2011年11月22日 - ツーリングワゴンとB4の「2.5i」をベースに、先進運転支援システム「EyeSight(ver.2)」を標準装備するとともに、「2.5GT」に装備されているスリムスポークタイプの17インチアルミホイール、「2.5i S Package」に相当する外観(フロントグリル・フロントバンパー・サイドシルスポイラー)、ブラックベゼル仕様のHIDロービームランプ、キーレスアクセス&プッシュスタートを装備しながらも購入しやすい価格設定とした特別仕様車「2.5i EyeSight B-SPORT」を発売。併せて、メーカーセットオプションとして「2.5i S Package」相当のアルミパッド付スポーツアルミパネルやカーボン調加飾パネルを採用するとともに、シートはファブリック(スポーティクロス)と合成皮革の専用仕様とするとともに前席はパワーシート(運転席10ウェイ・助手席8ウェイ)仕様に変更。左右独立温度調整機能や後席ベンチレーションを備えるフルオートエアコンやSRSサイドエアバッグ・SRSカーテンエアバッグも装備し付加価値を高めた「G Package」も設定される。なお。「G Package」は「平成22年度燃費基準+25%」を達成している。
  • 2012年5月8日 - マイナーチェンジ(D型)。外観はフロントフェイスを一新して引き締まったスポーティーデザインとなり、内装は加飾パネルをダークメタリック調に変更し、新デザインのシート表皮を採用。電動パーキングブレーキはセンターコンソール部に移設したことで操作性を向上させた。「2.5i」を除く全グレードでルミネセントメーター中央部に3.5インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイが設けられ、各種情報を的確に読み取れるようになった。NAエンジンは新世代ボクサーエンジンであるFB25型に置換(併せて、車両型式をBMM/BRM型に変更)し、「リニアトロニック」はパーツやレイアウトを最適化することで小型・軽量化。さらに、一部グレードでシリーズ初となるアイドリングストップシステムも搭載。これにより、全タイプの「2.5i L Package」と「2.5i EyeSight」は「平成27年度燃費基準」を達成した。「EyeSight(ver.2)」はカメラ画像認識処理の変更により、遅い車両への追いつき時の応答性改善やカーブ時の前走車認識性能が向上して衝突回避性能が高められた、アイドリングストップ搭載車では協調制御を行うことにより燃費と利便性向上の両立が図られた。また、一定車速以上走行時にブレーキとアクセルが同時に踏まれた場合にはエンジン出力を絞ってブレーキを優先させる「ブレーキオーバーライド」も採用した。これにてレガシィは発売23年目で全車DOHC化になった[42]。併せて、ツーリングワゴンとB4には新グレードとして「2.0GT DIT(Direct Injection TURBOの略)」を追加。BRZに搭載されているFA20型エンジンに直噴ターボを組み合わせたものである。同時に「リニアトロニック」は高トルクに対応するため、ケースの強度アップやトルクコンバーターの変更などを行い、AWDはリニアトロニック搭載車では初となる「VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)」を採用。「SI-DRIVE」は「スポーツ#(S#)」モード時に8段ステップ変速を設定。ハイパフォーマンスでありながら、燃費性能も高く、「平成22年度燃費基準+25%」を達成している。シャシーにおいてはサスペンション剛性の強化やダンパーチューニングやスタビライザー径のサイズアップを行い、高速領域や車線変更時、連続コーナー走行時においての安定性を高めた。なお、グレード体系の見直しも行い、ツーリングワゴンとB4は「2.5i S Package」[43]を廃止するとともに、「2.5GT」系は「2.5GT EyeSight」に一本化。またエンジンはシングルスクロールターボ(前期型と同一の仕様)と改称し、このグレードのみ価格改訂を行い、ツーリングワゴン、B4共に値上げを実施した。これにより、「2.5GT S Package」のみに設定されていた6MT車を廃止した。「2.5i」はS-styleと統合し、同等の装備が付くようになった。ちなみに、メーカーオプションのHDDカーナビゲーションシステム装着車に地上デジタル放送のチューナーとアンテナが装備され、さらにマッキントッシュ・サウンドシステムは10スピーカーから12スピーカーになるなどの大幅な改良を施した。「2.5i L Package」でのマッキントッシュ・サウンドシステムのオプション設定がなくなった代わりに、プレミアムサウンドシステムのオプション設定を全グレードに拡大した。</br>ボディーカラーは、「サテンホワイト・パール」と「クリスタルブラック・シリカ」以外全て差し替えとなり、「ダークアメジスト・ギャラクシィ」を廃止した。
