クラリオン
テンプレート:Infobox クラリオン株式会社(Clarion Co., Ltd.)は、埼玉県さいたま市中央区新都心に本社を置く日本の車載音響機器メーカー。日立グループ(日立製作所の連結子会社)。社名は高音域の巻管の楽器クラリオン(ビューグル)に由来する。
概要
カーAV(カーオーディオやカーナビゲーション)、バス用の放送装置などが主力商品である。日産やホンダを始めとする国内各自動車メーカーや、日本国外ではPSA・プジョーシトロエン・ルノー等へ純正ナビ・オーディオをOEM納入している。2005年にはApple iPodと連携したカーオーディオ、「VRX755VD」(北米向け)を発売し、引き続き日本国内でも同様のカーオーディオやカーナビを発売した。日産純正カーナビでのiPod対応型も発売した。2007年には、多様なメディアの再生機能や高い耐久性が評価され、米国で販売していた「VRX935VD」と「VCZ625」の2製品がアメリカ航空宇宙局に採用された。カーAV機器としては世界で初めて、自動車と同じ12V電源を持つ国際宇宙ステーション内に取り付けられる。2012年6月には、自動車向けクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」を開始する。
バス用機器も事業の柱のひとつで、音声合成放送装置や運賃表示機、行先表示機、シンセサイザーカラオケなど多岐に亘る。特に国内路線バス向け音声合成システム市場においては、約7割のシェアを持つ。(2007年現在)
かつては家庭・施設向けのカラオケも手掛け、この販売・楽曲配給はBMBが行っていた。現在も歌広場等でクラリオン製スピーカー等が設置されているのを見ることができる。
2002年からコンテンツ事業を開始した。Webサイト・携帯公式サイトも運営している。「Movieum」「Smart Access」「おなまえ鑑定団」。
キャンペーンガール「クラリオンガール」を主催していたことでも有名である。同社カーナビゲーションのガイド音声役でもある。
2010年発売のカーナビゲーションから、経路誘導時の音声を好みで変更することができる「ダウンロードボイス」を展開。現在では阿澄佳奈、竹達彩奈、金元寿子といった人気声優を起用している。
ブランド
- 1980年代前半、カーオーディオ「City Connection」シリーズを発売し、エマニエル坊やが出演するCMが話題になった。
- 1990年から2005年まで、日本国内でのカーAVのアフターマーケット用のブランドに「アゼスト」(ADDZEST)を使用していた(晩年期のCMには吉川晃司が出演)が、2006年から再び「クラリオン」に統一した。ちなみにノイズフィルターなどのアクセサリーパーツなどは「アゼスト」を冠することは無かった。
- 2007年からブランドイメージキャラクターとしてジャミロクワイを起用。イメージムービーの中ではボーカルの「ジェイ・ケイ」がイタリア・ジョルジェット・ジウジアーロデザインのコンセプトカー「モレー」で街を疾走するシーンが見られる。
沿革
- 1940年(昭和15年)12月 - 東京都文京区白山前町21番地に白山無線電機株式会社を設立、電池式家庭用ラジオの製造を開始。
- 1943年(昭和18年)11月 - 瀧澤無線電機工業を合併、商号を帝国電波株式会社に変更。
- 1948年(昭和23年) - 日本初のカーラジオを開発、発売。
- 1962年(昭和37年)8月 - 東京証券取引所市場第二部に株式上場。
- 1963年(昭和38年)10月 - 日本初のカーステレオを開発。翌年発売。
- 1968年(昭和43年)3月 - 日本初のカセットカーステレオを発売。 カラークッキング全20冊刊行開始。
- 1969年(昭和44年)8月 - 大阪証券取引所市場第二部に株式上場。
- 1970年(昭和45年)2月 - 東京証券取引所・大阪証券取引所市場第一部に指定替。
- 1970年(昭和45年)12月 - 商号をクラリオン株式会社に変更。
- 1992年(平成4年)2月 - 日本初の音声誘導式ナビゲーションを発売。
- 1998年(平成10年) - マイクロソフト社と共同で、世界初の車載コンピューター「Clarion AutoPC」を開発、発売。
- 2005年(平成17年)5月 - 業界初、国内向けにiPod対応AV一体型HDDナビを発売。
- 2006年(平成18年)12月 - 日立製作所がTOBにより株式63.66%を取得し、日立製作所の連結子会社となる。
- 2007年(平成19年)1月 - 日立製作所より同業のザナヴィ・インフォマティクスの全株式の譲渡を受ける。
- 2007年(平成19年)8月 - 本社事務所をさいたま新都心へ移転し、名称を「本社事務所・技術センター」に変更。
- 2007年(平成19年)12月 - 同社のDVDセンターユニットが、カーAV機器として世界で初めて国際宇宙ステーションに採用されることを発表。
- 2009年(平成21年)4月 - 子会社のザナヴィ・インフォマティクスを吸収合併。[1]
- 2010年(平成22年)10月 - 本社所在地をさいたま新都心へ移転し、名称を「本社・技術センター」に変更。
- 2011年(平成23年)3月 - 世界初の車載用フルデジタルスピーカーを開発。
- 2012年(平成24年)6月 - 自動車向けクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」を構築。北米、日本でサービスを開始。
- 2013年(平成25年)5月 - Googleの音声認識・検索サービスを活用し「Smart Access」のクラウドサービスを拡充
主な取引先
- バス関連
- 道南バス CA-2000/2010
- 北海道中央バス CA-2010・CK-4000
- じょうてつ CA-2010(音声合成の系統設定器はなく、運賃箱の操作盤から各機器を一括設定)
- 函館バス CA-2000/2010
- 弘南バス
- 宮城交通
- ミヤコーバス
- 福島交通(バスICカード取扱車)
- 新潟交通(子会社含む)
- 都営バス(東京都交通局)
- 2007年度よりレゾナント・システムズ社製への装置切替を行っており、2008年に取引終了。(LED案内装置はクラリオン製を過半数の営業所で継続使用)
- 西武バス(小平・立川・大宮・所沢の各営業所のみ、他はレゾナント社製)
- 東急バス CA-6000のみ
- 京王電鉄バスグループ
- 2009年度に代替採用された車両は、レゾナント・システムズ製の機器を使用している。また、西東京バス自体はレゾナントを採用。
- はちバス(西東京バス)
- 遠鉄バス
- 大阪市営バス
- 近鉄バス
- 阪急バス
- 水間鉄道
- 北港観光バス
- 尼崎市交通局
- 神戸市交通局
- 両備ホールディングス
- 岡山電気軌道(岡電バス)
- 桑野営業所のみ使用で、他の営業所はレゾナント社製を使用。
- 下津井電鉄(下電バス)
- 伊予鉄道(一部の高速バス車両スピーカー)
- その他の車両はパナソニック製またはレゾナント社製を使用。
- 瀬戸内運輸
- 西鉄バス(子会社含む)
- 長崎自動車
- 2010年度末頃より順次レシップ製の機器装置に切替を行っている。