スバル・レガシィアウトバック
テンプレート:国際化 テンプレート:画像改訂依頼 テンプレート:Pathnav レガシィアウトバック(LEGACY OUTBACK )はスバルのレガシィシリーズで、レガシィ・ツーリングワゴンをベースに最低地上高を200mmにしたステーションワゴンとSUVの中間の自動車(クロスオーバーSUV)である。なお、本稿では、先代のレガシィグランドワゴン/レガシィランカスターも取り扱う。
目次
概要
元々スバルは主要輸出マーケットであるアメリカで、レオーネ4WDによって「廉価で丈夫で悪路に強い」といった評価を獲得していた。しかしそれは逆に言うと「ファーマーズカー」、つまり農家の車という地味なイメージも付く原因にもなった。当時の富士重工業は、好調なアメリカ向けの輸出への過度の依存による組織の硬直化が進み、さらに1985年9月のプラザ合意以降、1980年代後半の急激な円高によって企業存亡の危機に瀕し、1980年代末には専門誌や新聞等で公然と他社による買収や吸収合併、倒産の危機が報道されるほどの厳しい局面を迎えていた。
この危機からの打開のため、開発主管制度の導入、開発部門の連携の強化などの大規模な組織改革が断行され、開発コード「44B」として開発が進められ、1989年1月、起死回生の一作として送り出したのが初代レガシィであった。主要輸出マーケットであるアメリカで、それまでのレオーネの地味なイメージを覆すことに徐々に成功しつつあり、富士重工業の経営建て直しにも明るい兆しが見え始めていた。
一方、アメリカでは1960年代中盤以降、「ジープ・チェロキー」、「シボレー・ブレイザー」といったSUVに対する根強い需要が常にあり、特に1990年代に入ると都市部においてもこうしたSUVを所有することが一種のステータス・シンボルと見なされブームとなっていた。しかし、こうしたSUVは大きく、重く、燃費が悪いうえ、取り回しもし難いなどの短所もあった。
レガシィは洗練されてはいたが、レオーネの様な野性味ある雰囲気は薄れていた。さらにいすゞとの合弁で1989年から稼動を開始したSIA(スバル・イスズ・オートモーティブ→スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ)でいすゞが生産するSUVをホンダにOEM供給(ホンダ・パスポート)していることがアメリカ内の代理店から不満として富士重工業に寄せられ、早急なSUVの投入が必要だったと言われている。
もともと、富士重工業社内にはアウトドアライフを嗜む開発担当者が多く、こうした声に応え、当時主にアメリカ向けに新開発されたレガシィの2.5L水平対向エンジン搭載車をベースに、オールウェザータイヤ、200mmのロードクリアランスとゆったりとした乗り心地を与え、内外装によりラギッド[1]テイストを付加するなど、商品化はツボを押さえ、非常にスムーズに進んだと言われている。
アメリカ向けには1994年から「アウトバック」として、日本国内向けには1995年8月から「レガシィ・グランドワゴン」(GRAND WAGON )として発売された。日本国内向けについてはその後の1997年の小変更で「レガシィ・ランカスター」(Lancaster )に変更され[2]、1998年にフルモデルチェンジした2代目もその名称を継承した。3代目は日本でも「アウトバック」となり世界統一かと思われたが、2006年のマイナーチェンジで日本国内向けについては「レガシィ・アウトバック」となった。
当初「SUW(スポーツ・ユーティリティ・ワゴン)」という新しいカテゴリーのクルマとして、「The World's First SUW」(世界初のSUW)、「The Best of Both World」(乗用車とSUVの双方の長所を兼ね備えた)というコピーで投入されたが、ターゲットとしたアメリカ市場での販売は芳しくなかった。しかし、現地S.O.A(スバル・オブ・アメリカ)の地道な努力が実り、1年ほどで販売は好調に転じ、アメリカにおけるスバルの主要ラインナップとして富士重工業の経営建て直しに非常に大きな貢献をした。
2006年、アメリカ合衆国におけるスバルの販売台数は史上初めて年間20万台を突破したが、最量販モデルは5万9,262台が販売されたアウトバックであった[1]。
日本国内にはワゴンタイプのボディしかないが、初代、2代目、3代目(2007年モデルまで)の北米仕様にはセダンボディも存在した。
名称の由来
歴史
初代(1995-1998年)BG系
- (日本仕様はレガシィグランドワゴン/初代レガシィランカスター)
- 1995年8月
- 発売。エンジンは「250T」と同じ2.5L(EJ25型)水平対向4気筒を搭載。
- 1996年6月
- マイナーチェンジ。エンジンは形式こそ同じだが、「MASTER4」に刷新された。エクステリアはテールレンズの一部がスモーク化された程度だが、インテリアについてはハザードスイッチ周辺のインパネデザインとパワ-ウインドウのスイッチデザインが変更されたほか、リヤシートはヘッドレストを外さなくてもシートバックを可倒できるようになった。ボディカラーについても全て新色に差し替えられた。
- 1996年11月