  • 2012年9月4日 - ツーリングワゴンとB4に設定されている直噴ターボエンジン車「2.0GT DIT」に運転支援システム「EyeSight(ver.2)」を標準装備した「2.0GT DIT EyeSight」を追加発売。
  • 2012年11月13日 - 2011年11月に開催された「第42回東京モーターショー」に参考出品された「レガシィB4 2.5GT EyeSight S Package 〜Premium Leather Selection〜」を忠実に再現した特別仕様車「Premium Leather Selection」を発売。ツーリングワゴンとB4の「2.5i EyeSight S Package」、「2.0GT DIT EyeSight」をベースに、ハイラスター塗装の18インチアルミホイール、サテンメッキドアミラー、シルバー&クロムメッキドアハンドル、専用ブライトパールレザーシート、専用シルバーカーボン調加飾パネル (スクエアバイアス)、USB電源(フロント・リアに2口ずつ)を装備した。ボディーカラーは、「ヴェネチアンレッド・パール」以外の5色を展開。併せて、スバルテクニカインターナショナルからはツーリングワゴンとB4の「2.5i EyeSight S Package」をベースにSTIによるチューニングを施し、STI製18インチアルミホイールやスポイラー(フロントアンダー・リア)などを装備した「2.5i EyeSight tS」を発売。こちらは2013年3月12日受注分までの300台限定販売である。
  • 2013年5月14日 - 一部改良(E型)。新たに、2.5L・NA車の最上位グレードである「2.5i EyeSight S Package」と共通デザインの専用フロントグリルやブラックベゼルのHIDロービームランプ等の外装を採用するとともに、マルチインフォメーションディスプレイやフルオートエアコン(左右独立温度調整機能、後席ベンチレーション)も装備した充実仕様のエントリーグレード「2.5i B-SPORT」、「2.5i B-SPORT」の装備内容に「EyeSight(Ver.2)」とオールウェザーパックを追加装備した「2.5i B-SPORT EyeSight」、「2.5i B-SPORT EyeSight」に運転席10ウェイパワーシート/助手席8ウェイパワーシートやSRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグ等を追加し、アルミホイールを17インチにサイズアップした「2.5i B-SPORT EyeSight G Package」を新設。同時に、グレード体系の整理を行い、「2.5i」、「2.5i L Package」、「2.5i EyeSight」およびシングルスクロールターボ車の「2.5GT EyeSight」を廃止。これにより、初代から搭載されてきたEJエンジン搭載車はラインナップから消滅することとなった。
  • 2013年10月29日 - ツーリングワゴン・B4の「2.0GT DIT EyeSight」をベースに、18インチアルミホイール(ブラック塗装+切削光輝)、電動格納式リモコンドアミラー(ブラック)、カラードリアゲートガーニッシュ(ツーリングワゴンのみ、B4はベース車に標準装備)、260km/h表示のマルチインフォメーションディスプレイ付ルミネセントメーター、シルバーカーボン調加飾パネル(スクエアバイアス)、ブラックルーフトリム&ピラートリムを装備した特別仕様車「2.0GT DIT spec.B EyeSight」を発表(11月28日販売開始)[44]
  • 2014年4月25日 - 現行型の受注を6月末日を以て終了することを発表。併せて、次期モデルの年内発表がアナウンスされているが、次期モデルではセダンモデルのB4とクロスオーバーSUVモデルのアウトバックの2タイプのみの設定で、ツーリングワゴンについては同年6月20日に販売を開始したレヴォーグへ継承のため、本代で生産を終了する[45]