- 特別仕様車「250クルーザー」を発売。本皮革xファブリックの専用シートや木目調パネル、専用色のフロントグリル、通常モデルには非設定のブラックマイカまたはピュアホワイトとグレーオパールの2トーンなどを装備。
- 1997年8月
- マイナーチェンジに伴って「グランドワゴン」から「ランカスター」に車名を変更。デュアルレンジ(副変速機)付き5速マニュアルモデルが追加され、同時にプロジェクターヘッドライト等を装備した「リミテッド」が登場。
2代目(1998年-2003年/日本国外仕様:1998年-2004年)BH系
- (日本仕様は2代目レガシィランカスター)
- 1998年6月17日
- ツーリングワゴンと同時にフルモデルチェンジ[3]。ワゴン専用設計になったことでパッケージングと機能面の両立を図り、さらに、最低地上高を200mmに保ったまま全高を1,550mmと低くなったことで機械式立体駐車場への入庫に対応。ツーリングワゴンの「GT-VDC」や「GT-B」にも採用されている高速走行時の空力性能の向上や風切音を低減するダイレクトタイプルーフレールに加え、フェンダーやドアパネル下部に傷付きや錆の発生を抑える樹脂製のサイドクラッディングも追加し、フロントバンパーを大型化。カーゴルームはリアサスペンションをマルチリンク式に変更したことでスペースが大幅に拡大され、フラットフロア化。さらにサブトランクを2分割化されたほか、カーゴファンを新設計にしたことで換気能力・静粛性を高めた。エンジンは従来通りEJ25型だが、新たにAVCSが搭載されたことで実用領域でのトルクが増大された。トランスミッションも先代同様、5MTと4ATの2種類が設定された。
- 1999年5月24日
- 一部改良[4]。オフディレイ付はさみこみ防止パワーウインドゥが新たに装備され、5MT車にはクラッチスタートシステムも追加。ボディカラーには「アークティックシルバー・メタリック/グレー・オパール」の2トーン仕様が追加された。
- 1999年9月24日
- 2基のCCDカメラによるステレオ画像認識装置、クルーズコントロール、ナビゲーションシステム、VDC-4WDで構成された世界初のドライバー支援システム「ADA」とHIDヘッドライトを標準装備した「ランカスターADA」を追加[5]。同時に、HIDヘッドライト、ガンメタリック塗装16インチアルミホイール、濃色ガラス(リアドア・リアクォーター・リアゲートガラス)、ダークグレー/グレー2トーン内装、ケンウッド(現・JVCケンウッド)製CD/MDプレーヤー一体120Wオーディオ等を装備し、VDC-4WDをオプション設定した特別仕様車「S Limited」を発売[6] 。なお、「ランカスターAHA」・「S Limited」ともに4ATのみの設定である。
- 2000年5月24日
- 一部改良[7]。スバル車としてはアルシオーネSVX以来となる水平対向6気筒エンジンEZ30型を搭載した「ランカスター6」を追加(4ATのみの設定)。3ヶ所に触媒を採用したことで「平成12年基準排出ガス50%低減レベル(優-低排出ガス)」認定を取得。併せて、特別仕様車として販売されていた「S Limited」を「ランカスターS」としてカタロググレード化するとともに、ドアミラーを大型化。フロントグリルをチタン色に、エンブレムをグレー・メタリックにそれぞれ変更した。
- 2001年5月22日
- マイナーチェンジ[8]。フロント部を立体的な造形とするとともに、フロントグリルのオーナメントをスバルのCIである六連星エンブレムに変更。サスペンションの改良を行ったほか、2.5L車は排出ガス浄化性能の向上により、「平成12年基準排出ガス25%低減レベル(良-低排出ガス)」認定を新たに取得した。「ランカスター6」は視認性を向上させるブラックフェイスメーターを採用。「ランカスターADA」は3.0L車の「ランカスター6」に移行して「ランカスター6 ADA」に改名するとともに、「ADA」はVDCのプレビュー制御が新たに追加され、車間距離制御クルーズコントロールは3段階の車間距離切替と2段階の警報音量切替機能を追加。標準装備のナビゲーションをCD-ROMからDVD-ROMに変更した。
- 2001年10月22日
- 「ランカスターS」をベースに、ブラックフェイスメーター、MDプレーヤー&6連奏CDチェンジャー・AM/FMチューナー一体120Wオーディオ、HIDロービームランプを装備し、フロントグリルとドアハンドルをカラード化、ダークグレーインテリアを採用した特別仕様車「ランカスターS Limited Edition」を発売(1,000台限定販売)[9]。
3代目(日本仕様は初代レガシィアウトバック) BP系(2003年 - 2009年)
- 2003年10月22日
- 全世界統一の「アウトバック」に改称し、フルモデルチェンジ[10]。エンジンの型式は変更ないものの、EJ25型はSOHC化され、レギュラーガソリン仕様としたことで経済性にも配慮。EZ30型は吸気バルブにAVCSとダイレクト可変バルブリフトを採用したことで走行状況に応じてバルブ開閉タイミングを連続的に変化させ、2つの吸気バルブのリフト量を個別に変化させることで高出力化と排出ガス浄化性能を両立。これらにより、全車「平成12年基準排出ガス75%低減レベル(超-低排出ガス)」認定を取得し、低燃費化も実現。四輪駆動システムが「Symmetrical AWD(シンメトリカルAWD)」となり、3.0L車にはVTD-AWDを採用。さらに、VDCをメーカーオプション設定した。グレード体系は「2.5i」と「3.0R」の2グレードとなり、トランスミッションはATのみ(「3.0R」は5速ATに多段化)となった。
- 2004年5月17日
- 一部改良(B型)[11]。運転席シートベルトにダブルプリテンショナー機能を追加し、間欠フロントワイパーを車速感応式に変更。メーカーオプションも拡充され、「3.0R」にはSUBARU G-BOOK対応 LEGACYビルトインDVDナビゲーションシステムを、「2.5i」には、「3.0R」のみで設定可能だったVDCがそれぞれ設定された。併せて、全車で「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」認定を取得した。同時に、全グレードをベースとしたL.L.ビーンとのコラボレーションモデルである「L.L.Bean EDITION」を発表(同年6月22日販売開始)。外装色は4種の専用色を用意し、アルミホイールもガンメタリック塗装を施した専用品を装着。シートは本革とアルカンターラを組み合わせたコンビシートを採用している。また、ステアリングやドアトリムなどにも木目調パネルと多用し、上質感のあるアウトドアイメージを演出している。「2.5i L.L.Bean EDITION」にはカーゴソケット、カーゴファン、ステンレス製カーゴステップも追加装備している。
- 2005年5月24日
- 一部改良(C型)[12]。ボディカラーにツーリングワゴンやB4に設定されている「アーバングレー・メタリック(モノトーン)」を追加し、サスペンション・コイルスプリング・スタビライザーを改良したことで操舵安定性と乗り心地を向上。「3.0R」・「3.0R L.L.Bean EDITION」はスロットル開度とトランスミッション変速タイミングの制御を最適化したことでアクセル操作に対するリニアな加速を実現した。併せて、「2.5i」をベースに、エレクトロルミネセントメーター、運転席8ウェイパワーシート、MOMO製本革巻ステアリングホイール、ステアリングスイッチ付スポーツシフト、アルミパッド付スポーツペダル(アクセル、ブレーキ、フットレスト)を装備した特別仕様車「2.5i S-style」を発売。
- 2005年12月1日
- 既発売の「2.5i S-style」にブラックインテリア、クルーズコントロール、UVカット機能付濃色ガラス(リアドア・リヤクォーター・リヤゲート)、クリアビューパック、ガンメタリック塗装17インチアルミホイールを追加した特別仕様車「2.5i S-style ブラックインテリアセレクション」を発売[13]。
- 2006年5月24日
- マイナーチェンジ(D型)し、現在の「レガシィアウトバック」に改名[14]。フロントグリルを6角形に変更したほか、リアコンビランプのウィンカーをクリア化し、テールランプの内側に丸形リフレクターを追加。さらに、リアコンビランプ・バックランプ・リアフォグランプをメッキモールで繋ぐことでリアデザインの広がり感や質感を強調。エンジンにも改良が施され、「2.5i」は可変バルブリフト機構「i-AVLS」を新たに採用したことで排出ガス性能と出力を向上。「3.0R」は可変バルブリフトのカムプロファイルや排気ポートおよびエキゾーストパイプの形状を変更したことで、燃費性能や排出ガス性能を向上。これらにより、全車「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得した。トランスミッションにはマニュアルモード走行でギアを固定したまま加速する際、アクセルを踏み続けると自動でシフトアップするオートアップシフト機構を採用したほか、「3.0R」にはECUとの協調制御でシフトダウン後のエンジン回転数を予測してあらかじめエンジン回転数を上げることでマニュアルモード走行時でのシフトダウンの変則をよりスムーズにするダウンシフトブリッピングコントロール(回転同期制御)も採用した。併せて、ECU・電子制御スロットル・TCUを機密に協調制御し、用途に合わせて、「インテリジェント」・「スポーツ」・「スポーツシャープ」の3つのモードを任意で切り替えでき、異なる走行性能を愉しむことを可能にする「SI-DRIVE」を装備した。装備面ではカーゴフロアに表面をカーペットフロア、裏側はトレイ状のハードフロアとしたリバーシブルタイプのフロアマットを採用したほか、「3.0R」に左右独立温度調整機構付フルオートエアコン、リアベンチレーション、運転席メモリー機能付8ウェイパワーシート、テレスコピック機能を採用し、カップホルダーをリアアームレスト前端にも設置した。「2.5i」は運転席メモリー機能付8ウェイパワーシート(本革シートとセット)とテレスコピック機能をメーカーオプションに設定したほか、特別仕様車で好評だった「S-style」を上質感とスポーツ性を高める装備品をパッケージしたセットオプションに変更した。なお、「L.L.Bean EDITION」は上述のマイナーチェンジに伴う変更を受け継続販売される。