6代目

テンプレート:自動車の新製品

  • 2013年11月14日 - 2013年ロサンゼルスオートショーに、「レガシィコンセプト」を世界初公開することを発表。2014年でレガシィ生誕25周年を迎えるに当たり、次期モデルのデザインの方向性を提示するミッドサイズセダンのコンセプトモデルである[46]
  • 2014年2月7日 - 2014年シカゴオートショーで6代目レガシィの米国仕様を世界初公開。6代目は「デザインとエンジニアリング(技術力)の高次元で融合」を商品コンセプトに掲げたスポーティセダンとなる[47]
  • 2014年4月25日 - 同年内に日本で発売予定であることを発表。先述したとおり本モデルからB4とアウトバックのみとなり、ツーリングワゴンは廃止となる。

生産工場

太田市(社内呼称:矢島工場 ボディプレス、溶接、ペイント、トリム)
邑楽郡大泉町(社内呼称:大泉工場 パワーユニット(エンジン・トランスミッション 加工・組立))
スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ・インク (SIA)
  • 台湾
大慶汽車工業股份有限公司

車名の由来

  • 「レガシィ(LEGACY)」とは、「大いなる伝承物」、「後世に受け継がれてゆくもの」、もしくは「遺産」の意。
  • オーストラリアのみ「LEGACY」という単語が戦争を想起させる[48]という理由から、現地名は「リバティ(LIBERTY)」となる。また、日産・リバティと現地名は無関係である。

日本でのCM曲

テンプレート:See

レース活動

  • 2009年途中からSUPER GT GT300クラスに参戦しており、車両製作およびチーム運営はR&D SPORTが行っている。
    • 2009年は、第6戦鈴鹿・第7戦富士・第9戦もてぎに参戦し、第7戦富士では完走した。
    • 2010年は、各種改良を施しフル参戦体制となる(第4戦セパンは不参加)。エンジンはWRC用をベースとしたEJ20 DOHC 16バルブのターボエンジンで、駆動方式が前年までの4WDからFRに改められている。第6戦鈴鹿でGT300クラス初優勝を飾る。
    • 2011年は、メインフレームの大改造が施され、ステアリングレスポンスやコーナリングスピードが向上しトラクションも増した。第5戦鈴鹿でGT300クラス優勝(夏の鈴鹿2連勝)、第7戦オートポリスでも優勝(ポールトゥウィン)して、シリーズ2勝を挙げた。最終戦ツインリンクもてぎはトップが見える位置まで順位を上げたが、ナットが緩むというトラブルによって3勝はならなかった。なお、この年がレガシィでの活躍の最後の年となり、2012年からはBRZで参戦することとなっている。