- 2006年11月15日
- 「2.5i S-style」をベースに、左右独立温度調整機構付きフルオートエアコン、助手席8ウェイパワーシート、保温冷機能付フロアコンソールボックス、リアベンチレーション、カップホルダー付きリヤシートセンターアームレストを装備した特別仕様車「2.5i S-style LIMITED」を発売。ボディカラーは「ダイヤモンドグレー・メタリック」や「リーガルブルー・パール」のモノトーン色を含む5色を設定した[15]。
- 2007年5月15日
- 一部改良(E型)[16]。ボディカラーに「スティールシルバー・メタリック」と「トパーズゴールド・メタリック」を追加したほか、「3.0R」にはSUBARU G-BOOK ALPHA対応専用オーディオ一体型HDDナビゲーションシステムを新たにメーカーオプション設定し、アクセスキーを携帯することでドアの施錠・解錠からエンジン始動までワンプッシュで行えるキーレスアクセス&プッシュスタートを標準装備した。併せて、新グレードとして、フロント部に設けられたレーザーレーダーによる全車速追従機能を備えたSIレーダークルーズコントロールをはじめ、シートポジションメモリー機能付運転席8ウェイパワーシート、助手席8ウェイパワーシート、リアベンチレーション、VDCを装備した「3.0R SI-Cruise」を追加し、さらに、特別仕様車「2.5i S-style」を新仕様で再発売。新たに4速スポーツシフト(パドルシフト付)、ステアリングテレスコピック機能、17インチハイラスター塗装アルミホイール、濃色ガラス、クリアビューパックを追加装備し、MOMO製本革巻ステアリングホイールにオーディオリモートコントロールスイッチを追加した。さらに、「2.5i S-style」の追加装備内容を一部差し替え、MOMO製ステアリングホイールをウッド&本革巻に変更し、助手席8ウェイパワーシート、左右独立温度調整機能付フルオートエアコン、リアベンチレーションを追加した特別仕様車「2.5i L-style」も発売した。
- 2007年11月14日
- 「2.5i」をベースに、ポップアップウォッシャー付バイキセノンヘッドランプ、シルバーステッチ入りレザー/アルカンターラシート、アルミパッド付きスポーツペダル、ハイラスター塗装17インチアルミホイールを装備し、電動格納式リモコンドアミラーとダイレクトタイプルーフレールに金属調シルバー塗装を採用した特別仕様車「2.5i Urban selection」を発売。ボディカラーには専用色の「リーガルブルー・パール」を含む5色を設定するほか、100台限定で新色の「ライトニングレッド(オプションカラー)」も設定された[17]。
- 2008年5月8日
- 一部改良(F型)[18]。ボディカラーに「カメリアレッド・パール」と「サンライトゴールド・オパール(アウトバック専用色)」を追加。ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー内蔵のバイキセノンヘッドランプを新たに装備し、「2.5i」には従来は「3.0R」系のみの装備だった「SI-DRIVE」を新たに装備した。グレード体系を一部変更し、SIレーダークルーズコントロール装備車は3.0L車から2.5L車に移行して「2.5i SI-Cruise」に改名。3.0L車はステレオカメラと3D画像処理エンジンによってプリクラッシュセーフティを実現する運転支援システム「EyeSight」を標準装備した「3.0R EyeSight」に一本化した。併せて、スバル発売50周年を記念し、日本国内向けのレガシィシリーズとしては初となるEJ25型ターボエンジンを搭載した「2.5XT」、「2.5XT EyeSight」も発売した(2グレード合計で2,000台の限定販売)[19]。
- 2008年10月29日
- 「2.5i」・「2.5XT」をベースに、レンガ色のブリックレッドレザーシート(フロントシートヒーター付)、アルミ調加飾付本革巻ATセレクトレバー、アルミパッド付スポーツペダル、SRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグを装備し、ピラー/ルーフトリムをブラックに変更した「2.5i Premium Leather Limited」・「2.5XT Premium Leather Limited」[20]、「2.5i」をベースに専用シート表皮を採用するとともに、一部装備内容を見直すことでベース車よりも15.75万円割安に設定した「2.5i Smart Selection」[21]の3タイプの特別仕様車を同時発売した。
4代目(日本仕様は2代目)BR系(2009年 - )
- 2009年4月9日
- 2009年ニューヨーク国際自動車ショーにて、日本国外仕様では4代目となるアウトバックの北米仕様を世界初公開[22]。
- 2009年5月20日
- ツーリングワゴン・B4と共にフルモデルチェンジ(3タイプが一斉にフルモデルチェンジ・同時発売するのは初めてのこと)[23]。室内長・室内幅・室内高を拡大したことで、全幅は日本国内向けのスバル車としては最大となる1,820mmとなった[24]。エンジンは2.5L車は先代同様、i-AVLSを採用した改良型のEJ25型を搭載しているが、インテークマニホールドを樹脂製にし、ピストン形状を最適化するなど軽量化・フリクション低減を実現。また、新設定となる3.6L車は従来のEZ30型から外寸をほぼ据え置いたままで排気量を600ccアップしたことで、低速域からの力強いスムーズなトルク特性と環境性能を両立し、レギュラーガソリン仕様としたことで経済性にも配慮されたEZ36型(トライベッカと同じエンジン)に置換された。また、2.5L車はトランスミッションにチェーン式のバリエーター(主変速機機構)を採用した「リニアトロニック(6速マニュアルモード付)」に置換したことで燃費性能も向上したことで、「2.5i L Package」は「平成22年度燃費基準+20%」を達成した。また、ヒルホールド付電動パーキングブレーキといった前身車種であるグランドワゴンやランカスターも含めてこれまで採用されていなかった装備も導入された。グレード体系は2.5L車は「2.5i」と「2.5i L Package」、3.6L車は「3.6R」と「3.6R SI-Cruise」に整理。先代で採用されたSIレーダークルーズコントロール搭載車は3.6L車に移行し、頻繁な発進停車時のドライバーの負荷を軽減するため、停止保持機能を追加した。
- 2010年1月21日
- 富士重工業の韓国における販売特約店であるスバルコリアを通じて韓国で発売することを発表し[25]、同年4月末より発売を開始した(車名はアウトバック。韓国語:아웃백、発音的には「アウトべク」)。
- 2010年5月18日
- マイナーチェンジ(B型)[26]。初代・F型の一部グレードに装備されていた「EyeSight」が進化を遂げ、「EyeSight(Ver.2)」として「2.5i EyeSight」と「3.6R EyeSight」の2グレードに装備した。「EyeSight(Ver.2)」では、衝突回避性能を高めた"プリクラッシュブレーキ"、渋滞走行などの追従性を高め、先行車が停車した場合には自車も停車し、停止保持状態を維持する"全車速追従機能付クルーズコントロール"、前方に障害物を検知している状態でのペダルの踏み間違いによる誤発進を抑制する"AT誤発進抑制制御"等先進の機能を備えている。また、「2.5i L Package」では17インチアルミホイール、オートライト&オートワイパー、ヘッドランプウォッシャーなどを装備し機能を充実し、「EyeSight(Ver.2)」非搭載グレードにもクルーズコントロールを標準装備した。また、「3.6R EyeSight」では上級モデルに相応しく、シルバールーフレール、シルバー&クロームメッキドアハンドル、ハイラスター塗装17インチアルミホイール等を装備した。なお、「2.5i L Package」は「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。グレード体系の見直しにより、3.6L車は新設の「3.6R EyeSight」に集約された。
- 2010年11月16日
- 「2.5i EyeSight」・「3.6R EyeSight」をベースに、シルバーアルカンターラ/ブラック本革シート、シルバーアルカンターラのドアトリム、カーボン調加飾パネルを装備し、さらに、2.5L車には3.6L車に標準装備されているハイラスター塗装アルミホイールも装備した特別仕様車「2.5i EyeSight Sport Selection」・「3.6R EyeSight Sport Selection」を発売[27]。
- 2011年6月14日
- 一部改良(C型)[28]。足回りの見直しによる走行性能の強化、「EyeSight」の性能向上、室内側から確認できるターンインジゲーター付ドアミラーの採用、ボディカラーに新色の「アイスシルバー・メタリック」追加などを実施。併せて、「2.5i L Package」・「2.5i EyeSight」をベースに専用デザインのフロントフェイスを採用し、18インチアルミホイール&サマータイヤ、専用チューニングビルシュタイン製ダンパー等を採用し、高い操舵安定性と乗り心地を実現した特別仕様車「2.5i S Package Limited」・「2.5i EyeSight S Package Limited」を発売。
- 2011年10月18日
- ビームスとのコラボレーションモデル「2.5i EyeSight EX Edition」を発表(11月3日販売開始)[29]。「2.5i EyeSight」をベースに、インテリアにブラウン色のアルカンターラとアイボリー色のレザーを組み合わせた専用シート、充電機能のみを備えたUSB電源(フロント・リアに計4か所)、水洗い可能のマルチパーパスサブトランク&デュラブルフロア、ブラウン色のアクセスキーカバーを装備。エクステリアにもフロントグリル・フォグランプカバー・リアガーニッシュに専用サテンメッキを採用するとともに、ハイラスター塗装17インチアルミホイールとブラックルーフレールを装備した。ボディカラーは専用色のブリリアントブラウン・パールを含む3色を設定。2012年3月12日受注分までの500台限定販売である。