脚注・出典

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:自動車テンプレート:スバル車種年表
  1. 特に「ツーリングワゴン」は日本を代表するステーションワゴンとして知られている。
  2. モーターファン別冊 ニューモデル速報 第68弾「スバルレガシィのすべて」三栄書房、1989年3月1日
  3. 失敗百選 〜富士重レガシィのアクセル緩まず、リコール隠し〜
  4. 公式には「BOXER+4WD」の略と、イタリア語でクローズドボディ(屋根付き)の高性能車を表す「Berlinetta(ベルリネッタ)」に、「4」ドアを組み合わせた造語のダブルミーニング。ただし、厳密にはBerlinettaは2ドア車を指し、本車の場合は「Berlina」が正しい。
  5. 製造はマッキントッシュ社と業務提携、後に親会社となったクラリオン社である。
  6. ドイツ語で「稲妻が輝く」を意味する。
  7. [1]
  8. 『新世紀レガシィ』 ツーリングワゴン 世界最速ワゴン記録更新! 富士重工業ニュースリリース、1998年6月17日
  9. スバル レガシィ ワゴンシリーズをフルモデルチェンジ 『新世紀レガシィ』を発売 富士重工業ニュースリリース、1998年6月17日
  10. 特別仕様車 スバル レガシィ ツーリングワゴン 「TStypeR Limited」「Brighton-S」を発売 富士重工業ニュースリリース、1998年11月2日
  11. スバル レガシィ セダンをフルモデルチェンジ 『レガシィ B4(ビー フォー)』を発売 富士重工業ニュースリリース、1998年12月21日
  12. 12.0 12.1 12.2 12.3 12.4 スバル レガシィシリーズを一部改良 富士重工業ニュースリリース、1999年5月24日
  13. スバル レガシィ ランカスターに 「ランカスターADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」を追加 富士重工業ニュースリリース、1999年9月24日
  14. 東京モーターショー出展概要 富士重工業ニュースリリース、1999年10月13日
  15. 発売1周年記念特別仕様車 スバル レガシィB4「RS type B」を発売 富士重工業ニュースリリース、1999年11月24日
  16. 特別仕様車 スバル レガシィB4 「BLITZEN(ブリッツェン)」を発売
  17. 17.0 17.1 17.2 スバル レガシィシリーズを一部改良 富士重工業ニュースリリース、2000年5月24日
  18. 富士重工業 コンパクトな水平対向6気筒エンジンを新開発 富士重工業ニュースリリース、2000年5月24日
  19. 特別仕様車 スバル レガシィ ツーリングワゴン「TX-G」を発売 富士重工業ニュースリリース、2000年10月3日
  20. スバル レガシィ ツーリングワゴン「GT-Limited」を発売 富士重工業ニュースリリース、2001年1月24日
  21. スバル レガシィ ツーリングワゴン/B4「BLITZEN 2001 model」を発売 富士重工業ニュースリリース、2001年1月11日
  22. 22.0 22.1 スバル レガシィシリーズを改良 富士重工業ニュースリリース、2001年5月22日
  23. 【スバル エンブレム(六連星:むつらぼし)の採用】 富士重工業ニュースリリース『スバル レガシィシリーズを改良』内、2001年5月22日
  24. スバル レガシィ ツーリングワゴン 「GT30」および B4「RS30」を発売 富士重工業ニュースリリース、2002年1月21日
  25. スバル レガシィ ツーリングワゴン/B4 「BLITZEN 2002 model」を発売 富士重工業ニュースリリース、2002年2月8日
  26. スバル レガシィ B4「S」を発売 富士重工業ニュースリリース、2002年5月21日
  27. スバル レガシィ ツーリングワゴン/B4「BLITZEN6」を発売 富士重工業ニュースリリース、2002年8月21日
  28. スバル レガシィ B4 「BLITZEN 2003 model」を発売 富士重工業ニュースリリース、2002年12月24日
  29. BE/BH型では、5ナンバーという制約内で側面衝突安全性を確保するため、Bピラー内に鋼棒を組み込むなど苦肉の策とも言える設計が一部採用されており、重量増加の一因ともなっていた。
  30. LPGとガソリンを切り替えて使用できる。
  31. Electrolytic In-Process Dressing = 電解インプロセスドレッシング(目立て)
  32. 富士重工業プレスリリーステンプレート:PDFlink2006年5月30日
  33. スバル・EE20を参照のこと。
  34. 詳細はスバル・EJ25#DOHC AVCS ターボを参照のこと。
  35. ドイツ語で「(美しく)輝く」を意味する。
  36. 富士重工業ニュースリリーススバルレガシィシリーズを一部改良、2008年5月8日
  37. これにより、サッシュレスの4ドアセダン/ワゴンの日本車は完全に姿を消している。
  38. 富士重工業、韓国でスバル車の販売を開始富士重工業株式会社公式サイト内プレスリリース 2010年1月21日
  39. 富士重工業株式会社 ニュースリリース - 2009年10月23日閲覧
  40. 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA:ナスバ)
  41. 特別仕様車 スバル レガシィ「EyeSight Sport Selection」を発売富士重工業ニュースリリース、2010年11月16日
  42. 3代目や4代目のマイナーチェンジの際にテンプレート:要出典範囲
  43. S PackageはEyeSight装着車にのみ設定される。
  44. スバル レガシィ特別仕様車を発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年10月29日
  45. 現行型レガシィ注文受付終了のお知らせ
  46. スバル「レガシィ コンセプト」を2013年LAオートショーにて世界初公開 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年11月14日(2014年6月28日閲覧)
  47. スバル 新型「レガシィ」を2014年シカゴオートショーにて世界初公開 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2014年2月7日(2014年6月28日閲覧)
  48. 第1次世界大戦後の1923年に設立された、戦争未亡人や孤児などの援助基金「Legacy Australia」(en:Legacy Australia)という団体がある。