- 2011年12月15日
- 「2.5i Eye Sight EX Edition」のブリリアントブラウンパール×アイボリーの内外装組み合わせが、オートカラーアウォード2012でオートカラーデザイナーズセレクション(インテリア部門)を受賞[30]。
- 2012年5月8日
- マイナーチェンジ(D型)[31]。ツーリングワゴン・B4同様にフロントフェイスの刷新に加え、グリルとバンパーに専用デザインを採用し、大型フォグランプも装備。内装は加飾パネルをダークメタリック調に変更し、新デザインのシート表皮を採用。電動パーキングブレーキはセンターコンソール部に移設したことで操作性を向上させた。「2.5i」を除く全グレードでルミネセントメーター中央部に3.5インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイが設けられ、各種情報を的確に読み取れるようになった。2.5L車は新世代ボクサーエンジンであるFB25型に置換し、「リニアトロニック」はパーツやレイアウトを最適化することで小型・軽量化。さらに、一部グレードでシリーズ初となるアイドリングストップシステムも搭載。これにより、「2.5i L Package」と「2.5i EyeSight」は「平成27年度燃費基準」を達成した(2.5L車はエンジンの置換により車両型式をBRM型に変更)。「EyeSight(ver.2)」はカメラ画像認識処理の変更により、遅い車両への追いつき時の応答性改善やカーブ時の前走車認識性能が向上して衝突回避性能が高められた、アイドリングストップ搭載車では協調制御を行うことにより燃費と利便性向上の両立が図られた。また、一定車速以上走行時にブレーキとアクセルが同時に踏まれた場合にはエンジン出力を絞ってブレーキを優先させる「ブレーキオーバーライド」も採用した。なお、2011年6月に発売した特別仕様車「2.5i EyeSight S Package Limited」は装備内容の見直しと改良により、「2.5i EyeSight S Package」としてカタロググレードに昇格した。
- 2013年5月14日
- 一部改良(E型)[32]。新たに2.5L車の最上位グレードである「2.5i EyeSight S Package」と共通デザインの専用フロントグリルやブラックベゼルのHIDロービームランプなどの外装を採用するとともに、マルチインフォメーションディスプレイ、フルオートエアコン(左右独立温度調整機能、後席ベンチレーション)、「EyeSight(ver.2)」も装備した充実仕様のエントリーグレード「2.5i B-SPORT EyeSight」を追加(なお、ツーリングワゴン・B4に設定されている同グレードと装備内容が一部異なっており、ツーリングワゴン・B4では上位グレードの「2.5i B-SPORT EyeSight G Package」で標準装備となる17インチアルミホイール(ガンメタリック塗装)、アルミパッド付スポーツペダル(アクセル、ブレーキ、フットレスト)、カーボン調加飾パネル、ファブリック(スポーティクロス)/合成皮革シートが「アウトバック」の本グレードでは標準装備となる)。なお、本グレードの追加に伴って、「2.5i L Package」を廃止した。
- 併せて、2011年11月に発売した特別仕様車「2.5i EyeSight EX Edition」を新仕様で再発売(同年6月3日販売開始、同年12月末受注分までの600台限定販売)[33]。今回はルーフレールをクロスバービルトインタイプに、ドアミラーをサテンメッキに、シートをアイボリーステッチ付のブラウンレザーにそれぞれ変更し、新たに専用サイドシルクラッディング、シルバー&クロームメッキドアハンドル、フロントシートヒーター、ブラウンドアアームレスト&フロアコンソールリッド(アイボリーステッチ)、艶消しダーク木目調パネル追加。また、水洗い可能のマルチパーパスサブトランク&デュラブルフロアを引き続き採用し、ボディカラーは従来の3色から4色に増やした。
- 2013年10月29日
- 特別仕様車「2.5i EyeSight EX Edition II」を発表(12月26日販売開始)[34]。同年5月に発売された「2.5i EyeSight EX Edition」の廉価版で、シートをファブリックシート(オプションでブラックレザーシートの選択可)仕様とした.またオプションのサンルーフ設定は廃止した.
- 2013年12月24日
- 最上級グレードの「3.6R EyeSight」をベースに、レザーシート(アイボリーステッチ・パイピング)やアームレスト&フロアコンソールリッド(アイボリーステッチ)にブラウンを、加飾パネルやリヤシートセンターアームレスト(金属調リングカップホルダー付)には艶消しダーク木目調加飾をそれぞれ採用することで上質であたたかみを感じるくつろぎのある室内空間を演出するとともに、専用17インチアルミホイール(ガンメタリック塗装+切削光輝)、専用大型ルーフレール(クロスバービルトインタイプ)、ダーク調フロントグリル、サテンメッキドアミラーなどを装備し、スバルブランドのフラッグシップに相応しいモデルに仕上げた特別仕様車「Grand Master(グランドマスター)」を発表(2014年2月27日販売開始)[35]。
東京都と京都府には、前期モデルの個人タクシーが存在する[36]
- SUBARU OUTBACK BR9 2.5i S Package Limited.jpg
前期型 2.5i-S Package Limited
5代目
- 2014年4月18日
- ニューヨーク国際自動車ショーに日本国外仕様では5代目となるアウトバックの米国仕様を世界初公開[37]。
アウトバックスポーツ
北米仕様には1994年から2011年までインプレッサの車高を上げたアウトバックスポーツも設定されていた。日本では初代モデルがインプレッサグラベルEXとして発売された(WRXがベース)。アウトバックスポーツはアウトバックと異なり外観の意匠はほとんどベース車のままであったが、グラベルEXは当時のRVブームに合わせガードバーなどを装備し、ベース車との差別化を図った。アウトバックスポーツはグローバル展開のXVの登場により2011年に消滅した。
コンセプトが類似している車種
- 前述した同じスバル以外の車種をごく一部であるが挙げる。
- AMC・イーグル(1980–1988年)
- トヨタ・スプリンターカリブ(1982-2002年)
- ボルボ・V70クロスカントリー(後にボルボ・XC70へ変更)(1997年-)
- アウディ・A6オールロードクワトロ(後のアウディ・オールロードクワトロ)(1999年-)
- 日産・ステージア・AR-X(2001-2004年)
- アルファロメオ・156・クロスワゴン(2004-2007年)
脚注・出典
- ↑ Rugged=英語で「荒削りな」の意
- ↑ ただし、変更後もリヤゲートには「GRAND WAGON」のエンブレムが付いていた。
- ↑ スバル レガシィ ワゴンシリーズをフルモデルチェンジ『新世紀レガシィ』を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 1998年6月17日(2013年6月27日閲覧)
- ↑ スバル レガシィシリーズを一部改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 1999年5月24日(2013年6月27日閲覧)
- ↑ スバル レガシィ ランカスターに 「ランカスターADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」を追加 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 1999年9月24日(2013年6月27日閲覧)
- ↑ 特別仕様車 スバル レガシィ「ランカスター S Limited」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 1999年9月24日(2013年6月27日閲覧)
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- ↑ スバル レガシィ 「ランカスターS Limited Edition」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2001年10月22日(2013年6月27日閲覧)
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- ↑ スバル レガシィ シリーズ 特別仕様車「ブラックインテリアセレクション」および「2.0GT-Limited」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2005年12月1日(2013年6月27日閲覧)
- ↑ スバル レガシィシリーズを改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2006年5月24日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ スバル レガシィ「2.0i B-SPORT LIMITED(ビー スポーツ リミテッド)」、およびアウトバック「2.5i S-style LIMITED(エス スタイル リミテッド)」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2006年11月15日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ スバル レガシィシリーズを一部改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2007年5月15日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ スバル レガシィ シリーズに、特別仕様車「Urban selection」を展開 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2007年11月14日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ スバル レガシィシリーズを一部改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2008年5月8日
- ↑ スバル発売50周年記念 スバル レガシィ アウトバック「2.5XT」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2008年5月8日
- ↑ 特別仕様車 スバル レガシィ「Premium Leather Limited」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2008年10月29日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ 特別仕様車 スバル レガシィ「Smart Selection」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2008年10月29日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ 富士重工業 新型スバル アウトバックを発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2009年4月9日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ 新型スバル レガシィ シリーズを発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2009年4月9日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ ただし車体設計は1,780mmの標準ボディであり、フェンダーの拡張で1,820mmとなっている。
- ↑ 富士重工業、韓国でスバル車の販売を開始 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2010年1月21日
- ↑ スバル レガシィ シリーズを改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2010年5月18日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ 特別仕様車 スバル レガシィ「EyeSight Sport Selection」を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2010年11月16日
- ↑ スバル レガシィ シリーズを改良 あわせて アウトバックに特別仕様車を設定 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2011年6月14日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ 特別仕様車 スバル レガシィ アウトバック「2.5i EyeSight EX Edition」を発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2011年10月18日
- ↑ オートカラーアウォード2012各賞決!!
- ↑ スバル レガシィ シリーズを改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2012年5月8日(2013年6月28日閲覧)
- ↑ スバル レガシィ シリーズを改良 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年5月14日(2013年6月28日)
- ↑ 特別仕様車 スバル レガシィ アウトバック「2.5i EyeSight EX Edition」を発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年5月14日(2013年6月28日)
- ↑ スバル レガシィ特別仕様車を発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年10月29日
- ↑ [http://www.fhi.co.jp/news/13_10_12/13_12_24_97062.html 特別仕様車 スバル レガシィ アウトバック「Grand Master(グランドマスター)」を発表 ] - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年12月24日
- ↑ 東個協仕様全京都個人仕様
- ↑ スバル 新型「アウトバック」を発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2014年4月18日(2014年6月28日閲覧)
関連項目
- スバル・レガシィツーリングワゴン - アウトバックのベース車。
- スバル・バハ - 2代目アウトバックをベースとするピックアップトラック。
- スバル・XV
- スバル・フォレスター
- スバル・トライベッカ